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ももいろクローバーZとアニメとの共通項を探る

ももいろクローバーZとアニメとの共通項を探る。新たなアルバムから導き出された答え

2016年2月17日に、ももクロことももいろクローバーZの3rdアルバム「AMARANTUS(アマランサス)」と、4thアルバム「白金の夜明け」がリリースされます。なんとオリジナルフルアルバム2枚同時リリース

今回のテーマは「生と死とファンタジー」とのことで、早速楽曲のレビュー…といきたいんですが、その前にももクロとアニソンの関係をおさらいしてみようと思います。アニソンとの距離感とでもいいましょうか。

というのも、このあたりのバックボーンが今回のアルバムのフィロソフィーに通ずるものがあるんじゃないかなーと思うんです。ファンタジー要素はアニメにもよく登場するテーマですし。

ももクロは他のアーティストとのコラボレーションが豊富ですが、まずはアニメとのコラボレーション曲をいくつか取り上げてみましょう。





アニメ『モーレツ宇宙海賊』のOPテーマとして制作された壮大なシンフォニックロック。マーティ・フリードマンのギターもイケイケです。





アニメ『ポケットモンスター ベストウイッシュ』のEDテーマ。ポケモンということでややキッズ向けな曲調となっていますね。短編映画『メロエッタのキラキラリサイタル』のEDテーマとしても起用されました。





「Z伝説~終わりなき革命~」ではアニソンの帝王・水木一郎アニキ立木文彦さんが参加されています。時期的に立木さんはカイジのナレーションをやっていた頃ですね…!

他にも『だぶるじぇい』のED曲「ワニとシャンプー」や、『ドラゴンクライシス!』のED曲「ミライボウル」、『じょしらく』のED曲「ニッポン笑顔百景」などが主題歌として有名です。

そして、KISSとのコラボ曲「夢の浮世に咲いてみな」では、『キルラキル』などで有名なアニメーターすしおさんが手がけるアニメMVが話題となりました。すしおさん自身も、ももクロの熱烈なファンとのことでこれは衝撃的な作品でしたね。





KISSのポール・スタンレーは、「彼女たちのダンスは日本の伝統を受け継いだ唯一無二のもの」と評しています。この曲もKISS側からのアプローチで実現したものです。

やはりここまでももクロが注目される要素の一つには、独自の表現性が強く関わってくると思うんですよ。そのパフォーマンスをもってすると、アニメのもつ世界観雰囲気をよりエネルギッシュに視聴者に届けることができるんじゃないか、だからアニメやアニソンとの親和性が高いんじゃないか、と。

4thアルバム『白金の夜明け』には、『美少女戦士セーラームーンCrystal』のテーマ曲「MOON PRIDE」が収録されています。ぶっちゃけセーラームーンのテーマ曲を新しく作るとして誰に歌ってもらうかってすごく難しいところだと思うんですよ。





アニソンっぽく、現代っぽく、なおかつ『ムーンライト伝説』の印象から離れ過ぎず。そんな絶妙な距離感が要求される立場の曲だと思いますが、『Sound Horizon』としても活躍されている作曲者のRevoさんお得意のケレン味溢れるコード進行と、アイドル然とした歌い方に似合わぬ複雑なハーモニーが見事にそれらの要求を満たしています。

アニメ的現代アイドルとでもいいましょうか、この曲はそんな特異性が大きな魅力ですね。作曲者やコラボもアニメ関係が多いのはそういうところのニーズがマッチしてるからなのかも。

そういった濃密な経験を経てのアルバム同時リリースです。前作『5TH DIMENSION』からは2年10ヶ月ぶりとなりますが、今回も読了感ならぬ聴了感ある作品に仕上がっています。

では、収録曲の中からヘビロテしたものをいくつか紹介しましょう。

■3rdアルバム『AMARANTHUS』より

▲2曲目「WE ARE BORN」

ももクロのカッコいい成分を感じる一曲。Bメロのタム回しとオーケストラヒットのズンズン感は男心をくすぐりますね。生と死をポップに表現した世界観もかなり独特です。



▲9曲目「デモンストレーション」

入りのセリフからもう全力でエモさアゲてきます。疾走感の中にも切なさ、壮大さがあり、いわゆるところの感動泣きできる曲です。何かのアニメの最終話付近でかかったらぶわーってなるに違いない。全力疾走する少女、叫ぶ表情、あぁ妄想だけでグっとくる。

3rdアルバム『AMARANTHUS』は、ポップスあり青春あり壮大ありの普段通りの多色ももクロという感じです。アルバムテーマである「生と死のファンタジー」成分は所々に感じますが、全体としては聞きやすい。特に前半部分は昔ながらのももクロっぽさを感じました。

ちなみに「アマランサス」とはヒユ科の植物の総称で、ギリシャ語のアマラントス(しおれることがない)という単語が語源とのこと。その豊富な栄養価から未来の食物とも称されていますが、クローバーを冠するももクロがしおれないと号するのはなかなかに深いですね。


■4th『白金の夜明け』より

▲4曲目「マホロバケーション」

ファンクなギターがキャッチーなロックチューン。サビのコード進行IV→III→VImと早口なメロディーが印象的で、つい口ずさみたくなるヤツです。トラックリスト的に次が『夢の浮世に咲いてみな』なのも良い位置ですね、オイシイ。



▲12曲目「愛を継ぐもの」

SFの名作「星を継ぐもの」を想起させずにはいられないタイトルですよ。サビへ繋ぐベルトーン的ボーカルにセツナ感から逃げないコード進行、王道的ではあるけど少しハズした感じがシブい。特に大サビはライブでかかったところを想像すると熱くなってしまいます。ジャンプとかするんだろうな〜。

ちなみにこの曲の作曲はTom-H@ckさんが担当しており、ももクロ楽曲に関わるのは意外にもこれが初めてなんです。このカッコ良さとアイドル然さのミックスはさすがの一言ですね。

4thアルバム『白金の夜明け』は、ファンタジー色が強いなと感じました。「MOON PRIDE」や「Zの誓い」が後半にまとまってるのでその影響があるかもしれませんね。歌詞や曲調も明度高めが続きます。

今回の2枚を対比させるなら、3rdはポップさの裏に鈍重さをもったアララギ派で、4thはロマンチックさを携えた白樺派、とでも言いましょうか。お互いの9曲目である「デモンストレーション」と「イマジネーション」がそのあたりを如実に表現しているような気がします。これはやっぱり対になってる?

また、3rdのラス曲と4thの一曲目は微妙に繋がってたりします。ここはぜひ続けて聴いて確かめてみて下さい。

「名前は知ってるけどアニメでしか聞いた事がない」という人が今回のアルバム2枚を聞けば、「ももクロってこういうのか」的な感覚がスっとわかるような、そんなアルバムだと思いました。良き正統感と攻め感です。


[文=ヤマダユウス型]


>>ももいろクローバーZ オフィシャルサイト
>>ももいろクローバーZ アルバム特設ページ

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