
秋アニメ『しゃばけ』監督:大川貴大さんインタビュー|OP、EDを含めた制作裏話は必読!最終話はアニメなりの解釈を交えて描いたエピローグに
シリーズ累計発行部数1000万部を突破した畠中恵氏の妖怪時代小説『しゃばけ』シリーズのテレビアニメが、現在、全国フジテレビ系“ノイタミナ”にて絶賛放送中です。
本作の舞台は江戸時代。日本橋有数の大店である長崎屋の若だんな・一太郎が、“白沢”の仁吉と“犬神”の佐助をはじめとした妖と協力しながら猟奇的な殺人事件を解決していく、江戸の町人と妖たちが織りなす愉快で不思議な時代劇ミステリー。
このたび、アニメイトタイムズは、本作のスタッフ陣にメールインタビューを実施。最終話を控え、今回お届けするのは、大川貴大監督です。
一太郎と妖たちの関係性を描く工夫やキャストの演技、最終話の見どころまで、貴重なお話をお見逃しなく!
原作最新刊も踏まえた上で表現された一太郎・仁吉・佐助の関係性
——アニメ化するにあたって、原作のストーリーや世界観から受けた印象を教えてください。
監督・大川貴大さん(以下、大川):普段、時代小説を読み慣れていない私でもすんなりと物語に入っていけました。
殺人事件や人の業など、描いている内容は辛辣なものも多いですが、若だんなの人柄や、妖たちのやり取りが心地よく、読み終えた後に優しさを感じる不思議なバランスの作品だなと思いました。
——畠中恵先生を含めた原作側とは、シナリオ面で何かやり取りはあったのでしょうか?
大川:有難いことに、畠中先生をはじめとした原作サイドからは、アニメはアニメなりの自由な表現でやって構わないと言われていました。
私としては原作の世界観やストーリーを尊重したいという気持ちで作っていましたが、その言葉のおかげでアニメなりの解釈で踏み込むことができた部分も多いかと思います。
——本作は江戸時代を舞台にした人と妖の物語ですが、原作の雰囲気や世界観をアニメーションとして落とし込む際に、大川監督が大切にされたこと、特に意識されたことを教えてください。
大川:妖というファンタジー要素を扱っている分、普段の江戸の風景や生活は地に足の着いた表現にしたいと思っていました。
原作を読んでいると、江戸を散歩しているような気分になるんですよね。そんな気分をアニメでも味わっていただければと。一太郎はほとんど長崎屋から出ませんが……(笑)。
例えば日本橋の雑踏の中での声や音だったり、夜のシーンでは街灯のない暗さをどこまで表現できるかなど、実感として皆さんに伝わるよう工夫をしました。
——長崎屋の跡取り息子である一太郎と、彼に仕える妖の仁吉&佐助の関係性が、江戸の街で起こる事件を通して描かれる部分はアニメならではの魅力だと感じました。3人の関係性について大川監督はどのように捉え、どのように表現しようと思われたのかお聞かせください。
大川:しゃばけシリーズを読み進めていく中で、一太郎と二人の兄やは、家族、あるいはそれよりも深い縁で結ばれた関係にあると感じました。
本作は当初、原作一巻の「しゃばけ」の内容で十三話作るという話で企画をいただいたのですが、3人の関係を表現するには、先のエピソードも交えて映像化した方が良いのではないかと考え、今の形になりました。
構成の待田さんには、その時点での原作最新刊まで読んで貰ったうえで、仁吉と佐助の口調や性格など、先のシリーズの描写を反映して、一太郎との距離感が単なる従者ではないということを初見の方にも伝わるように工夫していただきました。










































