
「キャラクターというよりも、生身の人間が描かれていると感じる物語だと思います」──アニメ『違国日記』田汲 朝役・森 風子さんインタビュー【連載第2回】
程よく自分のなかでの朝を固めつつ、現場で柔軟に対応していけるぐらいの準備をしました
──「出たい」と強く願っていた作品のアフレコ。現場にはどのような気持ちで臨みましたか?
森:出演したいと願っていたこと、そして錚々たる方々との共演ということで、最初はものすごく緊張しながらアフレコ現場に向かったんです。「ど、どうしよう、私が準備してきた朝で大丈夫かな」って、不安だらけでした。ただ、先輩方やスタッフのみなさんがとても優しくて。雰囲気も和やかで、緊張がどんどん解けていきました。実際にアフレコをするときは、ほとんど緊張なく演じられた記憶があります。
──最初こそ緊張したけども、雰囲気に溶け込んでいけたというか。
森:そうですね! (みのり役の)大原さやかさんと(高代槙生役の)沢城みゆきさんが私を間にはさんで「ふだんは周りからなんて呼ばれているの?」って話しかけてくださって。色々と緊張をほぐすような会話をしてくださったので、ありがたかったです。
──さきほど「準備してきた」という話がありましたが、アフレコまでにどのような準備をしていましたか?
森:オーディションのときに原作をじっくり読ませていただいたのですが、役が決まってからしばらくは、逆に原作を読まないようにしていました。ずっと触れ続けていると、自分の中だけで朝が固まってしまう気がしたので、距離を置く時間をあえて作ったんです。アフレコ日が実際に決まってから改めて原作を読み始めました。
──そこに関しては「やらなきゃ」と焦るよりも、まずは一回落ち着いて準備を進めていった。
森:そうですね。オーディションのときの雰囲気や作品資料から、生っぽい人間ドラマとして作品を作っていきたいという意思が伝わってきていたので、ガチガチにキャラクターを固めていくのは、たぶん違うだろうなと思ったんです。なので、程よく自分のなかでの朝を固めつつ、現場で柔軟に対応していけるぐらいの準備をしました。
──アフレコでは、沢城さんとのかけ合いも多かったと思います。印象や感想をお聞かせください。
森:最初にかけ合ったときから「生身の人間だ、槙生ちゃんだ!」と思ったことをよく覚えています。デフォルメされていないというか「こういうキャラクターなんです」という枠にハマっていないというか……。狼のような一面もあるけど、脆い一面もある、このふたつが共存していました。みゆきさんにしかできない槙生ちゃんを作り上げていらっしゃって、戦慄したんです。そこに槙生ちゃんが生きているって、本当に思いました。
──沢城さんからアドバイスをもらうことも?
森:ありましたね。例えば、第3話で卒業式をバックレて帰ろうとしたときに、間違ってお母さんたちと住んでいた家に帰ってしまい、鍵が開かなくて焦ってしまうシーン。どうしてもうまくできなかったんです。何がダメなんだろう、とリテイクを重ねていく中で、みゆきさんが「たぶんね、血圧だと思うよ」「血圧とか体温がもうちょっと上がっている状態なんだと思う」って教えてくださって。
──朝自身の身体を想像して演じたらいいかもというアドバイス。
森:そうなんです。その言葉で、みゆきさんはそのようにお芝居をしていらっしゃるんだなと。血圧や体温がどれくらい上がっていて、テンションが上がっているのかを考えてお芝居をするということを学びました。
──先輩たちの言葉が、とても勉強になる現場だったのですね。
森:本当に。たくさんのことを学ばせていただいた現場でした。
















































