
『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』瀬戸麻沙美さん×石見舞菜香さん×水瀬いのりさんヒロイン声優インタビュー|約8年にわたる『青ブタ』シリーズ完結への想いと咲太の成長
翔子ちゃんの可愛らしさに、翔子さんらしい小悪魔感が加わった本作
――収録では何か印象に残るエピソードはありましたか?
瀬戸:収録現場は本当にファミリー感の強いメンバーだったので、緊張感なくいつも通り麻衣さんを演じられました。
本作のみならず、『青ブタ』では物語全体を通して、キャラクターたちがずっと心に残るような言葉をさらりと残していくじゃないですか。そこはキャラクターたちにとっては日常だけど、アニメーションとして際立たせるべき部分でもあると思っていたので、キャラクターたちの言葉が見てくれる人たちにちゃんと伝わるようにしたいなという気持ちがありました。
本作でもやはり咲太のセリフがたくさんあるので、マイク前に立つ石川くんの背中を見ながら「咲太がこうやってひとりで走って頑張っているのも『青ブタ』らしいな」と思っていました。
――麻衣とはまた別の形で登場しているランドセルの女の子の収録についてもお聞かせ願えればと。
瀬戸:『ランドセルガールの夢を見ない』の時以上に出番が多かったなと。彼女は咲太が一番話しやすい存在であり、何を言われても素直に受け止められて自分のことも話せる。きっと咲太が作り出した存在なんだろうなと私は思っていたのですが、なぜ小さい頃の麻衣さんの姿をしているのかがわからなかったんです。
明言されていないのであくまで私の想像でしかないのですが、やっぱり麻衣さんの存在は咲太にとって拠り所になっているのかなと。ただ本物の麻衣さんは咲太にとっては甘えるだけの存在ではないですし、麻衣さんだけに背負わせられないものがある。それがあるからなのか、小さい子供という無垢な存在として具現化したのかなと思いながら演じていました。
なので咲太を追いつめる意図もなければ、助けてあげる救世主的な存在でもありません。ただ咲太の問いかけに答えて、素直に思った疑問をぶつけられる。その疑問もおそらくこの子から生まれたものではなくて、咲太が思っていることをこの子がぶつけて、それを咲太自身が答えているような形なんです。
咲太の中での循環といいますか、自問自答なんだなとこの子との会話を見て感じたので、演じる時はやっぱり不思議な存在でしたが、ミステリアスな存在かのような声色の台詞にならないよう気を付けています。子供の素直さや無垢さからくる恐怖はあってもいいけれど、それを狙ったような印象にならないようにしなきゃなと思っていましたね。
――水瀬さんはいかがでしょうか?
水瀬:久しぶりにキャストが揃った『青ブタ』の収録に参加できる機会だったので、もちろん「これこれ!」っていう気持ちはありました。《大学生編》はほとんど視聴者だったこともあって、咲太くんが大学生として出会ったキャラクターもいたり後輩が凄く増えていたり……凄く『青ブタ』ファミリーが拡大している印象も受けました。
なので気を抜くと自分の出番の前に他の方のお芝居に聞き入ってしまい、マイク前に急がなきゃと思うぐらい見入ってしまう瞬間がたくさんありました。あとは、石川さんがずっと座る暇もないぐらいだったので、石川さんの様子を見て、空調は今適温かどうかといった収録環境のほうに意識がいってしまい、アフレコ中は色々なところに気を配る現場監督のような謎の視点になっていたかもしれません。
――中学生の牧之原さんが成長して咲太の初恋の翔子さんに近づいたという、また複雑なキャラクター性にも感じました。お芝居の部分はいかがでしたか?
水瀬:“翔子ちゃん”から“翔子さん”へと成長していく、大人になっていく。それだけで胸を打つものがあります。本作ではその様子が見られて、咲太くんに対するちょっとした茶目っ気、からかいから「あ、翔子さんらしくなってきたな」と視聴者のみなさんにも咲太くんに対する共犯者感を体験してもらえたら嬉しいです。
そういったところから翔子さんの良さが光ると思っていましたし、シリアスに振るよりもあくまで1センチ浮いているような感覚の落ち着きを意識していました。
――ようやくの再登場ということで、『ゆめみる少女の夢を見ない』リバイバル上映の時もファンのみなさんの盛り上がりは凄かったです。
水瀬:私としてもまさかあの藤沢の垂れ幕に翔子さんが物理的に帰還するとは思っていなかったので、本当に帰って来られたんだなと思いました。そういった意味でも、翔子さんが帰ってくることが本作のひとつのカギになっていてくれたら嬉しいです。
蓋を開けてみると、この『ディアフレンドの夢を見ない』というタイトルの意味が理解できるような形で物語が動いていくので、翔子さんは縁の下の力持ち……ではないのですが、あくまでメインではなく、サポートとして輝く立ち位置なのかなと認識しています。
――石見さんは収録現場ではいかがでしたか?
石見:私は咲太くん役の石川さんとふたりでの収録でした。シーンごとに自分たちのキャラクターが登場するところを録っていったのですが、どこも大事過ぎてかなり気を張っていましたね。
――美織は『サンタクロースの夢を見ない』の時から咲太と掛け合うことが多かったと思います。咲太との掛け合いはどのようなことを意識されていたのでしょうか?
石見:陽の雰囲気で人気もあるし、コミュニケーションも得意。そんな美織ちゃんがなぜ咲太くんにそこまで絡みにいったのか……本作ではその部分に迫っているのですが、本当ならふたりともすごく気が合うはずなんです。会話の仕方やテンポ感、そういう部分からも相性の良さが滲み出ているなと感じていたぐらいです。
美織ちゃんは大学生らしいというよりも、ちょっとミステリアスな一面があると思うんです。思春期症候群についても割と違和感なく、疑問もなく普通に名前を出しています。後は周囲を割と俯瞰して見ていたりだとか、他人から見えている自分の立ち位置を的確に捉えている。そういう子になった理由が、本作で描かれていくんじゃないかなと。
そういった『サンタクロースの夢を見ない』では見られなかった一面を知ることで会話が広がっていったので、本作では新しい美織ちゃんに出会う感覚やまた違った表情を覗かせる美織ちゃんを演じる感覚が大きかったです。














































