
TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』第3期 釘宮理恵さん(薬膳ヤク役)×矢野優美華さん(土呂瀞騎士華役)インタビュー|ヤクの“年の功”と騎士華の“とろとろ”、超個性的な2人の役作り
2026年7月より放送中のTVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女(以下、100カノ)』第3期。恋の神様から「高校で出会う運命の人は100人いる」と告げられた愛城恋太郎。しかし運命の相手と愛し合って幸せになれなければ死んでしまうという……。果たして、恋太郎は運命の人全員を幸せにできるのか!?そんな“DEAD OR LOVE”な新感覚ラブコメディ『100カノ』について語ってもらうインタビュー連載。
第4回は、薬膳楠莉の祖母で、89歳ながら「不老不死の薬」の失敗作により、体が8歳になっている薬膳ヤクを演じる釘宮理恵さんと、6人きょうだいの長女として育ったため面倒見がよく大人っぽいと思われているが、実は甘やかされたい願望を持っている土呂瀞騎士華を演じる矢野優美華さんに、『100カノ』の魅力を聞いた。
超個性的なキャラクター、2人はどう演じていったのか
──まず、アフレコ前の作品への印象をお聞かせください。
土呂瀞騎士華役 矢野優美華さん(以下、矢野):アニメ化する際、別の役でオーディションを受けさせていただいたので作品は存じ上げていましたし、アニメ第1~2期も放送を観ていて、面白くて楽しい作品だと思っていたんです。ただ、かなり個性的ではあるので、そこに自分が入るというのは想像できていなかったです。
──その中で、土呂瀞騎士華を演じてくださいと言われたときは、どう思いましたか?
矢野:オファーをいただいた際に「ちょっと個性的なキャラクターではあるんですけど、やっていただけたら嬉しいのですが……」みたいなことが添えてあったので、どんな子なんだろうと原作を読んでみたんです。……でも、意外と衝撃は少なかったというか、この作品だったら、このくらいパンチのある子はいるだろうなと思いました。普通の作品で騎士華が出てきたら衝撃ですけど(笑)。
──ただ、騎士華はこれまでの彼女と比べても、かなり強烈なキャラクターではありました。
矢野:最終的に赤ちゃんになりますからね。しかも赤ちゃんになるとろとろモードは放送まで内緒にしていたので、アニメで観ていた方は驚いたと思います。散々かっこいい人だと思わせておいて、「なんだこれ……(笑)」となるのが騎士華なので、「やっぱり『100カノ』だった!」となったことでしょう(笑)。
──釘宮さんはアフレコ前の作品に対しての印象はいかがでしたか?
薬膳ヤク役 釘宮理恵さん(以下、釘宮):オファーをいただき、自分のキャラクターが出てくるところを抜粋していただいたのですが、そちらを観たとき「ははぁ~」となりました(笑)。年齢は89歳だったんですけど、お役をいただけたからには一生懸命やりたいなと思いました。
『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』というタイトルのインパクトがあり過ぎて、夢があるなと思いましたし、おばあちゃんでも可能性があるんだから、すごい作品ですよね。
──89歳は、釘宮さんが演じてきた中でもなかなかの高齢ですよね。
釘宮:ファンタジーの世界ではなく、実世界の延長線じゃないですか、ヤクって。なので、リアルなキャラクターだと、わりと高齢なほうだと思います。生きてきた年月を感じさせるキャラクターだなと思いました。
──タイトルに衝撃を受けたキャストさんは、これまでも多かったです。
釘宮:やっぱり!この日本語の並びがすごいし、原作の先生の発想がすごいですよね。
矢野:「大」が5個の理由があるのかな?と考えたりもしましたし、100人の彼女って何なんだろう?と思ったし、本当に100人が出るの!?とも思いました(笑)。
──その中心にいる愛城恋太郎をどう思いましたか?
釘宮:本当にちゃんと愛してくれるんだなと思いました。最初「これはどういうことなんだい?」って、年長者の気分で斜めから見ていたんですよ。でも、いざ台本を読み、映像と合わせてお芝居をしていく中で、恋太郎がすごく真摯に向き合ってくれるんですよね。ちゃんとヤクも一人の彼女として、みんなに対するのと同じ熱意と想いがあったので、心が溶解していく感じがあったというか、ほっこりしました。タイトルの新鮮さだけでなく、100人いたら100人平等に愛してくれるのが恋太郎なんだなと、自分の中でタイトルの意味を回収できました。
矢野:男の子1人に対して女の子がいっぱい出てくる作品って、女の子に順位が付いちゃって、それが見えたとき、二番目以降を推している側からすると、少し寂しくなったりするじゃないですか。でも恋太郎はそれがまったくないんですよね。みんな同じく一番だというのが、表情や発言、態度に出ているんです。すべての女の子を同じように知っていて、さらに知ろうとする意欲がある。それが恋太郎の個性だなと思いました。あと演じている加藤 渉さんも恋太郎と気持ちがシンクロしていて、キャストに対しても平等に向き合ってアフレコをしてくださるんです。それがよくわかりました。
──それぞれの役作りについて伺いたいと思います。釘宮さんは薬膳ヤクをどんなふうに演じていったのでしょうか?
釘宮:実年齢もあって、精神的な落ち着きが非常にあるキャラクターなので、そこは意識せずとも自然と出てくるところがありました。恋太郎とも、出会ってしばらくは線を引いているところがあって、距離を保って大人として接している感じなので恋愛に対してガツガツし過ぎないということは考えていました。
でも、恋太郎の熱意にだんだん気持ちが揺れて傾いていくようなところも描かれていたので、そこは流れに乗って演じていきたいなと思いました。
また、ヤクの精神年齢は実年齢と同じく大人なんですけど、見た目が『不老不死の薬』の失敗作によって幼くなっているので、精神年齢と見た目がマッチするようなところを狙いたいなと思っていました。
──見た目や声は8歳なんですけど、不思議と「89歳感」が感じられました。
釘宮:ありがとうございます(笑)。
テンポがいい作品なので、話すテンポが速いところも多かったのですが、当日少し台詞をカットしてもらい、ゆったりおおらかにしゃべれるように調整していただいたんですよ。そこで89歳感が出ていたと思うので、皆さんが作ってくださった環境のおかげ、というところもあると思います。
──同じく恋太郎の彼女の一人である孫の薬膳楠莉のしゃべり方を意識することはなかったですか?
釘宮:初登場のとき(第31話「一寸凪乃師と楠莉バニアファミリー」)、楠莉のお母さん役の井口裕香ちゃんが出ていて、私は最後にひと言だけ話す感じだったのですが、親子2人がしゃべっているのをしっかり見ていたんです。そこで“楠莉バニアファミリー”をちょっと学んだところがあったので、それが出ていたかもしれないですね。
──ちなみに、第31話ではヤクのクレジットが「???」になっていて、第32話で正式に表記されましたね。
釘宮:しゃべってるのに~(笑)。
──釘宮さんの声に気づかれているアニメファンは多かったと思います(笑)。また、ヤクは彼女たちの中で一番常識的なキャラクターだなと思いました。
釘宮:そうなんですよ!普通です!周りもちゃんと見えているし、孫のことも理解している。ちょっと文明の利器が使えないところはありますけど、それ以外は普通なんです。
──矢野さんは土呂瀞騎士華をどのようなアプローチで演じていきましたか?
矢野:女騎士の部分と赤ちゃんになる部分がはっきり分かれていないといけないというのがあって、自分の出す声としては女騎士のときは低めで出して、赤ちゃんになると思い切り高い声を出す感じでした。一番高いところと低いところを使っているんじゃないかというくらいコントラストがあると思います。どちらかというと女騎士モードの騎士華をちゃんとやらなきゃ!という気持ちがあったので、赤ちゃんになるまで、女騎士を隙なく演じることを一番気にしていたかもしれません。
──切り替えはすんなりできましたか?
矢野:赤ちゃんになるところは、結構ディレクションがあったんですよね。「赤ちゃんだったときを思い出してください」みたいな。
ただ、体が赤ちゃんになるわけではないので、「大人の騎士華のまま、心だけ赤ちゃんになれますか?」みたいな難しいディレクションもあったんですけど、第1~2期にかけて、皆さんがかなりはっちゃけて作品を作ってきてくださったのを観ていたので「ここまでやっていいんだろうな」というのはわかって現場に入っていたんです。だから混乱はあまりなかったです。
──ちなみに、これまで登場した彼女たちで、誰がインパクトがありましたか?
釘宮:私は好本 静ちゃんかなぁ。ちょっと個性的すぎ?と思ったり。あとみんなかわいいけど、伊院知与ちゃんの「ゔーっ!」と唸っているのもかわいかったです。それと花園羽々里さんのテンションが高くて、ものすごいなと思いました。設定自体、「娘が彼女なのに、お母さんもなの!?」ってなったけど、考えてみたら、うちは孫が彼女だから「うちもそうでした!」となっちゃいました(笑)。でも、みんないい子ですよね。
矢野:私も花園親子のインパクトはすごく強いと思いました。液体がいつもじゅるじゅる出ているお母さんってすごいですよね(笑)。特に羽々里さんは俯瞰で、みんなのことを娘のように好きでいてくれている感じがするんですよね。他の子は同年代だから対等な感じで恋太郎と付き合っている中、羽々里は母のように、みんなに興奮しているので、ちょっと恋太郎に近いポジションのような感じがしています。
──アフレコは賑やかでしたか?
矢野:最後のほうは本当に賑やかでした。マイクワークも大変でしたけど、さすがに第1期からやられている方たちは速い!と思いました。私や、後半から入った組にマイクを譲ってくれる雰囲気もあって、温かい現場だなと思いました。
釘宮:私も一緒に収録をさせていただいたのですが、新参者だったので、すごく作品のことをキャストのみんなが説明してくださり、みんな作品のことが好きというのが伝わってきたし、元ネタとか設定も教えてくれたので、私もより作品のことを好きになれました。
──ヤクに他ヒロインを紹介するエピソード(第32話「楠莉先輩のおばあさん」)とちょっとシンクロしているところもありますね。
釘宮:本当に!みんなの役名も最初は読めなかったし、役名にキャラクター性が表れていることも教えてもらいながらでした。だからアフレコ中は、この役は誰々ちゃんが演じていて、このマイクが埋まるから、ここに入ろうとか。脳内でいろいろ考えたり、バタバタしながら楽しくマイクワークしていました(笑)。





































