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『キューティーハニー ユニバース』如月ハニー役・坂本真綾さんインタビュー

『Cutie Honey Universe』如月ハニー役・坂本真綾さんインタビュー|坂本さんの「いやぁ〜ん」が聞けるのはCHUだけ!?

永井豪50周年記念アニメ化作品の第3弾となるTVアニメ『Cutie Honey Universe』が、現在AT-X、TOKYO MXほかにて好評放送中!

本作は、主人公・如月ハニー/キューティーハニーを坂本真綾さん、5つの変身後のハニーを内田真礼さん、黒沢ともよさん、田村ゆかりさん、花澤香菜さん、三森すずこさん、ハニーの親友役・秋夏子を堀江由衣さんが演じるなど、豪華声優陣が話題となっています。

そんな注目作品の軸となる主人公・如月ハニー/キューティーハニー役の坂本真綾さんにインタビュー!

ストーリーが進むにつれて深みを増す永井作品ならではの魅力や、ハニーに対する想いなど、アニメファン、坂本さんファンにはたまらない内容となっているので、ぜひご覧ください。

「選んだ人が悪い!」という意気込みで演じています(笑)

――まずは、『キューティーハニー』に対して、どのようなイメージをお持ちだったかお聞かせください。

如月ハニー役・坂本真綾さん(以下、坂本):タイトルは知っていましたが、正直、どのようなお話なのかは詳しく知りませんでした。よくTVの「懐かしアニメ特集」などで流れているのを目にすることもあったり、当時ご覧になっていた世代の方が親に隠れて見ていたというエピソードは聞いたことがありました。

当時の子どもたちがドキドキしながら見ていたアニメで、ヒロインが戦い、衣装がセクシーという漠然としたイメージがありましたね。

――そんな作品の主人公・ハニー役としてお話をもらった時はどのようなお気持ちでしたか?

坂本:まさか「私!?」と思いました(笑)。出演させていただくなら敵側の役かなと思っていたので、ハニー役としてお話を伺ったときは驚きました。

でも歴史のある、みなさんが知っている役柄を演じさせていただけることは本当に光栄です。

――歴史のある作品の主人公を演じるにあたり、不安などはありましたか?

坂本:「何を求められているんだろう?」と考えたり、みなさんが思うキューティーハニーのイメージに私が合うのかな、という不安は少しありました。でも、演じさせていただく限りは、自分なりに一生懸命演じよう! と思ってます。

不安は、「私を選んだ人が悪い!」という意気込みで払拭してます(笑)。

――(笑)。実際にハニーを演じたときの感想をお聞かせください。

坂本:正直、もっとぴったりな人がいるのでは……と(笑)

一同:(笑)。

坂本:そう思いつつも、演じさせていただくことは光栄なので、もちろん自分ができる限り精一杯に演じています。昔の『キューティーハニー』をほんの少しだけ見させていただきましたが、思っていたよりも大人っぽくて、可愛いというよりもカッコよくて。

今回のハニーは、普段は女子高生で、変身すると強くてカッコいい雰囲気になりますが、どちらかというと女子高生の方のイメージを強く持っていたので「可愛く演じなきゃ」と思っていたんです。

でも、監督から「ハニーは自分の持っている“空中元素固定装置”を渡さないという確固たる意志がある」とお聞きし、「“芯”のある強いハニーを描きたい」という監督の想いは、私にとって励みになりました。

『キューティーハニー』は敵も味方も女性だらけで、女子校が舞台という「女性」が物語を動かしていく作品なので、戦うヒロインとして、その強さを出していきたいというのは演じる上での参考にもなりましたね。

――アニメを見ていると、ハニーは心が強くて純粋な主人公だと強く感じます。

坂本:そうですね。特に、第1話〜第6話ぐらいまではとにかく良い子でみんなから好かれるピュアな女の子だと感じました。

だけど、自分がアンドロイドだとわかったときはちょっと寂しさを感じたり、他の子とは違う運命を背負っているという孤独感があったり。ハニーはいろんな意味で孤独な気持ちを味わったと思います。

そんな中でも高校生活では普通の女の子として周りから接してもらえますし、自分の素に戻れる時間なのかな、と。

でも、今後は物語が進むにつれて、敵のジル(CV:田中敦子)によってハニーが普通の女の子ではいられなくなるような状況に追い込まれていくんです。たぶん、永井先生が描きたかったのは、可愛いだけのハニーじゃないんだな、と思います。

可愛さや色っぽさはほんの入り口で、その先にあるものが物語の進み具合とともにどんどん出てきます。私自身、どこまで描かれるのか楽しみです。

――物語が進むにつれて深みがわかる作品ですよね。主人公のキャストが発表されたときは話題になりましたが、周囲からの反応はどうでしたか?

坂本:ありがたいことに大きな反響をいただきました。普段アニメを見ない方からでも言葉をかけられましたし、同業者の方からは「意外」という反応が多かったです。

――今まで坂本さんが演じられてきたキャラクターと比べると、可愛らしい声でびっくりました!

坂本:あははは! 相当無理していますが(笑)。

一同:(笑)。

坂本:親友のナっちゃん(CV:堀江由衣さん)がすごく可愛いので、ふたりでおしゃべりをしているときは、お母さんと娘みたいにならないように一生懸命演じていました(笑)。

実際に動いている絵を見ると、ハニーはお人形さんみたいで可愛らしいので、まさに「ヒロイン」そのもの。でも、どこか周囲の女子とは違うところがあるんですよね。

スケバンの直子(CV:朴璐美)にもなぜだかすごく好かれていて。その理由はわかりませんが、ハニーはきっとみんなと違う雰囲気をまとっている人なんでしょうね。

リアルな女子高生の可愛さではなくて、不思議だけど、気になる存在というか。みんなと何かか違うところが出ているのがハニーの魅力の1つではないのかな、と思います。

ブレないハニーの芯の強さが魅力的

――もう少し役柄について深くお聞きしたいと思います。ハニーを演じる際、具体的に意識していることはあるのでしょうか?

坂本:第1話のときは、“どうやって演じようかな”、“みんながどう思うのかな”と考えていましたが、話が進むにつれて、すべてハッキリしなくても良いんだなと思うようになりました。

ハニーは年上、子ども、男性、誰に対しても態度が変わらない、人類全員が大好きという人で、ハニー自身も年齢・性別とか意識していないんです。周囲は彼女を見て色っぽいと思うけど、本人はそんな風に思っていなくて。

なので、普通の女の子が嫌に思うことも気にしない彼女だからこそ、自分もそこまで気にせず演じているのだと思います。

――ハニーのポジティブな部分と坂本さんの前向きな姿勢から、お二人には通ずるところがあるように感じます。

坂本:主人公を演じる人が自信なさげにしていると不安な気持ちになりますしね(笑)。新人さんならともかく、私は良い年齢でもあるので、自分の中で折り合いをつけて、マイクの前に立つときは迷わないようにしています。

――ハニーの好きなところがどんなところでしょう?

坂本:苦しい局面に立たされても、根本的に自分の意見を変えない、ブレないところです。対パンサークロー組織の「PCIS」で活躍してますが、自分で大胆な行動をするところもあって。ただ単に可愛い良い子じゃなくて、自分の意見を押し通す我の強い一面も好きです。

多分、その部分は女性が見て共感できるところなのかな、と思います。さっきも言ったように、ハニーは自分の女性としての魅力にあまり気づいていないんです。そんな自然体でいるところも、女性から見て嫌われないヒロインなのかなという気がします。

――坂本さんから見て、共感する部分はありますか?

坂本:共感ではないですが、監督の「眉毛がハの字になって困っているような顔のハニーは描きたくない」という言葉が印象に残っていて。声のお芝居だけじゃなくて、表情の部分でも、最終的に自分を信じているところがわかると思います。

ハニーは、ジルにひどい目に遭わされて、悲しんだりダメージを受けることはあっても、絶望はしないんですよね。

その強さを描きたいと監督から聞いてからは、ハニーの底力というか、根本にある自分自身への信頼に惹かれましたし、ヒロインはそうであってほしいと感じます。

ただ、シンプルに自分を信じているハニーの姿は潔くて好きなところです。

同世代のキャストが多い現場は大きな励み

――新生『キューティーハニー』は出演声優も豪華ですが、他のキャストのみなさんとはどんな話をされたんでしょうか?

坂本:最近のアニメのキャストは若い世代の方が本当に多くて、私が1番年上という現場も増えてきました。

なので、「こんなに同年代のキャストがそろうのは久しぶり〜」とみんなで口を揃えて言っています(笑)。私世代の声優さんたちが多いのは大きな励みです。

――確かに、同世代の声優さんの存在は心強いですよね。

坂本:今まで色々な役を演じてきた昭和生まれの人たちが、一緒に昭和の作品を昭和の香りを残しつつ作っていて。

それぞれの役割を与えられて力を合わせて作っている現場も励みになりますし、本当に居心地が良くて、みんなで面白がりながら演じています。

――“昭和の香り”ですか。

坂本:『キューティーハニー ユニバース』は、現代の私たちが見るとちょっと面白いシチュエーションがいっぱいあるんです。「スケバンって何?」みたいな昔の感覚とか(笑)。

うまく言えませんが、懐かしのアニメ感をほどよく残している部分は、それがわかる世代の人がやらないと面白くないと思うんです。だからこそ、思いっきり演じられるんじゃないかな。

――なるほど。アニメを見ていると懐かしさを感じるのは、そこにあるんですね。

坂本:『キューティーハニー』を現代っぽくリメイクしなかったのがすごく良いなと思っています。敵にやられる時はやられる、戦う時は技を出すという昔ながらのツボを押さえている場面や、ムチで服がビリビリになる場面とか。

特に、1回のムチでバンッと打たれてビリビリ洋服が破けるシーンは見ていて気持ち良くて(笑)。私はプロレスだと思っています(笑)。

一同:(笑)。

坂本:そんな部分が心底面白いと思ってみんな演じているので、「この面白さを見ている人と共有したい!」という気持ちがありますね。

――業界で頑張ってきた人たちが楽しみながら協力し合って作っているのが、今の『キューティーハニー』だと。

坂本:そうなんです。もし、私が高校生のときにハニー役を演じることになったら、多分ここまで楽しめないと思います。恥ずかしさや、セクシーなシーンをフォーカスされることに「女性をバカにしている」と思ったかもしれません。

でも、今は真逆で、ハニーの可愛さ、セクシーさ、面白さを心から楽しむことができるのは、このタイミングならではと思います。ちょうど良いタイミングでハニーと出会い、演じさせていただくことができました。

――運命的なものを感じますね。

坂本:運命なのかな。ぴったり合っているかと言われると、ぴったりじゃないんですけど(笑)。それを含めて一生懸命やっているのが良いのではないかな、と思います(笑)。

今まで演じてきた役柄と違う考えで演じるのが楽しい!

――監督からは演技面で何かレクチャーなどありましたか?

坂本:監督とそんなに話をしたわけではないですが、第1話で説明していただいたときに、作品に対する愛情をすごく感じたんです。過去の作品で好きなところ、影響を受けたところを、新しい『キューティーハニー』に注ぎ、にじみ出ている感じがします。

なので、かつて作品に影響を受けた世代の人たちには、きっと何かくすぐられるものがあると思うんです。

初めて『キューティーハニー』に触れる世代には、とりあえず見てもらって感想を教えて欲しいです(笑)。そこは個人的に気になります!

――どんな感想が来ると思います?

坂本:1周して“新しい”と思うかもしれません(笑)。昔の作品ならではの“可愛さ”と表裏一体の“グロさ”や、ぐいぐい引き込まれていくダークな部分は、世代を問わずに面白がって見てもらえると思います。見る人によって好きなポイントがそれぞれ違うかもしれませんが。

――その中で、坂本さんの好きなシーンがあれば教えてください!

坂本:第1話でハニーが「いやぁ〜ん」と言うところです。

一同:(笑)。

坂本:やっぱり醍醐味なので、「待ってました!」と(笑)。

――(笑)。セクシーなセリフも多いので収録は大変なのかなと思っていました。

坂本:大変というか楽しくて(笑)。普段、私がいただく役は強い女性が多くて、戦闘シーンなども多いんです。お腹を殴られた時は、いかにリアルにお腹の痛みが伝わるか、「グハッ」と叫ぶかを日々考えてお芝居をしていました。

それが今は、ムチで叩かれたらどれだけ色っぽく痛いように言えるかと考えながら演じていて、それが初めてですごく楽しい!(笑)

一同:(笑)。

坂本:最終的には痛いのを無視して「いやぁ〜ん」で飛ばされるというシーンは、他の作品ではできないので。そこに、自分のベクトルが向いています(笑)。

この機会はなかなかないですし、『キューティーハニー』の世界ならアリだよね! と、どうやって成立させられるかを考えるのが楽しいんです。

――坂本さんの声で「いやぁ〜ん」が聞けるのも『キューティーハニー』だけですね。

坂本:「色っぽいな」と思いながら見ちゃいますが、そう思わないで見ようと思えば見られる、そのギリギリな境界線で演じるのが楽しいんですよね。

ハニーは困っている様子を成立させなくちゃいけないシーンだけど、違う目線で声を聞いたらすごくセクシーっていう(笑)。そのちょうど良いところを探るのがすごく楽しくて。多分、誰よりも私が楽しんでいると思います(笑)。

――今後、アニメを見るときは坂本さんの楽しんでいる様子が目に浮かぶと思います(笑)。最後になりましたが、これからの展開を楽しみにしているみなさんへメッセージをお願いします!

坂本:ムードが変わり始める後半からが『キューティーハニー』の深い部分だと思うので、最後までずっと見続けてほしいです。私自身、最終回がどうなるのかわからなくて、収録後は「この後どうなるの!?」「来週どうなるの?」とキャスト全員で盛り上がっています。

ただ可愛くてセクシーで強いだけじゃ終わりません。ぜひ今後の展開を一緒に味わいながら楽しんでいただけたらと思います。

[インタビュー/石橋悠 文/福室美綺]

作品情報

TVアニメ「Cutie Honey Universe」

<放送情報>
・AT-X:毎週日曜21:00~
リピート放送:毎週(月)21:00~
       毎週(水)13:00~
       毎週(金)29:00~
・TOKYO MX1:毎週月曜19:00~
・J:COMテレビ:毎週火曜22:30~    
・とちぎテレビ:毎週火曜23:00~
・BS-11:毎週水曜25:00~
・群馬テレビ:5月29日スタート 毎週火曜19:00~
※放送日が変更になる場合がございます。

<配信情報>
AbemaTV:毎週月曜日19:00~

4月16日(月)0:00より、配信中!
・GYAO!ストア
・ニコニコチャンネル
・バンダイチャンネル
・Google Play
・J:COM オンデマンド
・ひかり TV
・TSUTAYA TV
・Amazon ビデオ
・楽天 ShowTime
・Video Market
・MOVIEFUL
・クランクイン!

<STORY>
如月ハニーは聖チャペル学園に通っている女子高生だが、その正体は天才科学者・如月博士によって生み出された美少女アンドロイド・愛の戦士キューティーハニーである。ハニーは謎の秘密結社 パンサークローを捕まえるべく、対パンサークロー捜査官とともに行動する。しかしパンサークローの幹部であるシスタージルが偽名を使い潜入。ハニーは敵であることを知らず、シスタージルを純粋に信じ続けるが……

<STAFF>
原作:永井豪「キューティーハニー」
監督:横山彰利
シリーズ構成・脚本:高橋ナツコ
キャラクターデザイン:井関修一
副監督:若林厚史
色彩設計:渡辺亜紀
美術監督・美術設計:柴田 聡
撮影監督:山根裕二郎
音響監督:なかの とおる
録音調整:菊地一之
音響効果:今野康之
音響制作:ポニーキャニオンエンタープライズ
音楽:中山真斗(F.M.F)
音楽プロデューサー:磯山 敦
音楽制作:エグジットチューンズ
アニメーション制作:プロダクションリード

<声優>
如月ハニー/キューティーハニー:坂本真綾
ハリケーンハニー:内田真礼
フラッシュハニー:黒沢ともよ
ファンシーハニー:三森すずこ
ミスティーハニー:田村ゆかり
アイドルハニー:花澤香菜
秋夏子:堀江由衣
早見青児:浅沼晋太郎
シスタージル:田中敦子
タランチュラパンサ―:釘宮理恵
いぼ痔小五郎:居島一平
手寅あけび:田辺留依
我目モモ実:広瀬ゆうき(A応P)
早見順平:寺崎裕美
早見団兵衛:富田耕生
直子:朴璐美
常似ミハル:小林ゆう
アルフォンヌ:白石稔
ポチ校長夫人:内藤玲
如月博士:森功至

TVアニメ「Cutie Honey Universe」公式サイト
TVアニメ「Cutie Honey Universe」公式ツイッター(@CutieHoney_U)

(C)Go Nagai/Dynamic Planning-Project CHU
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