『アイドルマスター』3周年記念完全レポート(後編)

美希が移籍!?串田アキラ氏が吼えた!ついに3周年だ!『アイドルマスター』3周年記念“Go to the NEW STAGE! THE IDOLM@STER 3rd ANNIVERSARY LIVE”完全レポート!(後編)

 バンダイナムコゲームスは、ゲーム『アイドルマスター』の3周年記念ライブ“Go to the NEW STAGE! THE IDOLM@STER 3rd ANNIVERSARY LIVE”を、2008年7月28日、パシフィコ横浜にて開催した。実際にはロケテスト等の展開は2004年から始まっているが、2005年7月26日、アーケード版『アイドルマスター』の正式稼働日がメモリアルデーとなっている。2006年1月の雪の赤羽。初めて9人のアイドルが集結した1周年、新木場スタジオコースト。星井美希役・長谷川明子さんと音無小鳥役・滝田樹里さんが初参戦した2007年のオールスター@ZeppTokyo。ゲームから派生したCD収録曲だけで実施された渋谷・大阪のGREAT PARTY 3daysと、『アイドルマスター』の出演声優、スタッフ、ファンたちは常に全力を尽くし、実績を積み上げてきた。そして3周年にして辿りついたのがキャパシティ5000人のパシフィコ横浜だ。会場は掛け値なしの超満員で、唯一の誤算は、それでも入りきれず涙を呑んだファンが大勢いたこと。「夢はドームへ!」を合言葉に、ランクを上げながら夢を現実にしてきた『アイドルマスター』3周年ライブの模様を完全レポの形でお届けしよう。

※前編はコチラ!

ぴったりと息をひとつにした「THE IDOLM@STER」。やはりこの曲がアイマスの原点だ。

ぴったりと息をひとつにした「THE IDOLM@STER」。やはりこの曲がアイマスの原点だ。


●ライブの盛り上がりはさらなる高みへ!

 終盤戦の1曲目は、若林さんと今井さんの「魔法をかけて!」。今回は各曲の持ち歌とは微妙に違った人選の新鮮な組み合わせが目立ったが、やはり若林さんの「魔法をかけて」と今井さんの「蒼い鳥」は歌い手とファンの思い入れが別格なのかもしれない。いつも誰よりもダンスの練習や準備に余念がない若林さんだが、この曲で放つ若林さんの輝きは格別。手作りの頃のアイマスの象徴のような曲なのだ。だが、今井さんも決して脇には収まらない。モンキーダンス(両手を交互に上下させて、後ろ足をぴょこん)の時の今井さんの、後ろ足の蹴りの高いこと! ノリノリのステージで客席に魔法をかけると、ここからはM@STER LIVEシリーズ! 初っ端は下田さん・長谷川さんの「バレンタイン」!! これまた掟破りのシーズンソングだが、プレス向け発表会ではライブをしたのに、一般向けには未公開……という、いわば生殺しソングだっただけに、ある意味待望の選曲。親友同士だけにフリの息もぴったり! さらによく見ると、プレス向け発表会の時とは違うフリを新たに覚えてきた気合の入りようだった。続いては「YES♪」。若林充氏作曲のこの曲はいわゆるアイマス楽曲とは少し曲調が違って新鮮な響き。中村さんと平田さんという組み合わせも割合珍しく、やはり新鮮だ。こうして平田さんと2人で互角の歌のキャッチボールをしている中村さんを見ると、ライブのたびに歌が上達する姿に『アイドルマスター』そのものを重ねてしまうのは筆者だけではないだろう。そして続くは「inferno」。この曲のイントロを聴いて驚いた人も多いはず。なぜならこの曲は、『ML04』で千早と今日欠席の雪歩が歌っていた曲だからだ。そして今井さんと一緒に現れたのは……たかはしさん! これだけで安心した人も多いはず。アイマスのボーカルブースターたる盟友の2人がそろえばそれたけで信頼できるからだ。アレンジとしては間奏の台詞などの物語性がカットされ、純粋に2人の歌唱とユニゾンを聴かせる構成。このコンビならば、もちろんそれで十分。現時点で音源化の予定がないのが残念なクオリティだった。そしてMLシリーズラストは、「shiny smile」。歌うはオープニングアクトと同じ釘宮さん、若林さん、長谷川さんだが、今度は嬉しいフルバージョン。中でも釘宮さんが輝くような笑顔を浮かべていたのが印象的だった。

 ここで滝田さんから「そろそろおしまいですね」の声がかかると、会場からは悲鳴が上がる。歌中心の構成だけに、時間がたつのは本当にあっという間だ。「思い出をありがとう」を歌うのは仁後さんと下田さん。ライブの終盤、曲自体の切なさにくわえ、ステージの中央できゅっとお互いの手を握る2人の姿を見るとこみ上げてくるものがある。そして間髪いれず、「空」の特徴的なイントロが流れるとざわめきが。歌うのはもちろん滝田さん。客席と一緒に盛り上がる「ID:[OL]」もいいが、やはり滝田さんの歌声のポテンシャルを一番感じられるのはこの曲。背筋をピンと伸ばし、高らかに伸びやかにうたう姿はまさにアイドル。初ライブのふるえを隠せなかった面影はもはやない。「今日は皆さんに会えて本当に嬉しかったです。皆さんの毎日に、すてきな虹が、輝いていますように!」。そして、次は中村さん、平田さん、たかはしさんによる「my song」だったのだが……実はこの「my song」、音に乱れがあったのか、歌いだしがズレてしまう。終盤のここにきて、いい流れが……と思った瞬間、咄嗟に歌の主導権をとったのが平田さん。一旦ズレかけたテンポを、やや強引に原曲のペースに戻して、軌道修正してしまったのだ! 初聴の人なら、変わったアレンジだな、で通り過ぎてしまったはず。日頃どんどん前に出るタイプではない平田さんだが、こういう時に咄嗟に支えてカバーをしてくれる人がいる安心感は、本当に大きい。楽曲としても、こうしたしっとりと聴かせる曲調でも、真(平田さん)が加わるとハモりが抜群に厚みを増すことを改めて感じたのだった。そして、通常曲の最後を飾るのは、やはりこの人しかいない。歌姫・如月千早役の今井麻美さん。ソロでは特に入り込む今井さんだが、ラストを飾った「蒼い鳥」はその度合いが特に強い。ピアノ主体の音に合わせての歌唱はいつも通り、そしていつのライブよりも素晴らしい。歌声、表情、仕草。単純な歌唱力ではなく、表現そのものが、アイマスファンにとっては特別なのだ。音ひとつなく静まり返り、かわりに真っ青に染まった会場が、それを示していた。

●アイドルたちからのメッセージ

 ここで、アイドルたちがステージに登場しての、メッセージが伝えられた。この項のみ、役名で全文を紹介しよう。

「もうすぐ、3年ですよね。私たち、765プロアイドル候補生のみんなが、プロデューサーに会ってから。あ、それからファン代表プロデューサーにライブをコーディネートしてもらってからも、もう半年か。アイドルになるまでは毎日忙しかったけど、どこか平凡で退屈な日々だった。でも今は、プロデューサーと一緒に毎日飛び回っていて、退屈どころか、おやすみをくださーい! って状態で。あの、こんな時じゃないと言えないから、改めて言わせてもらいます。毎日ありがとうございます、プロデューサー。私たちを、愛してくれて」(秋月さん)

「んっふっふ~。なんだか照れちゃうよね、愛してくれてありがとうって言うの。好きって言うのは、簡単なんだけどな?。でも、兄ちゃん姉ちゃんたちと、本当にいろいろあったよね! メールで呼び出して、事務所に来てもらったり、たくさんの歌を歌わせてもらったり! ちょっぴり、変態紳士なコラボレーションをしてもらったりぃ。……あれぇ、なんだか、してもらったこと、ばっかだね。でも、亜美と真美たち全員、3年前からずっとそうなのかも……兄ちゃん姉ちゃんに、何かをもらうことか当たり前になっちゃってたんだ」(亜美さん)

「何も返せないのに、与えてもらってばかりじゃ、申し訳ない。今でもつい、そんな気持ちになっちゃう瞬間があります。だって、僕たちプロデューサーに、そこまで愛されるほどのこと、多分してないから。だから、レッスンしてください、オーディションしてくださいってお願いするばっかりじゃ、プロデューサーに、あの、正直嫌われちゃうんじゃないかって思う瞬間も……」(真さん)

「ま、まぁ、アンタがほんとに私たちを嫌うなんて、思ってないわよ? でもね、真夜中に仕事してる姿や、オーディションで汗びっしょりで指示してる姿や、次はどんな歌歌わせようかって頭をかきむしってるアンタの姿を見たら、ちょっぴり心配に……じゃなくて! ちょっとはがんばってるわねって思うけど、同時に、私たちこのままでいいのかって思っちゃうわけ。何か、アンタに返してあげることはできないのかって」(伊織さん)

「でも、きっとわたしたちみんなが、うわー、なにかおかえししなきゃーって思っても、プロデューサーは、きっと笑うだけですよね。お前たちは何もしなくていいよって。自分が背中を見ているから、安心して前だけを向いて走りなさいって。わたしたち、プロデューサーの顔を見れば、何考えてるか大体わかっちゃうんですよ! えへへ。だから……だから!」(やよいさん)

「私たち、いつも、笑顔でいようと思います。プロデューサーさんの言葉を信じている、証として。プロデューサーさんとの約束を守る、証として。そりゃあ、時々は悲しい顔になったり、困った顔になったりすることはあると思いますけど。ふふ。でも、信じていてください。必ず最後には、笑顔になるって」(あずささん)

「私たちは、プロデューサーに何も返せません。アイドル活動中に得るものは、思い出だけだと思います。だから、せめてプロデューサーのその思い出が、素晴らしいものになるように、これからも、精一杯! 笑顔でいようと思います」(千早さん)

「プロデューサーさん、だから、私たちもこれから、プロデューサーさんに、めいっぱい、わがままを言っちゃいます。だって、こーんなかわいい女の子たち全員の笑顔を見ることができるんですから。それが、約束されているんですから! と・う・ぜ・んです! 私たちみんなから、プロデューサーさんに新しいお願い! 準備しちゃいますからね」(春香さん)

●星井美希、961プロへ! パシフィコに走った驚愕と歓声

 感動のメッセージで、これでライブは大団円へ……と思われた。メッセージに美希がいなかったこと以外、違和感を感じる要素はない。あとは最後に、小鳥さんから軽ーく告知が行われると、思われた。ムービーではPSP版『アイドルマスターSP』の紹介が行われたのだが、ラストに映ったシルエットは……美希と、見たことのない2人? 美希の765プロへの決別宣言と共にスクリーンに登場したのは、高木社長とは違う黒いシルエット、961プロ代表の黒井社長! 誰もが一度は聞いた事のある? 声の黒井社長は、プロジェクトフェアリーの旗揚げと、星井美希が961プロに移籍したこと、美希以外に我那覇響、四条貴音が所属していることを発表したのだ。会場に悲鳴と歓声が交錯する中、ステージには我那覇響役の沼倉愛美さん、四条貴音役の原由実さん、そして星井美希役の長谷川明子さんが登場! 曲調と衣装は明らかにダンスイメージで、新曲「オーバーマスター」はかなり疾走感のある仕上がりだ。今後3人はPSP『アイドルマスターSP』の『パーフェクトサン』、『ミッシングムーン』、『ワンダリングスター』3バージョンに、それぞれ登場することになる。

 強力なライバルが登場したわけだが、この場では中村さんが「『アイドルマスター』の世界に、ライバルという名の新しい仲間が誕生しました!」と言ったとおり、アイマスワールドへの新たなる仲間だ。沼倉さんが「プロデューサーの皆さん、初めまして! 我那覇響役の沼倉愛美です。えーと、今日は、とても緊張しました。でもここで皆さんにこうして会えて、とても嬉しいです! よろしくお願いします!」、原さんが「プロデューサーの皆さん、初めまして! 四条貴音役の、原由実です。まだドキドキしてるんですけど、やっと実感がわきました。はい、これからよろしくお願いします!」、そして移籍した美希役の長谷川さんが、「という訳で、これから3人、くろも(961プロも)……よろしくお願いします! 噛んじゃった…」と挨拶すると、パシフィコは大歓声に包まれたのだった。

 興奮の冷めやらぬ中、ラストを飾ったのは、「まっすぐ」。それぞれのパートに、それぞれの思いを込めて歌っていく。下田さんと滝田さんがずっと手を握り合っているのが印象的だった。こうしてXbox 360版のラストを飾る曲で、5000人の心をひとつにして、ライブは終了となったのだった。だが、もちろんすぐに万雷のアンコールが鳴り響く。ふたたび登場した面々が、最後に歌うのはもちろん、フルバージョンの「THE IDOLM@STER」だ。961プロの3人も加わって、12人と会場が本当の意味にひとつになっての歌唱は、これが終わりではなく、新たなステージの始まりであることを教えてくれた。そして中村さんの恒例となった、だが少し現実度を増した「プロデューサーさん、次こそは、ドームですよ、ドーム!!」で、今度こそライブは幕を閉じたのだった。だが終演後の会場には、「アイマス最高!!」の叫び声が、いつまでもこだましていたのだった。

※前編はコチラ!

■Go to the NEW STAGE! THE IDOLM@STER 3rd ANNIVERSARY LIVEセットリスト

M01.shiny smile(Short Ver.) 釘宮/若林/長谷川
M02.エージェント夜を往く(Short Ver.) 今井/たかはし/下田
M03.GO MY WAY!!(Short Ver.) 中村/仁後/平田
M04.Do-Dai 今井/仁後/下田
M05.私はアイドル たかはし/若林
M06.Here we go!!(REM@STER-A) 長谷川
M07.My Best Friend(REM@STER-B) 釘宮/平田
M08.relations + 中村/若林
M09.9:02pm(REM@STER-B) 平田/長谷川
M10.太陽のジェラシー(REM@STER-A) 下田/今井
M11.キラメキラリ(Short Ver.) 仁後(ダンサーズ)
M12.ふるふるフューチャー☆(Short Ver.) 長谷川
M13.フタリの記憶(Short Ver.) 釘宮
M14.スタ→トスタ→(Short Ver.) 下田(ダンサーズ)
M15.I WANT(Short Ver.) 中村
M16.ポジティブ!(REM@STER-A) 滝田/たかはし/仁後
M17.おはよう!!朝ごはん(REM@STER-A) 下田/平田/串田アキラ(2番のみ)
M18.いっぱいいっぱい(Short Ver.) 若林(ダンサーズ)
M19.目が逢う瞬間(Short Ver.) 今井
M20.迷走MIND(Short Ver.) 平田(ダンサーズ)
M21.隣に…(Short Ver.) たかはし
M22.メリー 仁後/中村/釘宮(ダンサーズ)
M23.ID:[OL] 滝田
M24.THE IDOLM@STER(Short Ver.) 765プロオールスター
M25.魔法をかけて! 若林/今井
M26.バレンタイン 長谷川/下田
M27.YES♪ 中村/平田
M28.inferno 今井/たかはし
M29.shiny smile 釘宮/若林/長谷川
M30.思い出をありがとう 仁後/下田
M31.空 滝田
M32.my song 中村/平田/たかはし
M33.蒼い鳥 今井
M34.オーバーマスター(新曲Short Ver.) 長谷川、沼倉愛美、原由実
M35.まっすぐ 765プロ+961プロオールスター

アンコール

M36.THE IDOLM@STER 765プロ+961プロオールスター
声の出演 徳丸完(高木社長)、細井治(ダンス・ビジュアル審査員)
スペシャルゲスト 串田アキラ
ドラマは全員そろって。最後にはプロデューサーへのメッセージを読み上げた。

ドラマは全員そろって。最後にはプロデューサーへのメッセージを読み上げた。

我那覇響役の沼倉愛美さん。5000人規模での初お披露目を堂々と乗り切った。

我那覇響役の沼倉愛美さん。5000人規模での初お披露目を堂々と乗り切った。

四条貴音役の原由実さん。アイマスガールズの新たな仲間だ。

四条貴音役の原由実さん。アイマスガールズの新たな仲間だ。

最後は765プロ・961プロが揃ってのステージで大団円となったのだった。

最後は765プロ・961プロが揃ってのステージで大団円となったのだった。

(C)窪岡俊之(C)2003-2008 NBGI PROJECT IM@S
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