『ひぐらしのなく頃に 誓』ロケ現場取材&インタビュー

劇場版第1作DVDが21日発売!第2弾『ひぐらしのなく頃に 誓』ロケ現場を取材!及川監督&メインキャスト陣にインタビュー!!

 同人ゲームから出発し、アニメ・ゲーム・コミックなど、メディアの枠を越えて高い人気を誇っている『ひぐらしのなく頃に』。08年5月には実写版『ひぐらしのなく頃に』を劇場公開。最初は単館での上映だったが、ミニシアターでの観客動員数ランキング1位(興行通信社調べ)を獲得する人気から、全国拡大公開へと繋がった盛り上がりはいまだ記憶に新しい。いよいよ11月21日(金)にはDVDも発売される劇場版だが、その上映時、エンドロールで予告されていたのが、実写版『ひぐらしのなく頃に』の新作制作発表だ。続報が待ち望まれていた実写版『ひぐらし』の新作だが、先日、ついにその詳細が発表された。タイトルは、『ひぐらしのなく頃に 誓』。新たに描かれる実写版『ひぐらしのなく頃に』だ。


●大詰めを迎える撮影現場を取材!

 今回、実写版『ひぐらしのなく頃に 誓』の撮影がクライマックスを迎えているということで、某県某所で行われている撮影現場を取材した。撮影の舞台になっているのは、山間の廃校。最寄り駅から走ること数キロ。タクシーの運転手さんが「あそこの鉄塔の向こう側ですよ」と指差すのは、まさに見渡す山の頂点だ。ごくたまにすれ違う車以外行きかう人の姿はなく、ひたすら九十九折に続く道を10kmほど走って、ようやく撮影地の廃校に到着。携帯電話は、当然のように圏外だ。

 そんな中、たどり着いた廃校には人だかりが。ちょうど本番中で、学校前のグラウンドでは撮影が行われていたのだ。クライマックスの一つとなるであろう、レナと圭一のアクションシーン。現場では、レナと圭一を見守る、園崎魅音役の飛鳥凛さん、北条沙都子役の小野恵令奈さん、古手梨花役のあいかさん、そして新たに大石蔵人役を演じる大杉漣さんらが撮影を行っていた。周囲には鹿骨市警察の文字が入ったパトカーが停められ、警官隊と機動隊が取り囲み、さらにその周囲を周辺住民が遠巻きに見つめるという厳戒態勢を思わせる状況だ。魅音と沙都子、梨花は制服のデザインがお揃いに近いイメージにリニューアル。及川中監督のディレクションを受けながら、真剣なムードで撮影が進む。撮影現場で特異だったのが、大きな昆虫網を持っているスタッフがいること。実は撮影現場にはスズメバチが大量発生しているためで、現場周辺は蜂、蝶、トンボなどが飛び交う山奥ならではの環境だ。このように隔絶された環境で、出演キャストとスタッフは半ば合宿のような感じで、ほぼ1ヶ月撮影を続けているという。そしてこの現場で大きな存在感を放っていたのが、新たに大石警部役となった大杉漣さん。前作では、圭一ににじり寄る不気味なベテラン刑事像を杉本哲太さんが怪演したが、大杉さん演じる大石警部は上層部と現場の狭間で、事件を解決しようとするプロ意識とひたむきな若者たちに対する情の間でゆれる人間・大石のぶ厚さを感じる仕上がり。いずれも魅力的で、個性派俳優好きにとってはどちらもたまらないと言えそうだ。

 10月の山間部は日が落ちると非常に寒いが、この日は最高の撮影日和。ギラギラと照る太陽が作り出した束の間の夏の中で、撮影は快調に進行。緊張感のあふれる中、フォッグマシンを用いた演出などの撮影が行われていた。翌日もベストコンディションの中、前田公輝さん演じる前原圭一と、松山愛里さん演じる竜宮レナの対決を撮影。無事、クランクアップを迎えたとのことだ。取材することができたのはごく一部だったが、今から劇場公開が楽しみになる内容だった。

●撮影中の4人と監督にインタビュー!

 収録に熱が入る現場の昼休憩中、お忙しい合間を縫って、及川中監督、前原圭一役の前田公輝さん、竜宮レナ役の松山愛里さん、園崎魅音役の飛鳥凛さん、古手梨花役のあいかさん、北条沙都子役の小野恵令奈さんにお話を伺ったので紹介しよう。


──前回と今回での、役柄の違いを教えてください

前田さん:僕は今回、説得する場面などがあって長台詞がすごく多いんです。殺陣などのアクションも多いので、男らしい圭一を意識して演じています。

松山さん:前作は最初、役作りですごく悩みました。レナちゃんはとてもかわいい女の子で、喋り方もかわいくしなきゃいけないのかなと……。今回は最初からレナの複雑な心境が描かれていて、いきなりディープな展開だったので、クランクインしてからはわりと沈んでいました(笑)。みんなの制服や髪型も前作とは変わっているので、そこもご覧くださいね。

飛鳥さん:前回と全く世界が違うので、前の世界に生きていた魅音とは性格もちょっと違って、複雑になっていると思います。

あいかさん:私の役(梨花)はそんなに変わってないんじゃないかと思います。何考えているかわからなくて、いつもどこか一歩引いているように見えるキャラなので、去年もそういう風に演じました。前作から一番変わっていないキャラクターなんじゃないかと思います。

小野さん:前作でも、少しだけ沙都子の複雑な環境のことが出てたんですが、よくわからない部分も多かったんです。今回は、沙都子の叔父である鉄平が実際に登場するので、より家庭の複雑さとかがわかっていただけるんじゃないかと思います。


──撮影で苦労した点はどこでしたか?

飛鳥さん:現場に入ってから、演技についてよく話し合いをして色々と合わせるのが大変でした。自分で頑張ったなと思うのは、撮影の最初にこの作品のキーになる、仲間であることを誓い合うシーンがあるんですが、そこはかなり頑張りました。

前田さん:この作品は山がふたつあって、それがクランクインの日と明日(の撮影)なんです。長台詞があるんですが、気持ちは乗っているのに、なんというか……、自分にしかわからない部分があって難しかったです。あと今回、今まであまり経験がなかった泣くシーンがありまして、監督にぐちゃぐちゃになった前田公輝を見たいと言われたので、“よっしゃ!”って思うぐらいぐちゃぐちゃになるまで演じました。どう映ってるかはわかりませんが充実した撮影でした。

松山さん:私は1ヶ月ぐらい前に、みんなより1日早く撮影に入ったんですが、最初はものすごく寒くて、逆に今日はあたたかいぐらいです。だからずっとカイロを貼ってもらいながら演じました。最初、雨にぬれながら帰ってくるシーンがあって、ありえないぐらい寒くて心身共に大変でした。夜に水にぬれるシーンでは、顔をたたきながら気合を入れて演技して……、とにかく、最初の3日は寒さとの戦いでした。

あいかさん:梨花ちゃんって何を考えているかわからないキャラなので、ここは楽しんでいいのか、思いっきり笑顔でいっていいのか、など色々考えて演じ、状況によっての違いが大変でした。監督さんにもキャラが見えないから難しいって言われていました。

小野さん:ありがたいことに前回より少しだけ台詞が多めにもらえたんです(笑)。でもやっぱり難しくてどうしたらいいのかと思いました。最初の本読みのときに、前回の作品のキャラクターとは別物と考えて演じていいよと言われ、「はい」とは答えたんですが、その時は実はよく(役のイメージが)わからなかったんです。でもその後、監督さんと色々と相談するうちに段々わかるようになってきて、今日も難しいシーンがありましたけど、よくできたと思います。こういうことなんて言うんだっけ…… バックオーライじゃなくて…… あ、結果オーライです(笑)。


──ここを頑張った、よくできたという部分はありますか?

前田さん:頑張るシーンといえば、明日撮影するシーンです。12行、8行といった長台詞が、レナとのかけ合いで続きます。高いところで金属バットをもってアクションをしながらの長台詞なので、「大丈夫かな!?」と、気をつけながら頑張りたいと思います。

松山さん:がんばったところは、蛆虫の幻覚を見るシーンです。その撮影でダミーの蛆ちゃんと、本物の蛆ちゃんを使って、首に4匹ぐらいつけられるのですが、見ると怖いので付けてもらったんですけど、へばりついてて……。そのあと、何千匹もの蛆ちゃんと血糊が料理のようになってるのが運ばれてきて、それが首から流れて足に落ちていくんです。撮影中は無我夢中で芝居をしているのですが、後で気づくと、青あざができていたりします。明日からは、更に大変なシーンに挑んでいくことになると思うので、より一層気合いを入れて頑張ります。

飛鳥さん:今回は前作以上に映画らしい要素が組み込まれていて、恋愛要素があったり、心理戦みたいな部分や、結構激しいアクションもあり、そこは頑張りました。

あいかさん:頑張ったシーンですが、自分では全力で演じてるんですが、まだまだ自分の中で納得できない部分があって満点ではないので、最後のシーンに賭けたいと思います。

小野さん:私も全部頑張ったんですが、今回は実際に鉄平が出てくるんです。虐待されているシーンがあるわけじゃなくて、(虐待が)日常的にあってそれを前提にした表情とかを作らなくちゃいけないのが大変でした。鉄平さんとこんなに近くて、目の前でトマトをかじられちゃって。あと、お兄ちゃんのことを声を出さずに、「にぃにぃ」って言ってるってシーンがあるので、そこに注目してください。


──殺陣の練習はかなりされたんですか?

前田さん:撮影の前に3日ぐらいスタジオをとってもらって、殺陣師の先生と僕と愛里ちゃんで練習しました。でも一日目はTシャツが絞れるぐらい汗をかいて、力が入らないぐらいだったのが、二日目、三日目は汗も減って動けるようになってきたんです。でもそれから期間が空いてるので、明日はすごく大変なような気がします…。

松山さん:全身が筋肉痛で、最初は全く動けなかったです。運動不足であったことを、そこで気づきました(笑)。


──現場の雰囲気やエピソードは何かありますか?

松山さん:前回もこの分校で撮影があったんですが、現場の行き帰りに鹿を見た話をみんながしてたのに、私は見られなかったんです。だけど今回は5頭ぐらい、デートしてる鹿などを見て、サファリパーク気分でした。疲れていても元気が出て、自然っていいなと思いました。

小野さん:この教室は前回とおんなじで、久しぶりに子役の子達にあったんですけど、演技がうまくなってるんですよ!

前田さん:親戚の気持ちがわかりますよね。大きくなったって僕らも言われる立場なんですけど、去年あった時より身長とか大きくなってる子とかもいて。

飛鳥さん:去年より一緒にいる時間が長くて、仲良くなれました。

前田さん:今回は揃っての休みがなくて、一人が東京に戻って別の仕事があって、みたいな感じだったので、みんなで遊んだりする機会はあまりなかったです。

飛鳥さん:撮影が早く終わって、みんなで焼肉行こうよって話になり、三日連続でホテルの前の焼肉に行ったりしました。わたしたちよく食うなって。

前田さん:俺はその時いなかったんだけどね(泣)。


──最後に及川監督、映画を楽しみに待っているファンにメッセージをお願いします

及川監督:前作に引き続いて楽しみにしてくれている方もいると思うんですが、よりパワーアップした作品になるよう作っている最中です。今回は4人のキャラクターの、心の闇の部分を描くことになっておりまして、彼らの成長した演技がひとつの見所です。今の世の中、色々な事件と作品がリンクすることもあると思いますが、若い人が心に抱えているものが彼らの心の動きと結びついて、多分泣ける作品になると思います。美しい自然も前作よりさらに深く描けていまして、雛見沢村の全貌がとても綺麗に見られると思います。その景色の中でシリアスな物語が進んでいく対比も魅力だと思います。前作を越えるスケールで作っていますので、楽しみにしてください。

(C)2009竜騎士07/オヤシロさまパートナーズ
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