『新アニソン通信』File.11 マチゲリータ[後編]

『新アニソン通信』File.11 マチゲリータ[後編]

 毎回、アニソンを歌うアーティストをクローズアップしていく『新アニソン通信』。今回は2度目の登場となるマチゲリータさん。春奈るなさんや小野恵令奈さんへの楽曲提供、あと『ツキウタ。』シリーズの作詞作曲など多方面で活躍中、11月20日に初のオリジナルフルアルバム『マチゲ箱』をリリース。さらに3作目の小説『闇の国 ハロウズ』が12月20日に発売予定です。

 前後編の2回に渡ってお送りしますが、後編となる今回はマチゲリータさんと、所属する事務所・TOKYO LOGIC社長の村田さん、ディレクターのフロンティアワークス・岩田さんによる座談会をお送りします。普段は聞けない話にマチゲリータさんも興味津々!また、マチゲリータさんによる全曲紹介も本編で完結です。




アニメイトTV内『アニソン通信』File.11 マチゲリータ[前編]

●マチゲリータさんと村田社長の出会い

★マチゲリータさん×事務所社長・村田さん×フロンティアワークス・岩田ディレクター座談会

――マチゲリータさんと村田社長との出会いは

村田さん(以下、村田):蒲田のボーカロイドオンリーの即売会で、彼のブースで話したのがたぶん最初ですね。

マチゲリータさん(以下、マチゲリータ):『ボーカロイドマスター3』を出したあたりかな。

村田:彼はまだ16歳で、人の目を見てまったく話せず(笑)。

――当時、マチゲリータさんの音源を聴いた感想や印象は?

村田:う~ん……。

マチゲリータ:当時ですよ、当時!(笑)

村田:「ああ、今、こういうのがウケてるんだ」と。クオリティで言えばまだまだだし、MIDIがピコピコ鳴っているイメージで。

――それがどうして一緒にやっていこうと思われたのでしょうか?

村田:その後、彼が歌い手の人と一緒に作った『the grave of princess』というCDがあって。作品名を出すと彼は嫌がりますけど(笑)、それを聴いて、結構いいなと思って。当時、僕はLOiDというレーベルをやっていたので、そのユニットでCDだしてみたいなと。ビジュアル系のユニット、かどうかは置いておいて、昔で言えばAccessみたいな感じでやれたらいいかなと話したのが一番最初で。

――ではシンセが基調のエレポップサウンドの方向性で?

村田:サウンド的にはそうではなく、あくまで当時のマチゲリータの音を主軸にやっていったらおもしろいかなと思って。ボーカロイド全盛の時に他と同じことをやっても意味がないから。ただ、いろいろあって、ただデビューするだけでは面白くないしなぁと。 ではマチゲリータというアーティストがどれだけ人気があるのかを調べようと思いました。当時はコミニュティの人数、何人いたんだっけ?

マチゲリータ:ニコニコ動画内で1万人くらいでしたね。

村田:その10分の1が、リアルに「メジャーデビューが決まったら応援します」というハガキをくれたらデビューさせようと。昔でいうところの『ASAYAN』みたいなことをやってました。ユーザーから応援されて、1歩1歩、段階を上がってますという見せ方がいいのかなと。


●マチゲリータさんの音楽性の変遷

――マチゲリータさんは当時、こんなことをやりたいという希望や展開はあったんですか?

マチゲリータ:その時その時にやっていることに必死だったので、先のことなんてとても考えられる余裕はなかったです。

――マチゲリータさんが当時やっていた音楽から今に至るまでの変遷は?

村田:彼は元々、音ゲー好きなので、どちらかといえばそっちの方向でした。

マチゲリータ:テクノとかテクノポップとか。

村田:そこから打ち込みの技術を得て、童話音楽みたいなものをやって、ゴシックに行って、そこから少しずつロック要素を入れて。

マチゲリータ:村田さんと出会った頃は、かなりゴシックに寄ってましたね。ロックぽくなく、シンセとバイオリンやピアノで固めて。ギターを使わない曲があったり。打ち込みの技術もまだまだ甘くて、ロックに使うベースの打ち込みがまったくできなかったことが大きいですね。ビジュアル系の音楽を最初からやりたかったけど、できなかったんです。自分の好きな音楽をどう表現したらいいのか、わからなくて。

村田:彼にギターを買えと言いました。そこで楽器の特性を知ってもらって。

マチゲリータ:その辺を覚えていくうちにロック色が徐々に強くなっていったかなと思います。ただ最近は聴きやすくなってきたかなと思う反面、クセも抜けてきてしまったかなというのが悩みで(笑)。

岩田さん(以下、岩田):去年、アルバムを出した辺りからおとなしくなってきたかな?と感じました。

マチゲリータ:だから今回はクセが強い曲をたくさん収録させてもらったんです。徐々に戻ってきたかなと思ってます。

村田:僕は元々ギターをやっていたんですが、ギタリストの視点からすると、ありえない方法論で打ち込みをやっていたけど、やり方がわかって、きっちりまとまってきたのが今回の作品かなと。


●ニコ動で曲を聴いてファンに!?

――岩田さんがマチゲリータさんを知ったきっかけとメジャーデビューへの経緯を教えてください。

岩田:僕は元々、マチゲさんが好きで、ニコニコ動画でよく聴いてました。実は踊ってみたで、マチゲさんの曲が使われてて。その踊り手さんが知り合いだったんですけど(笑)……この曲いいなと思って、他の曲も調べていったら、マチゲさんの世界に引き込まれました。そしていつか一緒にお仕事をしたいなと。初めて会ったのはおととしの冬?

マチゲリータ:そうですね。

岩田:その時もまだ人の目を見て、話せないような子で(笑)。

マチゲリータ:去年のCDを出してから目を見てしゃべれるようになりました(笑)。デビューのお話をいただいて、うれしかったんですけど、果たして自分がメジャーで出せる音楽を作れるだろうかという不安もありました。

――具体的なメジャーデビューの流れは?

岩田:全打ち込みの曲が多いんですが、楽器を生にしたら違う世界観が見せられるんじゃないかと思う曲が何曲かあって。そんなアルバムを出せないかなと思っていたら、たまたま社内に村田さんを知っている人がいて、紹介してもらって、打ち合わせしてと、とんとん拍子で進んでいきました。いつもの活動とは違う見せ方を考えた時、生音でやることと、本人が歌う曲だけでなく、他の人が歌ったらどんな見え方がするだろうと思いついたのが『In Other Worlds』でした。

マチゲリータ:まず生音でやれることがうれしかったです。なかなか生音でやれることはないですから。実際に自分の曲を演奏してもらっているのも不思議な感じでした。

岩田:こちらから簡単なアイデアを提案したら、すぐにレスポンスが返ってきて、イメージもしっかりしたものがあったので、プロデュースも本人に任せようと。前作もよかったので今回も安心してお任せしてます。

――マチゲリータさんが全曲の作詞・作曲・編曲だけでなく、イラストを自身で描いたり、デザインしたりと、トータルでプロデュースできる才能があることも大きいですね。

岩田:確かに。一人ですべて抱えるとリスクも大きいけど、マチゲさんはいい方向でやれているので。

●小説家・マチゲリータ誕生秘話!

――小説家としても活躍されていますが、これは村田さんが仕掛けたんですか?

村田:たまたま、編集プロダクションの人と仲が良くて。2008年にボーカロイドのクリエイターがボーカロイドを使わずにCDを出す「LOiD」というレーベルを主催していましたが、ボカロPが本を出すのが流行っていて。『悪ノ娘』とか。それを仕掛けている会社から話をいただいて。ただ「ボーカロイドに頼るのは嫌です」と。ボーカロイドを前面に出せば売れるかもしれないけど、それだと本を出す意味がないからと、キャラものではない小説になったんです。

――マチゲリータさんの作家性にも注目していた?

村田:最初に「作家を別に立てましょうか」と提案されたんですが、歌詞が書ける人間が文章を書けなくてどうするんだと(笑)。それまで見てきた同人の作品の中でもよく文章を書いていたので、いっそ小説を書いてみたらとすすめました。

マチゲリータ:小説を書けと言われた時はやりたかったことだし、うれしかったけど、すごいハードルだなと戸惑いもありました(笑)。

――歌詞と文章を書くのはやり方や感覚的に違いますか?

マチゲリータ:全然違いますね。1曲分の歌詞を100ページ以上書くとなると難しいですね。音のはね方でいい単語が出ることがあるけど、それなしで文章を書いていくとどんどんバリエーションやボキャブラリーが減っていって、「どうしよう?」と。

村田:だから最初の小説はムダに説明が長くて。

マチゲリータ:自分が意図する言葉をどう説明したらいいかもわからなくて。歌詞の中ではいろいろな意味が含まれた単語ひと言で終わるけど、ひと言だとページが埋まらないし。


●原曲と小説のイメージに賛否の声

――小説1作目を出した後の反響は?

マチゲリータ:自分が考えていたものと違うという人が多くて。『暗い森のサーカス』の動画を見て思っていた話と違ったようで「違いますね」と。いや、考えたのは僕なんですけどという(笑)。まあ動画というビジュアルでイメージが先にあったからしょうがない部分はありますけど。

村田:曲を聴いて想像していたものと違ったとしてもそれはしょうがないです。

――でも、それだけ聴いた人が多様なイメージを感じ取ってくれていたと考えるといいことなのでは?

マチゲリータ:曲を聴いて、いろいろイメージを膨らませてくれるのはありがたいことで、小説が思い描いていたものと違っても、そこから派生したものとか、別の形と受け取ってもらいたいです。小説は楽しみ方がまたひとつ増えたと思ってもらえたら。

村田:リスナーさん達に小説化、文章化してもらうのもおもしろいかも。創作の連鎖というか。


●スタッフの二人が聞いた『マチゲ箱』の感想

――スタッフ側のお二人がこのたび完成した『マチゲ箱』を聴いてみた感想は?

マチゲリータ:どきどき。

村田:マチゲ君のソロインタビュー中に、「スタッフの人に作り直してと言われた」というスタッフはほとんど僕なんです(笑)。

マチゲリータ:ほとんどじゃなく、全部ですよ! 

村田: (笑)。僕はぜひ『ぼくのうた』は聴いてほしいですね。アーティスト・マチゲリータはカッコよくなきゃいけないなんて、おかしい!というのは僕の考え方で。もちろんカッコいい側面も見せていかなきゃいけないけど、忘れちゃいけないのがネット出身だということで、そこがブレると他のビジュアル系バンドと同じになってしまうので。そこをもう一度見直すために『ぼくのうた』を作ったので、イメージを壊す楽しさも味わってもらえたら。あとブックレットの写真やイラストにも今のマチゲリータがちゃんと出ているので、感じてもらいたいですね。

岩田:原曲は元々聴いていて、「今回いろいろアレンジを変えました」と聞いていて。上がってきた音を聴いてみたら、すごく成長したなと。原曲には当時の彼の感性や表現が詰まっていて、今回は2013年のマチゲリータができることのすべてが詰まっている。このアルバムを聴いてくれたら、もう一度原曲を聴き直してほしいです。また、最初の新録予定だった曲から『ぼくのうた』に変わって、世界観が広がって、2曲目以降も楽しんで聴ける流れになったと思って。村田さんはすごいなと。

村田:いやいや(笑)。

岩田:『マチゲリータイム』の中でも「この歌い方はあり? なし?」みたいなアンケートもとって、何曲かは「違う歌い方がいい」という反応があって、実際に歌い直したり。

マチゲリータさん:そうなんです!

岩田:マチゲ君と僕らスタッフ、ファンの皆さんが一丸となって作れたアルバムという実感がとても強いです。

●マチゲリータさんも気になる? 二人の印象深い曲

――ちなみにお二人が1曲目以外に好きな曲、印象深い曲は?

マチゲリータ:そこまで聴くんですね。でも楽しみ。

村田:聴き慣れちゃっているんで、どれとは言えないんですけど。本音を言うと入ってない曲のほうが好きで(笑)。

マチゲリータ:しょっちゅう言われるんです(笑)。

村田:収録曲で言えば、ハロウィン曲かな。マチゲリータの代名詞だと思うので。うちの別のアーティストのラジオ番組で「ハロウィンに聴くボカロ曲ならどれ」というテーマで、マチゲリータの曲を挙げていたくらいですし。僕自身もハロウィンの曲を聴いて、マチゲリータに興味を持ったところもあって。ハロウィン曲はマストですね。

岩田:僕は『スウィイトポイズンファクトリィ』。とにかく耳に残るんですよね。マチゲ君の曲って、クラシックをやっている人からすれば絶対やらないような表現の仕方や音のぶつけ方をしていて、この曲も分解できない音の組まれ方をしてるんです。他の現場でいろいろな音楽を聴いても帰る頃には頭の中に『スウィイトポイズンファクトリィ』が流れてくるという(笑)中毒性が高い曲が多いけど、個人的にこの曲が特に中毒性が高いです。


●泣くほど熱いマチゲリータさんの想い

――お二人にアルバムについてお聞きしましたが、マチゲリータさん、いかがでしたか?

マチゲリータ:普段は二人共言ってくれないので、「ああ、そうなんだ」と。

――村田さんとはかなりやり合ったんですか?

マチゲリータ:やり合いましたね。電話越しで。

岩田:最後の最後まで。

村田:最後は泣かれましたよ。昨日も電話で話していたら急に泣き出して。そのくらい全力で音楽に情熱を注いでいる男なので温かく見守っていただければ。

――インタビューでお話をお聞きしても、マチゲリータさんの曲はメルヘンやグロテスクな世界観を描いていても、実はしっかり現実とリンクしていて、伝えたいこともあるのはわかりました。だから曲について話していると感情が高まってくるんだろうなと。

マチゲリータ: (笑)。

村田:いろいろなものに対して悔しいんでしょうね。他のアーティストに負けたくないとか、自分の作品に満足いかないとか、あと「何で俺のことわかってくれないんだ!」という怒り。そういうことはクリエイターにとってすごく必要なことだし、創作の原点なので、ファンにもっと見せてもいいんじゃないかと思います。あまりカッコつけ過ぎずに。人間くさいところが彼の魅力の一つでもあるので。


●マチゲリータの魅力とは?

――では改めて、お二人から見たマチゲリータさんの魅力とは?

マチゲリータ:何か、これツライです(笑)。

岩田:ファンを大事にしているところですね。去年もアルバム発売後にキャンペーンを回って、お手紙をたくさん頂いたのですが、家に持って帰って読むのではなくその場で読んで、すぐに取り入れようとする姿勢。ファンを大切にする気持ちがすごく見えて。今後も大切にしてほしいなと。生放送ではなぜか強気になっちゃうキャラですけど。

マチゲリータ:それは前回だけですよ!

岩田:アーティストとしては言わずもがなで、ここまで何でもできる人はあまり出会ったことがなくて。そして独特な世界観。磨けば磨くほど輝くと確信していて、村田さんときゅきゅっと磨いている最中です。

村田:悔しいと思う気持ちの強さはいいなと思います。あとは持っている世界観の良さ……全てをトータルでクリエイトできるハイブリッドなクリエイターは珍しいと思うのでそこが魅力なのかな。僕の考え方ですが、才能があっても本質的なところが光らないと外側に出てこないので、まず人間・マチゲリータを育てていきたいです。あとはお母さん想いのいい子だなと(笑)。家族想いで優しい子だなと思います。

マチゲリータ:こういうことを聞く勇気もないので、機会をもらえて感謝してます。お二人の話を聞けて、救われた気分になりました(笑)。


●自分の好きなものを、いろいろな手法で作品にフィードバック

――マチゲリータさんはご自身の音楽性や特徴を説明するとすれば?

マチゲリータ:いろいろなことをやることでしょうか? 世間では器用貧乏と言いますが(笑)。音楽性的にはホラー映画やビジュアル系だったり、自分が好きな作品や音楽からいろいろ影響を受けているので、おいしいところを吸収して、表現できていることなのかなと。1回、絵で挫折している経験も活きていますし、蓄えてきた知識を作品に昇華できていることが強みでもあると思います。

――自身の作品だけでなく、他のアーティストから楽曲提供の依頼を受けるということはクリエイターの視点からも評価され、必要とされているということですよね。

マチゲリータ:ありがとうございます。あとは今日、お二人のお話をお聞きして、どこまで自分の能力を伸ばしていけるか、ですね。

――では、まとめとして、皆さんへメッセージを。

村田:マチゲリータの戦いはまだ始まったばかりだ! でしょうか(笑)。

マチゲリータ:それだと打ち切り臭がするので(笑)。

岩田:『マチゲ箱』は去年だったらできなかったと思います。

村田:アーティストアルバムとしての正真正銘の1枚目で、名刺代わりの1枚ができたと思います。みんなが買ってくれないとマチゲ君がまた泣いてしまうので。

マチゲリータ:それは逆にリアル過ぎる。ニコ生やツイキャスでも「買って!」と言いまくっているので、必死感が。

岩田:その必死さも日に日に強くなって。

マチゲリータ:売れなくて困るのは岩田さんも同じじゃないですか!(笑) 発売後にはイベントで各地に行きますので、ぜひ会いに来てください。そして直接、皆さんの率直な感想を聞かせてください。ちょっと怖い気もしますけど(笑)。恥ずかしくないアルバムができたので、聴いてほしいというのがすべてです。

村田:この対談中、涙ぐんでなかった?

マチゲリータ:バレてました? 実は終盤でちょっと(笑)。

――熱い座談会をありがとうございました!

★マチゲリータさんによる『マチゲ箱』全曲紹介Part.2

7. キャンディアディクトフルコォス
 ここからの3曲はこの曲と同名の小説に収録されている曲です。好きな男の子がパテシエをやっていて、何度もお菓子屋さんに通って親密になっていくけど、自分から離れていくんじゃないかと不安になって、そばに置いておくために考えた方法が超極端(笑)。甘いものとグロテスクのギャップもおもしろいかなと。“好き”が20回出てくるのは、相手から反応がないので自分が好きというしかなくて。最後の“えへへへへへ。”もかわいさはなく、むしろヤバいと(笑)。こんな歌詞を見せたら友達なんてできませんよね。まあ、旧友はこんなヤツだとわかってくれてますけど。全曲に言えるのは主人公の気持ち、あるいは被害者の気持ちになって楽しんでいただきたいです。

8.夏と廊下と花畑
 “もうこのお花には飽きたな、どこに埋めようかな。また新しいお花をこっそり摘んでこよう”の詞にも異常性を感じると思いますが、人に手をかけた快感に目覚めて、どんどんエスカレートしていく男のひと夏を描いた話です。“手を汚した僕はまた、”のように日常でもギャンブルやアルコール依存など、快楽を求めた結果、行き過ぎて身を滅ぼすことがありますが、その究極な形で。この男の結末が気になった方は小説を。

9.ツギハギ惨毒
 この曲の歌詞は今の日本でも問題になっている子供の虐待を描いています。母親から虐待を受け続けている子供の唯一の友達は、離婚した父親がくれた人形で。その人形がある日、意志を持ち始めて、その子供はうながされるように……。人形ものはホラーの定番ですが、虐待を続けた母の報いと、子供の行為の罪の意識とかなり複雑な話ですね。

10.スペルオブハロウズ(新曲)
 ここから最後までハロウィンをテーマにした曲で、この後の『ハロウィンパティスリトリトルカ』と『ドリィムメルティックハロウィン』の総まとめみたいな歌詞になっています。この曲を正義側と悪側に分けるとすれば、世界征服を企む悪側に寄っていて、12月20日発売予定の新刊小説『闇の国 ハロウズ』では結末を書いていないんですけど、アフターストーリーというか、アナザーエンド的な扱いで書いてます。たぶんアンハッピーなエンディングだったらこうなるだろうなと。

 サビの“ルリルリララ”という呪文を言わせて、忠誠を誓わせる呪いをかけるという。サウンドはゲームのラスボスが登場するイメージで作っていて、エンディングだけどハロウズにとっては幕開けなので、アルバムの最後からこの位置に変えました。アルバム的には終盤に向かって、『ハリーポッター』みたいなファンタジー的なエンターテイメントな方向に寄っていきます。ライブでやった時はハロウズの一員になりきってもらいたいです。

11. ハロウィンパティスリトリトルカ
 メインの話の中間にある、スピンオフ的な立ち位置ですね。ハロウィンの国にあるお菓子屋さんに住む三姉妹で、1人の魔女はケーキしか作れず、2人目はチョコ、3人目はアイスだけと役割分担が決まっていて。このあたりはティム・バートンさんの影響が大きいかも。あと僕がスイーツ大好きなので、お菓子の話が書きたかったこともあります(笑)。“苦しむお砂糖”の歌詞でもしかして生きているのでは? という想像もできますね。あと“死んだ人も、生きている人も。食べて踊れ”とか“お菓子くなれ”と異常な部分も。完全に趣味の曲ですね。

12. ドリィムメルティックハロウィン
 『スペルオブハロウズ』と同じメインらしいお話で、ハロウィン色に染めようという団体の曲です。ディズニー感というか、海外のカートゥーン作品に影響を受けて作っていて、“「ところで今何時ですか?」と聞かれましても、ウサギすらお菓子になった。”は『アリス』シリーズっぽいですね。完全にメルヘンですけど、皮肉も入っていて。ニコ動出身のクリエイターがもてはやされる時代だけど、今だけじゃないかと思っていて。

 それがラストの“儚くも甘い香り。総ての人は夢の底、ああ。”に込められていたり。そうならないように僕も頑張らないといけないんですけど(笑)。色を塗り替えるお話を描きながら、自分が他の人達に塗り替えられそうになった時、どう塗り返すかという気持ちも書いてます。このハロウィンのゾーンはアルバムで一番楽しめるところなので、絵本を読むように楽しんでいただけたら。

■■マチゲリータにとって音楽とは?■■

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■『マチゲ箱』/マチゲリータ
発売日:2013年11月20日(水)
価格:
[初回限定盤] ¥2,190+税

[通常盤] ¥2,000+税

発売:フロンティアワークス

■小説『闇の国 ハロウズ』
発売日:2013年12月20日(金)
価格:¥800+税
発売:PHP研究所

<『マチゲ箱』&『闇の国 ハロウズ』発売記念イベント>
2013年12月21日(土) アニメイト天王寺店
2013年12月21日(土) 名古屋 第三太閤ビル
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