声優
アニメ『牙狼〈GARO〉』、レオン役の浪川大輔さんインタビュー

「未熟なところは?」との問いに意外すぎる返答!? テレビアニメ『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』連続インタビュー企画1人目は、レオン・ルイス役の浪川大輔さん登場!

 2005年10月に第一作目の放送がスタート。以後、数々のテレビシリーズと劇場版が制作され、長きに渡り高い人気を誇っている特撮ドラマ『牙狼〈GARO〉』。本作が、このたびシリーズ初のテレビアニメプロジェクトを始動! 10月3日(金)の深夜より、順次放送がスタートする。

 監督は林祐一郎氏、シリーズ構成・脚本には『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』などで知られる小林靖子氏、さらにアニメーション制作をMAPPAが務めるなど、大注目の布陣でアニメならではの『牙狼〈GARO〉』の世界を描き出す。

 そこで「アニメイトTV」では、主要キャスト・スタッフ陣計6名にインタビューを敢行! これから6回に分けて記事を更新していく。第一弾となる本稿は、主人公のレオン・ルイスを演じている浪川大輔さん。

インタビューでは、第一話の感想や自身が演じるキャラクターについてはもちろん、「浪川さんにとっての"ホラー"とは?」といった質問にも答えてもらった。果たして、浪川さんの答えとは……? 早速みてもらおう。

■ 「レオンは、"青さ"を意識して演じています」

――ひと足先に完成した第一話をご覧になったそうですね。いかがでしたか?

浪川大輔さん(以下、浪川):音楽も含めて圧がすごかったです。押し寄せる迫力に圧倒されました。『牙狼〈GARO〉』(以下、牙狼)って以前から重厚とか派手とか言われていますけど、ただ派手なだけじゃなく、引くと押すのコントラストがしっかりあるんです。そこはアニメも然りで。観ていて気持ちが良いなあと感じました。……まあ、にしても(第一話の)ベッドシーンは長いですけど!



――(笑)。そのへんは、「大人向けの特撮」とも言われている牙狼らしい部分なんですかね。

浪川:リンクしている部分ではありますよね。今までの牙狼ファンのかたも「牙狼らしいな」って安心してもらえるところかもしれないです。

――本作は「牙狼<GARO>」シリーズ初のアニメーションということで。アニメならではの牙狼の魅力も伺いたいです。

浪川:そもそも牙狼は、特撮としてもすごい挑戦している作品だと思うんです。実写と闘っているというか。実写とは思えない迫力と厚みがあるなと。それでいうと、アニメは"スピード感"かな。アニメでしかできない動きやアニメだから可能になるバトルシーンは魅力だと思います。

――それに、中世のような世界観もアニメだからこそ表現できると感じました。

浪川:そう、あれを実写で再現したらハリウッド並みの予算になりますもんね。大変なことになります。あとは、レオンが炎のなかで生まれるシーンも。ああいうのはアニメならではだなあと。

――そんなアニメ作品で浪川さんは主人公・レオンを演じているわけですが、役作りするうえでまずどこに好感を持ちましたか?

浪川:少年なところです。感情が表に出やすくて、よく迷う。やっぱり、迷うってことは無敵じゃないということなので。そういうところには「やっぱそうだよね迷うよね!」って好感を持てました。鎧を召喚してホラーと戦う、強いレオンですけど、共有できる感覚もあることにホッとしました。ただ、行き過ぎている部分もあるんですけど。

▲レオン・ルイス<br>(CV:浪川大輔)

▲レオン・ルイス
(CV:浪川大輔)

――というと?

浪川:真面目すぎるんですレオンは。だから、悩み過ぎて自分を追い詰めちゃうんです。で、自分の視野をどんどん狭めた結果、どこにも逃げられなくなる、みたいな(笑)。そこは可愛い部分でもあると同時に、「若いなあ」って思う部分でもあります。とはいえ、そうやって悩むのも牙狼特有の「血筋」に振り回されてるからで……。僕自身も共感しなきゃいけない部分なのかもしれません。

――では、それをどう演技に落としこんでいますか?

浪川:とくに気をつけているのは感情を全面に出すこと。実を言うと、最初は斜に構えた感じで演じようと思ってたんです。でも、それでは「青臭さが足りない」という指摘を受けて。考えた末に、感情を出すことで青臭さを表現することに行き着いたんです。子どもって、気に食わない事があるとすぐに怒ったり泣いたりするじゃないですか。レオンもそういうところがあるんです。気に食わなかったら「気に食わねえ、クソ親父」って言っちゃうみたいな。相当青いですよね(笑)。でも、そこがレオンを演じるうえで大事な部分だったんです。鎧を召喚してホラーと闘っているシーンであっても、そこは変わらず。レオンの"青さ"を意識して演じています。

――逆にお父さん(ヘルマン・ルイス)はよく我慢してますよね。

浪川:すっごい大人ですよね(笑)。チャラチャラしてるとか言われますけど、視野が広くて、すっごい大人なんだと思います。

▲ヘルマン・ルイス<br>(CV:堀内賢雄)

▲ヘルマン・ルイス
(CV:堀内賢雄)

■ 未熟なところは「ジンギスカンがあまり好きじゃない」ところ!?

――ところで、牙狼には"ホラー"と呼ばれる悪しき魔物が登場しますが、浪川さんにとってのホラーってなんですか?

浪川:実はすっごい緊張しいなんで、"プレッシャー"ですかね。あとは……朴さん(朴ろ美さん/エマ・グスマン役)かなあ……(笑)。

▲エマ・グスマン<br>(CV:朴王路美)

▲エマ・グスマン
(CV:朴王路美)

――意外な答え! 例えばどういうところが?

浪川:ホラーって言うとイメージが悪いですけど、ホラーだって主義主張があってすごいパワーを出してくるわけじゃないですか。で、その圧倒的なパワーに普通の人は支配されるんですけど、朴さんも芝居に対する熱量がとにかくすごいんです。パワフルというか。「私います! 私喋ってるよ!」っていう存在感が、圧となって伝わってくるんですよね。そこは「敵わないな」と思います。あとは、人の心をすごい読んでくるところ。「ココだろっ!?」みたいな感じでグッ!と掴んでくるんです。……かんっぜんにホラーですよ。

――(笑)。見抜かれる、というか。

浪川:ただ、それくらい人の心を理解できるということは、人の心を操り感動させることもできるってことだと思うので。やっぱり素晴らしい役者さんなんだなと思います。

――なるほど。あとはレオンの"未熟さ"に引っ掛けて、浪川さんご自身の未熟な部分も伺えればと。ベテランの浪川さんに聞くのもアレですが……。

浪川:いやいや、芸歴なんて長いだけですから。もうほとんど未熟ですよ。未熟なところと聞かれても……全部じゃないですかね? 完璧なところがない。

――それは芝居に限っても?

浪川:そうです。思っていた以上のことがたまたま出る時もありますが「まだまだだな」「もっとこうすればよかった」って毎回のように思ってます。OKをもらえたなら、それが正解なんだと思うんです。でも、自分の中ではいつまでたっても100点が出ないんですよね。だからこそやり続けられるってことなのかもしれないですが、その時点で未熟なんじゃないかなと。本当に、全部が全部未熟です。

 
――では日常生活ではどうですか?

浪川:日常でもほんとあれですよ! あのー、あの……(長考)……僕、ジンギスカンがあまり好きじゃないんですね。

――!?

浪川:食べられなくはないんですけど、そんなに好きじゃないんです。ジンギスカンって人気じゃないですか? だから「みんなで食べに行こう」ってなる機会も多いんですけど……。

――なんなんでしょう、ジンギスカンがとくに苦手なんですか?

浪川:あとコハダも苦手なんですけど、コハダは断れる。「あ、コハダは大丈夫でーす」って言って、他のものを注文すればいいだけだから。だけど、ジンギスカンはジンギスカンしかないんですからね!?

――確かに、それしか食べられないですもんね。

浪川:だから避けるに避けられなくて! 「美味しいジンギスカンがあるんだよ」って言われて、「わあ?! じゃあ行きましょう!」って笑顔で言ってる自分がほんっと未熟だな!って思いますね。

――(笑)。そこで感じた未熟さがレオンを演じるときにも活きるかどうか、陰ながら期待しています! では少し話を戻して。今作ではレオン以外にモブキャラも演じたという話を聞きました。

浪川:ああ! 何話だったかは正確に覚えてないですけど、やりました。牙狼って、話数によって出演者の人数にかなり差があるんですけど、役者がもう少しいたらという回で「兵士役が4人必要だ」ってなったことがあって。「じゃ、じゃあ……」って手をあげました。

――主役自ら!

浪川:それを見た賢雄さん(堀内賢雄さん/ヘルマン・ルイス役)も、「俺もやる」と。で、斬りにかかるレオンと、その剣で倒れる兵士役の両方を演じました(笑)。30年近くやらせてもらっていて、やっぱり「初心忘るべからず」ですね。はい。

――では、そこも見どころということで……?

浪川:ですね! どこで斬られたか探してみてください。

――そういう「率先してモブキャラを演じた」といったエピソードを伺うと、主役としての心構えを感じます。現場を活気づける役回りも怠らないというか。

浪川:うーん。そもそも主役をやるから偉いというものでもないと思います。それに座長という気持ちはいつまで経ってもなかなか慣れないものですけど……でも、「同じ方向を向きたいな」っていう気持ちはあります。僕も、最近脇をやらせていただくことがすごく増えてきたんですが、そこで「『助けてあげたい!』と思える主役ってカッコいいな」って思ったんです。だから、僕が主役をやるんだったら、そういうふうに思ってもらえるようなお芝居や雰囲気づくりをしたいなと。それが、作品が良くなっていくことに繋がるのかなと思います。

――そのためにはどんなことを?

浪川:みんなについて来てもらえるように、周りをよく見るようにしています。そのためにはコミュニケーションも。これに関しては、賢雄さんがとってもお上手なかたなので、僕も一緒になって盛り上げていければと思ってやっています。牙狼じゃないですけど、こういうのって"炎"みたいなもの。現場にいる僕らがちゃんと燃えていれば、その熱って観ているみなさんのほうにもきっと広がっていくと思うんです。


 ときおり笑いもまぜながら、真摯に答えてくれた浪川さん。本人は「未熟」「座長にはなかなか慣れない」と否定していたが、その佇まいには数々の作品で主役を演じてきた風格を感じた。『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』のインタビュー記事は、以降もどんどん更新予定。本編とあわせてぜひともチェックしてもらいたい。

[取材&文・松本まゆげ]

 

<「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」とは>
 テレビアニメ「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」は、監督に期待の新鋭・林祐一郎氏、シリーズ構成・脚本にはTVアニメ「進撃の巨人」などでお馴染みの小林靖子氏を起用し、声優陣も主人公のレオン・ルイスに浪川大輔さん(『Persona4』主人公/鳴上悠)、父親のヘルマン・ルイスに堀内賢雄さん(『ガンダムZZ』マシュマー・セロ)、王子アルフォンソ・サン・ヴァリアンテに若手の野村勝人さん(『I"s Pure』瀬戸一貴)、謎の女魔戒法師エマには朴王路美さん(※朴 王路美さんの「王路」は、正しくは王へんに「路」。以下同)(『鋼の錬金術師』エドワード・エルリック)といった豪華声優陣を起用。
 これまでのファンはもちろんのこと、初めて『牙狼<GARO>』を見る方でも楽しんで頂ける新しい『牙狼<GARO>』です!

<牙狼<GARO>とは>
 2005年にテレビ東京系列で放送開始された特撮シリーズ「牙狼<GARO>」。最新のCG/VFX技術を駆使し、雨宮慶太監督が生み出す独特の筆文字を取り入れたスタイリッシュな映像で、大人のための特撮ドラマとして独自の歴史を築き続けている。
4月からはテレビシリーズ第4弾『牙狼〈GARO〉-魔戒ノ花-』が放送中。10月からは初のアニメシリーズが放送開始。

<放送スケジュール>
★10月3日からテレビ東京系6局、スターチャンネル(BS10ch)【無料放送】、CSチャンネル・ファミリー劇場にて放送START!

[テレビ東京]10月3日より 毎週金曜深夜1時23分~
[テレビ大阪]10月3日より 毎週金曜深夜2:10~
[テレビ愛知]10月3日より 毎週金曜深夜2:05~
[テレビ北海道] 10月3日より 毎週金曜深夜1時23分~
[テレビせとうち] 10月3日より 毎週金曜深夜1時53分~
[TVQ九州放送] 10月4日より 毎週土曜深夜1時55分
 ※第1話~第2話のみ土曜深夜 2時25分
[スターチャンネル(BS10ch)【無料放送】] 10月10日より 毎週金曜20時15分~
[CSチャンネル・ファミリー劇場] 10月17日より 毎週金曜23時00分~

<STAFF>
原作:雨宮慶太
監督:林祐一郎
シリーズ構成:小林靖子
キャラクターデザイン協力:武井宏之
アニメーションキャラクターデザイン:菅野利之
美術監督:橋本和幸
撮影監督:淡輪雄介
CG監督:金本真
音楽:MONACA
音響監督:久保宗一郎
アニメーション制作:MAPPA/東北新社
製作:東北新社

<キャスト>
レオン・ルイス(CV:浪川大輔)
ヘルマン・ルイス(CV:堀内賢雄)
アルフォンソ・サン・ヴァリアンテ(CV:野村勝人)
エマ・グスマン(CV:朴王路美)

>>TVアニメ「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」公式サイト
>>TVアニメ「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」公式ツイッター(@anime_garo)

(C)2014「炎の刻印」 雨宮慶太/東北新社
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