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実写版『るろうに剣心』の監督・大友啓史さんにインタビュー!

実写版・映画『るろうに剣心』の監督を務めた大友啓史さんにロングインタビュー!

 2012年8月25日(土)、1999年に『週刊少年ジャンプ』に登場し、『るろ剣』の愛称で親しまれてきた日本の代表的な漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を実写化した映画『るろうに剣心』が、遂に全国公開となる。

 今回は、公開に先駆けて、メインキャストや監督にインタビューする機会を得た。公開直前となる今回は、監督の大友啓史さんに、ズバリ実写化に掛けた想いや、こだわったポイント、映画ならではの魅力などについてたっぷりと語っていただいた。

●表面ではなく内面を描いた映画『るろうに剣心』の真意とは?

――まず始めに、映画『るろうに剣心』を監督されたご感想をお願いします。

大友啓史さん(以下、大友):発表から随分経っている漫画が原作なので、凄い多くのファンの方々がおられて、しかもみなさん『るろうに剣心』という作品に対して既にご自身のイメージを持たれていますよね。なので、クランクインするまでは、できあがったファンのイメージに対してどういうスタンスでアプローチをするかというところをいろいろと考えていたんです。

そんなとき、「漫画」や「映画」という媒体で考えるのではなく、まず物語の中で描かれているテーマ自体に着目したんですね。そうしたら僕が『龍馬伝』などでずっとやってきた「侍の生き方」というテーマに繋がるような気がして。

『るろうに剣心』って、幕末の時代に滅びた侍たちが明治になってどういう生き方をしたのかということを描いた部分もありますよね。タイトルが示す通り、新しい時代になっても刀を捨てきれない、剣の心を持った主人公の剣心が流浪しているという。この時代、本来だったら廃刀令が出ているので、町中で刀を持って歩いていたら捕まっちゃうんですけど、剣心の刀は「逆刃刀」で人は斬れない。二度と人を斬らないという誓いを込めていつも脇に差している剣心の在り方やこだわりが凄く魅力的ですよね。

『龍馬伝』で同じ幕末の物語を1年間通してやってきた僕から見ても、実際、明治の時代にはそういう人がいたんじゃないかなと思わされました。だって、それまでずっとあった「士農工商」っていう階級が一気にひっくり返ったわけですから。でも、そんなに簡単に人は生き方を変えれるわけじゃない。

そういった漫画で描かれているテーマ自体を見たとき、『るろうに剣心』というタイトルに改めて物凄く興味が湧いてきたんです。良い意味で漫画と映画の違いに固執しなくなったというか。新渡戸稲造さんの『武士道』という本がかつて世界中で大ベストセラーになったのが良い例で、侍の生き方には世界中の人が物凄い興味を持っているんですよね。今でも「サムライ」という言葉は、世界中で伝わる数少ない日本語の一つです。

和月さんの原作って、次々と強敵が出てくる中でどうやって人を殺さずに大事なものを守っていくか、というある種RPGのような世界観の中で、「武士道」に書かれた武士の徳目をテーマに描いているというのが凄く魅力で。そこに共感し出したら自分のやりたいテーマに繋がっていったので、今まで通りのタッチで作ろうと。

その後、和月さんと話したんですけど、「CGは嫌だ」という部分を始め、彼と同じ考えに至りました。キャストやキャラクターのことも含め、漫画と映画で何が違うのかということをお互いに確認し合い、凄く良いキャッチボールをさせていただきました。和月さんが何を大事に描いていたのかをしっかりとお話させていただいて、表面的なことを再現するのではなく『るろうに剣心』の中にあるテーマを、映像化の際のアプローチとしてちゃんと描こうと。

●見せかけではなく本当に凄いアクションものをやりたいと思っていた(大友監督)

――『龍馬伝』や『秀吉』のときにできなかったことを解き放とうという気持ちはありましたか?

大友:今回、まずひとつは『るろうに剣心』を題材にしてアクションをしっかりやりたいという気持ちが強かったです。そのアクションは、見せかけではなく本当に凄いものをやりたいと。

それで、アクション俳優のドニー・イェンやジャッキー・チェンのアクションスタントチームに入ったことのある谷垣健治さんをアクション監督として迎えました。というのも、自分がロスに留学していた1997年~1999年に、ジャッキー・チェンの『ランブル・イン・ザ・ブロンクス』という映画がハリウッドで1位を獲って、ジョン・ウーやツイ・ハークといった中国や香港の映画人がアクションを武器にどんどんハリウッドに進出してきたのを見ていた影響が強いですね。香港映画の手法も含めて、アクションって言葉を越えて伝わりますから、国境を越えて向こうの人に受け入れられていくのを目の当たりにしていたんです。

同時に、NHKを止めた時点で創作の基準が、ジャーナリズムだけがじゃなくなったので、もっと純粋なエンターテインメントをやりたいという気持ちもありました。NHKにいたときはどちらかといえば社会派ドラマを中心に作っていましたが、それはNHKという組織にいたから。独立した今は、子供の頃にブルース・リーの映画を劇場で見たときのような高揚感、自分も真似して「アチョー!」とやりたくなっちゃうような感覚を実現したいと。この映画を見て、中学生ぐらいの子たちに「剣心カッコよかったね」と言ってもらえればいいなと思います。

ただ、そのカッコよさっていうのは、強さだけではなく、自分の大切なものを守るとか、人を殺さないとか、背後にちゃんとした信念を持ったヒーロー像も描きたいと思っています。あとは、特別な人にとっての特別なヒーローではなく、女性はもちろん、年配の人が見てもカッコよく見えるように。武士道って40代~60代の人たちにとっても清廉潔白で魅力的ですよね。山田洋次さんが『たそがれ清兵衛』でやったのと同じように、その世代の人たちが見ても「剣心って魅力的だな」と思ってほしいしです。

そこで、幅広い世代の人に受け入れられる剣心には、国民的なヒーローになる要素が揃っているんじゃないかなと思ったんです。しかも、漫画やアニメで日本の若者たちを熱狂させた『週刊少年ジャンプ』のヒーロー・剣心は、既にアニメ『Samurai X』として海を渡っていますよね。

そのおかげもあって、YouTubeに映画の動画を上げただけでホームページに世界100万カ国からアクセスがくるという。動画の感想を見ても、「Oh my God!」、「Great!!」といったポジティブなものが多くてで、やはりみなさん楽しみに待ってくれているんだなと思いました。中には、「俺はこの映画を見るために日本に行くぞ!」と書いている人もいて。日本の漫画の底力って凄くて、司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』が2500万部ほどの売り上げといわれるのに対して、『るろうに剣心』は5700万部ですから。

ただ、今まででは日本の漫画を上手く映像で活かせていなかったかもしれない。だから、そこに風穴を開けたいという気持ちは当初からあったんです。なので、大人が見てもちゃんと見られるものにしようと思ったんですよ。そうすると、時代考証などもちゃんとやらないといけない。そこにはもちろん、『龍馬伝』で培った手法も取り入れています。

あとは、アクションで若い人たちに興奮してもらうために、世界で勝負しているアクション監督を連れてくるというところに繋がってくるわけです。なので、野に放たれた野獣のように、NHKでできなかったことを全部やろうという気持ちでやっていることは確かです。とにかく多くの方に見ていただけるようなエンターテインメントを作りたいという想いで、いろいろな手法を使っていますね。

――制作するにあたって、原作者の和月さんから要望はありましたか?

大友:なかったですね。むしろ、びっくりするぐらい認識が一致していました。とりわけアクション表現に対して、先ほど話した「CGが嫌だ」っていうのもそうですし、「安いワイヤーが嫌だ」というところとかね。和月さんからオーダーがあったときも、「これはしないでください」ではなく、「こういう方法もありますよね」という感じだったので、そこから丁寧に相談して決めていきました。だから、「こうしてくれ」と強制されたことはまったくなかったです。どこかのタイミングで、「この人たちに任せていいんだな」と信じていただけたんだと思います。

ちなみに、今日も少し話をしたんですけど「おろ?」や「ござる」を生身の人間が言っても大丈夫かということは心配していましたね。ただ、僕から言わせると「おろ?」や「ござる」を言わない剣心は剣心じゃない気がするんですよ。人斬りとして物凄く強い彼が、「おろ?」という言葉を使うことで彼のもう一つの温和な性格が出るわけじゃないですか。「るろうに」としてフラフラしている部分と、未だに剣の心を持っている人斬り抜刀斎としての部分、ふたつの顔が揃って初めて剣心の魅力になるので。そうすると、凄く挑戦的だけど生身の人間でも言いたい。それをちゃんと演じられる役者となると、僕の中では佐藤健くんしかいませんでした。それで、彼にお願いしたというわけです。

●日本の良質な役者たちが真っ向から生身のアクションで勝負しようとしているのをぜひ見ていただきたい(大友監督)

――今回、佐藤健さんもかなりアクションに力を入れられていますが、監督から見た彼の印象はいかがでしょうか?

大友:健くんとは『龍馬伝』に岡田以蔵役で出演してもらったときからの付き合いですね。一年間も一緒にやっていたので、彼の演技力や身体能力の凄さはよく分かっていたんです。なので、今回はアクションもほとんど本人にやってもらいました。でも、実は『龍馬伝』で描いた岡田以蔵は泣き虫だったので、3、4人しか人を斬っていないんですよ。なので、彼もストレスが溜まっているだろうと思い今回はバサバサ斬らせてあげたいなと(笑)。

剣心って、日本発で世界に通じるヒーローになれる可能性がある素材なんですよ。先ほども言いましたが、姿形も含めて、それを体現できるのは僕の中で佐藤健くんしかいませんでした。『るろうに剣心』は彼も小さい頃から大ファンだったようで、剣心を演じるというハードルの高さは本人が1番よく分かっていたんじゃないでしょうか。

彼が役者じゃなかったら、もしかしたら「『るろうに剣心』の実写化なんか止めてよ!」と言っていたかもしれない。そういう側の人間が腹を決めて剣心をやると決断するまでには葛藤があっただろうし、やると決めたならもう僕が言うまでもないかなと。実際、原作に負けないスピード感を出すために本当によく練習していました。

剣心を演じるには「人斬り抜刀斎」、「神速」、「飛天御剣流」など、漫画やアニメにあったような神の速さを実現しなきゃいけない。それは、役者がピアニストの役を演じるのにピアノを一所懸命に練習するのと同じで、「緋村抜刀斎」を演じるならまずはしっかり殺陣の練習をやってもらうと。そこでもやはり、アクションができないと剣心は演じられない、ということを本人が人一倍に分かっていたので、刀の振り方ひとつ取っても谷垣さんに指導を受けながら散々練習していましたね。健くんのアクションが練習段階からあまりにも凄いので、ほかの役者たちも負けじと練習を始めていました。

CGやワイヤーワークに頼らず、鍛え込まれた武士の動きをある程度デフォルメして役者の肉体でリアルに再現していくのが今回の演出方針でした。それについて健くんもよく理解してくれて、本当にやれるところまでやってくれました。例えば、ドニー・イェンやジャッキー・チェンは、アクションシーンが前提にあったうえで、芝居もできれば凄い。ジャッキー・チェンに関しては、アクション俳優としてやっている内にだんだん芝居の能力が鍛えられていったと思うんです。

ただ、今回アクションシーンを演じているのは、アクション俳優ではなく役者なんです。佐藤健や綾野剛、日本の良質な役者たちが真っ向から生身のアクションで勝負しようとしているんですね。見ていただいた方には分かると思いますが、あれだけのアクションを役者が再現しているということがこの映画のサプライズではないでしょうか。しかも、役者が演じているので、ただのアクション以上に感情が乗ってくるんですよね。原作のキャラクターって、みんなアクションを描き分けてるじゃないですか。それと同じように、映画でもそれぞれのキャラクターがアクションでちゃんと表現されているんです。そういったことも含めて、みんな原作に対しては物凄くリスペクトを込めて作っています。

この前の試写で、和月さんも「佐藤健のアクションは凄い!」と興奮してくれたので、ある程度のハードルは越えたんじゃないかなと、少しほっとしています。

――先ほどのお話にも少しありましたが、CGは一切使われていないのでしょうか?

大友:CGで再現すると『スパイダーマン』みたいになってしまうので、どうしても人間の動きとは離れていってしまうんですよ。もちろん、風景の中で現代物を消したりという処理はありますが、アクションについてのCGは一切ないです。すべて生身の殺陣でやっています。それであれだけのアクションを魅せられるんだから、本気でやると役者って凄いんですよ。そこは今回の見所のひとつですね。

――最後に、映画を楽しみにしているファンの方々に一言お願いします。

大友:まず第一に、『るろうに剣心』という作品自体を作られたのは和月さんなので、原作を物凄くリスペクトして作っています。同じ作り手として、オリジナルを作った人間が物凄く大事にお仕事されてきたことは分かっているので、キャラクターの再現を含めて、原作に対するリスペクトは最大限に入れ込ませていただきました。その中で、みなさんの期待を超えられるように、映画ならではのエンターテインメント性や今までに見たことのないようなアクションシーン、「あっ!」と驚く仕掛けをたくさん用意しています。

とにかく楽しんでいただけたらという思いで用意周到に準備してきましたので、あとはみなさんに応援していただいて映画『るろうに剣心』を国民的なヒーローに育てていただきたい。それで、続編を撮らせてください(笑)。是非、劇場の方に足を運んでいただければと思います。よろしくお願いします。

■タイトル:
『るろうに剣心』
■公開表記:
8月22日(水)、23日(木)、24日(金)先行上映決定!
2012年8月25日(土)より全国公開 
■配給クレジット:
配給:ワーナー・ブラザース映画
■コピーライト:
(C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会

>>公式サイト

(C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会
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