マンガ・ラノベ
『転スラ』完結を原作者・伏瀬が振り返る。番外編や派生作品の構想も…?【インタビュー】

アドリブだから続けてこられた物語。書籍化や黒幕の変更、読者層の意識など『転スラ』のターニングポイントを原作者・伏瀬先生が振り返る。気になる番外編や派生作品の構想も……?|小説『転生したらスライムだった件』本編完結記念インタビュー

“いずれ魔王になる”構想から膨らんでいったスライムの国

――ここから作品を振り返るようなお話を伺わせてください。スライムに転生した男性が自分の国を作り上げていくという物語をWEBで掲載しようと考えたきっかけから教えていただけますか?

伏瀬:転生したスライムが村を作るところまでは想定していたのと同時に、いずれ魔王になることが前提としてありました。そうなると魔王が治める国がいるよなと考え、徐々に大きな国の話に発展したんですけど、当初はそこまで細かく描く予定ではなかったんです。気が付けばどんどん広大になっていきましたね。

――RPGなどでスライムは序盤に登場するようなモンスターですが、そんな存在が魔王になるというアイディアはどんなところから生まれたものなのでしょうか?

伏瀬:TRPGのゲームマスター的な視点で言うならば、スライムは決して雑魚モンスターではありません。天井に張り付いて背中から入られると、そのまま防具などを無視して溶かされてしまいます。そういう厄介な魔物であることを前提にして、見た目だけ可愛い凶悪な魔物として描きたかったんです。

そんな恐ろしい存在を人間の頭脳で動かしたら相当凶悪になるんじゃないか……という考えもあって、本当はスライムだけである程度は続けていくつもりだったのですが、いつの間にか能力バトルものの雰囲気が強くなっていきました。オークロード戦がまさしくだと思うのですが、引っぺがそうとしてもできないあの感じを表現したいと思っていました。

――また、そんな魔物たちやリムルたちが関わる人や国の設定、世界観の部分も作品の魅力になっていた印象があります。

伏瀬:TRPGをプレイする時はまず設定から入るので、そのゲームマスターを担う感覚で各国の設定を漠然と決めていました。そうやって作中で使うか使わないかは別として作っておいて、いざその場所が絡むとなったら登場させるような形です。

ゲームも一種のシミュレーションですから、脳内で固めておけばすぐに動かせるし対応できる。だからキャラクターたちが想定とはかなり違う動き方を始めても、「まあ、そうなるか」と。色々なところでアドリブ感が強いと言ってきたのですが、そういう流れで動かしていった結果が今の『転スラ』なんです。

――アドリブでここまで物語を続けてこられたということに驚きました。

伏瀬:むしろアドリブじゃなかったら書いていないかもしれない……ぐらいの気持ちがあります。やっぱり読者の方の反応があったから、ここまで続けられたのかなと思っています。反応を見てこの方向性で合っているかどうか確かめていたといいますか、これはちょっとマズイかなと思ったら軌道修正していて、それを重ねた結果が今の形ですね。

――やはり「小説家になろう」は作品にとっても良い環境だったと。

伏瀬:物凄く合っていたと思います。これで賞に応募しようと考えていたら、きっと途中で飽きて止めてしまったと思います。応募するなら起承転結を考えて書かないといけないし、ひとつのエピソードで完結する形じゃないと応募できないんです。だから『転スラ』の形態では書けない。こんな日々のアドリブのような書き方は「小説家になろう」じゃないと不可能だったし、他の媒体だったらもっと違う形になっていたんじゃないかと。

――そんな『転スラ』が書籍化を果たすという連絡を受けた時はどんな心境でしたか?

伏瀬:あの当時は「なろうコン(現ネット小説大賞)」に応募していたので、書籍化はほぼ確実だろうなという雰囲気がありましたが、賞とは関係なくマイクロマガジン社から書籍化の打診があって、実際に今の担当編集と会ってみたら本気度が伝わってきたので、お話を受けさせていただいたのがきっかけです。

――『転スラ』も「小説家になろう」から書籍化を果たしていく流れを作った作品のひとつだと思います。

伏瀬:あの当時はまだ手探りな状況だったからなのか、いくつか残念な事件があったことを知っていました。それで僕も含めて警戒態勢になっていたところもありますが、そんな中でも『オーバーロード』や『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』『この素晴らしい世界に祝福を!』などが先駆けになったことで、「小説家になろう」がライトノベル作家の登竜門になっていった風潮があったとは思います。

――ちなみに他作品もチェックされていたり?

伏瀬:どの作品も面白く、普通にいち読者として読んでいたので、ライバルをチェックするという意識はなかったですね。ですが、単に面白いから読んでいたので、いち読者としての僕の好みに合致していない作品は有名でもチェックできていないものがあります。

――「小説家になろう」掲載中にランキングで競い合っている作品で印象に残っている相手はいましたか?

伏瀬:書籍化されている作品ではありませんが、『謙虚、堅実をモットーに生きております!』は後から連載が始まってとてつもない勢いで話題になったので、実際に読んでみたらとても面白かったし、これは一瞬で抜かれるなと思いました。

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