マリナが看護婦なら、フィーナは嫁!? アニメ『チェンクロ』の気になることを工藤昌史監督と内田彩さんに聞いてみた!
SEGAの人気アプリゲーム『チェインクロニクル〜絆の新大陸〜』(現在、『チェインクロニクル3』。以下、チェンクロ)が、2016年に『チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜』としてアニメ化されました。3章に分けて映画館で上映された劇場版、全12話が放送されたTV版と、同じ作品を2度楽しめるということで、ファンの中でも大きな盛り上がりを見せた本作がついにBlu-rayで登場です。
今回はそんな記念すべきタイミングで、監督の工藤昌史さんとマリナ役の内田彩さんにインタビューを行うことができました。アニメのオリジナル展開、ゲームからの声優変更、マリナの魅力など、ファンが気になるアレコレをぶつけてみました!
ゲームのいい部分をアニメに
──アニメ『チェンクロ』の劇場公開とTV放送を終えてみて、現在どう感じていますか?
内田彩さん(以下、内田):アフレコのときに見ていた映像は着色されていないものなので、何が起こっているのか状況がわからないことも多いんですよ。綺麗に着色されたものを改めて見てみると、“マナ”(※1)で必殺技を使う姿などもわかって「なるほど。これがアニメならではの表現なんだなぁ」と、ゲームのファンとしても思いました(笑)。
今回、私がマリナを演じさせていただきましたが、もともとのゲームでは佐倉綾音ちゃんが演じています。ユーザーとしてゲームをプレイしていただけに、ちょっと不思議な感覚ですね。アニメの放送が終わって一段落した今でも、不思議な感じです(笑)。
工藤昌史さん(以下、工藤):本作では、僕がゲームをやってみて面白かった部分や「ここがいいな」と思った部分は再現したかったんです。最初に『チェンクロ』を映像化する際に「『チェンクロ』らしさって何かな?」と考えて、いろいろ要素を書き出していった結果、今の形になりました。ひとつ言えることはマナだけは絶対に外せなかった。
内田:私、そのことをいろんな人に話しちゃうんですよ! ゲーム内にはマナを奪う敵が出てきたりするんですけど、それがアニメでもしっかり再現されているんです。ブルクハルト(CV:川原慶久さん)がアラム(CV:山下大輝さん)にマナを取られて、「私のマナを!」と言ってたりしていて、アニメでも「マナを取ったりできるんだ!」とビックリしました(笑)。
監督が細かいところまで表現してくださったからこそ、アニメがゲームと結び付けられているんです。アニメを見てからゲームに興味を持った人が、「あのときあいつがマナを取られたのはそういうことか!」と思えるような作りになってますよね。
工藤:“精霊石”(※2)なんかもちょっと出てきたり(笑)。
内田:あれ、すごく面白くて笑っちゃいましたよ(笑)。
工藤:そこは、ゲームをやってる人にしか分からないところですね(笑)。
ユーリ(CV:石田彰さん)が黒騎士から元に戻る場面では、過去の自分を乗り越えるわけですが、それは“限界突破”(※3)のイメージなんです。限界突破は「自分で自分を乗り越えた瞬間なのではないか」と思い、表現しました。
※1:ゲームでは必殺技を使用する際に必要になるもの。魔力や力の源のような生命の根源でもある。
※2:ゲームでガチャを回したり、スタミナを回復するのに使用できるアイテム。アニメでは、重要な動力源として登場。
※3:同じキャラクターを合成することで、キャラクターを強化できるゲーム内システムのこと。
──その他にもアニメならではの描写もありました。アンデットとの戦闘では、マリナはこういう戦い方もしてるのか、と新たな発見でした。
内田:マリナは回復役のヒーラーで、ゲームでも回復技を使っています。アニメでは、仲間の回復はもちろん、それに加えて動きがあるので、「技を使うっていうことはこういうことなんだな」と気付かされて、すごく面白く感じてました。シリアスなシーンでもそういう動きを見ているだけで「なるほどなー、面白いな」と思ってしまうことが本当に多かったんです(笑)。
ゲーム内だと、何かが起きてSDキャラたちが戦闘、という流れなんですが、アニメでそういったシーンを見てみると、「国が深刻な状況に置かれているということはこういうことなんだな」と、気付かされましたね。柳田さん(ヴェルナー役・柳田淳一さん)が舞台挨拶でよくネタにしていましたが、義勇軍が戦闘から帰ってくる際に村人に泥を投げつけられたり、ゲーム内では描かれていないことをアニメでは事細かに描かれていたので、私も印象に残っています。
工藤:そのシーンに関してもいろいろと想像しながら作りました。黒化の影響でマナが枯渇しているのなら、農民が耕してる畑も大変なことになってるんだろうなって思ったんです。柳田さんが作っていたぶどう畑(※4)が黒化してぶどうが採れなくなってしまったら、そうなるんじゃないかなって(笑)。ユーリたちは立ち向かう困難が多すぎて、いろんな困難に立ち向かっていかなくてはいけないのが大変でした。
※4:第1話の畑仕事をしている村人は、柳田さんが兼役で演じています。
──実際に戦争が起こっていたとしたら、あのような感じになりますよね。
内田:ゲームでは村人などと触れ合うシーンがあまり描かれたりしてませんからね。たまに農民のおじさんが出てくるのはありますけど。
工藤:その中でも、テキストで読んで印象に残ってるモブキャラっていますよね。そういったところも大事にしたいと思って、そこの世界に生きてる人たちもなるべく描いていきたいという気持ちがありました。
マリナとフィーナの違いを出すために
──アニメでは特にフィーナが魅力的だと感じました。何か狙いがあったのでしょうか?
工藤:フィーナの扱いが難しくて、途中までお荷物みたいな感じなっちゃってるんですよ。だから、最後のほうはぶち上げたいなと(笑)。ゲームでもフィーナはヒーラーなので、マリナと役割が被っちゃうんですよね。そういったところでの差別化をみんなで考えました。
内田:私もそこはちょっと気にしていました。もともと佐倉綾音ちゃんがマリナやっていたこともあるんですけど、倒れているユーリをフィーナが看病するシーンもあって、マリナとフィーナの立ち位置が近いなと思ったんです。ゲームだと各イラストレーターさんがイラストを担当しているので、ビジュアル的に違った雰囲気があるんですけど、アニメはメインのキャラクターは監督がデザインされています。それもあって、よりフィーナとマリナの立ち位置が近くなったので、「どうしよう?」と考えていましたね。
──演技面ではどういった違いを出そうと思いましたか?
内田:ゲーム内では、よく石につまずいて、「はいはい、頑張れー」ってみんなに言われるドジっ子なところも多いんですけど、アニメでのマリナはちゃんとしているシーンが多かったので、「真面目にやろう!」と思いました(笑)。
アラムと絡むシーンでは、ゲームでよく見るマリナらしさが出ていたので、そのときは強く意識しながら演じていましたね。ゲームファンのみなさんには、そのシーンを見て、「あっマリナだな」って思ってもらえたら嬉しいなと。マリナらしさもちゃんと出せたので良かったです!
──監督から見てマリナはどういったキャラクターですか?
工藤:マリナは、ゲーム内だと上級のヒーラーだと思うんですよ。看護師さん的な感じもありますよね(笑)。だったら、フィーナは“嫁”って感じにしておくのが一番いいのかなと思ってたんです。内田さんも大変だとは思ったんですが、以前に別作品でご一緒したこともあって、そのときに腕は見てるんでお任せしようと思いました(笑)。
その期待通りに、ちゃんと演じてくださったので、それだけでマリナというキャラクターは作れましたね。ラストでカイン(CV:豊永利行さん)とミシディア(CV:今井麻美さん)と駆けつけるシーンもお気に入りです。
内田:私もマリナを演じられて嬉しかったですね。義勇軍のメンバーって、ゲームでは最初に使うキャラクターたちなんです。だから思い入れが強いというか。物語がどんどん進んでいくと、強いキャラクターが仲間になって、そっちばっかり使っちゃうから、義勇軍のメンバーとは「そういえばあいつら今ごろ何しているんだろう」って疎遠になっちゃうんですけどね(笑)。
そんな義勇軍のメンバーが、あの局面で駆けつけてくれると、「よかった、こいつらやっぱり義勇軍だ!」って思いましたね。ゲームプレイヤーである私も監督も含め、あのシーンはよかったって思いますね!
工藤:実はあのシーン、義勇軍のメンバーは、ちゃんとVer.2(※5)になって成長して出てくるんですよ。カインやミシディアも技が強くなっています。ただ、マリナをどう表現するのかも課題でした。アニメオリジナルの展開だったんですけど、拘束魔法的なガチッと捕まえるマリナの魔法を使うくらいならできるんじゃないか? と思って入れさせていただきました。
──今回、『チェインクロニクル〜ヘクセイタスの閃〜』のBlu-rayが3巻同時発売されます。改めてアニメを楽しむファンの皆様に向けて一言ずつメッセージをお願いします。
内田:『チェインクロニクル』は絆の物語なので、いろんな人たちが支え合ったり、助け合ったりしながら冒険が進んでいきます。ゲームをやっている私も、いろんなところに魅力が詰まっているのを感じられる作品でした。ぜひ止めたり巻き戻ししながら隅から隅まで楽しんでいただけたらと思います! アラムのカードも付いてきますよ!(笑)
工藤:そうなんですよね。特典が結構付いてきます。本編の裏で起こっていたことを描いた書き下ろし小説も付きます。あとは、劇場版とテレビ版の両方が付いてくるのでお得だなと思いました(笑)。両方の違いを見比べられるんで面白いですね。
──(笑)。本日はありがとうございました!
[インタビュー/石橋悠]
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。
『チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜』Blu-ray情報
Blu-ray全3巻【特装限定版】、Blu-ray BOX【初回限定版BVC限定】
2017年6月23日(金) 同時発売決定!!
【Blu-ray【特装限定版】 商品詳細】
■チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~ Blu-ray全3巻(※特装限定版)
税抜価格 ¥8,000
発売・販売元:バンダイビジュアル
※特装限定版は予告なく生産を終了する場合がございます。
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【アニメイトオンライン】【Blu-ray】TV チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~ I
発売日:2017年6月23日
発売元:バンダイビジュアル
販売元:バンダイビジュアル
品番:BCXA-1231(販売専用)
JANコード:4934569362315
税抜価格:¥8,000
スペック:カラー/(予) 182 分/(上映版約86分+TV版約94分)/上映版:DTS-HD Master Audio(5.1ch)・TV版:リニアPCM(ステレオ)・音声特典:DTS-HD Master Audio(ステレオ)/AVC/BD50G/16:9
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発売日:2017年6月23日
発売元:バンダイビジュアル
販売元:バンダイビジュアル
品番:BCXA-1232(販売専用)
JANコード:4934569362322
税抜価格:¥8,000
スペック:カラー/(予) 182 分/(上映版約89分+TV版約94分)/上映版:DTS-HD Master Audio(5.1ch)・TV版:リニアPCM(ステレオ)・音声特典:DTS-HD Master Audio(ステレオ)/AVC/BD50G/16:9
●チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜 Ⅲ <最終巻> ※特装限定版
【アニメイトオンライン】【Blu-ray】TV チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~ III
発売日:2017年6月23日
発売元:バンダイビジュアル
販売元:バンダイビジュアル
品番:BCXA-1233(販売専用)
JANコード:4934569362339
税抜価格:¥8,000
スペック:カラー/(予) 182 分/(上映版約90分+TV版約94分)/上映版:DTS-HD Master Audio(5.1ch)・TV版:リニアPCM(ステレオ)・音声特典:DTS-HD Master Audio(ステレオ)/AVC/BD50G/16:9
【Blu-ray BOX【初回限定版】 商品詳細】
■チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~ Blu-ray BOX【BVC限定】
税抜価格 ¥27,000
バンダイビジュアル公式通販サイト バンダイビジュアルクラブ(BVC)
BVC 特設サイト:https://bvc.bandaivisual.co.jp/feature/220/
※本商品は、バンダイビジュアルクラブ以外での販売は予定しておりません。
※本商品は、初回限定生産になります。
<商品詳細>
品姿:Blu-ray
商品名:チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~ Blu-ray BOX【BVC限定】 ※初回限定版
発売日:2017年6月23日
発売元:バンダイビジュアル
販売元:バンダイビジュアル
品番:BCXC-0055
税抜価格:¥27,000
スペック:カラー/(予) 607 分/本編BD:約547分(上映版約265分+TV版約282分)+特典BD:約60分
本編BD:上映版:DTS-HD Master Audio(5.1ch)・TV版:リニアPCM(ステレオ)・音声特典:DTS-HD Master Audio(ステレオ)/AVC/BD50G×3枚/16:9
特典BD:リニアPCM(ステレオ)/AVC/BD25G/16:9<1080p High Definition>・一部16:9
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