
秋アニメ『とある暗部の少女共棲(アイテム)』麦野沈利役・小清水亜美さんインタビュー|[アイテムのみんながこの先どうなるかを知らないまま、この『少女共棲』から入れたら良かったのに……」
『少女共棲』を見ることで今までの麦野たちの見え方が変わる
──アイテムというチーム自体にはどんな印象がありますか?
小清水:本当にみんなバラバラで、足並みを揃えようなんてはなから考えていないんです。むしろ任務が入った時のように、やらなければならないことがある時だけ麦野がリーダーシップを発揮するので、お姉ちゃんみたいなところもあるんだと驚いたぐらいです。
今までは麦野が傍若無人なので周りがついてきてくれないと始まらない、だからみんなが「やれやれ」みたいな雰囲気で従ってくれているようにも見えていました。だけど『少女共棲』ではしっかり麦野がチームをまとめているし、みんなも自然と麦野に「どうする?」と尋ねるような関係が築かれているのが凄く面白いと思います。
ただ絹旗は少し特殊なので、彼女の自由さや生き方は他にないものだと思います。だから全部が全部必ずしも麦野のある種のカリスマ性で成り立っている訳ではないのですが、それだけバラバラなみんながひとつにまとまっている感じがたまらなく愛おしくなります。
それだけバラバラでも結局みんなで食事をしていたり、一緒に生活を共にしたり、みんなで一緒に寝るようなシーンも描かれます。私はフレンダが大好きなのですが、まさかそんなフレンダや麦野だけでなく、「アイテム」のみんなに胸キュンさせられる日がくるなんて思ってもみませんでした。
──収録現場の雰囲気もお教えください。
小清水:新番組のはずですが共に色々な修羅場を潜り抜けてきたメンバーばかりなので、第1話から慣れ親しんだ雰囲気でした。まさかこのメンバーでレギュラーをやれるなんて嬉しかったですし、同じ部活をずっとやってきた戦友たちと久々に集まってひと試合やるような印象もありましたね。だから新鮮さよりも安心感が強かったですし、みんな好きにやりつつ足並みは揃えようみたいな信頼関係の上で収録を進められたと思います。
ひとつひとつ新たに目にする各々のキャラクターの一面や、描かれている関係性に我々キャスト陣も一喜一憂しながら、みんなのこんな姿が見られるなんてと語り合ったりしました。一度4人で焼肉を食べに行く機会があったのですが、その時も「みんな最近どう?」って尋ねたら「私、大分膝が痛くなってきた……」みたいに新鮮さがゼロで(笑)。
一同:(笑)。
小清水:そうやって互いの日常を話せる優しい空間でしたし、本当にずっとこのメンバーでこの作品のために収録に臨みたいと思うぐらい居心地が良かったです。ただそんな中でも、今回は物語が進むにつれて敵対する様々な勢力が登場します。
基本的には初めましてのみなさんなので新鮮でしたし、そんなみなさんを「私たちもここで変わらずやれているから大丈夫」「好きにやればいいよ!」と、どっしりとした空気感で迎えられるように努めていました。
麦野たちと敵対するキャラクターたちはみんな手強いのですが、結構面白おじさん的な立ち位置のキャラクターも登場しまして。本当に出てきたそばから使い捨てられていくような扱いなのですが、私はこの作品において彼らがもう愛おしくてたまりません。裏の推しキャラクターはそんな彼らだったりしますね。
──『少女共棲』で改めて演じたことで、麦野の新たな魅力を見つけたところはありましたか?
小清水:これまでのシリーズに触れたことのある方は、きっと、麦野は基本的に戦いの権化で、なりふり構わずバトルをする人だという印象を持っている方が多いと思います。後はかつての仲間だったとしても、裏切るとその相手に対して非情に徹することも御存じかと思います。
私は今回の『少女共棲』に携わったことで、麦野の根本にはちゃんと思いやりがあると感じました。それがわかりづらいのが難点なのですが、ちゃんと麦野なりに気遣いを見せるんです。きっとそういう一面が端々から伝わると思いますし、仲間を使い捨てにしようとは考えていないことが見えてくるはずです。そんな麦野の姿をご覧になっていただければ嬉しいです。
──裏切りには凄く思うところがありそうだなと思わされました。もしかしたら仲間を大事にしているからこそだったりするのかもと思えるところがあります。
小清水:かなり無茶はするのですが、ああ見えて凄く真面目といいますか。与えられた任務に対してやりすぎることはあっても忠実にクリアして、しっかりやりましたよと報告を入れるんです。暗部という場所は危険と隣り合わせだけれど、だからこそ仕事をこなすためには信頼関係って物凄く重要じゃないですか。
命に関わる重要な問題で、たとえ誰かひとりでも裏切ったりしたら、それこそチーム全員が死んでしまう可能性すら出てきてしまう。だからこそ重く見ているんです。それは麦野自身の命が脅かされるからではなく、チーム全体が全滅しかねないからだという部分が常にあると思っています。
だから仲間のことは大事にするし、ある種の思いやりもあるけれど、感情だけでは見ていません。それと同時に裏切りや敵対だけは絶対に許さないといいますか、例外なくそれを良しとしてはならないという線引きが明確にあります。それが世間一般で見て良いのか悪いのか……それだけでは測りかねるところがあるのですが、麦野の中には一本の筋がある。
決して殺したいから殺している訳ではなくて、「そうなったのであれば、そうせざるを得ない」とでもいえばいいのでしょうか。そこに関しては感情が振り切れていたとしても、キレた拍子に何かをやらかしてしまった仲間に制裁を……なんてことはありません。
もちろん、「そこは自己責任でちゃんとやってよ」という場面もありますが、麦野が仲間を守ろうという考えを持っていることや、危なかったら無理せず撤収していいと明言するところも見られます。本当に不器用なんだけれど、仲間を大切にしているんです。
──これまでのシリーズをご覧になられた方も本作をご覧になられるかと思います。『少女共棲』のどんな部分に注目してもらいたいですか?
小清水:きっと麦野に対して思うところがある方もたくさんいらっしゃるので、必ずしも『少女共棲』をご覧になって、麦野を好きになってくださいとは言えない……かなと。
『少女共棲』で日常を過ごす「アイテム」のみんなを見てしまったら、その気持ちがブレてしまうと考えて中には見られない人もいるんじゃないかとも思いますし、私もその気持ちには共感してしまいます。そういった方たちに無理強いするつもりはありませんが、ある種の別物としてご覧になっていただけたら嬉しいです。
そういった感情がなく、ただ『とある』シリーズが全部好きで応援してくださっている方たちには、「アイテム」のみんなにもこういう一面があることを知ってもらえるので、アクセラレータさんの『とある科学の一方通行(アクセラレータ)』に引き続き楽しんでいただける内容になっているはずです。
何より今までは戦闘シーンが主だった中で、彼女たちが住んでいる場所まで描かれるんです。そういったプライベートにまで踏み込んでいるところを、ぜひ楽しんでいただけたらなと。もしかすると『少女共棲』をご覧になっていただくことで、今までの麦野たちの見え方がまたひとつ変わるんじゃないかと思っています。
後は新キャラクターたちがどいつもこいつもめちゃくちゃ濃い存在感を放っています。どのキャラクターもこの作品でしか出会えないかもしれませんので一回は注目してほしいです。
──最後にそんな新キャラクターのひとりである華野超美の印象も伺えますでしょうか?
小清水:新たに「アイテム」に加入しているけれども、他のシリーズでは登場していませんし。その間に何かあったことはもう間違いないですよね。ここは『少女共棲』の中でも一番の軸になる部分です。
こんなにも可愛い華野にどんな背景があるのか、それをきっかけに「アイテム」のみんなの身に何が起きてその関係性をどう変えてしまうのかを見届けてください。ただ、今回のアニメで全てを描き切れるかといったらそういう訳でもないと思いますので、ぜひ今後とも応援よろしくお願いします!
作品情報
あらすじ
総人口230万人を数え、その約8割を学生が占めるこの都市では、超能力開発のための特殊なカリキュラムが実施され、学生たちの能力は『無能力(レベル0)』から『超能力(レベル5)』までの六段階で評価されていた。
世間の常識をはるかに凌駕する科学技術を誇り、誰もが科学的な能力を与えられて安全に暮らしていける夢のような教育機関――その平和の裏側には、決して表沙汰されることのない汚れ仕事を請け負う『暗部』組織が存在する。
『アイテム』――四人の少女で構成された精鋭部隊。
窒素を自在に操り、鉄壁の防御を担う絹旗最愛。
爆発物とトラップを駆使し、戦場を翻弄するフレンダ=セイヴェルン。
能力者が発する微弱な力を読み取り追跡する、滝壺理后。
そして、学園都市に七人しかいない『超能力者(レベル5)』の一角、麦野沈利。
そんな彼女たちの前に現れた「五人目」の少女。
彼女との出会いが、『アイテム』を新たな闇へといざなうことに――。
これは、暴力と非道と背徳にまみれた、かなり変わった能力者の少女たちの日常と絆と、深い深い『闇』を描く物語。
キャスト
(C)鎌池和馬/KADOKAWA/PROJECT-ITEM


































