
誰かに向けた「好き」の気持ちに寄り添う「青春」と「宝物」──アニメ「霧尾ファンクラブ」三好藍美役・稗田寧々さん×染谷波役・若山詩音さん【連載インタビュー最終回】
2026年4月2日より放送のTVアニメ「霧尾ファンクラブ」。ひとりの男子生徒をめぐって揺れ動く「好き」の気持ちを軸に、騒がしくも愛おしく描かれる“青春群像劇”が最終回を迎えます。
アニメイトタイムズでは、本作の放送をさらに楽しむためのインタビューを実施。連載最終回となる本稿では、三好藍美役・稗田寧々さん×染谷波役・若山詩音さんによる対談をお届けします。
全力で笑い、ときに泣きながら放送を駆け抜けたTVアニメ「霧尾ファンクラブ」。愛と「好き」にあふれるこれまでのエピソードを、お二人とともに振り返ります。また、最終話となる第12話の見どころなどについてもお伺いしました。
放課後、茜色が差す教室のような仄かな寂寥感と愉快な声が飛び交うインタビューをお楽しみください。
「最後にニッコリさせたいし、ちょっとほろっともさせたいですね」
──3ヶ月を駆け抜けたTVアニメ「霧尾ファンクラブ」も、ついに最終回を迎えてしまいます。
染谷波 役・若山詩音さん(以下、若山):原作もスッキリと完結していますから、引き伸ばすこともできなくて……。
三好藍美 役・稗田寧々さん(以下、稗田):悲しい、寂しい……。何なら私、第1話のアフレコが始まったときから寂しかったです。
若山:「アフレコが始まったということは、いつか終わってしまうんですよね」って、始まったその日に言ってたよね。「今日からだよ!?」って思ったよ(笑)。
稗田:(笑)。嬉しい、ワクワクする気持ちもあったけど、始まっちゃったなって……。
若山:そんな寧々ちゃんが可愛かったですし、作品にかける想いを感じていました。
稗田:アニメが始まったときも、心待ちにしていたハズなのに「第1話が放送されてしまった……」と(笑)。
若山:アフレコもそうだけど、放送は特にあっという間だよね。もう最終回なんて。
稗田:もう3ヶ月が経とうとしてるってことだもんね。おかしいよね。
若山:絶対に時空が歪んでいます!
稗田:そんな第11話にもなると霧尾くんにも完全拒絶されてしまって。残すところあと一話で一体どうするのか……。
若山:キツイよね。あの拒絶はだいぶ精神的にくると思う。霧尾くんも追い詰められてますから。
稗田:そうなの、そうなの……! だって第9話の最後で「俺も、行きたいかも──そっちに」なんて言って。
若山:星羅のせいでおもしろシーンになっちゃってたけど(笑)。
稗田:ほんとにね(笑)。でも霧尾くんの心情的には中々危ないところまで来ています。そんな霧尾くんをあと一話で引き戻せるのか……。原作を履修済みの方は、最後のあのシーンがどのようにアニメになっているのかドキドキされているんじゃないかと!
若山:漫画を読んでるときとはまた違う体験を、アニメから得ている気がしていて。収録の時は波役としてその場にいたけれど、放送を見ていると藍美ちゃんに感情移入しちゃうんだよね。だから霧尾くんの行動ひとつで感情がジェットコースターみたいになっちゃって。
稗田:わかるー……!
若山:直接的な霧尾くんの話じゃなかったけれど、さっき言ってた第9話もそう。桃瀬くんの告白を聞いちゃった藍美ちゃんは「波は霧尾くんのことが好き」だから、「もしかしたら、くっついてしまうかも」みたいな不安もあるし、友だちの在り方としても不安になっちゃう。そもそも藍美ちゃんは「友だち」が初めてっぽい感じじゃん。その大切さも感じていて……「あいみちゃーん!」って!
稗田:重てぇ……。
若山:そう! 今、心重てぇ……!って。
稗田:それで言うと私は波にも思ってたよ。序盤ではわからなかった波の本当の気持ち、隠している部分が後半になってくると見えてきて。波の「感情を隠してでも」みたいな気持ちに、私は毎回涙腺がやられてしまうというか。
第9話の桃瀬とのやり取りも強く心が動かされるシーンだし、アフレコでも詩音ちゃんの、本当に細かい感情の表現が素晴らしくて。ブースの中でも泣きそうになっちゃったし、大好きなシーンです。
若山:嬉しい……! 改めて放送を見ていると、波もつれぇね。藍美ちゃんも霧尾くんも、何ならみんなもそうなんだけど……。
稗田:つれぇよ、みんなつれぇのよ……。皐月だって桃瀬だって、星羅も苦しいと思うよ。
若山:まだマシなのは店長ぐらいよ、多分。
──もしかしたら店長も星羅のシフトが減ってつれぇかもしれません。
若山:たしかに(笑)。
稗田:みんなどこかしらにダメージを受けてますね(笑)。
──そんな店長を始めとした、ゲストキャラクターのキャスト陣も毎回話題を集めています。
若山:第9話ではチゲ兄が出てきました。興津(和幸)さんを、あの一言のために呼んだのかと(笑)。
稗田:9話の収録の前から「チゲ兄は出るのかな」「出るとしたら誰がやるんだろう?」とみんなで話していたんです。それで蓋を開けてみたら(笑)。
若山:台本に興津さんのお名前を発見したときの驚きたるや! だって一言ですよ。「今日の夕飯、チゲ鍋にするか」だけ!
稗田:とっても良い声で、良いチゲ兄でした。
若山:チゲ兄の表情もすっごく細かかったよね。チゲ兄への愛を感じました。
稗田:オープニングの映像にもチゲ兄いたよね。サビでスキップしているの、多分チゲ兄なんですよ。
若山:いた、ここだ!(笑) この歩き方はチゲ兄ですね! やけにフレーム数の多い動きをしています!
稗田:(笑)。愛されてるね。
──そんなオープニングに加えて、エンディングも味わいがあって。
若山:エンディングの受け取り方も変わりますよね。最初は「霧尾くんを推している二人組」と思っていたのが、二人にはそれぞれの想いがあって。「今を生きている」の話になってきて……。
稗田:エンディングは「二人きり」っていうのがいいよね。波にとっての大事な時間がエンディングにぎゅっと入っていて。
若山:これも第12話で語られるからね。そして最終回を見たらまたイチから見てもらって、キャラクターの視線を追ってほしい!
稗田:(頷いて)原作からですが、アニメになると動きが出るから、よりキャラクターの視線がわかりやすくなっていて。心がハッとなる瞬間が増えていると思います。
──実は外山監督にお話をお伺いしたインタビュー記事で、伏せ字にしたのも「視線」という言葉でした。
稗田:あれ「視線」だったんですね! 気になってたんです、何を塗りつぶしてんだと思って(笑)。
──(笑)。「霧尾の話をしているのに霧尾を見ていない」と。
若山:そういうシーン、たくさんありましたよね……! 実はずっと藍美ちゃんを見ていたり、藍美ちゃんの話をしているときや藍美ちゃんと話をしているときは元気だけど、霧尾くんと話すときは実は塩対応だったり。
稗田:波は藍美と違って、霧尾くんと普通に喋れるからね。
若山:こうやって振り返っていると、やっぱりみんなそれぞれつれぇね……って思っちゃいますね。
──故意に状況を悪くしようとするキャラクターがおらず、誰も悪くないという状況もまた「つれぇね」と……。
稗田:そう、そうなんです……! 普通に過ごして、普通に感情を抱いていて、でもその感情同士が上手くかみ合ってないだけというか。
若山:本当にみんな良い人なんですよね。それぞれのキャラは濃いですが。
稗田:後半になるにつれて、満田のありがたみが身に沁みますね。我々を繋いでくれる存在になっていて。
唯一、霧尾くんとちゃんと二人で話をしたキャラだと思うんです。きっと桃瀬すら知らない霧尾くんのパーソナリティを満田は見ていて、藍美と波のことも知っている。だから輪の中間にいる満田が、修学旅行あたりからキーパーソンになっているなと思いました。くじけてしまった藍美を引き上げたのも満田ですから。
若山:満田が……「恩を返す」ではないけど、藍美ちゃんと波が彼を巻き込んだことを多少ありがたく思ってくれていたのも嬉しいよね。
稗田:消しゴムの呪術もね。友だちになったよ……!
若山:このお話を通して、繋がりみたいなものを強く感じるよね。早く全話見て、全話語りたい!
──放送は夜も深い時間ですが、毎回リアルタイムの感想で盛り上がっていますよね。
稗田:私もこの前放送されたエピソードが好きすぎて、リアタイをしてから寝て、頑張って起きた日がありました(笑)。
若山:えー!
稗田:それぐらいの気持ちで楽しめる作品だと思います。みなさんもハッシュタグをつけて盛り上げてくださっていて、なんだか実況といっしょに楽しんでいる感覚もありました。だからこの3ヶ月は毎回、リアルタイムでアニメを見る時間が楽しみでした。第12話はどうなるのかな。
若山:ここまでSNSなどでツッコんでくれていた方を最後にニッコリさせたいし、ちょっとほろっともさせたいですね。色々な方向から色々な切り口で人間関係を見せてくれる作品だから、たくさんのものをキャッチして見てくれたら嬉しいなと思います。
──第12話を見終えたあとには、第1話から見返したくなるのではないかと。
稗田:波だけでなく、霧尾くんの過去を知った上で見ると、見え方が変わってくるかもしれません。
若山:最初は「霧尾くん」という、ある種のキャラクター的な見方をしていたけれど、最後まで見ると霧尾くんの人間性が見えてきます。人間性に軸を置いてもう一回第1話から見てほしいですね。
稗田:そうだね。各キャラの視点から見てもらいたいです。




































