THE ポッシボー特集 第2弾 神ライブへの軌跡と真髄
かわいさとカッコ良さを織り交ぜたライブで、勢いに乗るTHEポッシボー。しかし、つんく ♂プロデュースで2006年にデビューしてから、動員もCD売り上げも落ち込む低迷期も経ている。どう巻き返したのか? そして、今の充実ぶりの裏側は? インタビュー2回目はライブにまつわる話を中心にお届けする。
■ライブでV字回復して握手会ではファンの人の声が全員かれてます
――最近のポッシボーのライブ、すごく盛り上がってますよね。
ロビン:V字回復で(笑)。
後藤:イベントで地方に行くことも増えましたけど、兵庫で2回やらせていただいたとき、2回目はお客さんが減るかと思ったら、すーごいたくさんの方が集まってくれて。500人ぐらい? それを見たときはメッチャうれしかったです。
ロビン:ちょうどモーニング娘。さんのコンサートとカブってたんですけど(笑)。
秋山:「その前に来てね」と言ってたら、皆さん、本当にたくさん来てくれて。
諸塚:1枚で2人入れるチケットでライブをやったり、自分たちでハロー!(プロジェクト)の現場にビラ配りに行ったりしてるから、新しい人がいっぱい来てくれてます。
橋本:全然いなかった女の子も、ちょっとずつ増えてたり。
――ステージでのみんなのパフォーマンスも、どんどん充実してきて。
ロビン:一昨年の夏にライブに力を入れるようになってから、新曲が増えたんですよ。ポッシボーの曲って、甘酸っぱいポップとか家族がテーマの温かい曲が多かったけど、ライブ用の掛け合いをする曲がメチャメチャ増えたので、ライブ後の握手会ではファンの人の声が全員かれてます(笑)。それぐらい盛り上がりにつながってるのを感じます。
後藤:最近はセットリストやライブの構成も自分たちで考えて、「ここをこうしたい」というのを5人でちゃんと共有してるので。前より一体感もあると思うし、ライブならではのパフォーマンスも分かってきました。
ロビン:遅っそ(笑)!
後藤:7年かかって、ようやく(笑)。
ロビン:ごとぅーが目覚めました(笑)。
後藤:12月のライブでは前半は普段通りオケで歌って、かわいい感じでしたけど、後半はバックバンドを付けてロックな感じで盛り上がって。お客さんとの相乗効果も出て、本当にみんな声をからす勢い。一体になって「熱いね」って空間を作りました。
秋山:この1年ぐらい、自分たちでライブの内容を考えるようになって、「アレをやりたい。コレをやりたい」「曲のアレンジをこうしたい」というのが増えて。それをステージで披露したとき、ファンの人たちから「おーっ! こう変わったんだ」「今回はそう来るんだ!」みたいな反応が、ダイレクトに伝わってくるんです。そうやって盛り上がってくれたら、すごくうれしいし、やっぱり自分たちでライブを考えるのは大事だと思うし。今後も続けていきたいですね。
諸塚:個人的なことなんですけど、最近はリズムを気にするようになりました(笑)。
橋本:遅いわっ(笑)! 7年やってるんだよ(笑)。
諸塚:みんなに「遅い」と言われますけど……(笑)。
橋本:逆に、今までどうやって歌ってたのか知りたい(笑)。
諸塚:リズムをまったく気にしてなかったわけじゃないんです。でも、声を出すことに必死、みたいな部分があったから。
ロビン:もろりん、頼むよぉ~(笑)。
諸塚:でも生バンドが付くと、後ろでドラムの音が鳴ってるから、そのドラムの音をちゃんと聴いたり。ライブ前にもスタッフさんから指導してもらって、リズムを考えて歌うようになったら、音楽がより楽しめるようになりました。
ロビン:どうりで最近、もろりんが歌うまくなったと思った。
諸塚:声が出るようになったとも言われます。
――それにしても、みんなのプロデューサーのつんく♂さんは、昔からリズムを重視してませんでした?
橋本:もろりんはいつも注意されてました(笑)。
諸塚:5人の中でいちばんリズム感がないと思います(笑)。
秋山:ワンテンポ遅いんだよね(笑)。
諸塚:ネットで観ていて、友達にも「踊りがワンテンポ遅くない?」と言われたり(笑)。自分で気づかないうちにリズムが取れてなかったのかな? 最近はそこをちゃんと考えてます。やっとですけど(笑)。
橋本:掛け合いでは、前はこっちから「言ってね」「回してね」と煽って、ファンの人が一生懸命返してくれても、自分たちが必死過ぎて投げっぱなしだったんです。今は「OK! いい感じだね」とか、「もっとやろう!」とか、さらに煽ったり。どんどん掛け算のライブができてると思います。
――段取り通りにやるだけでなく。
橋本:自分たちが言いたいことを、その場で自由に言ってたりします。前だったら考えられないなと。そういうところが変わりましたね。
■将来について悩んだけど、今はポッシボーの頑張りどきだから
――最初に「V字回復」という話も出ましたが、「V字」ということは下降期もあったわけで。一昨年の秋には「あと半年で解散!?」みたいな噂も出ましたよね。
ロビン:懐かしい(笑)。
――その半年後のライブで、あっきゃんから「実は私がスタッフさんに『来年3月で辞めようと思ってます』と言ったんです」という話が出て。
秋山:毎月ライブをやって、時間がないから、1回のライブが終わったら、もう次の日から準備……みたいな。すごく追われてる感じで、全然余裕がなかったんです。
――それで疲れちゃったとか?
秋山:疲れたわけじゃないですけど(笑)、まあ、いろいろ将来について考えることがあって……。
後藤:年齢的に、みんな20歳ぐらいになってきたから。
ロビン:事務所の人と話すことも増えて、「ずっとやって行けるのが当たり前ではないんだ」というのはありました。だから、いっそう頑張らないといけない。でも、どう頑張ればいいのか分からない。そういう不安はありました。
諸塚:私もその頃は、あっきゃん寄りでした。
ロビン:言ってたよね。
諸塚:親ともけっこう話したし、スタッフさんと個人面談したときも、自分の思ってたことを言いました。その時期は目に見えて動員数が減ってたし、先が見えなくて。私は年齢的にいちばん上だから、「そろそろかな」みたいなことも考えました。普通の人生に戻るなら今、って。自分の中で、すごく悩んだ時期でした。
――その辺は今、どう消化したんですか?
秋山:まだやり切ってないし、必死なだけでなく、自分たちでライブを考えるようになってから、楽しむ余裕ができたというか。この5人で頑張っていけたらと思ってます。
諸塚:V字回復を感じているので、今がポッシボーの頑張りどきかなって。
橋本:私はたぶんファンの方から見て、いちばん悩みがないように思われるタイプですけど(笑)、別の時期に悩んでたことはありました。でも、それは一時の感情。今はとにかく、ポッシボーで行かなきゃと。
――V字回復のために、ステージ以外で努力したこともありました?
秋山:今年になって、みんなツイッターを始めたし、他のアイドルのライブ会場でビラ配りもしたし。その効果がいちばん大きいかな? お客さんに新しい顔が増えて。
ロビン:イベントに来るほどではなかったけど、ポッシボーを知ってくださってた方が、その場でチケットを買ってくれたり。
――でも、ももいろクローバーZの「男祭り」の後で、みんながビラ配りしてるのを見てビックリしました。地下アイドルの人たちはよくやってるけど、キャリアもあってメジャーデビューもしているポッシボーが!? って。全然抵抗はないですか?
ロビン:ないですよ(笑)。何でもやります! っていう。寒いのだけは、ちょっと大変ですけど(笑)。
後藤:ライブが終わるのを外で待ってる間は寒いけど、配ってるときは必死過ぎて、逆に楽しんでる自分がいます。
諸塚:モーニング娘。さんの会場でビラをもらってくれて、それから毎回、私たちのイベントに来てくれてる人もいます。
ロビン:モノノフ(ももいろクローバーZのファン)の人は、みんな急いでました(笑)。
橋本:ライブが長かったから「電車がヤバイ!」みたいな感じで。でも、急ぎながらも、配ったらもらってくれて。
秋山:私たちも走りながら配りました(笑)。
■シャーク諸塚はカリスマなのに歌い方は全然ロックじゃなくて(笑)
――そんなポッシボーのライブで定番になってきたのが、みんなのバンドTHE POSSIBLEのコーナー。シャーク諸塚さんという人がボーカルをやっていて(笑)。
ロビン:もともとはみんなでリコーダーを吹いてたんだよね(笑)。
後藤:楽器ができるようになったほうがいいという、ほっこりするコーナーで。最初はリコーダーで、小学生みたいな演奏をしていて(笑)。それからギターで1コードずつ弾くようになって、去年3月のライブでバンドをやることになりました。
ロビン:いちおう集大成としていたライブで、バックバンドも付くから。楽器もあるんだし、自分たちでもやってみる? みたいな。
橋本:でも、もろりんは、私が言うのもナンですけど、楽器のセンスが皆無で(笑)。
諸塚:皆無だと思います(笑)。
橋本:私もみんなでギターを1コード弾いたときは、本当にヘタクソで(笑)。
ロビン:ビックリしちゃった(笑)。自分のギターを持ってるのに(笑)。
橋本:手が小さくてツリそうになって、弦を押さえると指が痛いし。
ロビン:それはみんな同じだから(笑)。
橋本:私はガマンできなくて「痛いからムリ!」と思って、ドラムにしました(笑)。ドラムのほうが性に合ってます。叩けるので、発散できて(笑)。
――で、ボーカルがシャークさんに。
諸塚:私はシャークと友達ですけど(笑)、流れで決まって「分かりました」みたいな感じだったようです。
――「シャーシャー」歌ったり、ドSなMCとか、頑張ってやってる感じなんですか?
諸塚:最初はいっぱいいっぱいで投げ出したかった……と言ってました(笑)。でもステージでやったら、皆さんが温かくて、だんだん楽しんでやれるようになったと。
橋本:自分のことのようだね(笑)。
諸塚:仲いいので(笑)。新宿BLAZEで大先輩の大谷雅恵さん(元メロン記念日)をイジったのは、ちょっとやりにくかったみたいです(笑)。
――楽屋に戻ってから謝ったり(笑)?
諸塚:大谷さんはやさしい人なので、悪い空気にはならないんですけど、「ここは強く言うので、よろしくお願いします」とか、あらかじめ言ってました(笑)。
秋山:シャークはいつも、本番前はド緊張だけどね(笑)。
ロビン:何もしゃべらないし、周りの人が呼んでも聞こえなくなっちゃう(笑)。
諸塚:意外と謙虚なので(笑)。
ロビン:ステージに立つとアレだけど(笑)。
橋本:集中するタイプ(笑)。
――他のみんなは、シャークさんのことをどう思ってるんですか?
ロビン:もう、いとおしいですよ(笑)。初めて見た人は「シャーク強いなー」って感じだと思いますけど、今までの流れで見てたら「頑張ってるな」と。
後藤:シャークのために演奏も頑張ります。
秋山:最近、シャークの表情がみるみる良くなってきました。後でニコ生の映像をみんなで観てたら、すごい入り込んでいて。
橋本:ドヤ顔だよね(笑)。ガチでカッコよく見えるんですよ。
ロビン:横浜アリーナでやってるような感じ(笑)。遠くの1点を見つめて、何か悟ってるように歌ってるので。私たちも見習って勉強しなきゃと思いました。
諸塚:カリスマロックボーカリストなので(笑)。
ロビン:でも、歌い方は全然ロックじゃないから(笑)。
後藤:かわい過ぎるんですよ。声が細くて(笑)。
ロビン:“シャーク”なのに(笑)。
秋山:強そうなのはMCだけ(笑)。歌になると、急にかわいくなる(笑)。
橋本:そこが逆にいいんだと思います。
諸塚:私はポッシボーでは、歌割り的になかなかセンターとかないので、シャークは楽しそうですよね(笑)。
PHOTO:荒井大洋 TEXT:斉藤貴志
《CD 情報》
『あらためまして、THEポッシボーです!~ 入門編ベスト~』
2月20日発売 ビクターエンタテインメント
VICL-64004 2000円(税込)
初回プレス分のみ「おたのしみポッシボートレカpart2」封入
2006年のデビューから2012年までの楽曲から、メンバー自らが選曲。ジャケット写真、曲解説もメンバーが担当。
《LIVE 情報》
THE ポッシボー単独ライブ 続・満員御礼宣言っ! ~今度こそガチで勝負だぁ~!!!~(プチ発表もあるよっ)
【日程】3月30日(土)【時間】OPEN/15:15 START/16:00 【場所】新宿BLAZE 【席種】スタンディング 【チケット料金】前売り¥2,500 別途ドリンク代¥500
【THEポッシボー特集】
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