
辞めなかったから、今の自分があるんです――谷山紀章さん、『ボイス スイッチ』収録後インタビュー
人気声優の“素顔”に迫ることが人気の、アニマックスで毎週日曜日の20時55分から放送されている番組『ボイス スイッチ』。この番組は人気声優を2週にわたって特集し、その素顔に迫る“インタビュー形式”のミニ番組です。1週目は“仕事”について聞く“ON”、2週目は“プライベート”を探る“OFF”をテーマにしてインタビューを行い、普段は顔の見えない声優の素顔に迫ります。
1月25日、2月1日のゲストは『うたの☆プリンスさまっ♪』で四ノ宮那月役や、『進撃の巨人』でジャン・キルシュタイン役を演じ、音楽ユニット『GRANRODEO』のヴォーカルも務める谷山紀章さん!
現場では声優になるキッカケについてや、上京した時の心境など、声優生活20年を振り返るマジメなトークを展開。しかし、OFF編の収録になると“谷山さんお気に入り”の焼酎『いいちこ』が手渡されるというサプライズがあり、おかわりも連発して、話す内容もどんどん過激に……!?
アニメイトTVでは、番組収録後の谷山さんにインタビュー!お酒のグラスをそのままに、収録を終えての感想や、放送では話しきれなかったことなどを語っていただきました!
■ 質問に答えながら自己確認していました
――本日の収録、いかがでしたか?
谷山:いや~もう、とにかく楽しかったです! 一問一答といった感じでたくさんのことをお話させてもらいましたが、質問をされる度に自分自身が「俺ってそうだったな」なんて、これまでのことを自己確認しているような気持ちになりました。そして、なによりOFF編では、いつも飲んでいるお気に入りのお酒まで飲めたので、大満足です(笑)。
――お酒はサプライズでしたね!
谷山:サプライズ中のサプライズですよ(笑)。まさか出してもらえるなんて想像すらしていなかったので、すっごくうれしかったです!あ、おかわりもらってもいいですか?
――どうぞどうぞ(笑)。
■ 1度は本気で声優を辞めました
――さきほど“自己確認”という言葉が出ましたが、収録では過去を振り返るようなお話が多かった気がします。
谷山:改めて考えると、我ながら「よくぞ20年も続けてこれたな」なんて思ってしまいます……。
――今だからこそ「あれがターニングポイントだった」と思うことはありますか?
谷山:いろいろな巡り合わせ、ご縁があり、今日まで声優という仕事を続けてこれましたが、結局は“自分が辞めなかった”ことなんだと思います。あたり前のことですが、もしどこかで辞めていたら、今の自分はいないんですよね。
――続けてきたからこそ今がある、ということですね。
谷山:それこそ、まだ20代の時ですが、一度声優を辞めて地元に帰ったことがあるんです。そのときは本気で“辞める”と決意した瞬間で、事務所のボスに「もう辞めさせてもらいます」と宣言して、2年住んでいたアパートまで引き払っちゃったんですよ。ただ、結局は1ヶ月半くらいで「やっぱり田舎、無理!」ってなってしまって、すぐ戻ってくるんですが……(笑)。
――(一同爆笑)
谷山:あれだけの宣言をしたボスにも「すみません、やっぱりお世話になります!」と挨拶をさせてもらって……いや、今でこそ本当に考えられない話ですねコレ!ただ、その1ヵ月があったからこそ「俺は、東京で一旗揚げたい人間なんだな」と実感することができたので、ムダな時間だったとは今でも思っていません。
――なるほど。そんな時期も経て、今日までたくさんのお仕事をされてきたと思うのですが、地元のみなさんの反応はいかがですか?
谷山:“故郷に錦を飾る”じゃないですが、「あのアニメのあの声」だとか、「武道館でライブをした」とか、とてもわかりやすい肩書の仕事を経験させてもらっているので、やっぱり20年ぶりに再会した友人も驚いています。それこそ、つい先日同窓会であった旧友から「娘が紀章のファンなんだよ!サイン書いて!」なんてちやほやされて、嬉しかったですね(笑)。
――谷山さんのご活躍には、地元のみなさんもびっくりしていると思います(笑)。
谷山:自分としては「ここまで来てやったぜ!」というより、「結構がんばって来たんだな」と感じているので、みんなの反応を見るたびにちょっぴりしんみりしてしまいます。20年前、「東京で頑張って、一旗揚げてくるから。絶対、迎えに来るから!」なんて言って、彼女に送り出してもらった時が懐しい……。その時に車で流れてた曲はシャ乱Qの「上・京・物・語」でした(笑)。
――ドラマのような過去ですね!
谷山:結局、迎えに行くことはなかったんですけどね(笑)。
■ 僕を見る周囲の目が変わりました
――谷山さんの代表的な活動のひとつといえば『GRANRODEO』。活動を始める前と、その後で何か変化はありましたか?
谷山:それはもちろん、変わりました。特に“周囲が僕に向ける目”を大きく変化させた出来事だと感じています。
――“周囲が向ける目”ですか。
谷山:さきほども似た話をしましたが「○○ホールでライブをした」という事実は、とてもわかりやすく、誰もが驚いてくれることなんです。僕自身、声優になって歌の活動をするのは望んでいたことなので、そんな反応をしてもらえることを誇らしく思っています。
――なるほど。では、音楽活動を通して谷山さんご自身が変わったと思うことはありますか?
谷山:歌という物が入ったことで、表現者としてのバランスがとれたことでしょうか。「歌うようにしゃべり、しゃべるように歌う」という言葉がありますが、それは声優として話すことと歌うことを生業としている僕にとっては永遠のテーマみたいなものなんです。歌を歌っているからこそ出来るセリフ回しがあれば、逆に声優をやっているからこそ、シアトリカルな(演劇的な)歌い方ができるようになる。両方の世界を見ることで、いろいろなことを自分に還元できるようになったことが、一番の変化だと思います。
■ 若い頃の自分をぶん殴りたいです
――今回は「ジョン・タイターになりたい」とお話しする場面もありましたが、もし過去に戻ったらどんなことをしますか?
谷山:そんな話しもしましたね! 僕がもし過去に戻れたとしたら……いろいろな場所を見て、ただただほくそ笑んでいるだけだと思います(笑)。未来のことを公表して注目され過ぎても息苦しいですから、半径何メートル以内にいる人たちに「嘘だと思ってもらっていいんだけど、何年か後にこんなものが建つから」とか、「ジャイアンツ何位になるから確かめて」なんて触れ回りたいです。
――それが谷山さん流のジョン・タイターなわけですね(笑)。
谷山:ジョン・タイターは不思議な存在ですよね。本当に実在するんでしょうか? どちらにせよ、あれはロマンですよね。半分くらい信じたほうが、人生は楽しいと思います(笑)。
――収録では「過去に戻って、若い自分をぶん殴りたい」とも発言していましたね。
谷山:「そんなペースでビール飲むなよ!!」って殴り飛ばしたいですよ。「とにかく野菜食え!野菜を!」と(笑)。
――(一同爆笑)
谷山:もう、この年齢になると、1に健康、2に健康なんですよ! 先輩方が口をそろえて「若い時に気をつけろ」と言ってくれますが、絶対に気をつけないじゃないですか。若いですもん! でも、実際その通りなんですよ! 本当に。「青春時代、無駄にすんなよ!」と言ってやりたいです。『GRANRODEO』のギタリストである飯塚さんとも、健康の話ばっかりしてますから(笑)。
――今日も、この現場まで歩いてきたと伺いましたが、やはり健康に気を遣って?
谷山:そうなんです! 2時間40分歩いてきました! ざっと、12kmくらい歩いた計算です。今日、都内を歩いた距離ランキング50位に入ってますよ、きっと(笑)。
■ 2015年は「ヤバい」1年になります
――近々の活動を教えてください!
谷山:1月28日(水)に、『GRANRODEO』のニューシングル「Punky Funky Love」が発売されます! こちらは『黒子のバスケ』第3期のオープニング主題歌となっている曲なので、ぜひ手に取って聞いていただきたいです!そして、今年は『GRANRODEO』の10周年となるメモリヤルイヤーなので、音楽活動中心の年になるかもしれません。自分自身も、周りの人も「がんがん行こうぜ!」みたいな雰囲気で、ツアーなども行う予定ですから!
――10周年はすごいですね。
谷山:2015年は『GRANRODEO』が結成10周年、声優活動は20周年、さらには“谷山紀章”が40周年という、僕にとってはキリがよすぎてヤバい年なんですよ!しかも前厄でもあるので、よりいっそう体を気遣わないと(笑)。
――楽しい1年になりそうですね(笑)。では、そんな谷山さんが抱く、将来的な野望・目標を教えていただけますか?
谷山:総理大臣かな!
――(一同爆笑)
谷山:あっ、やっぱりだめですか? 何がいいかな。むしろ、何がいいと思います? ……えっと、質問の内容、なんでしたっけ!?
――もう総理大臣で行きましょう!(笑)
谷山:(爆笑)
――だいぶ酔いが回ってきたようですので、最後に締めの言葉をお願いします!
谷山:僕が仕事を始めてから20年、“声優”という職業のイメージは、昔とまったく異なるものに変化しました。『ボイス スイッチ』は、そんな変化をよく現している番組で、ひとりひとりの声優にスポットを当てるというのは非常におもしろい試みだと思います。そんな場に呼ばれたことは光栄ですし、僕も話の中にパーソナルな部分を置いてきたつもりなので、ぜひご覧になってくださいね!
――本日はありがとうございました!
谷山:いやぁー、今日は楽しかった(笑)。
収録中にサプライズでお酒が出たことにより、お酒の力も借りて、素の谷山さんに一段と迫った今回の『ボイス スイッチ』。通常のオンエアだけでなく、ほぼノーカット版の「アニマックス PLUS」で配信される特別版で、なかなか見るのことの出来ない谷山さんの様子をお楽しみください!
さて、谷山さんに続くゲストは『つり球』で真田ユキ役、『ローゼンメイデン』で桜田ジュン役などを演じた逢坂良太さん! アニメイトTVでは、逢坂さんの収録後インタビューも掲載しますので、ぜひご期待ください!
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