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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で2024年まで連載されていたラブコメ作品『正反対な君と僕』。明るく元気だけど人の目を気にしてしまうギャル・鈴木と物静かだけど自分の意見をはっきり言える男子・谷のカップルを中心に、高校生たちの日常を描いた作品です。
恋をした時の感情の忙しさや青春特有の人間関係、それに伴う心理描写の秀逸さで人気の本作。2026年1月よりアニメ第1期が放送され、7月5日よりファン待望の第2期が放送中です。
本作の大ファンである筆者は、とりわけ平と東(愛称・タイラズマ)のカップリングが大好きで、これまでもアニメイトタイムズで彼らへの愛を叫ばせていただいておりました。
先日放送された第24話「スタートライン」はタイラズマにとっての最終回ともいうべき一話で、ずっと前から寄せていた高い期待を裏切らない素晴らしい映像化だったと感じています。
本稿ではそんな本話を、平と東にフォーカスを当ててレビュー。ただの同級生だった彼らが3年間の高校生活を経て辿り着いた何物にも代えがたい関係に胸がいっぱいになりました……。
※本稿にはネタバレ要素が含まれます。
平と東といえば、電車での帰り道のイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。元々ただの同級生(友達)同士だった彼らが、ここまでの関係を築いてこれたのは下校というささやかな時間の積み重ねがあったからこそだと私は思っています。
帰り道という少しの時間ながら2人だけの思い出を何回も積み重ねるうちに、お互いが少しずつ特別な存在になっていったタイラズマ。そんな彼らは、卒業式の日に人気のない(おそらく)体育館の裏で2人だけで涙を流していました。これって共通の思い出として最強じゃないですか?
平が1人になったのはきっと、いや間違いなく泣いているところを人に見られたくなかったから。他の友達は誰も泣いたりしていない中で、1人だけ涙を見せるなんてできない性格ですよね。
そこへ東がやってくるわけですが、足音だけを聞いた平は「やべっ」と慌てた様子でした。ですが、足音の主は東。ものすごくホッとしたでしょうね。
「言わないで…泣いてたこと」と言う平の声色は、今までにないほど弱弱しく、それほどまでに東になら気を許せているのだと改めて感じました。……ですが、本当に口外しないか、ちょっと疑いの目を向けているのはさすが平。涙を浮かべたジト目が可愛すぎました。
それに対して「わかるよ」と返した東。声色には既に涙がにじんでおり、それだけで私は胸がいっぱいに……。
さらに「楽しかったよな…高…校…」と東の台詞が続きますが、私は原作を読んだ時からこのシーンの東の表情が堪らなく大好き。アニメでも原作の雰囲気がそのまま描かれており、製作スタッフのみなさんには感謝するばかりです。
初登場時の疲れ切った表情はすっかり消え去えり、楽しかった高校生活を思い返して胸をいっぱいにしている彼女を見ると、心からよかったねえとこちらまで嬉しくなります。大人びた容姿と雰囲気だった東でしたが、ボロボロと涙を流す姿はむしろ幼い少女のよう。東可愛すぎるよ……。
東は友達とはしゃいでいるときから密かに高校生活が終わる寂しさを感じていたと思うのですが、この平との時間が無ければ泣くことはなかったか、あるいは家に帰って1人でポロっと泣いていたかもしれません。
平も東が来てくれなければ、1人で泣いて落ち着いてから平然とした顔でみんなのところに戻っていたでしょう。
1人で泣くと楽しかった高校生活が終わってしまう寂しさや名残惜しさだけが募りますが、いっしょに泣いたことで、新しい思い出が生まれ、寂しいだけではない温かさも感じられたはず。
何年後か、大人になった2人がこの時のことを思い返して笑い合うような未来があると素敵だなあと思います。
第16話で、東が高校1年生の頃から自分のことを対等に見て応援し続けてくれていたことを知った平は、今までの彼女の行動を穿った目で見続けていたため「ごめん」と謝罪を口にしていました。
それに対して「ごめんよりもありがとうの方がいい」「友達なんだしもっと適当でいい」と返していた東。
2年生の年明け頃だったあの時から1年ちょっと経った卒業の日。ついに平は東に「ありがとう」ということができました。この「ありがとう」一言で2人の思い出が一気に蘇ってきます。
1年生の頃から応援し続けてくれてありがとう、友達になってくれてありがとう、対等に見てくれてありがとう、話を聞いてくれてありがとう、励ましてくれてありがとう、受験勉強一緒に頑張ってくれてありがとう……2人はずっと支え合ってきたんですよね……。
平が自分を卑下することなく、対等な目線で謝意を伝えられたことがどれだけ大きな事かを東がわかっていることも非常に尊いポイントでした。
だって、「名前の付く関係になるよりも特別をもらった気がする」と言っているんですよ。カップルになるよりも“特別”だと感じているんです……本当に平の良き理解者だと思います。
なのに、それなのに! “彼女”という立場よりも「特別」をもらったのに(もらったからこそなのですが)、恋心を吹っ切ろうとする東。「今日で最後」とか言うなよ~~~(涙)。
しかし、平は彼女を引き留め「卒業してもまた会えたりする?」と。平ぁ!! よく言った!! 2年生が終わるときは東から平に繋がりをなくしたくない思いから声をかけていましたが、今度は平から縁を繋ぐ一言が……こんなの感動せずにはいられません。
それにしても袖クイからのこの言葉はあざとすぎます。いつも斜に構えていた平がこんなに直球で会いたいと口にしていたことも感無量でした。弱みもダサさも見せられる東なら取り繕わなくてもいいんですよね。
好きな人からこんなこと言われ、堪らない東。意表を突かれて呆気にとられた表情から言葉の意味を理解して赤面する表情への変化が最高でした。
無自覚男・平はそう簡単に吹っ切れさせてなんてくれません。東の情緒はまだまだ平に振り回されそうです。
平と東のかけがえのない時間をアシストしたのは、3年で同じクラスになった友達・松田ゆの。恋愛相談をしていた佐藤や付き合いの長い鈴木たちにもバレていなかった平への気持ちが彼女にはバレていたのです。
私はこのことに東の成長を感じました。中学時代は女友達から恋愛関係で巻き込まれたり、利用されたりすることが多かったため、無意識のうちに友達と距離を置く癖がついていた東。
しかし、高校2年の時にそのことに気付き、佐藤、渡辺との距離を自分から詰めたことをきっかけに、より深い友達付き合いができるようになっていきました。
3年で友達になった松田に好きバレしていたということは、鈴木や佐藤たち以外とも深い付き合いができるようになったという証。東は心底恥ずかしそうにしていましたが、平との時間が取れたのは松田のアシストあってこそ。彼女たちと仲良くなれて良かったね、東。
一方で、ずっと相談されていた佐藤が全く気付いていなかったのも面白かったですね。東の恋愛に関する先入観が強かったことと彼女の鈍感さゆえなのでしょう。そんな佐藤だからこそ、東は相談できたのかもしれません。
また、東とは友達ではないのに、持ち前の勘の良さで人知れずアシストしてくれた本田はさすがとしか言いようがありません。山田を引き留めながら、にやけないように唇を内側に巻き込んでいたのが面白過ぎました。現場見てなくても想像でニヤニヤできるのはオタクの特技ですからね。
そういえば、東は平と写真を撮るために後を追っていったはずですが、結局写真は撮ったのでしょうか……。撮ったのであれば絶対見せてほしい……出来ればネットプリントとかさせてくれないかな……。
平秀司と東紫乃。ついに2人の名前も明かされた本話はタイラズマ的最終回と言っても過言ではないでしょう。2人とも良い名前だなあとしみじみ感じました。
高校在学中にくっつくことはなかったタイラズマですが、カップル以上の唯一無二の関係になれた2人。別々の大学になっても、きっと心地よい時間を共有する素敵な関係が続いていくのでしょうね。
タイラズマに心を奪われているオタクとしては、カップルになった彼らも見てみたいのが正直な気持ちなのですが……今までの彼らの歩みと本話を見たあとではそんなことを望むのは無粋に感じてしまいます。
平と東が幸せならそれで良し! タイラズマに幸あれ!
| 作品名 | 正反対な君と僕 |
|---|---|
| スケジュール | 第1期:2026年1月11日(日)〜2026年3月29日(日) 第2期:2026年7月5日(日)~2026年10月4日(日) MBS・TBS系全国28局ネットにて |
| あらすじ | いつも元気いっぱいだけど周りの目を気にしてしまう女子・鈴木と、物静かだけど自分の意見をしっかり言える男子・谷。 正反対な二人が誤解や勘違いをしながらもお互いを尊重し、ゆっくりと理解を深めていく姿と、友人たちとの学校生活を描くラブコメディ。 |
| 話数 | 全25話 |
| キャスト | 鈴木:鈴代紗弓 谷:坂田将吾 渡辺:谷口夢奈 佐藤:平林瑚夏 山田:岩田アンジ 東:島袋美由利 平:加藤渉 西:大森こころ 本田:楠木ともり |
| スタッフ | 原作:阿賀沢紅茶 監督:長友孝和 シリーズ構成・アニメーションプロデューサー:内海照子 キャラクターデザイン:みやこまこ サブキャラクターデザイン・総作画監督:小園菜穂 総作画監督:﨑本さゆり 早川加寿子 伊澤珠美 迫江沙羅 メインアニメーター:前原里恵 伊澤珠美 美術監督:中村千恵子 色彩設計:秋元由紀 撮影監督:塩川智幸 3Dディレクター:越田祐史 編集:黒澤雅之 2Dデザインワークス:越阪部ワタル 音楽:tofubeats 音響監督:木村絵理子 音響効果:安藤由衣 録音調整:太田泰明 選曲:合田麻衣子 アニメーション制作:ラパントラック 製作幹事:松竹アニメ事業部 |
| 主題歌 | OP1:「メガネを外して」乃紫 OP2:「猫じゃらし」7co ED1:「ピュア feat. 橋本絵莉子」PAS TASTA ED2:「運命の君」Mega Shinnosuke |
| 電子書籍 | 『正反対な君と僕』電子書籍(コミック) |
