『GRANRODEO LIVE TOUR2008-2009「..

ハードロックユニット・GRANRODEOの初の全国8カ所のライブツアーが大成功!『GRANRODEO LIVE TOUR2008-2009「ROCK INSTICT」』

 ボーカル、KISHOW(谷山紀章さん)とギター&サウンドメイク・コンポーザーのe-ZUKA(飯塚昌明さん)のユニット、GRANRODEOは昨年12月14日からe-ZUKAの故郷・新潟公演を皮切りに全国8カ所のライブハウスにて9公演に及ぶ過去最大規模となるライブツアー『GRANRODEO LIVE TOUR2008-2009「ROCK INSTICT」』に突入。そのツアータイトル通り、2008年にリリースのセカンドアルバム『Instict』を中心にしたライブで、会場をRODEOカラーに染め上げつつ、1月25日、遂に東京・Zepp Tokyoの最終公演にたどり着いた。

 会場に到着すると男性客の多さに驚く。2年前のライブではロデオガール(女性ファン)の黄色い声援の中に埋もれていた感のあるロデオボーイ(男性ファン)達の割合が、ライブを重ねるごとに高まっていき、2階から客席を見渡したスタッフが「今日は男性のほうが多いかも」とビックリするほど。KISHOWのセクシーでパワフルなボーカルと個性豊かな作詞能力、e-ZUKAの緻密で大胆なサウンドメイクが女性を虜にすることは想像の範囲内だったが、GRANRODEOのサウンドの根底にあるのは骨太でハードなロック。言わばオスの匂いのする荒々しいR&Rを求めていたロデオボーイのハートもつかんだのだろう。


●1年ぶりのZepp Tokyoに酔いしれる

 会場が暗転するとKISHOWのDJ風のアナウンスと共に白い幕で覆われたステージの向こうにいるメンバー一人ひとりのシルエットが浮かび上がり、紹介される。もちろんラストはKISHOW! 白い幕がなくなり、ステージが現れ、e-ZUKAの刻むギターフレーズのイントロ、そして「イヤーッ!」というKISHOWのラウドでショーの幕は開けた。ゴールドのジャケットとパンツで派手に決める。無国籍風の生地をまとったマイクスタンドはまるで優勝旗のよう。スタンドを振り回し、自由自在に操るその姿、そのまぶしさはまさにミリオンダラーマン! 「Black out」で始まったライブは、続く「デタラメな残像」ではプログレのような長めの間奏でe-ZUKAのギターテクが炸裂。「アウトサイダー」ではジャケットを脱ぎ捨て、黒のタンクトップ姿になるとハンドマイクに切り替え、ステージを縦横無尽に動き回る。地鳴りの似た低音で、「ヘイ! ヘイ! ヘイ! アウトサイダー!!」のコール&レスポンスに応え、e-ZUKAのギターがうなる。

 ステージ上は、センター高台にそびえるドラムの後ろにデザインロゴのセットバック、そこを中心にして対称的に左右放射線状に広がる照明システムは、金属的で異様なアーキテクトとなり、一層大きな存在感を放つ。そしてベースの後ろには6個、ギター、e-ZUKAの後ろに至っては10基に渡るアンプが並び、「デカイ音を響かせるから覚悟しろ!」と言わんばかり。頭から3曲で浴びせかけられた強烈なビート、そして自己主張全開のステージセットから今日も激しい進撃の予感。


●“旬”なネタ(?)満載のMCも魅力爆発

 一発目のMCで「Zepp Tokyo、いかがですか? こんばんは! GRANRODEOです」とKISHOWがあいさつすると、e-ZUKAも「帰ってきたぜ! 東京!!」で1年ぶりのZepp Tokyoでの公演を喜ぶ。「今までツアーの中でみんなのROCK INSTINCTをくれと言ってきましたが、今日はGRANRODEOがお前らに最高のROCK INSTINCTをお見舞いするぜ!」と言うと「delight song」へ。KISHOWがe-ZUKAの肩に手を回し、e-ZUKAが弾くギターの弦を指差す。イカしたシーン。「Shake the fake」ではKISHOWがマラカスを2本持ち、腰をセクシーに振りながら激しくShake。最後は2本のマラカスを客席を放り投げると放射線を描いて消えていった。ロックバラード曲「月に猫」ではe-ZUKAがひざまずきギターをせつなくかき鳴らす。

 2つ目のMCブロックではここまでのツアーを振り返る。「新潟では(親指を下にして)これは最高の意味になって」(e-ZUKA)、「小栗旬のくだりでね」(KISHOW)のやりとりの後、e-ZUKAが「どうもこんばんは! 小栗旬です!!」とモノマネすると会場から「え~っ?」の声と温かいブーイングが起こり、二人は笑顔に。福岡ではラーメンを食べに行き、5人で8~9人前を食べた話、仙台は一番狭い会場で熱気がすごくてお客さんが大変だったことなどを語った。またe-ZUKAは人気お笑いコンビのネタをまねた「イイヅカッター」を連発。ハードな演奏とギャップのあるトークも彼らの魅力だ。

 なごやかな空気の中、KISHOWが「そんな君達に甘いシュガーを」とささやくとギター&ベースの低音が効いたロックナンバー「SUGAR」が始まった。間奏ではグリーティングカードを手にしたKISHOWが「前略、GRANRODEO様」と読み始めるとラストは「俺もそっちのほうだよ!」と客席を指差した。

 「ここで俺達の、君達の愛すべきSTUPIDを紹介したいと思います。GRANRODEOギタリスト、e-ZUKA~!」と叫ぶとステージ上にはe-ZUKA一人残り、ギターソロコーナー。華麗なギターテクを見せ、ギターの音が途切れるたびに会場からは「ヘイ!」の掛け声が上がる。そしてゆがんだギター音を響かせるとインストナンバー「Instict」を奏でる。「俺は好きだけどみんなは嫌いかもしれない、愛すべきSTUPIDを紹介します。KISHOW!」と呼び込む。猛牛のようなロングホーンを頭につけて登場したKISHOWはお預けしていた「愛すべきSTUPID」を歌う。会場を包み込むグルーヴ感を見て、フレーズの中の“とてつもない怪物”とはGRANRODEOなのではとふと思えた。


●ツアーを経て得た自信が2人に新たな目標を宣言させた

「GAMBiT」の後はベース&ドラムソロコーナー。ベースの腹に響く重低音と爆音のドラムビートが続き、KISHOWとe-ZUKAの姿がステージになくても息つく間を与えない。「ウォー!」のコール&レスポンスを聴き、気分をよく登場したKISHOW。e-ZUKAと共にワイルドな衣装に着替え、「CANNON★BALL」の大サビではこぶしを振り上げ、アウトロではバズーカキャノン砲をスタッフから手渡されたKISHOWが引き金を弾くと客席へプレゼントが発射された。膨らみ過ぎた熱気を冷ますようにここでミディアムチューン「ここにあるぬくもり」へ。ここまで縦に揺れまくった会場はKISHOWの顔を見つめ、歌にじっくり耳を傾けた。

 そのままKISHOWとe-ZUKAがステージに残り、スタンドイスが2脚用意されると腰掛け、恒例となったアコースティックコーナー。軽いフリートークが始まり、会場を改めて見渡し、「本当によく入っているね」と二人で感心し、「後ろのほうまでよく見えるよ。小じわまでバッチリ(笑)。見なかったことにするから」とKISHOW。そして「初めて来たという人?」と会場に尋ねるとたくさんの手が上がり、うれしそうな二人。「今までずっと武道館って言ってきたけど、ここまでツアーをまわってきて自信がつきました。今日はっきり言います。必ず武道館いつかやりますから!」とKISHOWが宣言すると会場から賛同の拍手。

「では景気付けにいきますか!」と「ガッツに勝るドラッグはなし-GRANRODEOのテーマ-」を会場と一緒に大合唱。ラストフレーズ前のお約束の掛け合いは「武道館か……お父さんの親戚と……」(e-ZUKA)、「姪っ子が小学生で結構友達が……」(KISHOW)、「……よし、やるぞ!」(e-ZUKA)、「おっしゃー!」(KISHOW)。そしてラストは歌詞を変え、「絶対に戦うぜ、武道館~っ♪」と歌い上げた。この後、e-ZUKAの再度の小栗旬モノマネに観客は下を向き、その姿を見て「かわいいぜ!」とKISHOWと楽しいトークが続く。和やかな雰囲気の中、「次行きにくいな(笑)。でもここでしっとりしたナンバーを歌います」と言いながら名バラード「Rain Beat」を歌い始める。KISHOWの甘くせつない歌声と、e-ZUKAのやさしいアコースティックギターの音色に酔った。

 「HEAVEN’S DOORS」のインストナンバーがかかると会場は「ヘイ!」と叫びながらこぶしを振り上げ始める。シンセのスペーシーなサウンドが終わるとアッパーチューン「HEAVEN」でラストスパート。ファーストシングルの「Go For It!」では「I・G・P・X!」のコール&レスポンスを何度も繰り返す。そのたびにレスポンスが大きくなっていく。リミット知らずのオーディエンスに驚きだ。「ケンゼンな本能」では途中マイクトラブルでKISHOWの声が聴こえなくなるアクシンデントも会場の大合唱でサポートし、乗り切った。サイレンの音に続き、「RIDE ON……」がSEとして流れると青と赤サーチライトがステージを何度も往復する演出の後は疾走感と悲しさが同居するナンバー「慟哭ノ雨」とアッパーなナンバーをこれでもかと叩き込む。

 「今日で8本目となりますが、新潟から築き上げてきたものがここで爆発してる感じがします。ありがとうございます。最高です……まだ歌いたくねぇな。このまま、しゃべってたいな。さっきも楽屋でみんなとしゃべってて、ずっと続けてたいなって」と終わりが近づくツアーを寂しく感じるKISHOWは「どうですか? e-ZUKAさん?」と向けると「感無量です。何も言えねぇ!(笑) 本当にみんなのおかげです。みんなが見たい俺達でいれるように頑張って、みんなが笑顔になると俺達も笑顔になるから。今日みんなからもらった笑顔で明日から他の人にも笑顔をあげたいし、みんなも今日の笑顔を絶やさないで」と語った。「悩んでる人達~! 君達にはGRANRODEOがいるぜ~!」と絶叫し、親愛なるロデオボーイ&ロデオガールに「Darlin’」を送った。


●男女比が近づいてきたオーディエンス

 GRANRODEOがステージから消えると「GRAN!」、「RODEO!」のコール。しかも「GRAN!」を男性が、「RODEO!」を女性が交互に繰り出す。そのハーモニーに、ステージに再登場したGRANRODEOも感激していた。お礼はビートで倍返しと「甘い痛みは幻想の果てに」をセレクト。ここでのMCでは昨年の雪のZepp Tokyoを思い出しながら、「今日は快晴ですよ。雨男、雪男と言われているGRANRODEOですけど(笑)、中途半端はありません。たぶんライブでは曇りなんてなかったんじゃないかな。でも雪が降ればいいなと思ったりして。今日はZepp Tokyoを白い箱庭にしましょう!」と去年をほうふつとさせる言葉でKISHOWがあおり、「Snow Pallet」。KISHOWも観客もサビでは同じ振り付けで踊りまくった。「INSTINCTには“本能”、“衝動という意味がありますが、皆さんからのROCK INSTINCTしっかり受け取りました。僕達も皆さんにできるだけGRANRODEOのROCK INSTINCT、衝動とか本能的なものをぶつけて元気を出してほしいなと思います。この美しき世界を我々、GRANRODEOと声を大にして叫ぼうじゃありませんか」のメッセージから「Beautiful world」につながった。サビフレーズの「Beautiful world」の合唱がいつまでも続く。パフォーマー、オーディエンスが一体となったその光景はまさに「Beautiful world」だった。アンコール曲を終えて4人で頭を下げ、ステージを後にした。

 それでも「もう1回」コールが鳴り止まない。ステージに戻ってきたKISHOWは「なかなかしつこいですね。あなた達も」と言いながらうれしそう。「まだ元気ありますか? あと1曲盛り上がろうぜ!『NOT for SALE』~!」と言うと観客はタオルを手にぶん回し、声の限りに叫んだ。もう一度4人であいさつするが、ステージから去りたくないKISHOWとe-ZUKAはステージを左右に行き来して、客席に手を伸ばし、水を口に含み霧吹きするKISHOWと、水をまき散らすe-ZUKA。たっぷりと別れを惜しんだ。そしてKISHOWが高くかざした手に、e-ZUKAがハイタッチ。達成感と充実感に満ちた表情の二人は「また、会おうぜ!」の言葉と共にステージ袖へ消えた。


●目指すその地へ、2人の歩みは止まらない!

 昨年リリースされたセカンドアルバム『Instinct』、そして2008年発売の全シングルのカップリングと、2008年発表の曲すべてをパフォーマンスして、一気に1年を振り返りつつ、駆け抜けたライブだった。

 2月1日に同じZepp Tokyoにて行われた追加公演も無事に終えて、長く熱い全国ツアーを走り切った。よりGRANRODEOが大きくなってゆける、そんな手応えと自信をこのツアーで手にしたはず。約束の地、武道館まで彼らのワインディングロードは続く。

SET LIST(1月25日)

1.Black out
2.デタラメな残像
3.アウトサイダー
4.delight song
5.Shake the fake
6.月に猫
7.SUGAR
8.Instict~愛すべきSTUPID
9.GAMBiT
10.CANNON★BALL
11.ここにあるぬくもり
12.ガッツに勝るドラッグはなし-GRANRODEOのテーマ-
13.Rain Beat
14.HEAVEN
15.Go For It!
16.ケンゼンな本能
17.慟哭ノ雨
18.Darlin’
ENCORE
19.甘い痛みは幻想の果てに
20.Snow Pallet
21.Beautiful world
DOUBLE ENCORE
22.NOT for SALE
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