『GUMI誕生祭2012 in ニコファーレ』レポート

未来を感じる最先端技術をフル導入! 熱狂的な一夜となった『GUMI誕生祭2012 in ニコファーレ』をレポート

 6月26日(火)、インターネット社のVOCALOIDソフト「メグッポイド」が発売から3周年を迎えた。その記念として、東京のライブハウス「ニコファーレ」で『GUMI誕生祭2012 in ニコファーレ』が開催。「メグッポイド」のイメージキャラクター「GUMI(グミ)」によるバーチャルライブが行われた。

●この日のために最先端技術を「ニコファーレ」に導入!
 会場となった「ニコファーレ」は、株式会社ドワンゴが六本木で運営するライブハウス。ステージがあるメインホールは、地面以外の壁がLEDディスプレイのモニターという特集な造りになっている。このモニターを利用した映像による演出は勿論、同社が経営する動画投稿サイト「ニコニコ動画」との連携で、ユーザーが投稿したコメントをリアルタイムで表示させることが可能だ。

 今回のライブでは、新たに導入された「透過スクリーン」を使った「投影ライブ」で開催。投影ライブとは、「プロジェクター」からステージ上に設置された「透過スクリーン」に映像を投影し、映し出されたバーチャルキャラクターがその場に居るように見せることで、臨場感のあるライブを演出させる技術である。

 また、ライブをネットの生放送で楽しむユーザーのために、配信映像にリアルタイムでCG映像を合成させる「AR(Augmented Reality:拡張現実)」と呼ばれるシステムを導入。ネット視聴しているユーザーは、カメラで撮影した会場の映像+キャラクターCG映像を合成させた「ARライブ」を視聴できるようになった。

 「ARライブ」の実現で、これまで不可能だった、あらゆるアングルでの撮影が可能となったので、ネットではCGを使った臨場感のある「ARライブ」を、会場では透過スクリーンを使用したリアルな「投影ライブ」を、それぞれのユーザーが楽しめるのだ。

 また、これらのシステムの設置に伴い、「ニコファーレ」ではMMDデータ(有志ユーザー開発の3DCGムービー製作ソフト)を無加工で使用できるシステムを導入。これにより今後「ニコファーレ」では、専門的な技術がなくとも、MMDデータさえあれば誰でもバーチャルライブ等のイベントを開催することが可能となった。

 今回の『GUMI誕生祭2012 in ニコファーレ』でも、多くの有志クリエイターの方々が協力。まままさんが製作した「ままま式GUMI」や、さぼてんさんが製作した「さぼてん式GUMI」といった、ファンのあいだでも人気が高いGUMIモデルのMMDが多数登場し、嬉しい演出となった。

●最新技術が詰め込まれた、GUMIのワンマンライブをレポート
 最新技術が結集して行われることとなった、GUMIの初となるワンマンライブ。会場には彼女の誕生日を祝うため、ホールを埋め尽くすほどのボーカロイドファン、GUMIファンが集った。

 ライブがスタートの時刻を迎えると、照明が暗転。会場が真っ暗闇になったかと思うと、ステージ中央に突然光が灯され、白いワンピース姿のGUMIが現れた。一瞬の沈黙の後、ホール内は歓声がまるで爆発のように巻き起こり、それに続くようにギターとドラムの音が響き「迷子の僕に(作詞・作曲:KEIさん)」のイントロが流れ始める。すると、暗かったホールに、ペンライトの光が灯り、すべてがGUMIのキャラクターカラーでもある緑色に発光。次の瞬間には青、赤、白といった色へ曲のテンポに合わせて変化していくと、曲に合わせて一定の間隔でペンライトが揺れ始めた。

 実はこのペンライト、来場者の全員に配られた通信型ペンライトで、生放送を見ているユーザーのコメントや、楽曲の演出に連動して光の色を変えて発光するというモノ。その瞬間の雰囲気に合わせて色が変化していく光景はとても綺麗で、徐々に会場が一体となっていく様子がわかる。

 そんなたくさんの光の中心、声援を浴びながら歌い、いきいきと踊るのはGUMIである。それはバーチャルのライブとは思えず、実際に存在する1人の人間がその場に居るかのようだ。

 どんどんヒートアップしていく会場。あっという間に2曲目「アイセンサー(作詞・作曲:buzzGさん)」も終わり、ステージ上に立ったGUMIが「こんばんわー! 今日は始めてのワンマンライブに来てくれてありがとう!」と感謝の言葉を述べると、観客の皆さんが声援で答える。一通りのトークを終えると、「パンダヒーロー(作詞・作曲:ハチさん)」や「エレクトリック・スター(作詞・作曲八王子P)」といった曲を披露しつつライブは進んでいった。

●たくさんの想いを貰った3年間
 8曲目「だるまさんがころんだ(作詞・作曲: (-人-)むむむ!!!さん)」が終わると、スクリーンからGUMIの姿が消え、突然右、正面、左のモニターに青空が映し出され、ホールが一気に明るくなる。何事かと辺りを見渡していると、ピアノが響き、同時に3つのモニターが別々のイラストを表示し始めた。それが数秒表示されてフェードアウトしていき、青空に戻ったかと思うと入れ替わるように別のイラストが。曲に合わせるように最初はゆっくりと、しかし少しずつ速くなりながら、次々と画像が表示されていく。そのすべてのイラストがGUMIが描かれた物だ。

 曲のイントロが終わると、イラストが消え青空に戻った正面モニターにGUMIが登場。そのまま画面右側に歩くように足踏みを始めると、ほぼ同じタイミングで右モニターから、正面、左モニターの順で、数え切れないほどのイラストやコスプレの画像が流れ始めた。

 この流れて行く画像は、今回のイベントにあたり、インターネットサイト「ニコニコ静画」と「Cure & World Cosplay」で募集されたGUMIの誕生日を祝うイラストとコスプレの画像の数々。集った画像をもとに、「ニコニコ動画」で人気の三重の人さんがPVを製作し、「キミというのはカブトムシでもいいです(作詞・作曲:生ガキP)」の楽曲にのせたスライドショーとして上映されたのだ。

 「メグッポイド」は3年という月日をかけて多くの作品が作られ、沢山の人に愛されてきた。モニターに映し出されたGUMIが歩く姿は、そんな3年間を回想しているかのようで、「キミを見つけた ボクは笑顔見せた。気持ち隠せず、この胸の高鳴りは止められない」という歌詞が心に響く。

 約4分間におよぶスライドショーのあいだ、会場にいたほとんどの人々は言葉を失うほど見入っていた。たまに心の声が漏れたかのように「凄い……」という声が聞こえることも。

 曲が最後のサビに入ると、3つのモニターのそれぞれに1枚ずつイラストが表示されていく。そのどれもが満面の笑みで微笑むGUMIだ。巨大なモニターいっぱいに、笑顔が次々と映し出されていくあの凄さは、実際に会場にいた人にしか体験できない物だっただろう。私の頭の映像を、そのまま見せたいほどで、言葉だけでは旨くお伝えできないのが残念でならない。本当に素晴らしいものだった。

 スライドショーが終わった瞬間、会場は拍手喝采。「うおー、凄かった!」といったものや「GUMIちゃん誕生日おめでとう!!」といった歓喜の声が飛び交い、会場のテンションは最高潮を迎えていた。

ライブの映像は、ニコニコ生放送でも配信。

ライブの映像は、ニコニコ生放送でも配信。

●GUMIの誕生日を祝いに、スペシャルゲストも登場!
 スライドショーが終わると、「Happy Birthday to You」を歌いながら、同じインターネット社の「VOCALOID」、神威がくぽ、Lily、CULの3人がGUMIとともにスペシャルゲストとしてステージに登場。4人でトークした後、神威がくぽが「ダンシング☆サムライ(作詞・作曲:カニミソPさん)」を、Lilyが「リリリリ★バーニングナイト(作詞・作曲:samfreeさん)」を実際のバックダンサーとともに披露。GUMIが「ポーカーフェイス(作詞・作曲:ゆちゃPさん)」を歌う際には4人が一緒にステージでダンスするパフォーマンスも楽しめた。

 3人が去ると、ライブも後半戦に突入。残りの約1時間は「十面相(作詞・作曲:YMさん)」や「弱虫モンブラン(作詞・作曲:DECO*27)」といった数々の曲を披露した。最後の曲「GIFT(作詞・作曲:花束P)」 が終わった後も声援は止まず、アンコールの声が響くと、その声に答えるようにGUMIが再び登場。「天ノ弱(作詞・作曲:164さん)」と「クワガタにチョップしたらタイムスリップした(作詞・作曲:家の裏でマンボウが死んでるPさん)」の2曲を歌いきった。

 最後にはワタライさんによる「天ノ弱」のピアノアレンジバージョンがEDロールとともに流され、ライブは終了。最後には会場にいたファンの掛け声で、三本締めが行われイベントは幕を閉じた。

 バーチャルライブとして数々の新しい試みの中で行われ、約2時間、全24曲+αで披露されたリアルとバーチャルが融合した世界。GUMIの誕生を祝うファンの皆さんの愛と、技術の進化を感じる素晴らしいイベントとなった。

■セットリスト

【1曲目】迷子の僕に(作詞・作曲:KEIさん)
【2曲目】アイセンサー(作詞・作曲:buzzGさん)
【グミトーク】(本人MC)
【3曲目】純情☆ファイター(作詞・作曲:カニミソP)
【4曲目】ponponpon(作詞・作曲:中田ヤスタカさん カバー曲)
【5曲目】パンダヒーロー(作詞・作曲:ハチさん)
【6曲目】エレクトリック・スター(作詞・作曲:八王子Pさん)
【7曲目】わたしライス定食たべにきた(作詞・作曲:まこ猫さん)
【8曲目】だるまさんがころんだ(作詞・作曲: (-人-)むむむ!!!さん)
【静画スライドショータイム】キミというのはカブトムシでもいいです(作詞・作曲:生ガキPさん)
【グミトーク】(本人+神威がくぽ、Lily、CUL)
【9曲目】ダンシング☆サムライ(作詞・作曲:カニミソPさん)
【10曲目】リリリリ★バーニングナイト(作詞・作曲:samfree さん)
【11曲目】メグメグ☆ファイアーエンドレスナイト(作詞・作曲:samfreeさん)
【12曲目】ポーカーフェイス(作詞・作曲:ゆちゃPさん)
【13曲目】十面相(作詞・作曲:YMさん)
【14曲目】未来時計AM4:30(作詞:fさん 作曲:蜻蛉)
【15曲目】初恋の絵本(作詞・作曲:チョリスPさん フェルナンドPさん)
【16曲目】だってだってだって(作詞・作曲:タカノンさん)
【17曲目】恋はきっと急上昇☆(作詞・作曲: のぼる↑さん)
【18曲目】くれよん(作詞:こなたPさん チャトラ猫さん 作曲:こなたPさん)
【19曲目】弱虫モンブラン(作詞・作曲:DECO*27さん)
【20曲目】カムパネルラ(作詞・作曲:sasakure.UKさん)
【グミトーク】(本人MC)
【21曲目】GIFT(作詞・作曲:花束Pさん)
【アンコール&22曲目】天ノ弱(作詞・作曲:164さん)
【グミトーク】(本人MC)
【23曲目】クワガタにチョップしたらタイムスリップした(作詞・作曲: 家の裏でマンボウが死んでるPさん)
【24曲目】天ノ弱(ピアノアレンジ:ワタライさん)

■関連リンク
>>株式会社 インターネット GUMI誕生祭2012ページ
>>ニコニコ動画
>>ニコニコ静画
>>GUMI誕生祭2012 in ニコファーレ ~Megpoid 3rd Anniversary~ 特設ページ
>>Cure & World Cosplay

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