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『踏切時間』千本木彩花×小倉唯 対談|経験してみたかった学生時代の甘酸っぱい青春

『踏切時間』アイ役・千本木彩花さん、トモ役・小倉唯さんインタビュー! 同い年のふたりが経験してみたかった学生時代の甘酸っぱい青春は?

2018年4月より放送中のTVアニメ『踏切時間』。双葉社・月刊アクションにて連載中の本作は、踏切の待ち時間で繰り広げられる甘酸っぱい青春を描いた日常系オムニバスストーリー。

この度、第1話に出演したアイ役・千本木彩花さん、トモ役・小倉唯さんにインタビューを実施! お互いに掛け合ってみた印象や同い年ならではのトークなど、作品を中心に語っていただきました!

対照的な役どころのふたりが大切にしたキャラクターの魅力と先輩・後輩関係

――最初に作品やキャラクターをご覧になった印象をお聞かせください。

アイ役・千本木彩花さん(以下、千本木):踏切を舞台にした作品があるんだと、まずはそこに驚きました! とても斬新なところに目をつけられている作品だと思います。言ってしまえば、踏切を待っている間は無駄な時間かもしれませんが、その時間の中でも青春しようと思っている姿は学生らしい印象を受けました。

またアイちゃんはセリフの内容から「きっとこの子は普段からこういった雰囲気なんだろうな」と感じられて、私としてはとても演じやすいキャラクターでした。アフレコも楽しかったです!

トモ役・小倉唯さん(以下、小倉):最初にタイトルを聞いたときに『踏切時間』という限定されたシチュエーションで、どのように物語が展開するんだろうと強い関心を抱きました。原作も読ませていただきましたが短編のオムニバス形式になっていて、学生の青春の日常を切り取ったような内容かつ、踏切という限定された空間に焦点を当てていて面白い作品だと感じました。

キャラクターもそれぞれ個性的な面々ばかりで、このキャラクターたちがどういった表情を見せるのか、踏切の待ち時間の中でどのように心の距離感が縮まっていくのかと楽しみに読み進めていきました。同じ踏切の世界観でも人によっては色々な見え方や景色が異なってくるのかなと思うと、とても面白いですよね。

私が演じるトモちゃんはミステリアスな雰囲気かつ無表情なので、一見何を考えているか分からないように見えるかもしれません。でも収録を終えてみたら意外と乙女と言いますか、気持ちの揺れ幅が分かりにくそうで分かりやすい女の子だと感じました。そんな乙女たちの心の揺れ動く姿に、ぜひ注目していただければと思います。

――演じるうえでおふたりが大事にされているキャラクターのポイントをお聞かせください。

千本木:アイを演じる上ではテンション感を大事にしました。テンションを高く持っていった後に急にケロッとするところとか、その落差は大事にしたいと思いましたし、そのようにディレクションもいただきました。

あと突飛なトモの告白にも拒絶していないところが、とてもいいなと思います! 自分の大切な仲のいい後輩ということで、トモの気持ちも大事にしつつ演じさせていただきました。

▲アイ

▲アイ

小倉:トモは実は演じるまでハードな印象があったんですよね。表情もそうですが、文字だけだと冷静なイメージがあって最初は淡々と演じようと思っていました。でも今回ディレクションしていただいたり掛け合いをする中で、アイに恋心を寄せていることから思った以上に乙女心を秘めた子であることが分かって。

アイに関しても、友達というよりは好きな人を相手にしていることを前提にお芝居をしないといけないんだと気付かされてからは、すごく意識が変わりました。声のトーンも低めではありますが、後輩感を大事にしてほしいとディレクションをいただいたので、あまり圧を出しすぎないように声色をマイルドにコントロールしました。

改めて気持ちの部分で、常にアイのことを好きという意識を忘れないように演技することが、トモを演じる上で大事な要素だと痛感しました。

▲トモ

▲トモ

――お話にもありましたが、その他にスタッフの方からディレクションはありましたか?

千本木:「一つのものに真っ直ぐ向かうアイの姿をモノローグにも出してください」とディレクションをいただきました。3分間でテンポの早い作品になっているので、アイの表情がコロコロと変化する点はすごく大事にしていました。

小倉:アイの「この貴重な時間を、踏切を待つだけに浪費してしまっていいのだろうか!? いや良くない! 踏切はうるさい! 鉄臭い! 青春じゃない!」というセリフでは「選挙演説をするように」ってディレクションもありましたよね(笑)。

千本木:ありました(笑)。そのシーンで音響監督さんが例えで再現してくださった選挙演説がお上手だったんです!(笑) それを参考にさせていただきながら頑張ったので、ぜひそこも注目していただければ嬉しいです!

小倉:私は、声は低くしつつ、後輩感を出す上で未熟さや気持ちが先走って言葉に乗ってしまう部分をキツくなり過ぎないよう、言葉に乗せていくところは苦戦しましたね。

ただ、途中からはトモの言葉のニュアンスが掴めてきて、その中にアイに対して常に恋しているからこそ抱く恥ずかしさだったり、言葉に乗ってしまう動揺は大事にして演じたいなと思いました。なので、ディレクションではそういった点を意識しました。

――アフレコも見学させていただきましたが、トモの「なんでですか?」というセリフに“関西風のツッコミっぽく”というディレクションが入っていて驚きました。

小倉:びっくりしました! 「まさかそう来るか!」と思って(笑)。そのセリフが繋がったときに面白いエッセンスになればいいなと思いつつ演じさせていただきました。

あまり自分が関西弁に馴染みがありませんでしたし、トモがそういう口調になるのも新鮮でしたね。意外とそういうツッコミもする女の子なんだと気が付きました。

ふたりが思い描く理想の青春とは?

――そもそも今までおふたりが共演されたことはあったのでしょうか?

小倉:今年放送のアニメ作品で初めて共演させていただきました。

千本木:そうですね、ちょこちょこ私が現場にお邪魔させていただいたので。ただ、ちゃんとふたりで掛け合うのは初めてだと思います。

――お互いの印象はいかがでしたか?

千本木:最初に小倉さんがトモ役と聞いたときはピッタリだと思いましたし、アフレコでも楽しくお芝居させていただきました! ちなみに、私が最初にスタジオに入ったときは小倉さんが席をはずされてて気づかずに、奥の席に座ってしまったんですよね。

で、後から小倉さんがいらっしゃったときに「あっ、席が離れちゃった……」と言ってくださって! もう「すぐ行きますー!」って飛んで行きました(笑)。

小倉:ふたりでお芝居をするので、近くがいいなと思っていてポロッと本音が出ちゃったんです(笑)。

千本木:もう嬉しかったんです! 本当にありがとうございました!!

――(笑)。小倉さんはいかがでしょう?

小倉:私、千本木さんって大人っぽい印象を持っていたんですよね。アフレコ前は共演者の方へ自己紹介をするんですけど、そのときに実は同い年ということを聞いて衝撃的だったんです(笑)。自分にないものを持ってらっしゃるお姉さんのイメージだったので、ずっといいなと思っていて。

でも逆に安心感を得られることもありました。今回、アイとトモは距離感が近い役どころなので、演者側としても距離が縮めていけたらいいなと思っていたところ、思わぬ共通点を見出すことができて良かったです。

千本木:たしかに実年齢よりも上に見られることが多いので、今回の共演は嬉しかったですね。小倉さんは同じ世代ですごく活躍されているので、同い年で共演できたことは嬉しく思いました。

――同い年で先輩後輩の役どころを演じられる機会は、多くはないですよね。

千本木:芸歴的には小倉さんの方が先輩なので、アフレコでも「もっと後輩っぽくしてください」というディレクションを受けているときに、私は内心で「なんかごめんなさい!」と思っていて(笑)。いやー、もっと頑張らなきゃなと思いました。

――中学生のときから小倉さんは活躍されているわけですからね。

千本木:そうですよね。本当にすごいなぁと思っていました。

小倉:最近は年上の後輩の方とお会いすることも多くて、先輩後輩の役を演じる上でも難しいなと思うことがあります(笑)。

――なるほど。同年代ということですが、おふたりが学生時代に経験してみたかった青春はありますか?

小倉:私は放課後が憧れでした。中学生の頃から仕事を始めていたので、高校に入ったときには基本的に放課後がなくて、授業が終わったらすぐに現場に向かっていたんです。なので放課後の記憶がなくて(笑)。

例えば放課後に原宿に行ってクレープを食べる……みたいな! そういう放課後活用時間のようなものに憧れていました。色々な学園モノの作品に出させていただているので、下校時のガヤを収録するときは自分の妄想プランをいつも喋っているんです(笑)。あと放課後ディズニーも体験してみたかったですね!

千本木:放課後ディズニーは私も憧れていました! 私は埼玉県民だったので、放課後ディズニーとか放課後原宿クレープとか都会っ子の特権が羨ましくて(笑)。都民の……放課後? には憧れていました(笑)。ちなみに私の高校生活の放課後はひたすら部活に打ち込んでいましたね。

小倉:部活も憧れるな~。青春って感じですよね!

――何部だったんですか?

千本木:吹奏楽部でした。

小倉:カッコいいですよね!

千本木:ただ、少人数かつ強豪校というわけでもなかったので、アットホームにゆったりしていました。そういえばテスト休みのときは友達とファミレスで勉強したりしていましたね。でもやっぱり部活に高校生活を捧げていたので、本作のような甘酸っぱい青春はなかったです。

私の友達が、誰も居ない放課後の教室で彼氏のことを待っていたりしたので、「これが青春か〜」と思いながら私は教室で別の友達と楽器を吹いていました(笑)。

――先ほど部活と聞いた瞬間に小倉さんの目が輝きましたけど、入ってみたかった部活はありますか?

小倉:運動系の部活がいいんですけど、球技が得意じゃないので、入るとしたら陸上部とかいいかもしれませんね。運動自体は好きなんです。

――普段のライブなどで披露されているダンスを見たら一目瞭然ですよ(笑)。

千本木:そうですよね!

小倉:自分で言うと嘘っぽいんですけど、走り高跳びとか得意でした! ただ、小学校の頃まで話がさかのぼっちゃうんですけど(笑)。背は小さかったのに色々な学校が集まる連合体育会みたいな行事で、他の学校の子と同率1位を獲ったこともあるので、陸上部はいいかもしれませんね!

千本木:見てみたいです……!

――あとスタッフの方からの質問なんですけど……踏切の思い出はありますか?

スタッフ:この作品に関わることって踏切だよな、と第一に思いついたので……(笑)。

小倉:一番分かりやすいですよね(笑)。

千本木:私は踏切と聞くと“てけてけ”が思い浮かぶんです……。

――てけてけ?

千本木:『地獄先生ぬ~べ~』に出てくる妖怪で、踏切で事故に遭った子の身体が真っ二つになってしまい、妖怪となって「お前の下半身をくれ」と言ってくるんです。その幼少期に読んだ話がトラウマになっていて、踏切のカンカンカンカンという音が怖くて……(笑)。

あまり家の近くに踏切はないんですけど、未だに遅い時間に踏切を待っているときはちょっと怖いです。たまに通るからこそ恐怖感が増すんですよね(笑)。だから、そんなてけてけを読んでトラウマになってしまった方も、本作をご覧になって恐怖感を払拭していただければと思います!(笑)

小倉:私は群馬県が出身で、通学路の途中にあった踏切が田んぼに囲まれていたんです。幼少期は怖いもの知らずだったので、みんなで手づかみでオタマジャクシをとったりしていたことを覚えています。

また、東京に来てからは、代々木から新宿方面に向かう途中の踏切の待ち時間が長いと痛感しました(笑)。あそこは時間があるときじゃないと通っちゃダメだ、という常識を学びました!

――では最後になりますが、視聴者の方へのメッセージをお願いします。

千本木:本作は本編が3分の見やすいショートアニメとなっています。毎回異なる色濃いキャラクターたちが登場するので、さらっと見て、さらっと癒やされてほしい作品です。ぜひお楽しみに!

小倉:踏切の待ち時間を過ごす学生たちの日常を切り取ったオムニバスになっていて、短い時間ではありますが凝縮された内容でとても面白い作品に仕上がっていると思います。

また、アフレコが始まる前に監督からお話がありましたが原作を大事に描いているので、アニメをきっかけに原作の方もご覧になっていただけたらより面白く感じると思います。ぜひどちらも楽しんでいただけば嬉しいです!

――ありがとうございました。

[取材・文/鳥谷部宏平]

作品情報

●TVアニメ「踏切時間」Information
「カンカンカンカン......!」今日もどこかで『踏切』が降り、誰かが足止めされている。『踏切』の待ち時間に繰り広げられる青春、エロス、芸術、初恋......etc。 オール踏切の、日常系オムニバスショートストーリー!

●放送局
TOKYO MX 他

●スタッフ
原作:里好(双葉社・月刊アクション連載中)
監督:鈴木吉男
シリーズ構成・脚本:千葉美鈴
キャラクターデザイン:篁馨
アニメーション制作:EKACHI EPILKA

●キャスト
アイ:千本木 彩花
トモ:小倉 唯
真島さん:駒形 友梨
田西:松永 一輝
駒場みさき:木下 鈴奈
駒場たかし:市来 光弘
詩子:綾瀬 有
黒部:本多 真梨子
先生:間宮 康弘
あけみ:荒浪 和沙
はっさくおじさん:若本 規夫
雪子:田村 ゆかり
斉木:成田 剣

アニメ公式サイト
Twitter公式アカウント (@fumikiri_anime)

(C)里好・双葉社/「踏切時間」製作委員会
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