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『IS<インフィニット・ストラトス>』栗林みな実さんインタビュー

『IS<インフィニット・ストラトス>』オープニングテーマ「STRAIGHT JET」を歌う栗林みな実さんにインタビュー――「“次のステージに上がる為の強さを持ちたい”という想いを歌詞にこめました」

 主人公を取り巻く魅力的な美少女たちと、彼女たちが駆る飛行パワードスーツ“IS”によるバトルが魅力のTVアニメ『IS<インフィニット・ストラトス>』(以下、『IS』)が、2011年1月より放送中だ。新たな転校生たちが加わってより盛り上がりを見せている中、栗林みな実さんが歌うオープニング・テーマ「STRAIGHT JET」がリリースされた。

 主人公・一夏の気持ちを代弁するような歌詞とアニメの世界観とリンクした爽やかなサウンドを持って劇的に疾走していくこのナンバーは、栗林さんのデビュー10周年という記念すべきアニバーサリー・イヤーの最初のアクションとなる重要な作品でもある。どんな想いを込めて歌ったのか――栗林さんに訊いた。

――今日は新曲の話をメインに色々とお話をお伺いしていきたいんですが、まずはデビュー10周年を迎えられた心境から教えていただけると。

栗林:10周年っていうことに対して周りの人たちが喜んでくれていることが嬉しいですね。私自身は、長かったなって感じというか……コツコツやってきたなぁみたいな感じですかね(笑)。この10年でアニソンが注目されるようになったし、業界自体も変化したなって思うんです。それに関しては感謝の気持ちでいっぱいっていうか……なんて言うんだろうな……元々、私自身がとてもオタクなんですよ(笑)。だから、私自身、注目されること自体は求めてたわけじゃなかったんです。……元々、アニソンシンガーって裏方っていうイメージだったじゃないですか。


――確かにそうですね。特に90年代はそういうイメージがあります。

栗林:そうなんです。今はアニソンがすごく注目される時代になって、大きなイベントも増えて、華やかになってきているじゃないですか。それに対して、最初は戸惑っていたところもあったんです。仕事自体も、最初はアニソンのお仕事というよりかはゲームのお仕事が中心で、アニメ『君望』(テレビアニメ版『君が望む永遠』OP主題歌「Precious Memories」)をきっかけに色々とやらせてもらうようになったんですけど、なかなか表舞台に慣れなくて(苦笑)。アニメよりゲームのほうがもっと裏のお仕事じゃないですか。で、当時はゲームの歌を歌っている人が表舞台に出て行くことってあんまりなかったんですよね。桃井 はるこちゃんや佐藤ひろ美さんは活躍されていましたが、数少なくて……。ホントに性格的には地味なので(笑)、初めてコミケのブースで歌わせてもらった時は緊張しました。私は人前に出るのが苦手なところがあったので苦労した時期はあったんですけど、ステキな先輩や同世代の音楽仲間が出来たおかげで、楽しめるようになってきたんですよね。この10年間の、特に後半のほうはそうでしたね。


――そこのステージにいくまで、何年も必要だったんですね。今のお話を聞いていると、困難もあったと思うんですけど気持ちが切り替わるようなきっかけっていうのはあったんですか?

栗林:1stツアー(栗林みな実 LIVE TOUR 2007 fantastic arrow)を周った時ですかね。それも2007年とかなり遅かったんですけど(笑)。ソロライヴは……一人で二時間弱をやるわけじゃないですか。最初は“本当に出来るのかな”っていうところから始まったんです。でも、ファンの方に支えられて歌うことが楽しいと思えたり、自分が歌うことに意味があるっていう風に思わせてもらって、なんとかこれまで続けてこれて。本当に感謝ですね。そうやって意識を変えると不思議なもので……前向きな方向にいくんだなって。去年は海外で歌う機会も頂いて、“歌いたい”って思っていれば歌のチャンスが巡ってきたりするんだなぁと実感しました。


――気持ちが前向きに切り替わると不思議と環境も変わってくるものですよね。そういう経験を経て10周年に挑むという。素晴らしいじゃないですか。

栗林:そうですね。良い感じで準備が整った気がします。


――今回の新曲「STRAIGHT JET」はTVアニメ『IS<インフィニット・ストラトス>』の主題歌を飾っていますが、まず、このお話がきたときはどんなお気持ちでしたか?

栗林:まず、資料を頂いた時に、キャラが本当に可愛いなぁと思って。見た瞬間に曲がイメージできるような作品だなと思った印象があります。「STRAIGHT JET」は作曲が菊田大介さんで歌詞は私が書いたんですけど、歌詞を書く時に……ホームページでアニメの映像が少し観れたんです。90秒くらいのモノだったんですけど、それを観たら本当にすぐに歌詞が浮かんできて。その前にシナリオももちろん全部読ませて頂いたんですけど、明るい、闇のない作品だなって。もちろんアニメも毎週、楽しく見させてもらってますね。普通にアニメ好きの真理で(笑)、チェックさせてもらってます。


――さすがです(笑)。でも、そんなに早い段階で歌詞が思い浮かんでいたとは、すごいですね。

栗林:本当にすぐ浮かんできたんです。やっぱり元々好きな世界なので、そういうことも関係していると思うんですけど。


――「STRAIGHT JET」はアッパーに疾走していく爽快なナンバーで、ちょっと切ないメロディーもありつつも、最終的に物凄く前向きにさせられる曲で、主人公の気持ちを代弁したかのような歌詞も心に響きます。中でも “次のステージの為に/強い自分をつくろう/失うものもある/それでもいい”っていう前向きな言葉がとても印象的だったんですけど、どんな気持ちを込めて書かれたのかなと。

栗林:ここで歌っている“次のステージ”っていうのは、“次の世界”っていうよりかは“レベル・アップ”のイメージなんですけど、そこに行くには自分が強くならないとなって思っていて。例えば、仕事でも何でもそうだと思うんですけど、一個先のステージに向かう時ってなかなか上手く対応できないじゃないですか。だから、“一歩先の強さ”みたいなモノを持ちたいなと私自身もいつも思っていて、その気持ちを歌詞に残せておけたら良いなって。作品にも合っているなと。


――そういう歌詞があってからの、後半に出てくる“思い切り飛べばいい/だいじょうぶ☆”っていう言葉もすごく力強いですよね。これは今だからこそ言える言葉だったりしますか?

栗林:そうですね。そこは、長くやらせていただいてるからこそ使える言葉なのかなって。多分、新人の時だったら言えなかったと思います。


――レコーディングはどんな気持ちで挑まれました?

栗林:レコーディングはとにかく明るい気持ちで前向きな声を残したいなって。CDってライヴみたいなもので、その日の記録なんですよね。だから、その日に自分が出せる精一杯の前向きな気持ちを残そうと思って臨んだんですけど、歌ってて自分も元気をもらえたというか。曲調がとても明るいので、だから歌っているだけで元気になれるし――ファンのみんなもカラオケで歌ったりしたら元気になれるのかなっていうことを想像しながら歌いました。


――本当に明るい曲ですよね。C/W「First Addiction」との対比も鮮やかで。

栗林:そうですね。C/Wは夕日っていう感じですよね(笑)。


――夕日(笑)。ピアノから始まり切ないメロディーで静かに疾走していくミディアムな曲ですが、何気に今までになかったテイストなような気がしたのですが。

栗林:そうですね。今までになかったような楽曲を頂いて、歌っていても新鮮でしたね。爽やかな切なさみたいな(笑)。


――あ、正にそんな感じですよね! 例えば“今より強い絆が欲しいよ”の一節も、普通だったら切なく響く言葉だと思うんですけど、切なさだけじゃない爽やかさもあって。

栗林:そうですね。歌詞はこだまさおりさんに書いていただいたんですけど、今回初めてお仕事をご一緒させていただいたんですよ。で、最初に“アニメの内容に沿ったような歌詞をお願いします”ってお願いしていたんですけど、(アニメの)登場人物の爽やかさが表れた歌詞を書いていただいて……。けがれない感じがステキだなって思いました。

――このアニメを見て栗林さんを知る方も出てくるでしょうし、新曲がどう浸透していくかが楽しみですね。

栗林:本当にそうですね。……最近、(ファンの方も)入れ替わってますからね。みんなにはオタクのままでいて欲しいんですよ(笑)。私は一生オタクでいるって決めているので。自分が好きなものには自信を持ってもらいたいと思っていて……。


――でも、確かに入れ替わりというのはあるかもしれませんね。それこそ、最初にもお話されていましたけど、シーン自体もここ10年ですごく変わっていますし……。

栗林:そうですね。……ちょっと寂しかったりもするんですけどね。なんか……好きな漫画が売れすぎてちょっと寂しくなることってあったりするじゃないですか(笑)。正直に言うと、オタクの世界が一般化して欲しくないんですよ(一同笑)。


――分かります(笑)。“私だけが知ってた世界だったのに!”じゃないですけど。

栗林:そう! だから、テレビとかでよく秋葉原の様子を流したりするじゃないですか。そんな軽々しく流さないで!って思っちゃうんです(笑)。だって、本当はすごく深い世界じゃないですか。だから、一般化していくことが嬉しい反面、“そっとしておいて欲しい”っていう思いもあったりするんですけど(笑)。


――その気持ちは分かります(笑)。ところで、今作のジャケット、カラフルでポップな衣装ですよね。今までの雰囲気とはちょっと違うイメージで。

栗林:ありがとうございます。……やっぱり違いますよね?


――今まではもっとクールな印象があったと言うか……でも、新しい一面が垣間見れるようで、とても良いと思います!

栗林:そう言っていただけて嬉しいです。今回のジャケットのスタイリストさんは初めてご一緒させていただく方だったんですけど――そのスタイリストさんがいっぱい衣装を持ってきてくださったんですよ。それで何着も着てスタッフ全員で見て決まった衣装だったんです。今までは女神系っていうか(笑)、ドレッシーな服が多かったんですよね。だから “もっと身近な感じがするような衣装も良いんじゃない?”っていう話をスタッフとしていた時期だったんです。雑誌に出てきそうな洋服というか……。


――「遊びに来ちゃった!」みたいな感じの身近な服っていうことですよね(笑)。

栗林:そうですね(笑)。今まで意外となかったんですよ。だから女神系じゃない(笑)、普通の洋服をたくさん用意していただきました。新鮮でしたね。


――4月から始まるツアーで、この曲がどんな風に披露されるか楽しみですね。

栗林:そうですね。ライヴではポイントになる位置にくる曲だと思います。今後の代表曲になっていくんじゃないかな。


――では最後に10周年に向けてコメントをいただけると。

栗林:今年は3月にアルバム『miracle fruit』がリリースになるんですけど、久々のオリジナル・アルバムでほぼ新曲なので楽しみにしてて下さいっていうのと――今回のツアーは今までで一番多くの場所に行くことになったので、ぜひ会いに来てください。みんなに会えるのを楽しみにしています!

<TEXT:逆井マリ>

『STRAIGHT JET』/栗林みな実
発売中
価格:1,200円(税込)
発売元:株式会社ランティス
販売元:バンダイビジュアル株式会社

『miracle fruit』/栗林みな実
2011年3月9日発売
価格:3,000円(税込)
発売元:株式会社ランティス
販売元:バンダイビジュアル株式会社

<栗林みな実 LIVE TOUR 2011 miracle fruit>
4月16日(土)仙台CLUB JUNK BOX
4月17日(日)新潟 LOTS
4月23日(土)福岡 DRUM LOGOS
4月30日(土)名古屋 クラブダイアモンドホール
5月1日(日)東京 SHIBUYA-AX
5月4日(水・祝)大阪 なんばHatch

【チケット料金】
(東京/大阪公演)
1F立見 5,775円(税込) ※整理番号つき
2F指定 5,775円(税込)
※ドリンク代別500円
※3歳以上有料

(仙台/新潟/福岡/名古屋公演)
オールスタンディング¥5,775円 (税込)※整理番号つき
※ドリンク代別500円
※新潟はドリンクなし
※3歳以上有料
チケット一般発売日:2011年2月27日(日)

『IS<インフィニット・ストラトス>Blu-ray&DVD 第1巻』
3月23日発売
価格:Blu-ray7,665円(税込)、DVD6,615円(税込)
発売・販売元:メディアファクトリー

【初回生産特典】※BD&DVD共通
(1)弓弦イズル氏書き下ろし小説
(2)「IS」機密設定資料集 Vol.1(50p予定)
(3)独占封入!キャラクターソングCD《箒》
(4)<購入者限定>スペシャルイベント応募券
※初回生産分は数量に限りがございます。お早めのご予約をお勧めいたします。

【毎回特典】※BD&DVD共通
(1)キャラクターデザイン倉嶋丈康氏描き下ろしジャケット
(2)撮り下ろし動画ラジオ「RADIO IS」出張版(パーソナリティ:日笠陽子&下田麻美)
(3)デジパック&クリアスリーブジャケット仕様
(4)ノンクレジットOP
(5)ノンクレジットED Ver.1
(6)CM&PV集
(7)スーパーピクチャーレーベル

※商品の仕様、及びジャケットの絵柄等は変更になる可能性がございます。予めご了承下さい。

>>栗林みな実オフィシャルサイト
>>『IS<インフィニット・ストラトス>』公式サイト

織斑一夏(CV:内山昂輝)

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篠ノ之箒(CV:日笠陽子)

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凰鈴音(CV:下田麻美)

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セシリア・オルコット(CV:ゆかな)

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シャルル・デュノア(CV:花澤香菜)

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ラウラ・ボーデヴィッヒ(CV:井上麻里奈)

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織斑千冬(CV:豊口めぐみ)

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山田真耶(CV:下屋則子)

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(C)2011 Izuru Yumizuru, MEDIA FACTORY/Project IS
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