音楽
愛美「AIM STAR」インタビュー|原点に立ち返り、もう一度“スター”を目指す

「本当はまだスターになりたいんじゃないか」――愛美が「AIM STAR」で向き合った原点と、もう一度夢を追う覚悟。本格的な作曲にも挑戦した4曲入りEPを語る

 

作品に自身の経験を重ねて描いた「ドラマチック逃避行」

──続いて、金崎真士(SUPA LOVE)さんが作曲、島崎貴光さんが編曲を手がけられた「ドラマチック逃避行」(M-1)について伺えればと思います。TVアニメ『灰原くんの強くて青春ニューゲーム』のエンディングテーマですが、タイアップ曲の場合、作品から受け取ったものをどのようにご自身の表現へ広げていくのでしょうか?

愛美:タイアップ曲の作詞をするときは、作品が持っているメッセージ性と、自分の中にある感情や経験を照らし合わせて、重なる部分をピックアップしながら書いていくことが多いんです。

今回は、自分自身にも共感できる部分が分かりやすくあって。学生時代の暗い過去をやり直したいという気持ちだったり、学生の頃に無敵の妄想をしていたことだったり(笑)。そういう部分が自分の経験や感情とかなり重なっていたので、そこから広げて書いていきました。テーマがしっかりある分、作詞もスムーズでしたね。
あとは、『灰原くん』は原作がノベルなので、そうした作品ならではの要素も歌詞に取り入れています。リリックビデオにも、そのニュアンスを反映していただきました。

──リリックビデオもすごく見応えがありますよね。

愛美:素敵な仕上がりにしていただいて、本当にありがたいです。

──この曲も、シンガロングできるパートがたくさんあるので、ライブでは絶対に盛り上がりそうです。

愛美:そうなんですよ。先日ライブで初披露させていただいたんですけど、初披露なのに、サビの「woh-woh 」というところを初めて聴いたお客さんも一緒に声を出してくださっているのがすごく感じられて。すごく嬉しかったです。

 

本格的な作曲で得た気づき

──では、現在制作中の楽曲(※M-4「星になれたら」)についても伺えたらと思います。デモ段階の音源を聴かせていただきましたが、疾走感のある曲でした。お話を聞いているタイミングでは、まさに今、制作中ということで。

愛美:そうなんです! 現時点ではアレンジも含めてまだ練っている最中で、今、最終調整をして、そこから作詞に取りかかるという段階です。藤永さんと綿密に打ち合わせを重ねていて、贅沢にやらせていただいています。まだふわっとしているので、制作段階のお話になってしまうのですが……。

──ぜひ聞きたいです。

愛美:今回、自分で作曲することになって、まず思いついたメロディーをAメロ、Bメロ、サビという形に分けて藤永さんに送ったんです。それを一つの曲にまとめていただいて、そこから「じゃあ、これをどうしていこうか」とやり取りをして。自分の頭の中で思い描いていたものを藤永さんに正確に再現していただいたことで、「自分が考えていたものって、こんなにふわふわしていたんだ」と実感しましたね(笑)。

──ふわふわ、ですか?

愛美:はい。実際にメロディーを楽曲として形にしていただくと、「ここは2小節いらないな」とか、「このフレーズは2拍手前に持ってきたほうがいいな」とか、調整したほうがいい部分が見えてきて。それまで曖昧だった部分がきちんと見えるようになりました。自分でメロディーを歌っている段階では成立していたはずなのに、その通りに音へ落とし込んでみると、曲としてはうまく成立していない部分がある。それは反省点でもありつつ、とても勉強になりました。

── 『AIMI SOUND』(2022年)のボーナストラックに収録された「※おこめぞん」で作詞・作曲を手がけられましたが、本格的に作曲に挑戦するのは、初めてになるかと思います。今回、作詞だけでなく作曲にも挑戦しようと思った理由を教えてください。

愛美:「4曲入りEPでいきましょう」となった時点で、すでにデジタルリリースしている「ドラマチック逃避行」が1曲あって、さらに新曲を2曲書き下ろしていただくことが決まっていたので、だったら、最後の1曲は「愛美オリジナル曲が一番バランスが良いんじゃないか」という話になりました。

──それで今回、作曲に。

愛美:はい。もともと作曲には興味がありましたし、「いつかちゃんと作れるようにならなきゃな」とは思っていたタイミングでした。「AIM STAR」には“覚悟を決めて星を目指す”というコンセプトもあったので、「じゃあ、作詞作曲に挑戦してみよう」って。アレンジがどうなっていくかも楽しみにしているところです。

──完成形も楽しみにしております。ジャケットについても伺いたいのですが、「狙う」というタイトルのイメージと重なるようなビジュアルですよね。ロックンロールスターのような雰囲気も印象的です。

愛美:今回は「星を狙う」というタイトルだったので、まさに銃を持ちたいとお願いしたんです。実際に銃を持つか、もしくはギターを銃に見立てるのがいいです、と。そうしたらオリジナルの銃を作っていただけて、それを使って撮影しました。勢いのあるビジュアルにしたかったので、色味も強めに使っていただいて。狙いどおりのものが撮れたんじゃないかなと思います。

──「AIM STAR」のMVは、どんな仕上がりになりそうですか?

愛美:実は先日撮影したばかりなんですがおしゃれな感じで撮影していただきました。アルミっぽい質感の空間の中に自分がいるようなシーンがあったり、夕日のような光をバックに、広い空間でバンドの皆さんと一緒に演奏したり。ワクワクするような撮影方法で撮っていただきました。今回はグラフィック的な表現も使うみたいなので、私も完成がすごく楽しみです。

 

──そして初回限定盤のBlu-rayには、「AIMI LIVE TOUR 2025 “NEW WORLD”」のなんばHatch公演が収録されます。今振り返って、愛美さんにとってどんなツアーでしたか?

愛美:チャレンジングなライブツアーでしたし、そのうえで、愛美自身も手応えを感じられたツアーだったので、ぜひいろいろな方に観てほしいライブです。

これまで私は、ライブに対して不安を感じたり、どうしても冷静になってしまったりして、歌やライブそのものに入り込めないことに悩んでいたんです。今回は、ある意味で「自分だけど、自分じゃない」ものを演じるようなコンセプトにしたことが、自分にとってもやりやすかったんです。それによっていろいろな気づきもありましたし、そのうえで、お客さんにも満足していただけたライブだったと思うので、この機会にいろいろな方に観ていただきたいです。

あと、これまでのライブ映像と結構ガラッと違うのは、音の部分かなと思います。特にボーカルですね。

──というと?

愛美:今回のライブは地上波での放送もあったので、そのための音の確認に立ち会わせていただいたんです。だから今回はボーカルに関して、これまでのライブ映像とはかなり違って聴こえるんじゃないかなと思います。

 

“星”を目指すツアー、その先に見据える日本武道館のステージ

──11月からはツアー「STAR RISING」も控えています。今回はソウル・香港・台北・東京公演ですが、どんなツアーになりそうでしょうか?

愛美:今回もいろいろやりたいことがあるんですけど、それを限られた期間の中でどれだけ具現化できるのか、今はちょっとドキドキなところもあります。でも、やりたいことはいっぱいあるので、それをチームの皆さんに共有して、いいものを作り上げていけたらなと思っています。

初めてのアジアツアーでもあるので、規模感や世界観を広げてやれたらなと思っていて。宇宙だったり星だったりをテーマに、面白いことができたらなと思っています。

──最後に、少し昔のお話をさせてください。15年前に取材させていただいたとき、愛美さんが「絶対に歌手になるとずっと口にしていて、その願いが叶った」とおっしゃっていて。そして、「口にすることってすごく大事」と話されていたことを、私自身もずっと覚えていました。実は今回、こうして愛美さんに取材させていただくのは、それ以来15年ぶりで。

愛美:えっ! お久しぶりです!(笑) すごく嬉しいです!

──こちらこそです。私もそれを聞いてから、やりたいことは口にしたり、書いたりするようになったんです。それぐらい印象に残っていて。今、愛美さんが改めて口にしておきたいことはありますか?

愛美:そうですね。武道館ライブをやりたいです。キングレコードに移籍した当初も「武道館でやりたい」と言わせていただいていたんですけど、現実的なことを考えると、だんだん言わなくなっていったんですよね。

でも、また夢を見てもいいのかなって。夢を見るというか、原点回帰して、武道館をやりたいですね。ソロで歌ってみたいです。

 
[インタビュー&文・逆井マリ]

 

楽曲情報

 
【発売日】2026年10年14日
【価格】
初回限定盤 アニメイト限定セット:10,560円
初回限定盤:8,800円
通常盤:1,999円

 

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