
『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』瀬戸麻沙美さん×石見舞菜香さん×水瀬いのりさんヒロイン声優インタビュー|約8年にわたる『青ブタ』シリーズ完結への想いと咲太の成長
2026年10月16日(金)より公開中の『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』をもって、いよいよ完結を迎えるアニメ『青春ブタ野郎シリーズ』。
電撃文庫から刊行されている鴨志田一先生のライトノベルを原作とし、およそ8年にわたって展開されてきた人気シリーズが完結を迎えるにあたり、アニメイトタイムズでは桜島麻衣役の瀬戸麻沙美さん、美東美織役の石見舞菜香さん、牧之原翔子役の水瀬いのりさんにインタビューを実施しました。
今回は、公開が近づく『ディアフレンドの夢を見ない』について、収録の裏話やアニメ『青ブタ』シリーズ完結への想いを伺いました。もちろん、過去のシリーズ作品を踏まえたお話もありますので、ぜひこれまでの作品をチェックしたうえでご一読いただければと思います。
そして、主人公・梓川咲太(CV:石川界人)の本作での活躍についても伺っているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
麻衣が咲太にかけるある言葉とは!?
――シリーズ完結作となりますが、台本やシナリオをチェックした感想から伺えますでしょうか?
桜島麻衣役・瀬戸麻沙美さん(以下、瀬戸):本作は2025年にTVシリーズとして放送された『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』から続く物語になっていて、誰が霧島透子なのか……その正体に遂に迫っていくはずでした。
けれど、咲太の一番近くにいて、その疑問に一緒に向き合ってきた麻衣が「実は、私が霧島透子なんです」と宣言し、早速不穏な空気が漂っています。この謎がすんなり解決されるかと思いきや、麻衣が身内を不安にさせるようなところから物語がスタートしたので、絶対的な安心感のある存在である麻衣が!? というまさかの展開への不安が最初の印象でしたね。
『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』と『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』の時と同じように、これまでみんなに手を貸してきた咲太が、再び自分自身と向き合わなきゃならないんです。そんな咲太の心の揺れ動きが見ていて苦しくもありつつ、最後まで見届けたいと思わされました。
私の演じる麻衣も、バニーガールの衣装で自分を認識できる人を探して図書館をうろつくなど、思春期症候群の渦中にいましたが、気づけば、かける言葉は少なくとも咲太に寄り添い、支える存在になっていて。もう側にいて咲太に力をくれる、道を示してくれるような存在になっているんです。
今回、麻衣が咲太にある言葉をかけるシーンがあります。それをここまで形にしなかったこと、それがこのタイミングになったことに大きな意味があったんじゃないかなって私は思っています。
牧之原翔子役・水瀬いのりさん(以下、水瀬):『サンタクロースの夢を見ない』から《大学生編》に入っているので、私の演じる翔子としては、高校生の頃のみんなをアフレコでたくさん見てきたこともあってか、扱っているテーマやキャラクターたちが乗り越えなきゃならない壁が少し大人になっているように感じました。その壁は思春期特有のものではありつつ、高校生とはまた一味違う深い部分での考察が捗る内容だったとも思います。
そして、これまではそれぞれの弱い部分や他人には知られたくない一面にフォーカスされていましたが、本作では謎の存在……それも目には見えないものを追う難しさがあるんです。全ての人にとっての共通認識ではなく、そのひとりひとりの中に霧島透子という人物像がある不穏なミステリー要素が本作ならではの部分かつ《大学生編》から続いてきた思春期症候群のエッセンスなんです。
みんなそれぞれ進路を決めて、進級・進学をしていく。その中で思春期症候群を克服したキャラクターや、乗り越えて今を謳歌しているキャラクターもいる。けれど、まだ時計の針が止まったままのキャラクターもいるんです。そのひとりひとりの歩み方は、咲太くんがひとつひとつ乗り越えて、向き合ってきた数だけ描かれてきました。なので、完結編となる本作ではどういうアプローチがなされるのか、それが見どころになるのかなと。
美東美織役・石見舞菜香さん(以下、石見):私は《大学生編》からの参加ですが、この『青春ブタ野郎シリーズ』自体は第1期から全てアニメーションで観させていただいていました。本作は、これまでの物語を全て経たうえでの完結編となるので、これまでは第三者的な視点で関わっていた美織ちゃんが物語にどう関わるのか気になっていましたね。
美織ちゃんはコミュニケーション能力が高くて陽な空気を纏った明るいキャラクターなのですが、どこか冷静に自分の周囲を見ているようなところがあって。特に咲太くんと絡んでいることが多かったのですが、そんな咲太くんのことを友達……ではなく“友達候補”として扱うんです。そういう関係づくりをしていた理由にも、今回は踏み込んでいると思います。
本作では、そんな美織ちゃんの謎に包まれていた一面が大切に描かれています。美織ちゃんが今の美織ちゃんになった理由を私自身も知ることができましたし、物語としても『青ブタ』シリーズがこういう道筋で完結を迎えるんだなと、これまでの物語を想起させられる展開になっているなとも思いましたね。
――アニメ『青ブタ』シリーズが展開されてから8年が経とうとしています。いよいよ本作で完結となりますが、その点はいかがでしょうか?
石見:ずっと作品に寄り添っているみなさんのように、この8年間の重みを私が語るのはおこがましいのではないかという思いもあります。それでも『サンタクロースの夢を見ない』から参加させていただいて、美織ちゃんの声を担当する形で迎える本作は自分としても大きなものになりました。
美織ちゃんとしてもとても大事なエピソードになっていて、原作が完結してアニメでもそれを描く……そんな大切な瞬間に美織ちゃん役としていられることが幸せです。現場や取材の場で同じキャストのみなさんやスタッフさんたちにお話を伺うと、どれだけこの作品を大切にしてきたのかと思わずにいられません。そんなシリーズの完結編が、『青ブタ』ファンのみなさんにどう届くのかを楽しみにしています。
――水瀬さんはいかがですか?
水瀬:牧之原翔子というキャラクターは『青ブタ』には欠かせない存在で、今の咲太くんや麻衣さんが幸せであるためにも欠かせません。先日開催されたリバイバル上映の舞台挨拶で描き下ろしのスペシャルビジュアルが公開されましたが、自分としても翔子さんが藤沢に帰ってきた……『青ブタ』完結の晴れ舞台でまた演じられることに喜びを感じました。
最初に『青ブタ』の収録があったのは、視聴者さんたちの選択で分岐するストーリーのような単発の企画だったと記憶しているのですが、そこからTVシリーズや『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』も含めて何作も関わらせていただきました。振り返るとあっという間のような気がしているのですが、もう一度同じことをするとなっても苦しいかもしれません。
やっぱりその当時に全てを出し切りましたし、あの名場面を再演しようと思っても、おそらく当時の自分にしかできなかったことがたくさんあるんだろうなと。それをこの8年の間に作品として残せたことが嬉しいです。
これから先、キャリアを積み重ねていったとしても、『ゆめみる少女の夢を見ない』の時の自分のお芝居については、純粋に胸を張っていいものができたと言えます。そういう作品が世にあることが嬉しいですし、たくさん成長させてもらった作品だったと改めて思います。
――瀬戸さんはこの8年間関わってきていかがですか?
瀬戸:あっという間……ではありませんでしたね。鴨志田先生の原作があるからこそ、その先の展開であるアニメやドラマCDなどで声優として声を担当させていただけるので、その当たり前ではない出来事が続いてくれたおかげで『青ブタ』完結まで演じきれたことは、本当に幸運なことだと思いました。ここまで追いかけ続けてくださった『青ブタ』ファンの方、そしてアニメでも完結まで走りきるためにご尽力いただいたスタッフの方々には本当に感謝しかありません。
増井壮一監督やキャラクターデザインの田村里美さんをはじめ、主要な制作陣がずっと関わってくれているのも嬉しいところでした。《大学生編》をアニメ化するまで間が空きましたが、それを感じられないぐらい、常に『青ブタ』の存在は私の近くにあったと思っています。
《大学生編》から新たに出会うキャラクターたちが加わったアフレコも、凄く楽しみだったんですよ。私も石見さんと同じように、長く続いた作品のクライマックスに参加することには緊張感や「お邪魔します」という感覚があるものだと思います。
『青ブタ』のアフレコでは会話劇が主になるので、みんな変に気負うことなくのびのびお芝居ができたらいいなと現場でも思っていました。《大学生編》から参加してくれた新キャストのみなさんはキャラクターへの考察が鋭く、とても深いところまで考えてくれていることが伝わってきて嬉しくなりました。
ひとつひとつのシーンについてスタッフさんに質問する光景を見て自分も改めてしっかりしなきゃと思ったぐらいなので、そんなチームで本作まで走りきれたことに悔いはありません……けれど、やっぱり寂しさがあります。
まだまだ完結した実感は湧いていなくて、きっと公開されて以降はお仕事のスケジュールに『青ブタ』関連のものが入ってこなくなって。その時にようやくその実感が湧いてくるのかなと思います。














































