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TVアニメ「霧尾ファンクラブ」監督・外山草【連載インタビュー第1回】

「泣き活も笑い活も、すべて「霧尾ファンクラブ」でやってもらえたらありがたいなと思います」──TVアニメ「霧尾ファンクラブ」監督・外山 草さん【連載インタビュー第1回】

「あまり意味を持たせないでくれ」

──「第1話」は、その作品を印象づける回かと思います。限定的になってしまいますが、外山監督が「第1話」を作る上で意識するポイントをお聞かせください。

外山:第1話からすべてが始まっているという意識を強く持っています。今回で言うと、第1話から「霧尾ファンクラブ」という作品を象徴するカットを作りたいなと思っていました。

これから放送される第1話では、とある理由で藍美が波を肩車しなければいけないのですが、肩車をするまでの動きをカメラ固定のワンカットで制作しています。波が靴を脱いで、藍美の腿に足をかけて肩に乗っかり、藍美が波を持ち上げる。この流れを延々と見せようと(笑)。

大変なカットですし、プロデューサーに反対されるかもしれないなぁと思いつつ、でもその一連の流れが「霧尾ファンクラブ」を象徴すると思ったんですね。であればやるべきは、肩車の過程をワンカットのロングショットで撮ること。これは絶対にやっておかないとダメでした。その後に二人は、あるものをゲットしますが、そこまでが「霧尾ファンクラブ」を象徴しているから、ぜひ表現しておきたかったんです。

──その監督の考えが反映された第1話になったのですね。

外山:許していただきました。完成したものを見て心の中で拍手してましたよ(笑)。「これだこれだ!」って。

もちろん、さりげなく見ていただいて全然構わないカットなのですが、見てくださった方の心に、どうにか引っかかって残ってくれるといいなと思っています。

──ほかにも、第1話で特に注目してほしいシーンを教えてください。

外山:ラストシーンです。面白おかしく展開してきた話数なのに……と。雨の中で言う最後のセリフですが、そこに向けて第1話を作ったといっても過言ではないかもしれません。ある人物の心情が吐露されるその意味を、より重たい絵にするために構築していきました。

ゆくゆくの伏線も散りばめられている第1話ですし、おもしろく見ていただきながら、最後の最後でさらに注目していただけると、ありがたいなと思います。

──ありがとうございます。そして本作はオープニングとエンディング映像も特徴的だとお伺いしています。

外山:まずオープニングですが、僕からはただ「派手にしてください」「賑やかにしてください」という要望を出して、制作はほとんどおまかせしたんです。

曲は先生が応援しているミュージシャンの方に発注したのですが、非常にぶっ飛んだ曲になっていて(笑)。最高におもしろい曲なので、映像も普通のアプローチだと、ちょっとすれ違っちゃうかなと。

なので制作を始める前に、先生に「オープニングなんですけど、どんな感じがいいですかね?」って相談したんですね。そうしたら「青空に向かって手を伸ばすようなオープニングじゃなければいいです」と(笑)。

──(笑)。

外山:ならばその真逆を行こう、はっちゃけちゃおうと。「情報量が多い映像」で、その映像に「あまり意味を持たせないでくれ」とお願いしました。

でも、情報量が多いということは、何かを推察できる要素も多いということ。なのでストーリーのネタバレになるようなものは入れないでくださいともお願いしました。本当にそれだけなんですよ(笑)。そうしたら、あんなにぶっ飛んだ映像が上がってきました。

プロデューサーからコンテが上がってきたとき、メールでその連絡をもらったのですが「すっごいのが上がってきたから、とにかく早く見てくれ」みたいな、そんな文面でした。だからすぐチェックしたのですが「もうおまかせして正解だったな!」と思いました。おもしろいのに、第三者的に描けているといいますか。

もし僕がコンテを書いていたら、もっと重くなっているハズなんです。あそこまではっちゃけられなかったと思います。そんなオープニングですが、制作陣の評判も非常に良くてですね(笑)。最高です。

──(笑)。エンディングはいかがでしょうか?

外山:実は先に手をつけ始めたのがエンディングなんです。とにかく日常で終わりたかったんですね。

第1話の終わり方も含めて、本編と直結するものがエンディング。だから本編を邪魔せずに、本編の余韻を大事にできるようなものにしたかった。本編でも非常に気にして描いている日常というものを、そのまま引っ張っていけるようなエンディングに、と考えて制作しました。

各話エンディングの始まる前のラストカットに映っているものを想定すると、やはりだいたいキャラクターが映っている場合が多いんですよね。なので、キャラクターとキャラクターを繋げないように、エンディングでいきなりキャラクターの顔が出てこないようにと。藍美の感情、波の感情を大事にしたいから、極端な話を言うとずーっと教室が映っているだけの映像でもよかったんです。

──空気感を壊さずに、次回以降につなげるための映像。

外山:そうですね。なので画風もオープニングからアプローチを変えまして、藍美と波の二人だけの世界にしてあります。そしてそのエンディングも、一巡目と二巡目では見え方が違ってくるんじゃないかなと思います。

──オープニングは楽しく、エンディングは余韻が、となると「霧尾ファンクラブ」という作品を象徴するような映像になっているのかなと思いました。

外山:オープニングエンディングからそんな表現ができると最高ですし、アニメの面白さでもあると思います。

(C)地球のお魚ぽんちゃん・実業之日本社/「霧尾ファンクラブ」製作委員会
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