宮野真守さん登場で朝までフィーバー!『黒塚』オールナイト上映..

「もう映画だよね!」ハイクオリティの映像に宮野真守さんも感激! TVアニメ『黒塚 -KUROZUKA-』全12話上映のオールナイト・イベント開催

 『陰陽師』や『大帝の剣』などで人気の小説家・夢枕獏氏の原作を『DEATH NOTE』の荒木哲郎氏が監督したTVアニメーション『黒塚 -KUROZUKA-』。全12話で描かれたこの作品をハイビジョン&5.1chサラウンドで上映するオールナイト・イベントが、2月28日、東京のテアトル新宿にて開催された。

 このイベントはアニメ専門チャンネル・アニマックスが毎月最終土曜日の深夜0時に放送している企画番組「サタデーナイトフィーバー」にて同日に『黒塚 -KUROZUKA-』を放送するのにあわせ、「リアルサタデーナイトフィーバー」と題して上映会を行なうというもの。イベントでは上映会のほかトークショーも実施され、主人公・クロウを演じた宮野真守さんが出席。お笑い芸人のサンキュータツオさんの司会で、荒木監督とトークを繰り広げた。


●荒木監督いわく「クロウは“犬”」

 TVアニメーション『黒塚 -KUROZUKA-』は、不老不死の血をめぐる永き戦いを描いたSF伝奇ストーリー。謎の美女・黒蜜と血の儀式を交わし、時代を超えて戦い続ける運命を背負ったクロウ(源義経)。鎌倉、室町、戦国、江戸、明治、昭和、昭和、平成……。そして近未来へと続くふたりの果てしない旅路を描く作品だ。

 1~3話上映後に行われたキャストトークでは、宮野真守さんと荒木哲郎監督が登場。劇場のスクリーンで見る5.1chの迫力ある映像に宮野さんは「もう映画だよね!」と一言。TVアニメーションにも関わらず『黒塚』では音響にも様々な工夫を凝らしていたと話す荒木監督も「音響さんが仕込んでくれたものが、ようやく陽の目を見たという感じ。ありがとうございます」と語る。不老不死の血をめぐり、時代を超えて戦い続けるクロウの役柄について「物語のなかで事件が起こってもリアルに反応して、真っ直ぐに演じました」と宮野さん。また荒木監督とは『DEATH NOTE』の夜神月に続き、ある種の“狂気”をまとった人物を演じていることについて「月のときは自分が勝つことを大事に、色々な人の気持ちを探るような演技を考えていましたが、クロウは何も考えず突っ走って、事件に巻き込まれて動揺したり。そういうことを意識していました」とコメント。

 「宮野さんの演技は常にパーフェクト」と絶賛する荒木監督は、『黒塚』のアフレコが始まる前に宮野さんと「『DEATH NOTE』と比べてどのように演技を変えて欲しいか」という話をしたと打ち明ける。キャラクターについて「クロウは“犬”なんです」と語る荒木監督は、「黒蜜を好きになって、彼女がいなくなったらひたすら追いかけて、なぜ追いかけるのかと聞かれても自分でもよく分からない。追いかけていることに自分でも戸惑っているという性格。夜神月が自分のことは何でも分かっていて才気のほとばしる知恵者だとすると、クロウは真逆の存在なんです」と説明した。


●盛り上がるシーンはダリオ・アルジェントで

 そして『黒塚』の見所のひとつであるアクションシーンの話題になると、「こだわったのは“色”」と荒木監督。毎週のアクションシーンの山場では、それまでのモノトーンが基本の色彩から、一気に赤や青といった鮮やかな色調のスタイルに変えたのだという。映画『サスペリア』などで有名なイタリアン・ホラーの旗手、ダリオ・アルジェント監督の狂気的な色彩美を取り入れたと打ち明けると、「ちょうど自分の周りでダリオブームがあって、“俺、今度『黒塚』でやっちゃおうと思うんだよね”って(笑)」。作品をつくるうえで大事にしたいのは“温度”だという荒木監督は「その話数のなかで最も盛り上がるところに一番の作画と、一番の音楽を合わせるという単純なものなんです。色に関してもそのシーンを一番の見せ場にする。そこで“ダリオ・アルジェントやってみようぜ”という話になった」と語った。


●『黒塚』は“血”が紡ぎ出す物語

 キャストトークのあと、6話までの上映が終わると舞台にアニメーションプロデューサーの橋本健太郎氏と再び荒木監督が登場してスタッフトークがスタート。ここで改めて『黒塚』という作品をふたりに振り返ってもらうことに。スタッフに共通の意識をもたせるため、荒木監督が常に言葉にしていたのは「血」。「血が全てのきっかけになり、全ての悲劇は起こり、全ての欲望が血によって引き起こされている。そして血によって人が人を求めるという。全てのキーワードに“血”をからめていくことを説明しました」と荒木監督。そのためにアニメ版では原作に描かれていない部分でも、あえて血の要素を持っていく方法論を用いたそうだ。

 「作品の難度が高いというのは原作をもらったときから感じていましたし、キャラクターの情報量もあるうえにアクションシーンもある。とりあえず大変な作品ではありました」と語る橋本氏。司会のサンキュータツオさんから質問をうけ、作画スタッフの確保などプロデューサーの仕事や苦労話などを披露した橋本氏は、荒木監督について「素晴らしい監督」と評価。「現場を預かる者としては、面倒な作品をつくるよりも簡単そうなものを手早く作りたいという気持ちがありますけど(笑)。ただ監督である以上は良い作品を作ることが仕事ですし、自分が良いと思うものを作りあげていく信念に人はついていく。(荒木監督は)そういうものをちゃんと持っている監督だと思います」と語る。


●シリアスなシーンに笑いを入れたがる!? 荒木演出

 また荒木監督の演出方法について橋本氏は「たとえば『DEATH NOTE』でもそうなんですけど、狂気じみたシリアスなシーンに笑いの要素を入れたがる(笑)。やたらと目玉をひんむいてみたりとか」という説明に荒木監督も「そういうところがありますね」とうなずき、『黒塚』ではシリーズ後半では狙った笑いの要素も取り入れたと語る。「自分自身が6話まで作ってあまり笑ってないと思って、“そろそろ笑いたくなってきたな”と(笑)。けっこう重たい気持ちになってきたので、7話以降には、ただ現場で俺が笑うためだけに作った話数があります」(荒木監督)。橋本氏は「全ての話数にハイトーンなシーンがありますが、9話はバトルというよりカーチェイス。少し毛色の違った感じになりました。作画やCGにも力を入れて、TVシリーズにしてはお金をかけて作っています」と続け、これからシリーズ後半を鑑賞する観客に見所を紹介しながらスタッフトークは終了となった。

 その後、会場では後半戦がスタートとなり、観客は朝まで『黒塚』全12話を劇場スクリーンで堪能した。また今回のイベントではトークショーのほか、プレステ3やPSPなど豪華ソニー製品が当たる大ビンゴ抽選会や、宮野さんの直筆サイン入りポスターが当たるキーワードクイズを実施。さらに当日は会場限定で宮野さんと荒木監督のサイン入りイラスト写真が購入特典でつくDVD第1巻が販売されるなど、盛りだくさんの内容で「リアルサタデーナイトフィーバー」は大盛況のうちに幕となった。


TVアニメーション『黒塚 -KUROZUKA-』
DVD全4巻 2009年2月25日よりリリース開始

【Vol.1】発売中(2009年2月25日発売)価格:6,300円(税込)
【Vol.2】2009年3月25日発売
【Vol.3】2009年4月22日発売
【Vol.4】2009年6月初旬発売予定
【ブルーレイBOX】2009年6月初旬発売予定


<スタッフ>
原作:夢枕獏「黒塚」(集英社刊)
コミック:夢枕獏・野口賢「KUROZUKA-黒塚-」(集英社/ジャンプコミックスデラックス刊)
監督:荒木哲郎
キャラクターデザイン:筱雅律
制作:マッドハウス
製作:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

<キャスト>
クロウ:宮野真守
黒蜜:朴ろ美(“ろ”は王に路)
弁慶:中田譲治
ライ:桑島法子
歌留多:藤原啓治
嵐山:三木眞一郎
久遠:入野自由
居座魚:井上和彦
長谷川:大川透
車僧:銀河万丈
沙仁輪:藤田淑子
花月:山像かおり
トンバ:魚建
黒づくめの男:滝口順平

(C)2008夢枕獏・野口賢/Sony PicturesEntertainment(Japan)Inc.

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