
「アフレコ聞いているだけでめちゃくちゃ楽しい」アニメーションならではの楽しさ──アニメ『パンどろぼう』朝井彩加さん、豊崎愛生さん、花澤香菜さんインタビュー
豊崎さんが嬉しかったと語る京極監督の言葉
──監督からの印象的なディレクションがありましたか
朝井:オーディションの時、「ダンディに」とディレクションされたんです。絵本を読んでいた自分の印象だと、子供らしさとかいたずらっ子な感じとかそういう方向性だったのですが、「もっとダンディに」「まるでワインを片手に」「バーで嗜んでいるような」とディレクションをいただきまして(笑)。
私の中になかったパンどろぼうのイメージが生まれて、試行錯誤しながらオーディションの時に録らせていただいて、それが今のパンどろぼうのニヒルな部分、ダンディズムな一面が香る部分になったと思います。そこが私は一番印象的かつ、パンどろぼうのイメージが固まったところでした。
豊崎:1話の時に監督はじめスタッフの皆さんと作品について話をしてから収録したのですが、その時に監督が「50年続く新たな国民的アニメを目指して、みんなでパンどろぼうを作っていきましょう」って言っていたのがすごく嬉しくて!
元々パンどろぼうって大人気のキャラクターではあると思うんですけど、それがNHKでアニメ化して、放送で新たにパンどろぼうを知ってくれる人が子供から大人までいると思うので、どんどん広まっていくんだなと思い、ワクワクしました。
みんなでパンどろぼうをたくさんの人に届けられる作品にしましょうっていう言葉が嬉しくて、印象に残っています。
花澤:ナレーションに関しては細かく指示があったわけではないんですけど、見守っている立場で、物語に寄り添ってくれたらっていう感じではありました。印象に残っているのは、にせパンどろぼうが「げっ歯類感を意識して喋って」って言われているのが、面白いなと思って(笑)。愛生ちゃんが、最初からげっ歯類感。すっごい面白いと思って。
豊崎:中身を意識してやりました(笑)。前歯とか(笑)。パンどろぼうとにせパンどろぼうのサイズ感は同じくらいで、パンやのおじさんとかも出てくるので比較して見れると思うんですけど、小さきものなんですよ。小動物感というかそういうのも出しつつ。彩加ちゃんが作り上げたパンどろぼうがいるなかで、弟分のにせパンどろぼうが出てくるということでそこでのギャップというか、また違う小さきものというのを意識しました。
──おじさんもダンディだと思いますが、諏訪部さんの声を聞いてどうでしたか?
朝井:パンやのおじさん役が諏訪部さんだよと聞いた時は「そうなんですね!」と驚いたんですが、収録の時にお声を聞いたら「なんて優しい、包み込んでくれるおじさんなんだろう」と思いました。
花澤:絶対美味しいパンを作る声ですよね(笑)。
朝井:これもある意味裏切りですよね。
花澤:絶対に美味しいパンを作るに違いない声です。
朝井:何十年とパンを作ってきた声でしたよね(笑)。
花澤:だってあの髪型だよ?絶対美味しいパン作るよね!
朝井:美味しいパンを作るべくして生まれたような髪型をしているのに!(笑)
豊崎:パンどろぼうをニコニコして温かく見守ってくれていて、諏訪部さんはオープニング曲を今回は担当してくれていて、彩加ちゃんも一緒に担当していて、そこともギャップがあります。オープニング曲はラップなので、パンやのおじさんが一番謎に包まれているかもしれない。
花澤:確かに!
豊崎:すごい興味があります。
朝井:諏訪部さん自身も『パンどろぼう』が大好きなので、もしかしたら緊張されていたのかもしれませんが、私たちにはそれを感じさせないくらい、「これぞパンやのおじさん!」という感じで演じられていましたよね。
豊崎:諏訪部さんご自身のご自宅にあるパンどろぼうのぬいぐるみを、初回のアフレコ現場に持ってきてくださっていて、現場にそのぬいぐるみを置いて収録をしていたぐらい愛がある。
朝井:私は使い込まれたパンどろぼうのポーチも見せてもらいました。諏訪部さんのパンどろぼう愛を感じました。
豊崎:おじさんが「ほほほ」と言って見守ってくれている、現場でも精神的支柱というか安心するというか、香菜ちゃんと諏訪部さんが現場にいてくれるというのがすごい安定感を感じます。安心してのびのびと芝居ができている感じがあるなと。
おじさんもアニメの中で本当に必要なときだけ手を差し伸べてくれる、全部やってあげるというわけではなくて、そういうところもリンクしていると感じます。
「疲れた心に染みわたる美味しさが詰まっているなと思います」
──ご自身のキャラクターを演じていて、特に見て欲しいシーンやアクションはありますか?
朝井:第1話と第2話を見させてもらったんですけど、個人的に印象に残ったのが、「いとしい、いとしい、いとしのパン」のシーンです。音楽やSEが入って観ると、全体的に愛しさが増していて、ちょっとウルっときてしまったんですよね。
そこはよくイラストでも代表的に使われているシーンでもありますし、「まずい!」ももちろん特徴的なシーンでもありますけど、いとしのパンのシーンも温かくて愛に包まれたシーンになっているので、楽しみにしていて欲しいなと思っています。パン愛に包まれた素敵なシーンでした。
豊崎:1シーン1シーン、すでに絵本に画があるシーンは、よりスタッフ皆さんの愛情が込められて、どのようにアニメーションで表現するかっていう愛情と熱意を感じるアニメーションになっています。焼き立てのパンが出来上がった瞬間もホワっと湯気が出る感じ。
みんなが『パンどろぼう』という作品が大好きで作っているんだなっていうのが、アニメーションで伝わるようになっていて、そういうのを見ると本当に心が優しくなれます。パンどろぼうのすばしっこさというか、足の運びもすごくコミカルで、ちょこちょこ動いていて、とっても可愛いんですよ。どろぼうという名前だけあって、どろぼうらしいところもとっても可愛らしく描かれています。
──ナレーションでは、いかがでしょうか。
花澤:ナレーションって最初にあるわけじゃなくて、アニメの最後に「良かったね、パンどろぼう!」みたいな感じで出てくるんですよ。アフレコを見守って、その時の気持ちでやっている部分もあったりするので、作品を通して感じた温かいものがしっかりナレーションに乗ればなというのはあります。
ちょっとふざけた1文もあるので、そこらへんで「ナレーションどうした?」って思ってもらえるかもしれないです。
──パンどろぼうとにせパンどろぼう、師弟関係のふたりですが、お互いに「さすがだな」って思った瞬間はありましたか?
朝井:パンどろぼうってアドリブが多いアニメなんですけど、にせパンどろぼう(豊崎さん)はアニキについていくぜ!っていうマインドでいてくださって。私のアドリブにすぐ反応して同じようにやってくださり、私がセリフを言ったことに対してガシッと熱量合わせて瞬発力で返してくださるのが本当に凄いなと思っていて。私が自由にやってしまっても、いつも一緒に乗ってくださるので、すごく心強いですし、嬉しいです。
豊崎:第一声を聞いた時からパンどろぼうの声は彩加ちゃんだったんだなというか、うまく言語化できないんですけど、すごくしっくり来ていたんです。おうちで一人でアフレコのリハーサルVを見て、練習をしてから収録に臨むのですが、その時もすでに頭の中には彩加ちゃんが演じるパンどろぼうの声がすでに聞こえてきている。第1話のアフレコ以降も、ずっとそうみたいな。
最初から馴染んでいて、その感じが出会うべくして出会ったんだなって感動してました。パンどろぼうとにせパンどろぼうが一緒に言うセリフがいっぱいあるんですけど、そこもあまり打ち合わせみたいなのはしていなくても、「こうやってやってくれるだろうな」っていうところで一緒に走ってくれるので、とても楽しくやらせていただいています。
個人的に困っているパンどろぼうや、「まずい!」のシーンもそうですし、アワアワしているときのパンどろぼうのお芝居がすごい好き。ぷるぷる震えているときもすごくかわいいので、パンどろぼうのプリティなところも見て欲しいです。怖がりな所も大好きです。
──最後に、子供だけでなく大人にも刺さる理由や、作品のアピールをお願いします。
朝井:アフレコの台本をチェックしていても本当に癒されるんですよ。出てくるキャラクターみんなが本当に素直で、大人からすると当たり前だけど忘れつつある部分を再確認できて、疲れた心に染みわたる美味しさが詰まっているなと思います。
花澤:パンどろぼうのパンにかける熱量や好きな気持ちというのが、何かをすごく好きになった人ならめちゃくちゃ共感できるんじゃないかなって思うんですよね!そのおかげで色んな人と出会えたり、自分の世界が広がっていく感じとかすごく共感できると思います。
パンどろぼうが住んでいる町の人たち、みんなパンが好きすぎるんですよね。そこら辺の異常さとかが、めっちゃ面白かったりするので、何かが好きすぎる人たちの面白い感じとかも味わえるかなって思っています(笑)。
豊崎:良い意味での裏切りみたいなものが、大人の心もグッと掴むストーリー。予想外のことがパンどろぼうでは起こるので、まさかの展開というか、そこが惹き込まれるポイントです。アニメーションに関しては、ホカホカのパンの湯気に包まれた骨太なヒューマンドラマみたいなのが実は描かれていると思います。
コメント動画


































