
尾中たけし監督×畠中祐さん×永塚拓馬さんが『ね子とま太』以来、約10年ぶりに再集結! 元公務員の永塚さんも唸る“公務員あるある”満載のショートアニメ『ほどよく!わ〜どおふぃす』インタビュー
元公務員・永塚さんのリアルな視点と、絶妙にズレたキャラクターたち
――そして、今作では少し切り口が変わり、区役所を舞台にした『ほどよく!わ〜どおふぃす』というショートアニメとなりました。作中では「自治体あるあるネタ」をベースに各話構成されていますが、まず台本やキャラクターのイラストをご覧になった際の印象はいかがでしたか?
永塚:僕は元公務員だったので、「一太郎(※ワープロソフト)あったな〜」「公共物の話、するよね」とか、台本を読んでいて懐かしい思い出がよみがえりました(笑)。今作は公務員さん向けのコンテンツなので、すごく喜んでくださるんじゃないかなと、台本を頂いた時に感じました。
ちなみに前回『ね子とま太』では妹役もやっていたんですけど、今回はちょっとお姉さんみがある女の人を演じせていただいて。
畠中:“お姉さんみ”というより、ちゃんとした“お姉さん”だったよ(笑)。
永塚:そこでも10年を感じたというか(笑)。あと3役やらせていただきましたが、どれもすごく面白かったですね。「ねこ山さん」「サキ先輩」「係長」と3人それぞれ方向性が全然違うし。ひとりでいろんな役をやれて面白かったです。
▲左から、ねこ山さん(CV:永塚拓馬)、サキ先輩(CV:永塚拓馬)、係長(CV:永塚拓馬)
畠中:全然こっちに振ってもらっても良かったのに(笑)。
尾中:1対3の構図がしっくりきたんだよね(笑)。たしかに係長をお願いしようと思ったんだけど、祐くん演じる主人公・シンジが中心にドンと構えていて、その周りのキャラクターを永塚くんがやるっていう。
畠中:シンジ、そんなにドンとしてるかなぁ(笑)。
永塚:でも主人公が兼役やっちゃうとね?
畠中:まぁそうだね、ちょっと違うもんね(笑)。
▲シンジ(CV:畠中祐)
――収録も見させていただきましたが、永塚さんの演じ分けがすごくてブース内に登場キャラクター分のキャスト4名がいるのかなと思いました。
永塚:ありがとうございます。色々と頑張らせていただきました。あと『ね子とま太』の時から妹役を演じてますから(笑)。
畠中:そうだね、何の違和感もなかったよ。
永塚:当時から始まってるから(笑)。
尾中:可愛かったよねぇ、あの頃の妹。
畠中:あの頃の思い出がよみがえるくらい、尾中さんの台本から独特の空気を感じました。活字の中に流れているあの空気感というか。
永塚:言葉の面白さみたいなところを、尾中先生がすごく拾ってくださるので。「ジーニスト」みたいに「◯◯イスト」ってセリフを重ねて言葉遊びみたいな流れを作ったり。普通の人が気づかないような日本語の面白さみたいなところを、すごく拾ってくださっているなと思いました。
畠中:やっぱり全然ストレートじゃないところが面白いんですよね。あとボケとツッコミも大まかな役回りはあるけど、一方でツッコミもボケてるというか、そのツッコミにまたツッコミたくなるみたいな。他の作品じゃなかなか見られない面白さですよね。
永塚:それこそツッコミ側である係長もちょっと変だしね。
尾中:変だねぇ。みんな変なんだよ(笑)。
畠中:シンジが「肋骨のセーターってあるじゃないですか?」って係長に切り出して「あるねぇ?」って答えましたけど、そもそもこっちは肋骨のセーター?何それ!?と(笑)。
永塚:でも係長、公務員っぽいんですよ。ああいう雰囲気の人、公務員に結構いるんです(笑)。あんまりテンションは高くないけど、何でも受け入れてくれるというか。民間企業と違って変にギラギラしてないんですよ(笑)。そのギラついてない感じが優しいんです。
――監督は区役所の職員の方に実際に取材されたり?
尾中:いえ、正式に取材したわけじゃないんですけど、用があって区役所に行った際には中の様子をすごく観察しました。窓口に行った時に意識して見て、「公務員ってこういうところで働いてるんだな」「この方は動きから察するに役職が上の方なのかな?」とか。「公務員ってこういう世界だよな」というのはすごく見ましたね。
畠中:個人的に、役所の方ってすごく真面目な人が多いイメージです。窓口で対応してくれる人たちも、俺とは人間が違うんだっていうくらい、ちゃんとされているというか(笑)。
永塚:でもバックヤードに行くと、やっぱりサキ先輩みたいな感じだよ。今どきのアイドルを追っかけていたり。
尾中:みんな雑多な中で真面目に働いているんだよね。机にもたくさんの書類があって丁寧に確認していたりね。
永塚:間違いがあったらいけない仕事ですからね。公務が間違っていたら大問題になりますし、「公務員が守らなかったら、じゃあ誰が守るの?」って。お手本になることを常に意識して、一番規則を守らなきゃいけない職業なんです
畠中:僕にはできないことを皆さん毎日なさっているわけですね……。
一同:(笑)。
永塚:大変なんですよ、公務員って(笑)。
尾中:そんな皆さんを本作で少しでも癒すことができたら嬉しいですね……!
――監督に伺いたいのですが、今回制作された10話分のエピソードはどのように作っていったのでしょうか。それこそ本職だった永塚さんが共感できるほど、かなりリアリティがあるネタも多いようですが。
尾中:ジチタイワークスさんからいただいた「公務員あるある」をもとにネタを書いていきました。基本的に「あるあるネタ」って、あるあるの部分をオチにすることが多いんです。でも今回は、あるあるを頭に持ってきてネタにするという方式を取りました。あるあるがあったからこそ出たネタなので、僕も全然知らないあるあるや用語があって、作る時は面白かったですね。まったく知らない世界でしたから。
――先ほどから永塚さんもかなり共感されていましたものね。
永塚:そうですね。公務員って部署によって雰囲気が全然違うんです。例えば、地域振興とか芸術振興の部署だと外に出ていろんな人と関わるんですけど、窓口業務だとそこの窓口が中心で業務が構成されていて、クローズドな環境なんです。公務員の中では常識だけど、他から見たら全然常識じゃないローカルルールも結構あって。個人的にも「あるあるだなぁ」と思いつつ、意識して演じました。
畠中:公務員の方が、書類上で物事を伺う際に「~してよろしいか」という言い回しがあるようで、そこにフォーカスしたエピソードが出てきたんですが、「誰と会話する時の文化?」って驚いちゃって(笑)。
尾中:たしかに、昔の言い回しっぽいよね。普通の人から「よろしいか」って書面で来たら、「なんだ君は」みたいな感じになるからね(笑)。
永塚:普通は「よろしいでしょうか」とかですものね(笑)。
畠中:急な距離感の詰め方というかね(笑)。でも新しい発見でした。






























