国内外の“現在進行形の愛”に感動ーーヤッ太郎役の山口勝平さんが『キャッ党忍伝てやんでえ』の過去と現在に思いを馳せる！　BD-BOX発売記念インタビュー

35周年を迎えて『てやんでえ』と振り返る時間が増えた喜び。BD-BOXはデジタルリマスタリングされてどんな映像になるのか楽しみ

――作品が忘れられていないどころか今アツいのがすごいですね。

山口：日本でも当時、観ていた方たちが今作り手側になって、アニメやゲーム業界で働いていたり、大人になってある程度、好きなものが買えるようになった世代の人たちが「『てやんでえ』が好きだった」とか「観てました」と声を挙げて盛り上がってくれています。海外でも同じような現象が起きて、盛り上がっているのがすごいですね。35年前の作品を当時から、または途中で知って愛してくれている方が世界中にこんなにいるんだと思えるのがすごく嬉しいです。

今、配信だったり少し前にDVD-BOXが発売されたりと『てやんでえ』を目にする機会ができて、そこからまた新しい世代の人たちに観ていただいて、「おもしろかったです」という過去形ではなく、「おもしろいです！」と現在進行形で言ってもらえることも多くなって、誇らしく思います。それと並行して『てやんでえ』と向き合う時間も増えたことは不思議だけど嬉しいことです。

そして今回のBD-BOX化で更にみんなと『てやんでえ』を楽しめる機会が持てるのは本当にありがたいです。

――BD-BOXでは最新のデジタルリマスターでどんな映像になるのかも楽しみです。

山口：僕らの時代のアニメはフィルム特有のザラザラ感や発色も抑え気味だったことで、いい意味でノスタルジーがあったと思います。それがデジタルリマスターによってBDに耐えうる映像になるというのはすごいことだと思います。

――もしかしたら子供たちはあのザラザラ感が好きではないという子もいるかもしれないので、そういう部分を取り除くことでより親子で楽しめるようになるのでは？

山口：そうなったらいいですね。僕もずっと親子で楽しんでほしいなと思いながら演じていましたから。あと動物キャラが好きな人から「最初の入口が『てやんでえ』でした」というメッセージをいただいたので、間口が広がるのは素晴らしいことです。

どこまできれいになるのかわかりませんが、デジタルリマスターによって発色も良くなると思うし、昔の作品が懐かしくよみがえるというよりも新たによみがえるという感じなのかなと。でも、今は昔のアナログ感も今のデジタル感も両方楽しめるからおもしろいですよね。それも『てやんでえ』を35年間愛してくださった方がたくさんいるから感じられることなので、僕もありがたく楽しませていただきます。

35周年以降も『てやんでえ』の盛り上がりを一緒に楽しんでいきましょう！

――2026年1月24日に山口さんとあかほりさんが出演する発売記念イベントが行われます。

山口：今からすごく楽しみです！　『てやんでえ』でイベントができること自体が信じられません。内容はまだ決まっていませんが、何時間あっても話したいことは尽きないし、ぽりりんと僕はよく脱線するのでどうなるのかなと。このイベントに来てくださる方だけにおしゃべりするつもりで自由にやりたいです。SNSへのつぶやき厳禁で（笑）。でも『てやんでえ』が好きな人が集まる場ができたことがとても嬉しいです。

あと僕の希望ですが、『てやんでえ』のイベントをこれだけでは終わらせたくなくて。例えば上映会とか生配信とかもやってほしいし、イベントがあるなら全部に出演したいです。他のキャストとも『てやんでえ』の話をしたい！　オールナイトのイベントとかいいかも。BD-BOXの宣伝担当の方、ご検討よろしくお願いします（笑）。

――では皆さんへメッセージをお願いします。

山口：まず『てやんでえ』をずっと愛してくださっている方、本当にありがとうございます。今回、35周年と言われなければ気が付かないくらい、自分の中ではずっと生き続けている作品であり、大事なキャラクターです。BD-BOXを発売していただけることは僕ら、そしてファンの皆さんへのご褒美みたいに思っています。これを機にたくさんの方の目に触れてもらえること、更に新しい『てやんでえ』好きの方が増えてもらえたなら役者冥利に尽きます。

35年前の作品なのに、今もなおファンが増えているほど、おもしろい作品です。『てやんでえ』は僕らの青春時代そのもので、全力で真剣にバカをやっているので、笑いながらも当時の熱を感じてもらえると思います。またBD-BOXのブックレットやオーディオコメンタリーでも当時の僕らの雰囲気に触れてみてください。

BD-BOXが発売されて、ご覧になった際はぜひSNS等での感想もよろしくお願いします。何ならBD-BOX発売までの高まる想いや当時の想い出でも嬉しいです。また少し経てば40周年になるし、『てやんでえ』熱はまだまだ続くと思います。この盛り上がりを一緒に楽しんでいきましょう！

[取材・文・写真／永井和幸]