
「メリルがロベルトからいろいろなものを得たように、私にもなにかできたらって」―― 冬アニメ『TRIGUN STARGAZE』メリル役 あんどうさくらさん×ミリィ役 綾森千夏さんインタビュー|本作を通して築いていった先輩・後輩の関係性
内藤泰弘先生による人気ガンアクションコミック『トライガン』を原作に、スタジオ・オレンジがフルCGで描き出したオリジナルアニメ『TRIGUN STAMPEDE』。その系譜を受け継ぐシリーズ最終章『TRIGUN STARGAZE(トライガン スターゲイズ)』が、2026年1月よりテレ東系列で放送中だ。物語の舞台は、<ロスト・ジュライ>から2年半後の世界。ヴァッシュの旅路の“その後”が描かれる完結編において、ベルナルデリ通信社の中堅記者となったメリル・ストライフと、新たに登場する後輩、ミリィ・トンプソンという、ふたりの関係性も印象的だ。
今回はメリル役のあんどうさくらさんと、今作からミリィ役として参加した綾森千夏さんに、第4話までの物語を振り返りながら、キャラクターへの向き合い方はもちろん、作品の内外で育まれた“先輩と後輩”の関係性についても語り合ってもらった。
終わらないでほしい。シリーズ完結編を迎えた率直な想い
──ついに『TRIGUN STARGAZE』がはじまりましたが、おふたりのお気持ちとしてはいかがでしょうか。
メリル・ストライフ役・あんどうさくらさん(以下、あんどう):終わりが近づいてきたんだなと実感しています。はじまってしまったら本当にあっという間なんだろうなって。オーディションから数えると、メリルと『TRIGUN』という作品に出会って5年くらい経つので、すごく寂しいです。欲を言えば10シーズンぐらいやってほしいくらい(笑)。
──続きがあると聞いた時はどのような気持ちだったのでしょう?
あんどう:『TRIGUN STAMPEDE』(以下『STAMPEDE』)の台本を最後まで読んだ時、「あ、続くのかな?」と思いつつ、ちゃんと聞いた時には嬉しさで小躍りしました(笑)。シンプルに「やった!」という気持ちでした。「言ってよ、最初に!」って。ただロベルトがいない状態で進むのはどうなるんだろう、という不安もあって。ミリィという存在が隣にいてくれることが、とても嬉しかったですし、心強かったです。『STAMPEDE』がすごい映像だったので、あのクオリティで続きがあるなんて、本当に驚きですし、オレンジさんのすごさを改めて感じています。どうか体には気を付けて……という気持ちになるくらいでした(笑)。
──綾森さんはいかがでしたか?
ミリィ・トンプソン役・綾森千夏さん(以下、綾森):私としても10シーズンくらいやってほしかったです(笑)。ミリィとしてまだまだ喋り足りない気持ちもあって。私自身は12話のみの出演なので、やっと馴染んできた頃に終わってしまったという感覚もありますし、本当に「終わらないでほしい」と切に願うほど思い出深いシリーズです。全力で臨ませていただきました。
──ミリィ役に決まった時のお気持ちも伺えますか?
綾森:人間って自分の理解を超えるものが急に入ってくると思考が止まるんだなと初めて知りました(笑)。マネージャーさんに「決まりました」と言われても理解が追いつかず、「ありがとうございます」と言いながら頭が真っ白で……「あの『TRIGUN』ですか?」と確認しているうちに、気づいたら涙がぼろぼろぼろって溢れていました。あらためて共演する方々の名前を聞いた瞬間には衝撃が大きすぎて、駅の改札前で震えながら電話するっていう。その日はどう帰ったのか覚えていないほどです。自分の人生が変わった日だったと、今でも実感しています。その後、各所から「すごいことになりましたね!」と声をかけられました。
空気を変えるミリィ、ヴァッシュを追いかけるメリル
──ミリィというキャラクターに対する印象はいかがでしたか。
綾森:お恥ずかしながらオーディションをきっかけに『TRIGUN』という作品、ミリィというキャラクターを知ったのですが、『STAMPEDE』を見た際にはダークな雰囲気が強くて、その印象からミリィの役作りを始めたのですが……。当時のマネージャーさんが原作や90年代アニメ『トライガン』を見ていた方で、ミリィについて教えてくださり、そこから方向性を掴んでいった感じです。ただ、最初から「ミリィ・トンプソンはこれだ!」と決まっていたわけではなく、セリフや周囲のリアクションを見ながら外側から役を埋めていった感覚がありました。
──最終的にはどのようにキャラクター像が固まっていったのでしょうか?
綾森:演じていくうちに「あ、私自身でやって良いんだ」と思えるようになりました。演じていくうちに、自分と近いところがあるなと感じていて。もちろん彼女の芯の強さは私よりもすごいものなのですが、共感できる部分が多かったんですよね。彼女は人のために行動することが、結果として自分のためになっている子で。周りを笑顔にすることで、自分も幸せになれると、純粋に思っているんですよね。私自身も現場での掛け合いで笑っていただけたり、逆に笑わせてもらえたりするのが楽しくて。そうした積み重ねの中で、自然とミリィ像が固まっていきました。
──あんどうさんの場合は、メリルと出会った時からイメージは固まっていたのでしょうか?
あんどう:根本的な部分はオーディションの段階から掴めていたと思います。自分でいうのもなんですが、真面目なところとかは自分と通じる部分がありました(笑)。ただ、『STAMPEDE』ではズレた発言をしたり、「それ言ったらおしまいだろ!」ということをポンポン言ったりする場面もあって(笑)。そのうえで、監督からは「愛されるキャラクターであってほしい」「かわいらしさもほしい」と言われ、そのかわいらしさの捉え方に少し苦労しました。それでもメリルというキャラクターの根本、視点の強さはオーディション時から変わらず感じられていたと思います。
──でも、メリルがいてくれたおかげで希望が生まれていて。
あんどう:ヴァッシュはいつも1人になろうとしてしまうので(笑)。追いかけて、追いかけて、なんとか掴もうとして、っていう気持ちですね。
──今作ではミリィという後輩ができて、メリルは先輩になり、これまでとは違った一面を見ることができますね。
あんどう:そうですね。「大人になったな」と感じます。ただ、自分だけではなくて、ミリィという存在があったからこそ、自然と落ち着いていけたという感覚もあります。ロベルト(・デニーロ)という先輩を亡くした経験や、ヴァッシュと出会ったことで新たに生まれた価値観で、言わなくていいことは飲み込めるようになったんだと思います。
振り返ると『STAMPEDE』のころは、もっと子どもっぽさがあったなと。自分の正義感に固執したり、頑ななところもあったように感じました。まっすぐなだけではなく、いろいろな方向から物事を見られるようになったのではなかろうか……と私は思っていますね。
──第4話までのメリルとミリィについてはどう分析されていますか?
綾森:物語全体を見て、(ミリィは)空気を変える役割だと感じていました。ある意味、切り込み隊長というか。流れをバサッと変える役目だと思っていて、先輩方が真剣に考えて張り詰めた空気を作り出している中で、私の役目はそこを和らげること。楽しさを忘れないバランサーですね。ただ、綾森自身はというと少し考えすぎてしまうところがあるんですよね。だけどミリィは、まず「みんなの笑顔が大事」と、行動している子。だから、逆に考えすぎないようにというのは意識していました。
あんどう:4話あたりから、ヴァッシュの周りに人が集まっていきますよね。彼は一人になろうとしますが、まわりはほっとかないというか。彼の真っすぐさや「こうありたい」というものに惹かれる人々がどんどん集まって、最終話へ向かっていくのですが……その最初の取っ掛かりといいますか。メリルは「逃がさないぞ、あなたを捕まえておく!」という役割だったと思います。

















































