
天野とのやり取りで塔子の「棋士らしさ」が見えた第10話。続く梨田との“デート回”では「普通の女の子らしさ」が見られる!?|アニメ『笑顔のたえない職場です。』角館塔子役・松井恵理子さん×原作・くずしろさん対談インタビュー
くずしろ先生が描く、漫画業界を舞台にした“ワーキングガールズコメディ”『笑顔のたえない職場です。』(講談社「コミックDAYS」連載)。
本作のTVアニメが、2025年10月6日(月)よりTOKYO MX・AT-Xほかにて放送中です。
アニメイトタイムズでは本作をより深く楽しむためのインタビュー連載を実施中。第7回となる今回は、双見の漫画で将棋の監修をしている女流棋士・角館塔子役の松井恵理子さんと、原作のくずしろ先生が登場!
初登場となった第3話や、棋士としての顔が垣間見えた第10話などを振り返っての感想や、“塔子と梨田のデート回”となる第11話の見どころなどを伺いました。
塔子は可愛さとカッコよさの切り替えが重要なキャラクター
──まずは、先ほど写真を一緒に撮影された、くずしろ先生のぬいぐるみの感想をお願いします。
角館塔子役・松井恵理子さん(以下、松井):もふもふ、モチモチで、こんなに大きな先生がいらっしゃるとは思わず、すごく可愛かったです。一緒に写真を撮ることができて嬉しかったです(笑)。
──では、本作への出演が決まったときの気持ちをお聞かせください。
松井:率直にすごく嬉しかったです。もともと、塔子さんはオーディション対象キャラではなかったのですが、原作を読ませていただいたときから「塔子さん、めちゃくちゃ面白いキャラだな」と思っていて。すごくチャーミングですが、ふとした瞬間にプロ棋士としてのカッコいいところや、ちょっと毒っぽさが出てくるのが魅力的だなと。マネージャーさんに「なんで(オーディションに)塔子さんがないんですか!」と言ってしまったくらいでした(笑)。
もちろん他のキャラも魅力的なので、いくつか受けさせていただいたのですが、塔子さんへの未練があって。なので「塔子さんに決まったよ」と言っていただいたときは嬉しかったんですが、「何で塔子さんに選んでいただけたのかな?」というのが謎で……。それを今日訊きたいなと思いました(笑)。
講談社担当編集:オーディションの対象には確かにいなかったキャラですが、作中で出番も多く人気の高いキャラということもあり、原作側から塔子さんの配役はこだわりたいということは音響制作担当やプロデューサーの方々に相談させていただきました。
その中で、オーディションの松井さんのお芝居を聴いて「塔子さんが合うんじゃないかな?」と。もしかしたら、松井さんから想いがにじみ出ていたのかもしれません。
松井:「塔子さんをやりたい!」という本音が(笑)。
原作・くずしろさん(以下、くずしろ):とあるアイドル作品での、松井さんのツンデレのお芝居も印象に残っていたんです。塔子もツンデレ味があるというか、チャーミングな部分と勝負師のモードをうまく切り替えていただけるんじゃないかなと思いました。
ただ、通るかは分からないから、まあ……と思っていたのですが、松井さんに決めていただけたので本当にありがたいです。決まったときは嬉しくて叫びましたね(笑)。
松井:こちらこそ、本当にありがとうございます!
──先生は、松井さんのお芝居を初めて聴いたときはいかがでしたか?
くずしろ:本当に可愛かったです。私は多分、キャラだったら一番塔子にガチっているので、「塔子は絶対可愛い声じゃないとダメ!」という、いわゆる厄介オタクなんです(笑)。
一同:(笑)。
くずしろ:でも松井さんのお芝居はもう、完璧で。「言うことないや、キャッキャッ!」としていました。
松井:ありがとうございます(笑)。初登場回(第3話)が台詞多めな“お当番回”みたいな感じだったので、けっこう緊張していて。オーディションがなかったので、「イメージと違う」と思われたらどうしようと思っていたのですが、「キャラはそんな感じで大丈夫です」とすぐ言っていただくことができました。「このまま塔子さんを育てていこう」という気持ちになれたので、本当にありがたかったです。
天野香織とのやり取りで、塔子の棋士としての面が色濃く見えた第10話
──初登場回の3話や、新たな一面が見えた第10話などの収録前は、どのような準備をされたのでしょうか?
松井:『えがたえ』はもちろん『永世乙女の戦い方』(塔子が登場する、くずしろ先生の別作品)も読ませていただきました。『永世乙女』に塔子さんの生きざまがありありと描かれていたので、それを踏襲できたらと考えていて。天野(香織)先生との関係性が、塔子さんの棋士としての基盤を作っている感じがしたので、それを第10話で出したいなと思いました。
でも「どこまで崩していいのか」という葛藤もあって。「サバサバしすぎても塔子さん感がなくなっちゃうかな?」「このぐらいなら可愛いかな?」のようにチューニングしていきました。原作を読んでいる方にはより深く楽しんでほしいですし、アニメから入ってくださった方にもスッと馴染みつつ、世界がどんどん広がるような、その塩梅を探りながら作らせていただきました。
──確かに、天野先生とのやり取りは、双見先生と喋っているときとは違う雰囲気がありましたね。
松井:天野先生と塔子さんの絡み、めっちゃ好きで! 普段はニコニコ笑顔なのに、天野先生が絡みだすと崩れちゃう感じが萌え過ぎる! 双見先生と会うときとは違う、もう少し心の距離が近い感じ、ちょっとだけ雑に扱っている感じが出るといいなと思いながら演じさせていただきました。この回はすごく見ごたえがあると思います。
──タメ口の塔子さんも新鮮でした。
松井:今までほわほわしていたのに、ここではちょっとツッコミ気質になっていて。その「地の部分」が、普段ちょっと違う世界で生きているんだなと垣間見えるんですよね。リアリティがあっていいなと思いました。
──先生は、第10話の松井さんのお芝居をご覧になって、いかがでしたか?
くずしろ:めちゃくちゃ良かったですね。塔子の前には双見やはーさんもいるのですが、意識が本職(棋士)に向いている感じがとても良かったです。それでも一応、双見を相手にしているときはほわほわで。演じ分けがすごいなあと思いながらアフレコを聴かせていただきました。
松井:ありがとうございます……!
──天野先生との掛け合いはいかがでしたか?
松井:カッコよかったです! 圧倒的覇者な感じがありつつ、どこか儚げな感じも花澤(香菜)さんが表現されていて。「こんな人が将棋盤を挟んで前にいると思うと怖いな」と思いました。ひょうひょうとした天野先生を塔子さんがなんだかんだ世話しちゃう、振り回されている感じが出ていて、そんな塔子さんも可愛いなと改めて感じられて良かったです。
──先生的にも、塔子さんを描くうえで、天野先生の存在は大きいのでしょうか?
くずしろ:そうですね。『永世乙女』ならラスボス、いわば全ての元凶みたいな存在ですから(笑)。塔子にとっても目標の一人であり、すごく影響の大きいキャラだったので、アニメで絡みを見られて嬉しかったです。





















































