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声優・鈴木みのり、声優を目指したルーツ/インタビュー前編

声優・鈴木みのりのルーツ――アニメ好き、声優を目指したキッカケとは/インタビュー前編

『マクロスΔ 歌姫オーディション』でグランプリを勝ち取り、フレイア・ヴィオンとして声優デビューした鈴木みのりさん。アニメイトタイムズ初登場ということで、アニメに対するディープなお話を伺ってきました。なかなかコアなアニメファンでありつつ、努力を怠らない、熱い思い内に持った方なのだとよくわかりました。1月24日発売のソロデューシングル「FEELING AROUND」のお話は、後編でお届けします!

 

父母の影響でアニメ、そして歌うことが好きに
――今回、鈴木みのりさんはソロとしてアニメイトタイムズ初登場ということで、アニメに関する話などを聞いていけたらなと思っています。子供の頃は、歌うことが好きな女の子だったんですか?

鈴木みのりさん(以下、鈴木):大好きでした! 学芸会で歌って演じるのがすごく好きで、歌う役に立候補したり、音楽の授業でも「歌います!」って言ったり。歌に対してはでしゃばりな子でした。

――それはどうして?

鈴木:小さい頃から音楽がいっぱいある環境で育っていたんです。小さいときは、『しまじろうコンサート』に行ったり、お母さんが平井堅さんが好きだったり。あとは、それこそ幼稚園の頃に好きだったアニメ『ぴちぴちピッチ』や『東京ミュウミュウ』の主題歌を歌ったりしていました。小さい頃からアニメを見ていたんですけど、OPとEDを必ず一緒に歌うっていたので、本当に歌が大好きでしたね。

――親の影響はかなりありそうですね。

鈴木:そうですね。お母さんが音楽好きで、お父さんがアニメ好きみたいな感じだったんですよ。お母さんのガラケーの着信音の「ゲキテイ(檄!帝国華撃団)」(サクラ大戦 主題歌)を聴くとすごく喜んでいたって聞きました(笑)。

――それはなかなかの環境です(笑)。そこからもっと具体的に、歌手や声優になりたいと思いだしたのはいつ頃なんですか?

鈴木:小学校3年生の頃から、音楽や国語の朗読の時間が大好きで、歌とお芝居と朗読ができる仕事に就きたいなとずっと思っていました。でも何になればいいのかはわからず……それから5~6年生の頃に深夜アニメと出会い、『NHK紅白歌合戦』でも水樹奈々さんが出演し始めた頃で、奈々さんの存在を知り、声優さんの存在を知って、「声優さんになれば、私のやりたいことが全部できる!」と思ったのがきっかけでした。

――また、ずいぶん早くから……。

鈴木:最近成人式で、式には行けなかったんですけど、小学校6年生の頃の自分から手紙が届いたんです。その時の手紙に「声優になりたい!」って書いてあったので、その頃から声優になりたかったんだと思います。

――実際になれているのがすごいですよ。実際になりたいと思ってから、どんなことをしてたんですか?

鈴木:家に帰ったら、好きなマンガのキャラになりきって読んだり、好きなアニソンを歌っては録音をして、今日のお芝居はこうだった、今日の歌はこうだったってメモをしたり。帰ってきて宿題をして、8時から10時くらいまでそれをやって、お風呂に入って寝てましたね。

――それが中学生の話ですか!?

鈴木:なると決めてからだから、小学校6年生くらいからずっとやってました。

――そのトレーニングの方法ってどこで教わったんですか?

鈴木:水樹奈々さんが『深愛』っていう自伝を出していて、それを読んで、小さい頃、こういう特訓をしていたっていうのに影響されたり、LiSAさんがGirls Dead Monster(TVアニメ『Angel Beats!』の作中バンド)で出てきたときでもあったので、そのインタビューで「鏡に向かって練習していた」と答えているのを見て、なるほどって真似をしたり……。

――目標のために何をしたらいいかが小学・中学生でわかっていたのがすごいです。深夜アニメはどんなものを見ていたんですか?

鈴木:王道です。『マクロスF』(08年)、『涼宮ハルヒの憂鬱』(06年、09年)、『けいおん!』(09年、10年)、父がエヴァが好きだったので『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(07年~)を一緒に見に行ってたりもしました。あと中学生では『魔法少女まどか マギカ』(11年)も大好きで。

それと深夜アニメにハマる前に、ANIMAXやキッズステーションで再放送を見るのも好きだったんです。なので、『ああっ女神さまっ』『ローゼンメイデン』『カレイドスター』とか、もう話すとキリがないんですけど……。『フルーツバスケット』『彼氏彼女の事情』『きんぎょ注意報!』……いろんなアニメを年代問わず見てましたね。

――後半は、30~40代が見ていたアニメですからね。『彼氏彼女の事情』は僕も今、見直してますけど、面白いですよね。

鈴木:ホントですか! 私も漫画とアニメも全部見てて、私の今までの人生の中で一番好きな作品なんです!

――漫画の後半は重い展開でしたよね?

鈴木:最後まで読むと、人生で大切なものを全部学んだ気持ちになるんですよ! 最終巻で「「ああ 面白かった 疲れた──」って言って死ぬのが夢なんだ」ってヒロインの雪野が言っていて、それを読んだときに、私もこうやって人生を終われるように生きなきゃ!って。それはもう常日頃から思って生きてます!

――中学校くらいの頃に出会った漫画や小説が人生に与える影響ってすごいですよね! 他に影響を受けた作品はありますか?

鈴木:CLAMP先生の作品はどれも大好きで、CLAMP先生の作品にいつか声優として出たいというのがずっと夢だったので、自分の中で大きな存在ですね(※『カードキャプターさくら クリアカード編』に詩之本秋穂役で出演)。一番好きなのは『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』と『XXXHOLiC』で。『カードキャプターさくら』の木之本桜も大好きなんですけど、『ツバサ』のサクラも大好きで、よく美容院に木之本桜ちゃんとサクラの画像を持っていって、こういう髪型にしてくださいと言ったりしてました(笑)。

――三次元だと、ちょっとこれは難しいですとか言われません?

鈴木:ここのちょろんと出てるのは長くするんですか?って聞かれたりしたときは「三次元な感じで、ほどよく」と言ったりしました(笑)。

――こういう話、いくらでも話せそうですね……。

鈴木:髪型の話でもいっぱいありますよ。『ラブプラス』の小早川凛子ちゃんが大好きで、つまり丹下桜さんのキャラクターを美容院に持っていきがちなんですけど(笑)、こんな感じで刈り上げてください!と言ったり。

――(笑)。歌方面では、水樹奈々さんですか?

鈴木:水樹奈々さん、坂本真綾さん、中島愛さん、宮野真守さん、GRANRODEOさんが自分の中では大きかったです。私が真綾さんのファンクラブに入って、母が宮野さんとGRANRODEOさんと奈々さんのファンクラブに入って、情報を共有しつつ、ライブも一緒に行きましたし、グッズも買ってましたね。

――いつの間にか、お母さんもそっちに目覚めていますね(笑)。

鈴木:私が声優になりたい!と言ってから調べるようになって、ハマっちゃった感じですね(笑)。

――ライブは中学生の頃から?

鈴木:初めて行ったのが水樹奈々さんのライブで、名古屋ガイシホールでした。ペンライト文化もあまりわからないまま、ポキっと折るものを持って行ったんですけど、ライブの途中で切れちゃったんです。そしたら隣にいたお兄さんが、「僕もっと持ってるので使ってください!」と言ってくれて、「なんて優しいんだ! 水樹奈々さんのファンは!」って思った思い出があります。

あとはGRANRODEOさんへの母の熱がすごくて早朝から物販に並んだり、横浜アリーナに初めて行ったのが宮野真守さんのライブだったり。あと一番は真綾さんですね。真綾さんは逆に私が物販に早く行ってました。『COUNTDOWN JAPAN』に真綾さんが初めて出たときに、こんな近くで見れることはない!と思って最前に行ったら、そこで会ったファンの方と意気投合して、真綾さんトークに花を咲かせて感動しました。後日そのことを真綾さんのラジオに送ったら読んでもらえて号泣したり(笑)。それが2~3年前なんですけど、結構いっぱい思い出がありますね。

――まさか同じフライングドッグに自分がいるとは思わないですよね……。

鈴木:本当に嬉しかったです。

――ライブを見るときも、いつかは自分も立つんだっていう気持ちもありつつ?

鈴木:はい。なのでいろいろ学びました。ライブのMCって、歌に対する思いや、それまでの活動で感じたことを、時に感極まり涙ぐみながらおっしゃることも多くて。そういうところに刺激を受けたし、私も頑張ろうってライブを見るたびに思っていました。

あとはやっぱりどの声優さんも歌声のパワーがすごくて! 自分はまだまだだなって。それは今でもすごく思いますし、自分がソロデビューしたらこういうライブをやってみたいって思ってたりもしましたね。


『マクロスΔ』の存在は自身にとって大切なモノ

――そんな中で、鈴木みのりさんがデビューするきっかけとなった作品が『マクロスΔ』でしたね。

鈴木:きっかけは『マクロスΔ 歌姫オーディション』で、フレイア・ヴィオンとしてデビューさせていただきました。オーディションの最終審査の前日に、さいたまスーパーアリーナで坂本真綾さんの20周年記念LIVEがあったので、それを見に行って、一度愛知に戻り、翌日もう一度東京に行った思い出がありますね(笑)。ライブグッズを持って行ったら、話のネタにもなったので、そういうところでも「ありがとうございます」と(笑)。

――そこからワルキューレでの活躍は皆さんも知るところだと思いますが、ワルキューレの活動で学んだことってありますか?

鈴木:ワルキューレの楽曲って本当にいろんなタイプの曲があって、声優デビューするまでは、自分はバラードやゆっくりしたテンポの曲が合っていると勝手に思っていたんです。でも、フレイアを通していろいろな曲を歌わせてもらって、決めつけちゃいけないなっていうのと、自分もまだまだいろいろな可能性を秘めているのかなって思えるようになりました。自分が思っている自分と周りが良いと思う自分って、案外違っていたりするのかなと気づいたきっかけにもなりましたね。

――もちろん、メンバーからも影響を受けたり?

鈴木:やっぱりJUNNAちゃんがいるからこそ、自分はまだまだだって思えたし、中途半端なところで満足しないでいられたなと思います。声優としてほぼ同期の西田望見さんがいることで、私ももっといろんな役をやらなきゃ! 頑張ろうって思えたし、安野希世乃さんと東山奈央さんは芸歴がとても長いので、二人の姿から現場の立ち居振る舞いも学ばせていただきました。

――最初にそういう仲間がいて良かったですね。

鈴木:一人だと学べないことってあると思うので、最初がワルキューレで本当に良かったなって思います。

――ライブで印象的だったことは?

鈴木:やっぱり横浜アリーナでのライブは覚えていて。その時はワルキューレの活動がこの先もあるというのは知らなかったので、この2DAYSに掛ける思いが強かったんです。もしかしたら最後かもしれないから悔いのないようにやろう!って言いながら、本当にやり切って、もう二度と同じライブはできないなって思いました。同じ曲を歌っていても同じことってないし、ライブって生モノなんだなって、そのとき初めて気づいたので、それがすごく印象深いですね。

――中島愛さんとも共演できましたしね!

鈴木:公式のダンス動画とかを見て「星間飛行」を覚えて、クラスメイトに布教していたので(笑)、まさか本人と歌うことになるとは……。ステージでは夢心地な気持ちと幸せな気持ちでいっぱいになっていて、本当に嬉しかったですね。

――泣いてましたよね?

鈴木:思わず泣いちゃいました。自分があの場で歌って踊ってるのが信じられなくて、小さい頃一人で踊っていたのを思い出して感動しちゃいました(笑)。でも中島さんにダンスを伝授してもらう機会があって、こうやって覚えてたけど、実際はこうなんだ!って初めて気付かされました。

――2016~17年は『マクロスΔ』でいろいろな経験を積み、2017年はまた違う役にも挑戦した年でしたね。

鈴木:声優としてはアニメよりゲームに出させていただくことが多かったんです。アニメは台本にト書きがあるし、話の流れもあるので、こういうときにこういう感情で、というのがすんなりわかるんですけど、ゲームはセリフとどこで使われるかしか書いてないので、そこから想像力を膨らませて、セリフを言うんです。それがすごく難しくて。だけど、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(藤原肇 役)や『ウマ娘 プリティーダービー』(アグネスデジタル 役)でディレクションをくださる方のご指導で、去年はゲームの台本に強くなれた年だったと思います。

――音響で言うと、『マクロスΔ』で三間(雅文)さんが音響監督を経験しているのも大きいですよね。

鈴木:はい。どんなときも三間さんから教わったことが私の主軸になっていて、それは今も変わらないです。本当に三間さんがいなかったら、私は音ばかりを気にして、キャラクターの気持ちなんてちゃんと考えてあげられないような役者になっていたなと思います。でも、アニメとゲームのアプローチの違いはあったので、本当にアプリゲームの現場にも感謝しています。

――役者面でもステップアップしていますね。あまり他では聴けないようなお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました。で、そろそろお腹が空く時間になってきたと思うのですが、ラーメンでも食べに行きませんか?

鈴木:行きましょう! 近くに私の好きなお店があるんですよ!

次回、鈴木みのり ラーメンを食す! そしてシングル、TVアニメ『ラーメン大好き小泉さん』オープニングテーマ「FEELING AROUND」インタビューへ!

[取材・文/塚越淳一]

リリース情報
2018年1月24日(水)発売
デビューシングル
TVアニメ『ラーメン大好き小泉さん』オープニングテーマ「FEELING AROUND」
全3曲収録

初回限定盤/2,000円+税
アニメイトオンラインショップでの購入はこちら
※『FEELING AROUND』Music Video&メイキング映像収録のDVD付き

通常盤/1,400円+税
アニメイトオンラインショップでの購入はこちら

<収録曲>
1.FEELING AROUND
作詞・作曲:三原康司(フレデリック)
編曲:田中ユウスケ・立崎優介・近藤隆史
ホーン編曲:田中ユウスケ・武嶋聡
サウンド・プロデュース:田中ユウスケ(agehasprings)

2.好きなものは好き!
作詞:西直紀
作曲・編曲:コモリタミノル

3.20才の約束
作詞:鈴木みのり
作曲・編曲:鈴木智文

他、1&2のInstrumentalを収録

鈴木みのりさんプロフィール
鈴木みのり(すずきみのり)
1997年10月1日生まれ 愛知県出身 A型

2015年春、17才の時に新作TVアニメ「マクロスΔ」歌姫オーディションを受け、約8,000人の中からグランプリを射止める。2016年4月スタートのTVアニメ「マクロス△」のヒロイン「フレイア・ヴィオン」役として声優として本格的に活動を開始。

また同アニメ内ユニット「ワルキューレ」の一員としても活躍中であり、ワルキューレは昨年第31回日本ゴールドディスク大賞の“アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤー”を獲得し、横浜アリーナ公演を成功させている。

声優としても『ニューダンガンロンパV3』夜長アンジー役、『艦隊これくしょん -艦これ-』天霧&狭霧役、『アイドルマスター シンデレラガールズ』藤原肇役、『カードキャプターさくら クリアカード編』詩之本秋穂役などを担当している。

公式サイト
公式Twitter(@minoringo_staff)

(C)鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会
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