
モザイクを取り払い、生まれたままの姿のBlu-ray特典は「めちゃめちゃエッチでファンサービス全開」!? 『ぬきたし THE ANIMATION』橘 淳之介役・柳 晃平さん×片桐奈々瀬役・石上静香さん Blu-ray発売記念アニメ振り返りインタビュー
2025年夏──驚愕の地上波放送を完遂した『ぬきたし THE ANIMATION』。美少女ゲームを原作とする本作のアニメ化は、作品ファンの歓喜の雄叫びおよび関係各所を心配する声とともに大きな話題を呼びました。
そんな本作のBlu-ray下巻が、2025年12月24日(水)より発売! これを記念した、橘 淳之介役・柳 晃平さんと片桐奈々瀬役・石上静香さんによる対談インタビューが実現しました。
さらに、原作ゲーム『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?』でシナリオを手掛け、『ぬきアニ』でも監修を務めたシナリオのハメドリくん(Qruppo)も登場。アニメ『ぬきたし』のすべてを振り返ります。
「ドスケベ条例」を謳歌している人もそうでない人も、“生ハメイト”のみなさまも“マダハメイト”のみなさまも、貴重なインタビューにご注目ください!
※本記事は「ドスケベ条例」外の地域での公開となるため、際どいワードに伏せ字処理をちょっぴり施した「配信限定ver.」でお届けします。
「お家でも、お互いの演技のことは話さないもんね(笑)」
──先ほどはオーディオコメンタリーレポート、ありがとうございました! あえて言わせていただきますが、やはり『ぬきたし THE ANIMATION』は令和の世に解き放たれた超問題作だったのではと……。
橘 淳之介役・柳 晃平さん(以下、柳):そう思います(笑)。何だったら平成でも無茶だったのでは?
片桐奈々瀬役・石上静香さん(以下、石上):(笑)。平成でも難しかっただろうね……。今でも本当に実現できたんだ、と驚いています。
──(笑)。改めてアニメ『ぬきたし』の完成映像をご覧になった感想をお聞かせください。
柳:エロいです。
石上:(笑)。
柳:台本をいただいて読み込んでいるときから「あぁ……ヤッてんなァ」と思っていましたが、映像化されるとより際立つといいますか(笑)。本当にスゴい作品に参加させていただきましたし、この作品が実際に放送されているんだなぁ……とも、改めて思いました。
もちろん、魅力はエロいシーンだけではなくて。やはり「性」を通すと、恋愛や人間描写に深みが出るんですよね。そんな「深さ」を感じることができる作品ですし、演じていてとても楽しかったです。
また、僕が声優としてやりたいと思っていたことを全部やらせていただいた作品でもありました。必殺技のようにナニかを叫ぶことも、ギャグもエロもギュッと詰まっていて。素晴らしい作品に関わらせていただき、とても嬉しく思っています。
石上:今回の『ぬきたし THE ANIMATION』は、言ってみると「奈々瀬ルート」ということでメインヒロインを演じさせていただきました。原作の各ルートの良いとこ取りをしつつ、奈々瀬ルートとしてアニメのために再編成したストーリーが展開される、と最初にお伺いしていたので「どんな物語になるんだろう?」と台本をいただくたびにワクワクしていました。
映像も本当に綺麗で、その絵に負けないように我々も頑張らなきゃいけないと思いながら演じました。NLNS・FSのメンバーみんなが平等に、魅力的に描かれていますので、原作ファンはもちろんアニメから『ぬきたし』を知ったファンの方にも、見ていただきやすい作品になっているのではないかと思います。
──アニメが放送されたことで、さらに『ぬきたし』の輪が広がったと。
柳:ドスケベの輪が広がりました! NLNS的には良くないことかもしれませんが……(笑)。
──(笑)。お二人は掛け合いも多い役柄だったと思います。石上さん、柳さんのお芝居はいかがでしたか?
石上:ちょっと偉そうな言い方になってしまいますが、第1話から最終話まで通して、一番近い場所で淳(淳之介)の声を聞いていた身としては、柳くんとしても成長したのではないかなと(笑)。
柳:あえて触れてこなかった話題をここで聞かされるとは……!(笑)
石上:役者同士だと考え方や方法も違うから、普段お家でもお互いの演技のことは話さないもんね(笑)。
やはり第1話のころの演技は初々しくて。彼自身の引き出しも多くなく、スタッフさんからのオーダーに戸惑っている姿もあったと思います。そのように一個一個、手探りで演技をしていましたが、最終回のアフレコをしているころにはディレクションにもパッと応えられるようになっていて。
アニメ『ぬきたし』は、初めてアニメの収録をする声優さんも多い現場だったんです。その様子を見て私も新人だったころを思い出すといいますか。「こういう感じだったよな……!」という懐かしい気持ちを抱きつつ、キャスト陣のマイクワークやディレクションへの応え方に成長を感じていました。初心を思い出し、刺激を受けた現場でしたね。
柳:なんだか緊張して、服のボタンをねじねじしてしまいました。何を言われるんだろうとドギマギしちゃって……(笑)。
──(笑)。柳さんは淳之介を演じるにあたり、どのような意識だったのでしょうか。
柳:大前提の注意事項として「(淳之介は)フザケないでください」というオーダーがありました。僕もその気で覚悟を持って臨んでいたのですが、特に第1話などはモブ役もたくさん出てくる回でセリフがとにかく面白いんですよね。「俺も混ざりたい……!」と思っていました(笑)。
石上:(笑)。
柳:でも、その世界に生きる淳之介を演じるにあたっては「怖い」「恐ろしい」と感じているくらいのテンションで臨まないといけなかった。魅力的な世界観にノッてしまうと、淳之介というキャラクターがブレてしまう。第1話から最終回まで、この意識を持ち続けていました。
とはいえ淳之介にもギャグシーンはあるので、常に真面目に、世界に恐怖や怒りを感じつつもコメディシーンはお芝居として遊ばなければなりませんでした。この切り替えとバランスを考えるのが大変でしたね……。
ただ、自由度の高いお芝居でもありましたので、楽しく色々なアプローチを考えてアフレコをさせていただけたことが良い経験になりました。淳之介を演じさせていただけたことが光栄で、感謝の気持ちでいっぱいです。
──シナリオのハメドリくんから見て、柳さんの淳之介はいかがでしたか?
シナリオのハメドリくん(以下、ハメ):オーディションで第一声を聞いた瞬間から「この人だ!」と思っていました。演技に関しては、あくまでも原作としての視点で「この物事に対して淳之介はこうやって感じる」という基準からズレていたら意見をする、そうでなければ何も言わない、と決めていたんです。そうしたら第1話の時点で何も言うことがなくて(笑)。
今、まさに柳さんがおっしゃっていましたが、青藍島の環境に対して真摯に向き合っている姿勢や「怖い」という感情、淳之介自身の本気を汲んでいただきました。声もピッタリ、お芝居の解釈も一致していたので、(アフレコを聞いて)とってもテンションが上がりましたね。
──次に少し緊張されると思いますが、柳さんから見た石上さんの演技の印象をお聞かせください!
石上:(笑)。
柳:いやぁ、もう僕が言えることなんてないんですけど! 感じていたことを率直に言うと……どの口が言っているんだって話ですが、本当にお上手なんです。スゴいんです。
例えば、奈々瀬の口癖である「なのだわ」の言い方について、アフレコ序盤でリテイクしていた時があったのですが、同じ「なのだわ」がひとつもなかったんです。そのときから、ディレクションに対してどうしてこんなに的確に応えることができるんだろう、と思っていて。ちょっとしたニュアンスや緻密なセリフの発し方、繊細なお芝居の扱い方などを勉強させていただきました。
淳之介と奈々瀬の掛け合いのシーンでは、僕が上手にお芝居をできなかったとしても、演技の中で引き寄せてくださり、包んでくださるんです。僕が変な方向にセリフを投げてしまったとしても受け止めてくださって。たくさんフォローしていただきました。
だから僕も「ド真ん中にセリフを投げ込まなければならない」というような変な緊張感もなく演じることができました。この人ならどこに投げても絶対に拾ってくれる、会話してくれるから、信頼してお芝居をしようと。温かく会話のキャッチボールをしてくださる方です。
石上:物語後半における奈々瀬と淳のシーンで、柳くんが「もっと優しく、愛情深く」というディレクションを受けていました。であれば、淳のセリフを受け取る私も、彼が自然に「もっと優しく、愛情深く」なるような言い方をしたいと思っていて。このような意識のもと二人で掛け合いをしたから、生まれたシーンだったのかなと思います。
柳:石上さんのおかげでアフレコを完走することができたと言っても過言ではありません。同時に「どうやったら、この領域に達することができるんだろう」とも思いましたが……(笑)。
石上:場数ですよ(笑)。
柳:あまりにも壁が高いので、お家でこの手の話は絶対にしないようにしています(笑)。
──インタビューに乗じて、大変失礼いたしました……!
柳:全然! 良い機会でした(笑)。でもこの話題は緊張しますね、一気に汗が出てきました。
──(笑)。石上さんが考える、アニメ『ぬきたし』における奈々瀬の魅力をお聞かせください。
石上:もちろん原作の演技や声質をチェックさせていただいた上でオーディションに臨んだのですが、その際のディレクションで「原作に寄せすぎなくていい」「石上さんが感じた奈々瀬を作ってください」と言われました。
原作とアニメのキャラクターデザインを見ても、少しエクステの色が違っているなど、アニメの奈々瀬はギャル感が強めに出ている気がして。だから、原作をリスペクトしつつも、自分なりの奈々瀬を出そうという意識で演じていました。
お話が進むにつれて奈々瀬は「ビッチと言われているけれども、本当は純粋無垢な女の子」「ギャルは演じているだけ」という一面も見えてきます。そんなニュアンスを、淳の前でだけ匂わせられるように意識していました。
例えば噴水広場で淳と会話するシーンの「つい素の自分が出てきちゃうみたいなのだわ」というセリフは、ギャル要素が一切ないピュアな言い方をしています。ちょっとずつ演技の強弱を付けさせていただきました。
ハメ:「石上さんが感じた奈々瀬を作ってください」と要望を出したのは原作側も同じなんです。「片桐奈々瀬」というキャラクターは一人しかいませんが、ゲームではなく、アニメという媒体において、奈々瀬のどの側面を押し出して、どの一面を感じ取ってもらうのか……。
そういう意味では、原作とまったく同じにする必要はないと考えていました。「媒体が変われば、キャラクターの見え方も変わってくる」という感覚ですね。
それに、アニメでは、声がついた淳之介が奈々瀬の隣にいます。柳さん演じる淳之介が動くとき、奈々瀬もまた鏡写しのように動きますから、キャラクターとしての在り方さえ正しければ、本質的なところで「片桐奈々瀬」からはブレない。芯を捉えていれば「片桐奈々瀬」は変わらないと確信していました。
今回のアニメの反響で「奈々瀬のキャラクター性が変わった」という声を見ないのはそういうことなんだと思います。
これは本当に、石上さんのお芝居が上手だからこそ、でしたね。主人公を映す鏡としての受け合い方がとにかく上手い……ほんとにすごいと思って見ていました。だから柳さんも「石上さんに乗っかればいい」みたいな瞬間もあったのかなと思います。
柳:(頷いて)「乗っかればいい」みたいな瞬間しかなかったです。
ハメ:お互いを映す鏡として機能したから、アニメ『ぬきたし』の形になったんだなと、門外漢ながら思っていました。
──そもそものお話になりますが「片桐奈々瀬」はどのようなヒロインとして生まれたキャラクターだったのでしょうか。
ハメ:奈々瀬って、淳之介以外といっしょにいると喋っていても楽しくないキャラクターだと思うんですよね。何を考えているかわからないし高圧的。そんな側面を持っているものの、淳之介といっしょにいると柔らかく見える。難しいのですが、母性ではなく愛情が深い人間にしようという考えから生み出されました。
どのヒロインもそうなのですが「主人公のどんな一面を引き出すか」を考えながら制作をしています。そういう意味では奈々瀬は淳之介の鏡であり、許しの象徴でもありますね。















































