オリジナル・メンバーが脱退!! 二人になって再出発のStarmarieが語る!(後編)
昨年より、積極的に海外でもライブ活動を行い始めているStarmarie。活動から6年目を迎え、存在感も音楽性も、さらにワンステップ飛躍。その姿を投影したのが、発売して間もないアルバム『ファンタジーワールド3』。が、そのアルバム・リリースを記念したTSUTAYA O-EASTでのワンマン公演前日に、唯一のスターティング・メンバーだった青木栞の脱退が発表された。翌日のワンマン・ライブは二人で実施。そのときに二人が舞台上で語ったのが……。
今年に入り、海外公演、大阪ツアー、アルバム発売、ワンマン・ライブ、さらにメンバーの脱退といろんなニュースが飛び交っているStarmarie。二人に、海外公演に賭ける想いや青木栞の脱退までの心境を聞いてきました。
後編では、ワンマン公演で二人が感じた想いや、青木栞脱退についての想いなどを語りました。
■ たった二人だけの。でも、確かな決意を持って上がったO-EASTのステージ!!
――4月7日に、Starmarieは、アルバム『ファンタジーワールド3』の先行発売記念のワンマン・ライブを、TSUTAYA O-EASTで開催しました。当日のワンマンは、二部構成で行いましたが。最初から最後まで、あの熱狂ぶりには凄まじいものがありました。
望:すごかったですよね。平日の夜公演なのに、あんなに沢山の人が来てくれるなんて思っていなかったから、楽屋で場内を映し出してるモニターを観ながら、「ヤバい、めっちゃ人がいる…どうしよう」ってすっごい興奮しながら、ズーッとキャーキャー言ってました。でも、始まったらすっごい楽しかったよね。
紫乃:O-EASTという大きな会場で、お客さん全員が「楽しもう」という空気を出してくれていたのがすごく良かったなーと思って。今回のワンマンのために急遽フォーメーションを変えた面も多かったことや、準備期間も少なかったぶんテンパってしまうことも多かったように、正直ミスもいろいろありました。もちろん、うちらも完璧にこなしたいんですけど。でも、いいライブをするというのは「完璧なパフォーマンスをすることだけじゃないんだ」ということをすごく感じたんですね。
実際にライブが終わったあとにも、何時もなら「格好良かったよ」という声が多い中、今回は、お客さんたちに「すごくいいワンマンだった」「観に来て本当に良かった」とたくさん言ってもらえたように、気持ちと気持ちで一つになっていくことの大切さを、改めて感じさせられたワンマンになりました。
――この日のお客さんたちは、いろんな複雑を想いを持って会場に足を運んでいましたからね。
紫乃:ライブ中でも泣いてる方が多くって、つられて一緒に泣いてしまったりとかね。
――今回のステージでは、ファンの方たちの身近な場まで足を運びながら歌っていました。
紫乃:今回は、ステージの両サイドに花道を作ったので、お客さんたちの近くにまで行っては、しゃがんで見つめ合ったり、バラードでは座って唄ったり。あれだけお客さんたちと近い距離でアイコンタクトしながらライブをすることってあまりないから、ああいう身近に触れ合うステージが出来たのも嬉しい経験になりました。
――お客さんたちも、二人の元気な表情を身近で観れたのも良かったんだろうなぁと思います。
紫乃:お客さんたちは、最初はもっと唄う曲数も少ないと思っていたみたいだったし。もうちょっとグタグタなライブになることを想像しながら、それでもみんな来てくれていたんです。でも、結果的に「しっかりやってたねー」と言ってもらえたことはホントに嬉しかった。
望:みんな、あの日のライブのことを褒めてくれてたよね。
紫乃:「二人はホント心が強い」とも言われました。
望:うちらも、暗い感じでは終わらせたくはなかったし。実際に、すごく明るい感じでワンマンを終えられたから、とても良かったなーと思いました。
――最後のMCでも、しっかり伝えたい想いを二人とも伝えてましたからね。
紫乃:今回は、いっぱいしゃべらせていただきました。
■ 青木栞脱退。その真相とは……
――O-EASTの舞台上で、青木栞脱退に対しての経緯や、二人のStarmarieに賭ける想いは会場に訪れた人たちの心にはしっかり伝わりました。でも、会場に足を運べず、その真相をまだ知らない人たちも多いと思います。確か、二人だけのステージになったのは、大阪遠征の最終日のステージからなんですよね。
紫乃:そうなんです。それから二週間くらい、ズーッと二人きりでライブを演ってきて。その間も、今後、栞がどうなるのかわからない状態のまま、すでに決まっていたライブも多かったから、その間はズッと二人でライブ活動を続けていたんですけど。最終的に栞の脱退を発表したのが、O-EASTでのワンマン・ライブの前日に行ったキネマ倶楽部のイベント公演のときでした。正直、そのときはお客さんたちの中からも、「明日のワンマンはどうするんだ!?」という不安な声も多かったし。私たちも、「どうしよう??」という不安はあったんですけど。でも、「演るしかない!!」という気持ちも強くあって…。
本当は、「ワンマンを中止にしようか!?」という話も出てたんです。だけどすでに、ファンの人たち自身も、まわりのいろんな人たちに声をかけ、O-EASTのワンマン公演を盛り上げようとしていた気持ちが伝わって来ていたし。私たちも、ズッとO-EASTでのワンマン公演へ向けて気持ちを高め続けていたので、「このまま中止にするよりも、二人でやれるだけのことをやったほうが、きっとお客さんたちもわかってくれるだろうし。今後のStarmarieのためにもいいんじゃないか!?」と思い、当日は、二人のStarmarieとしてワンマン・ライブを演ったんですけど。今回の公演に関しては、ホントファンのみなさんの想いに救われたなーと思います。
――大阪の公演をすべて終える前に、しおりんはいなくなっていたんだ。
紫乃:はい。3人とも同じホテルの部屋に泊まっていたんですけど。それ以前から、気持ち的にいろいろ溜め込むものが彼女の中にはあったみたいで。それが大阪公演最終日を迎える前に、彼女の中でワーッとなっちゃったんでしょうね。起きたら、いなくなってたんですよ。そこから、「今日の公演をどうしよう?」となって。その日は葉月さんに手伝ってもらって乗り切ったんですけど。すでにそのあともライブがいろいろ決まっていたから、キャンセルすることなく。その当時は、「栞が帰ってくるまで二人でどうにかしなきゃ」と必死に一本一本のライブを乗り越えながら。その間も、栞と社長との間では、連絡が取れたり取れなかったりという状態が続いてて…。その後、ニッポン放送での収録ライブのときから栞がふたたび活動を再会することが決まり、その当時のtwitterでも「明日は、3人のStarmarieで復活しまーす」と告知しながら。でも、当日になったら、やっぱし来れなくなってしまって。
その日の収録では、『1/3の純情な感情』を唄い、それを収録する予定だったんです。でもこの曲って、8割方歌っているのが栞なんですよ。つまり、栞がいないと唄えないから、それまでもズッとライブで演るのは控えてたし。この日も、収録は辞退して、ただライブを演るだけで参加しようということで、主催者の方にそういう話をしたんですね。そうしたら、主催者の方が「せっかくだから二人で唄いなよ」「二人でだって大丈夫でしょ」と言ってくださったことから、急遽二人バージョンの『1/3の純情な感情』の練習やダンス・フォーメーションの組み換えも行い、なんとかその日の収録ライブを乗り越えることは出来たんですけど。でも、やっぱし栞は戻って来れそうにないことから、翌日のキネマ倶楽部のライブのときに、栞の卒業を発表することにしたんです。栞とは、もう5年以上一緒に演ってきている仲間だったので、正直悔しい気持ちもあったんですけど…。
――Starmarie、唯一のオリジナル・メンバーだからね、彼女は。
望:そうなんです。最初からズーッと居たのは栞だけでしたからね。正直、脱退は残念なことだけど。でも、栞の想いも背負って、うちらは頑張って行くしかないなと思ってる。
――二人は、直接会ったり、電話で会話はしてないの??
紫乃:わたしたちは、大阪の日以来会ってないです。きっと彼女の中では、心がいっぱいいっぱいになってしまったものがあったからこその行動だったわけだし。事情も事情だけに、今は向こうも連絡を取りづらいと思うんです。その気持ちもわかるし。うちらもまた、前を向いて頑張っていくしかないので…。
――そんな、モヤモヤとした気持ちも心に抱えていたんですね。
紫乃:正直、私たち二人の中にも、今回のワンマンを演る前までは、何処かもやもやとした気持ちもあったんですけど。お客さんたちと心の底から一つになれたワンマンを体験してからは、「これ以上、もやもやくよくよしててもしょうがない」と思えたし。ワンマンで前向きなお話をすることで気持ちもすっきり出来たので、ここからは、前向きに進もうという気持ちなんです。そうしてくれたのも、ホント、あの会場に来てくれたお客さんたちのおかげだなーと思っています。
■ 解散も考えたけど、でも…。Starmarie「アーティスト宣言」!!
――O-EASTのステージ上でのんちゃんは、「自分も辞めようと考えてた」という話をしていましたよね。
望:そうなんです。「Starmarieは、あの3人でこそだし。この3人でない形ならもうStarmarieじゃないなぁ」と思っていたから、わたしも辞めようとも考えたんですけど。紫乃が絶対に続けようっていうし、この子の面倒も見なきゃなとも思ったので、わたしも「続ける」気持ちになってO-EASTのステージに立ってました。
紫乃:わたしも、3人のStarmarieの姿以外はもう考えられなくなっていたので、「この中の誰か一人でも抜けたらStarmarieは辞めよう」と思ったのんの気持ちも理解は出来たんですけど。でもそれ以上に、わたしはStarmarieをこのまま続けたかったんですよ。
結果的に、すごく前向きな想いを持ってStarmarieを今後も続けていくんですけど。まだ、お客さんたちの中には、二人だけのStarmarieの姿を受け入れるのに戸惑いや苦しみを覚える人もいると思うんです。でも、その人たちの気持ちに応えるためにも、今は二人で一生懸命Starmarieを続けていくしかないなと思ってる。
――二人は、Starmarieという看板を背負っていく運命を受け入れたわけだからね。
紫乃:そうなんです。もう、過去を振り返っててもしょうがないこと。やるっきゃないって気持ちです。
――二人とも、ワンマンを迎える前までには「これからもズッとStarmarieを続けていく」いう意志を固く決めていた状態でした!?それとも、まだ何処か心に迷いがありました??
望:自分では、「これからもStarmarieを続けてく」という覚悟を背負ったつもりだったけど。でも、心の何処かでは、まだ不安はあったかも知れないです。だけどその不安も、ワンマンを演ったことで、「この先へ」という風に前を見れるようになったし。あのワンマンを演って、ホント良かったなと思ってます。
紫乃:きっとあそこでワンマンを演らなかったら、たとえ「Starmarieは二人で続ける」と言ったとしても、何処か心の中に迷いがあったかも知れないし。お客さんたちもまた気持ちの上でスッキリ出来なかったと思う。だからこそ、あの日のワンマンを演れて本当に良かったなと思います。
それと、ワンマン公演の舞台上で、私たちの口から本心を語ったことで、お客さんたちからも「二人の本音を聞けて良かった」とすごく言ってもらえたように、お客さんたち自身も気持ちをスッキリさせたうえで、今後も応援していく気持ちになってくれたように、本当にやって良かったワンマン・ライブになったなと思います。
――ステージ上でしのはむは、「栞と連絡が取れなくて憎んだ。でも本気で憎めないんだよ」とも泣きながら言ってましたよね。
紫乃:本当に憎いと思いました。憎いと思いましたけど、でも、憎めなかったんですよ。私たちが今後もズーッとStarmarieとして活動していくうえで、いつまでも彼女のことを憎んでいても何もいいことなんてないし。それに、5年以上一緒に彼女とズーッと活動してきた時間に嘘はなかったからこそ、そこの気持ちに私たちは蓋をしました。
望:今回の件で、二人とも成長したね。
――あのライブでのファンたちとの熱い絆を感じたら、やはり「Starmarieを続けていく気持ち」にも確信は持てました??
紫乃:もう、本気で頑張ろうと思いました。
――のんちゃんは、年齢のことも気にして卒業を考えたことも…みたいな話もしていましたけど。そんなこと、もぅどーでもいいことじゃない??
紫乃:年齢でのアイドル卒業なんて、もう関係ないよ。
望:アイドル活動を始めた頃は高校生だったのに、もぅ24歳なんですよ。ホント、リアルにいろんな現実を考えなきゃいけない歳にはなってきたんですけど。でも、みんなが「辞めないでー」って言ってくれた言葉が嬉しかったから、これからも頑張ります!!
――これだけの応援を受けたら辞められないし、まだまだStarmarieとして演るべきことも多いから辞めるなんて考えてる情況でもないですしね。
望:今回のことがあって、「こんなにもStarmarieって、いろんな人たちに愛されてる存在なんだなぁ」ってことに改めて気づけたように、もぅ「辞める」なんて言いません。
紫乃:今回の件で、ファンの方々もすごく二人のことを支えてくださったし。事務所のスタッフさんや仲間たちもすごく支えてくれたし。他の事務所のスタッフさんたちもすごく心配してくれれば、同じアイドル仲間たちからも本当にいろいろ心支えてもらえたんですね。それくらいStarmarieって、いろんな人たちに愛されてる存在だからこそ、Starmarieを支えてくれるみんなのためにも、もっともっと頑張らなきゃなと思いました。
――Starmarieとして表に出てるのは二人だけど、いろんな人たちの想いや支えがあってStarmarieは成り立っているわけだからね。
紫乃:そうなんです。その当たり前のことへ、今回改めて気づかされました。
――だからこそ、もう絶対にStarmarieは辞めないし、止めないぞと。
2人:そうです!!
紫乃:長く活動していくうえで気にしなきゃいけないのって、年齢なんかじゃないんですよ。最近だと、でんぱ組.incさんも海外で活動をしているじゃないですか。しかも、メンバーには私たちよりも上の年齢の方だっています。でんぱ組.incさんたちも、今やアイドルでありなからもアーティストとして認められた活動をしていますよね。その姿を見てて改めて気づかされたんです。「アイドルとしての要素も備えつつ、アーティストとして成長し続けていけば、年齢の心配なんか必要ないこと。むしろ、もっともっとアーティストとしての技術も上げていかなきゃ」と思ったら、まだまだ努力し続けてなきゃいけないですからね。
■ 二人の課題は、英語!?
――今年も、海外公演も控えています。
紫乃:そうなんですよ。5月1日には、フィリピンでの公演も控えてますし。また、大阪にもライブをしに行きたいし。二人のStarmarieとして活動していくうえで修正しなきゃいけないところもいろいろあるように、まだまだやるべき歌題は山積みです。
――今後、新メンバーを入れる予定などは??
紫乃:今のところはとくに決まってないです。
望:今のところは、まだそういう話は何も出てないです。
――もし、新メンバーを入れるにしても、二人のように「Starmarieという看板を背負っていく覚悟を持った人」でないと難しいだろうなーとは思います。
望:二人とも、その覚悟はもう決めてます。
紫乃:今回のワンマンを演って、それは確信した気持ちになりました。
――Starmarieも、いろんな壁を乗り越えるたびに、心も大きく成長し続けてるよね。
紫乃:これまでもStarmarieは、いろんな壁を乗り越え続けてきたし、今回も乗り越えたので。
望:今後も、何があっても大丈夫だと思います。
――まずは、フィリピンでの海外ライブですか。
紫乃:フィリピンのフェスティバルへの出演は2回目になるけど、1回目とどう反応が違っていくのかも気になりますし。今後に繋げていけるライブにしなきゃとも思っているように、今回も確かな成果をつかんで、それをまた、次に行う海外ライブへ繋げていけたらなと思っています。
――やはり海外公演も…。
紫乃:定期的にしていきたいです。
――フィリピンでのMCはどうするの??
紫乃:そこがヤバいんです。これまでは栞が英語をしゃべれたから、MCも、握手会も栞がしゃべってくれていたんだけど。二人ともまったく英語がしゃべれないからね。
望:だからこそ、ヤバいんですよ。フィリピンでのフェスティバルには、けっこう日本語をしゃべれる人たちが来てくれるから、そこは安心なんですけど。でも、そこに甘えてちゃ駄目なんですよね…と言うのもわかってるんですけど。まぁ、今回まではね(笑)。
紫乃:たとえ拙い言葉でも、私たちが現地の言葉で挨拶するだけでも向こうの人たちは喜んでくれるからこそ、今回も、何かしらの言葉は覚えて行くつもりです。
望:のん、少しだけ覚えてるよ。
――それは、どんな言葉なの?
望:むこうって、「ぽ」って言葉をよく使うんですよ。「ぽ」は「です」って意味。だから「Starmarieぽ」「のんちゃんぽ」って言ったりなど、ひとまず「ぽ」だけは言っておきます(笑)。
――のんちゃんは、4月25日-27日に学芸大学・千本桜ホールで行われる劇団SPACE☆TRIP 第6回公演「ココロノハナシ」へ舞台出演もします。
望:これで舞台に出るのは7回目になるんですけど。今回はココロというアンドロイドの役を演じます。のんが演じるココロは重要な役なんですけど。アンドロイドを演じるように、あまり喜怒哀楽の感情を出さないんですね。それを演じてくのが難しいんですけど。楽しく稽古を続けてますから、良かったら観に来てください。
――それじゃあ、フィリピン公演まで英語を覚える余裕もないよね。
望:そうなんです…あっ、大丈夫です。単語帳を買って少しは覚えます。
TEXT:長澤智典
《CD》
『ファンタジーワールド3』
01. グッモーニンッ!! ハマムラSHOW
02. 帝王の華麗なアリバイ
03. 本田教授のダイイングメッセージ
04. 狂おしき月下の舞踏会
05. パペットマニアMr.Joeと秘密の館
06. 宇宙人なりのテーマパーク考察
07. ママは天才ギタリスト
08. 恋するボーカロイド
09. あの日から産まれた日から
10. さよならお弁当
11. ぐらんぱぐらんぱ
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