
世界を救う代わりに目の前の誰かを救える作品になってくれていたら──『NEEDY GIRL OVERDOSE』超絶最かわてんしちゃん役・天城サリーさんが「インターネット・エンジェル」を見て思うこと【インタビュー】
「人生の経験すべてを『超てんちゃん』に活かせた形になりました」
──改めて、本作のアフレコはいかがでしたか?
天城:かちぇ役の永瀬アンナちゃんと、アフレコ終盤にやっと仲良くなれました。ただ、その仲良くなる時期について、アンナちゃん曰く計画的だったらしいんですよ。
──仲良くなる時期ですか?
天城:超てんちゃんとかちぇって、特に序盤や中盤は交わることがないし、かちぇは超てんちゃんのように光り輝く人を憧れの対象として捉えているから、作中で交流が始まるまでは仲良くしないようにアフレコ収録時は一番遠くに座っていた、と言われて。「すご……!」って思いました(笑)。カッコよかったですね。私もそうやって言いたかったなって。
──キャラクター同士の関係性をよりリアルに作るための一手だったのですね。
天城:そしてカラマーゾフの三人はみんなを仲良くさせようとしてくれました。おそろいのキーチェーンを買ってきてくれたりして。キャラクターとキャストの人間性がリンクしている部分が多くて、居心地の良い現場でした。プライベートでもご飯に行くようになっています。
また、みんな作品愛にあふれる方々ばかりでした。アフレコが終わると、そのシーンについてすぐに考察が始まることもあって、話が進んでいくにつれてどんどん現場の空気が良くなっていったので、第12話のラーメンを食べに行くシーンなどもその雰囲気にリンクしているかなと思います。第1話時点では感じられなかった声の温かさがあるような気がしました。
──素敵な関係性と現場の雰囲気が伝わってきます。
天城:みんな本当にいい子たちで、アフレコが終わった今でもLINEグループは未だに動いています。仲良しです。
──みなさんの「ニディガラジオ」での和気あいあいとしたトークも楽しみにしています。
天城:ありがとうございます(笑)。ただラジオは超てんちゃん対声優さんたちという構図なのでちょっと(立ち位置が)難しいんですよね。対キャストというよりかは「超てんちゃんが声優さんと喋っている」という感じで、また空気がガラッと変わるかなと。新しいものとして楽しんでいただけたら嬉しいです。
──ちなみに「ニディガラジオ」では天城さんではなく超てんちゃんがパーソナリティを務めていますね。例えば、その台本というと……?
天城:一応台本は用意していただいているのですが、全部無視しています(笑)。
これもオーディションのときに「配信者・超てんちゃんとしてアドリブの配信のお仕事などもあって、大丈夫ですか?」とお話をいただいていました。そこはこれまで「22/7」でもキャラクターとしてのバラエティを5、6年やっていたので「『自分じゃない誰か』としてのアドリブは任せてください」と言いました(笑)。自分の人生の経験すべてを「超てんちゃん」に活かせた形になりました。
──運命を感じます。
天城:実はYouTubeのアニプレックスチャンネルに上がっている動画のモーションキャプチャーも私がやらせていただいています。
──えぇっ!?
アニプレックススタッフ:「INTERNET ANGEL」「INTERNET OVERDOSE」のライブ動画も、天城さんが全パートを踊ってくださっているんです。
天城:その振り付けも作品とリンクさせたくて、振付師さんと相談して作っていきました。「INTERNET OVERDOSE」に関しては、元々TikTokでバズっていたダンスと違う振りが入っていたのですが、「ここはTikTokの方のダンスしてもいいですか?」「ゲームでもパラパラを踊っているので、パラパラにしてもいいですか?」など、一緒に作らせていただいたので、色々な要素に気づいてくださる方もいるのかなというダンスになっています。
──我々はずっと、純度100%の超てんちゃんを見続けていたのですね。
天城:あはは! オタクくんみたいな感想(笑)。
──アニメ本編にも、原作からの要素が詰め込まれていましたよね。
天城:そうですね。エンディングもマルチエンディングを匂わせるような展開で、そこもまたゲームとリンクしていて、原作ファンとしては嬉しいポイントだったと思います。
ちょくちょく出てくるネオンの色合いなども、原作ゲームから出てくる描写です。気がついた方々は新しい見方もできるんじゃないかなって思います。
──エンディングのお話も含め、改めて最終回も振り返っていただけたらと思います。
天城:第13話は……オタクくんと超てんちゃんが自転車に乗っているシーンは杉田さんとのアドリブだったんですけど、本当はもう少しパターンのある掛け合いだったハズなんです。「オタクとして、自分の推しにたくさん質問をしてほしい」というオーダーでした。でも杉田さんが「憧れの対象を目の前にしたオタクはそんなに話せない」と(笑)。
──おっしゃるとおりかもしれません。
天城:その言葉に全員が「間違いない」となって、あのオタクくんのアドリブになりました。超てんちゃんも、もじもじしているオタクくんを見て微笑ましいなと思いつつ近くに寄り添うことはない。一定の壁を作りながらそこにいるという、天使としての立ち居振る舞いをしながらのエンディングでした。とっても印象に残っています。
──とても身に覚えのあるオタクの挙動をしていて……(笑)。
天城:面白かったです(笑)。あとはやはり、かちぇの結婚ですかね。nyalra(原案・シナリオ・監修)さんは原作を書いていた当時「最終的な人の幸せは結婚なのではないか」と思っていたそうなんです。だからかちぇが最終的に一番“普通”の幸せを手に入れたという幕引きだったのですが……。最終的に幸せになったのはかちぇだけかとも思いますね(笑)。
──たしかに……!
天城:キラキラしている方々を近くで見ていて、かちぇにもたくさんの葛藤があったと思います。でもキラキラした世界で生きている人たちは、もしかしたらその世界でしか生きられなくて、それゆえの危なっかしさがあるのかなって。
第12話で、超てんちゃんがかちぇを「キミは本当にフツーの人だな」と突き放すシーンがありますが、私から見ると超てんちゃんは、かちぇに憧れていたんじゃないかなと思うんです。
──憧れですか。
天城:本当はかちぇみたいな人生を生きたかったんじゃないかなって思っていて。第7話の喫茶店のシーンでも、禰󠄀智禍さまにほしいものを問われたとき、家族のお客さんを見ていました。超てんちゃんは本当は一人の人間としての普通の生活、普通の感性がほしかったのかなって思います。
──かちぇにとっての「普通」と超てんちゃんにとっての「普通」、あるいは我々の「普通」もきっと別物だけど、だからこそ憧れにもなるのかなと。
天城:nyalraさんも、この作品に自分のすべてを出したとおっしゃっていました。きっとnyalraさんの自伝のような意味合いもある。「どうしたらこの作品を一番素敵な形で世にお伝えするお手伝いができるのか」を必死に考えながらのアフレコでした。




































