
「片田舎のおっさん、剣聖になるII」アニメーション制作・ハヤブサフィルムインタビュー|「ともすれば地味に映る立ち合いの中に、見た目以上のものを込めています」
互いの積み重ねのぶつかり合いを描くベリルVSモルデアの戦闘シーン
──ありがとうございます。ここから第二期を掘り下げたいのですが、序盤は魔術師学院でのエピソードになります。ここで登場するキャラクターたちを描く上で難しさがあった部分はありますか?
藤川:剣術道場と違って、少し知的なやり取りをしている場所だと感じられる雰囲気にしています。ミステリアスな学校の構造であったり、会話であったりがこのエピソードの特徴なんです。魔術師学院ならではの闇や不穏な雰囲気を意識して作られています。
キャラクターに関しては一癖ありそうな先生たちがいて、それぞれがベリルに魔法の説明をしてくれます。ですが、ベリルは魔術を使えないので何が行われているかいまいち理解できません。魔術学院の先生とベリルの間でコミュニケーション不全が起こるわけです。しっかり説明されるけれど、ベリルはそれについていけない……といったやり取りをコミカルに描いています。
生徒たちも剣術道場に通う快活な子たちとは違った雰囲気を出すために、都会の子的なキャラ付けになっています。ミュイはある種アウトローな世界から魔術師学院の狭き門を通ることになりましたが、そこで同年代の子たちと出会います。そのアウトローなところとの格差や落差を絵として見せなければと考えていました。
生徒たちのデザイン上で問題として取り上げられたのが、彼らの身長が高いことでした。
実は小説を読んでいた時は、もう少し下の年齢だと考えていたんです。
ベリルの剣術道場に来る子たちより若干年齢が下だと想定していたのですが、実は10代半ばから高校生くらいの年齢感でミュイと同年代。だけどベリルに近い身長の男の子がいるので、ミュイと同じフレームに入れようとするとミュイだけボコッと下がってしまうんです。
思いのほかベリルとも目線が近く、フィッセルよりも背の高い男の子もいました。そうなって来ると「先生!先生!」と懐いてくる感じではなく、ちょっと距離感が出てくる。子供だけど身綺麗なので、あまり子供っぽくはできない。かといって大人ではないので、大人びた行動を取る訳ではない。そういった制約の中、行きついたのがミュイと絡むことを主軸とすることでした。「ミュイを含めた5人で1チーム」と見えるように生徒たちをデザインしてみました。第一期とは違うミュイの新たな面が見られるようになったと思います
──また、既にPVからベリルが父・モルデアと戦うことが明かされています。こちらの絵作りで注目してほしいこともお願いします。
藤川:モルデアは間違いなく強者なのですが、その強さをどう表現するかが難しかったところです。
スタッフが考えるモルデアの強さの理由がそれぞれ違っていてどれを選ぶのか議論が尽きませんでした。
佐賀崎先生たちにもどういったやり方がいいのか、かなり慎重にチェックしていただきましたし、調整と修正を重ねながら完成させています。現場スタッフにとってもモルデアは難敵で、手ごわいおじいちゃんでした。
モルデアとの戦闘シーンは考えうる全てを込めた集大成になっています。状況としては木剣での立ち合いですが、ベリルとモルデア、お互いの人生や積み重ねてきたものがかかっている。ともすれば地味に映る立ち合いの中に、見た目以上のものを込めています。そのためにいくつか布石を打っていますので、みなさんのご期待に添えたら幸いです。
──まとめに入る前にオープニングについてもお聞かせください。今回はユニコーンさんの「クレナイノハ」という楽曲になっています。映像の方はどんなコンセプトで制作されたのでしょうか?
別府:第一期の映像と被らないようにすることが重要でした。曲のコンセプトも曲調も第一期から異なっているのですが、内容的にはベリルやベリルに共感する視聴者さんを賛歌、応援するようなものになるよう苦心しています。
特に第二期から登場するキャラクターたちについては、多少は物語性が出るよう意識しています。第一期をご覧になってくださった視聴者さんが期待してくださるように、先々に登場するキャラクターも出して期待感が膨らむようにしました。第二期の象徴的なシーンや象徴的なキャラクターが印象的になるように、予告的な意味合いも込めています。
第一期のオープニングも本編とは色味を変更して絵画風に仕上げましたが、第二期もそういった雰囲気で本編とは少し色味の違う雰囲気の挑戦的な色づかいの映像です。ぜひ楽しみにしていてください。
藤川:第二期にはベリルが今まで以上に前進していく雰囲気があります。第一期は燻っていたところから日の当たる場所に出てきて、自分自身も困惑するような状況のなかで自分の意思とは少し違うところにいる……みたいな印象があったと思います。
第二期ではベリルが少しずつ自分の意思で未来を選択していきます。そんなベリルの変化を踏まえて改めてオープニング映像を見返した時、楽曲やその歌詞、映像から受ける印象が変化すれば面白いかな、と考えております。
先々の予告かのようになっていたカットが、その話数を経た後では過去になる。ベリルの表情も第1話の頃と中盤や終盤にかけてでは印象が少しずつ変わって見える。ベリルの歩みを、体感できる映像となればと思います。
──ありがとうございます。最後に視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします。
別府:第一期の制作当時にみなさんからいただいた評価は、良いものもあれば厳しいものもありました。ですがその全てが励みになって、制作現場としてもその数々が力になっていました。色々な形で応援いただければと思いますし、第二期も引き続き評価をいただければ幸いです。
第二期では本当に多くのキャラクターが登場して、ベリルも剣術以外の多くのことを経験して成長していきます。おじさんでも成長できるんだと、こんな成長の仕方もありなんだと、そういう希望が描けるんじゃないかと思っています。
剣戟やアクションシーンはやりきれなかった部分がありましたので、よりこだわって、第一期と同じメンバーがより力をつけて制作に打ち込んでいます。非常に良いものになっているのでぜひ楽しみにしていてください。
藤川:第一期の積み重ねがあった上での第二期ということで、ベリルだけでなく色々なキャラクターたちの人間関係が、ベリルを通して少しずつ変化していきます。そういったところも楽しみにしていただければ幸いでございます。
『片田舎のおっさん、剣聖になるII』作品情報

放送・配信情報
7月8日(水)よりテレビ朝日系全国ネット“IMAnimation W”枠、BS朝日、AT-Xにて放送開始!
Prime Videoにて7月9日(木)より 世界独占配信開始!
放送情報
テレビ朝日系全国ネット:7月8日より 毎週水曜 よる11時45分~ “IMAnimation W”枠(※一部地域を除く)
AT-X:7月9日より 毎週木曜 よる11時〜
【リピート放送】毎週月曜 午前11時~/毎週水曜 午後5時~
BS朝日:7月12日より 毎週日曜 よる11時30分~
配信情報
Prime Videoにて7月9日(木)より 毎週木曜 午前0時15分~ 世界独占配信!
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※放送・配信日時は変更になる場合がございます。
スタッフ
原作:佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ(SQEXノベル/スクウェア・エニックス刊)
監督:鹿住朗生
シリーズ構成:岡田邦彦
キャラクターデザイン・総作画監督:早坂皐月
副監督:古我望/川島勝
コンセプトデザイン:島すずめ/夢野れい
色彩設計:鈴木咲絵
美術監督:山下泰希
撮影監督:池田健一
3Dアニメ―ション制作 :YAMATOWORKS
編集:丹彩子
音響監督:ひらさわひさよし/松尾崇宏
音楽:高梨康治
アニメーション制作:パッショーネ×ハヤブサフィルム
プロデュース:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
キャスト
ベリル・ガーデナント:平田広明
アリューシア・シトラス:東山奈央
スレナ・リサンデラ:上田瞳
クルニ・クルーシエル:広瀬ゆうき
フィッセル・ハーベラー:矢野妃菜喜
ミュイ・フレイア:仲田ありさ
ルーシー・ダイアモンド:斎藤千和
ヘンブリッツ・ドラウト:石川界人
モルデア・ガーデナント:内田直哉
主題歌
オープニング主題歌「クレナイノハ」ユニコーン
エンディング主題歌「未完成」BLUE ENCOUNT
第二期イントロダクション
片田舎の剣術師範ベリル・ガーデナント。
彼はいまや騎士団の特別指南役として、そして孤児の後見人として、首都での日々に馴染みつつあった。
しかし、取り巻く環境はベリルに安穏を許さない。
魔術の学究に勤しむ教育機関で。
乗り越えるべき壁がそびえる故郷で。
国境を臨む辺境伯領で。
策謀渦巻く異国の地で。
ベリルは剣士として、ひとりの人間として、
避けることのできない新たな戦いに立ち向かう──






























