
それぞれの感情が溢れた有マ記念。一瞬のきらめきを美しく、儚く、危うく、魅力的に――アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』高柳知葉さん(オグリキャップ役)、大空直美さん(タマモクロス役)、優木かなさん(スーパークリーク役)、花守ゆみりさん(ディクタストライカ役)インタビュー
好評放送中のアニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』(以下、『シンデレラグレイ』)。10月から第2クールがスタートしたオグリキャップとライバルたちとの熱い物語も、いよいよ佳境を迎えています。
アニメイトタイムズでは、第2クールを彩っているキャストやアーティストへのインタビュー連載を実施。今回は有マ記念で熱いレースを繰り広げたウマ娘を演じる、高柳知葉さん(オグリキャップ役)、大空直美さん(タマモクロス役)、優木かなさん(スーパークリーク役)、花守ゆみりさん(ディクタストライカ役)にお話をうかがいました。
※本文中に第22話までのネタバレが含まれます。
それぞれの思いを胸に、すべてを出し切った「有マ記念」
――第22話でついに有マ記念が決着しました。いまの率直な気持ちをお聞かせ下さい。
オグリキャップ役・高柳知葉さん(以下、高柳):「走りきった」という気持ちが一番大きいです。アニメ(第2クール)はこれで終わりではなく第23話までありますけど、このシーンに辿り着くために、これまでの時間があったのかなと思うくらい、私にとっても第22話は大きなものでした。1話1話の積み重ねがあったからこそ辿り着けた場所だと感じていて、走りきれて本当に良かったです。
――大空さんは、タマモクロスとして特別な想いで挑んだレースだったと思います。
タマモクロス役・大空直美(以下、大空):そうですね。この有マ記念はタマモクロスがトゥインクル・シリーズ引退を決意してのラストレースだったので、私自身も“引退”とすごく向き合いました。私はなるべく長生きして、健康に気をつけながらずっとこの仕事をしていたいから、引退のことを考えたことがなかったんです。
でも、タマモクロスの気持ちを理解する上で、本気で「もし自分が引退するとしたら?」と想像して、タマモクロスの気持ちに寄り添えるようになれるまで考えました。原作でタマモクロスが引退する明確な理由は描かれていませんが、私の中で「こういう思いがあったんだろうな」と覚悟を持って挑み、ともちゃん(高柳さん)と気持ちをぶつけ合うことができたと思います。
『シンデレラグレイ』の原作漫画が始まったのは、もう5年半くらい前(2020年6月)ですよね。「いつかアニメ化されるんだろうな……」とは思っていましたけど、そこから芸歴を重ね、できることも増えて、いろんな感情も積み重なり……いまの自分だからできる表現で演じられた気がします。叫ぶシーンや魂を込めて走るシーンは「いままでの大空直美自身を超える気持ちで挑まないと表現できない」と思い、自分にノルマを課したんです。筋トレしたり、走り込んだり、芝居する上での体力や精神力を鍛えて挑んだので、タマモクロスと同じように「走りきった!」という気持ちです。
――ほかのキャストにインタビューをしたときに、大空さんがすごかったとの声があがっていました。
大空:嬉しいです。必死でした…。
――優木さんはいかがですか? スーパークリーク的には、あの結果に思うところも大きいですよね。
スーパークリーク役・優木かな(以下、優木):いち『シンデレラグレイ』ファンとしては、2人(オグリとタマモ)の掛け合いに感動しました。その一方で、クリークの気持ちを背負って演じた身としては、めちゃくちゃつらかったですね。思い出しただけで泣きそうなぐらいつらいです。私もキャラクターの気持ちを知るために自分の人生経験と重ねて演じることがあるんですけど、「どれだけ努力しても、頑張っても、それが全く実を結ばない」経験を多々してきたので……。その悔しさや、いたたまれなさ、やるせなさを演じられたのは楽しかったし、きつかったです。
しかも、「失格だよ」と伝えられた直後に、ここの3人(オグリキャップ、タマモクロス、ディクタストライカ)によるウイニングライブが始まるんですよ。もし失格になっていなかったら、あそこにクリークがいたはずなのに……そう考えると、感情が溢れました。仕方ないとはいえ、クリークはどんな気持ちでライブを見たのか、いや見てないんじゃないかなとか、いろいろ考えちゃいましたね。
ディクタストライカ役・花守ゆみり(以下、花守):本当に残酷でしたよね。
――実際の競馬で斜行による降着や失格は何度も目にしていましたが、こうやって描かれると改めて胸が締め付けられます。
高柳:(斜行する)直前の、クリークの「勝ちたいんです……!!」というセリフがめちゃくちゃ良くて。勝ちたいがゆえに視野がちょっと狭くなっちゃったんだろうなと思います。
優木:そうなんですよね。だから「悪くない、頑張った!」って。
大空:気持ちが溢れちゃうよね。
花守:うんうん。
優木:みんなありがとう。タマちゃんの門出を見送りたいし、3人のバトルにはすごく感動したけど……クリーク役としてはすごくつらいアフレコでした。
――ディクタストライカもすさまじい走りでしたが、勝つことは叶いませんでした。
花守:すごく悔しいです。その末脚に“弾丸シュート”と名前がついているウマ娘なので、そこで全力を出せなかったのは本当に悔しいだろうなって。でも、それでも走り終えることができたのは大きかったと思います。
ディクタは“いま”にすべてをかけて走っていて、その“いま”が終われば割り切れる子だというのは、普段のクレバーさや冷静さからも紐解ける性格ですよね。だからこそ、有マ記念でもレース中にすっごい悔しそうに声をあげたところからの、ウイニングライブ前のオグリとの会話があるわけで。悔しさも含めて走り終えたことに対する納得はしていて、それ以上に「一緒に走れて楽しかった」という気持ちが強いと思います。
――ハンデと言っていいかわかりませんが、スタートで頭をぶつけての3着ですからね。
花守:いろんなことが重なった結果ではあるんですけど、それをハンデとして捉えるのではなく、“いま、自分が持っているもの”として捉えて走り続けることができていて。最後まで本当に真っ直ぐな子だったなと感じました。お芝居的にも一瞬のきらめきを魅力的に演じられたらいいなとずっと思っていたので、ちゃんと残せていたら嬉しいです。
























































