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井上喜久子さんのボカロ「桜乃そら」誕生!デモ曲は畑亜貴×田中公平!

井上喜久子さんのボカロ&読み上げソフト ボイスロイド「桜乃そら」が同時発売! デモ曲は畑亜貴×田中公平コンビ!

井上喜久子さんの声を使った「VOCALOID」「VOICEROID」が同時発売! キャラクター「桜乃そら」は、井上さんをイメージしたビジュアルに!

より使いやすく進化した「VOCALOID5」対応ボイスバンクとして、株式会社AHSより2018年7月26日(木)、『VOCALOID 桜乃そら(ボーカロイド ハルノソラ)』が発売されました。

いわゆる「お姉ちゃん」系の井上さんの声を「ナチュラル」、かっこいい系の声を「クール」として2種類のボイスバンクを用意し、ふんわりした曲からロックまで幅広く対応できるのが特徴です。

そしてこの「桜乃そら」の公式デモソングを、なんと畑亜貴さん×田中公平先生という大ヒットメーカーが担当! 従来のボカロ曲とは一味違うものに仕上がっています。

さらに、自然な音声合成が可能になった最新の入力文字読み上げソフト『VOICEROID2 桜乃そら(ボイスロイド ツー ハルノソラ)』も同時発売! これで動画のナレーションも井上さんの声で思いのままつけられますね!

発売日前日に行われた記者会見の模様と、井上喜久子さん、畑亜貴さん、田中公平先生のコメントをお届けします。

▲株式会社AHSの尾形友秀氏、桜乃そらコスプレイヤーさんたちと並ぶ井上喜久子さん

▲株式会社AHSの尾形友秀氏、桜乃そらコスプレイヤーさんたちと並ぶ井上喜久子さん

▲「VOCALOID 桜乃そら ナチュラル」と「VOCALOID 桜乃そら クール」のビジュアル

▲「VOCALOID 桜乃そら ナチュラル」と「VOCALOID 桜乃そら クール」のビジュアル

▲「VOICEROID2 桜乃そら」のビジュアル

▲「VOICEROID2 桜乃そら」のビジュアル

収録作業は「声のMRI」!? 井上喜久子ボイスのすべてがここに!

今年はボーカロイド発売からちょうど15年。今や膨大な数のボーカロイドキャラクターが存在する中、株式会社AHSでは「後世に遺したい声」というコンセプトで、キャストの選定を行ってきたそうです。

そんな中、ボイスロイドを初めて発売した2009年には、もう候補に挙がっていたのが井上喜久子さんだったとのこと。今回のプロジェクトも5年前から始動し、ようやく製品化まで辿り着いた入魂の作品のようです。

井上喜久子さん「最初にこのお話をいただいたときには『えっ、私でいいんですか!?』というのが正直な気持ちでした。ボーカロイドとかボイスロイドというと、近未来的な感じがあるから声も若い人がやるイメージがあったので、私の声でいいのかなという不安もありましたね。自分の声がボーカロイド、ボイスロイドとして生き続けてくれるかと思うと、夢のようです。

私は『みんなを笑顔にしたい』というのが人生のメインテーマだと思っているので、自分の声で誰かが楽しい実況をしてくださったりとか、歌を歌わせてくださったりして笑顔になってくれたら、こんなしあわせなことはないなと思います」

素材となる声の収録作業は、井上さんにとってもかなりの大仕事で、期間も半年以上かかったとか。ただ、収録を通して自分の声と向き合うことで、声優としての発見も多く、実りある作業だったようです。

井上喜久子さん「声のコンディション的に『1日3時間でお願いします』みたいな感じで、3時間を毎週、半年以上かけて、いちばん高い音からいちばん低い音まであらゆる音の声をたくさん録ったんですよ。

これを録っているときに私、『声のMRIみたい』と思って(笑)。自分自身のすべての音を、まんべんなく、ていねいに録っていただいたので、声優としてこんなにありがたいことはないなって感じですね。そして出来上がったのを聴いたら、『あっ、これ私だ!』ってびっくりしました。

録りながら、『私ってここの音がこんなに出るんだ』『ここは出ないんだ』とか、こんなに自分の声に向き合った半年間はないので、とてもいい経験をさせていただいたなと思っています」

桜乃そらがあれば、もうどんな難しい歌が来ても怖くない!?

やさしく包容力のあるお姉さんから恐ろしい悪女まで、演じる役の幅がかなり広い井上さんの声を、今回は「ナチュラル」「クール」の2つにわけてボイスバンク化。ナチュラルとクールでデュエットするなど、いくらでも面白い使い方が可能です。

また、『サクラ大戦』巴里花組で鍛えた井上さんの、ミュージカル的な歌唱も再現可能で、畑亜貴さんと田中公平先生が組んだ桜乃そら公式デモソングでもさっそく使われています。

井上喜久子さん「公平先生の曲は、それこそ『サクラ大戦』で何十曲も歌わせていただいているんですけど、まぁ難しいんですよ! 『先生これいじわる!』としか言えないような、すごく独特な節回しだったり、声優泣かせな曲が多いんです。でもそれに果敢に挑戦して、出来上がるとすばらしい曲になっているんですね。

ただ、『ああ、自分がもっと歌が上手ければ……』っていう想いも何十年もあったんですよ。でももうこれさえあれば、『私なんでも歌っちゃう!』っていう。もううれしくてしょうがないですね! 『私こんな歌うまいんだ!』みたいな(笑)。『チャラララッチャチャ~ン♪ お姉ちゃんはこんなすごいアイテムを手に入れた!』みたいな感じですよ」

なお、ボーカロイドのキャラクターを作る際、そのビジュアルは、いわゆる「中の人」とは切り離して作るのが普通だそうですが、桜乃そらの場合は「井上喜久子さんの分身」というつもりでデザインしたそうです。製品にはMMDモデルも用意されているため、桜乃そらを使った井上喜久子カバー動画なども楽しめそうですね。

井上喜久子さん「いやもう、こんなにかわいいキャラクターにしていただいて、私ちょっとカン違いしそうです(笑)」

桜乃そらのボカロ曲を、どこかで歌ってみたい!

――ボーカロイドといえば、オフィスアネモネの愛弟子の石黒千尋さんが「結月ゆかり」(株式会社AHSより2011年12月発売)の声を担当されています。これまでボーカロイドに対して、どのようなイメージがありましたか?

井上喜久子さん(以下、井上):いま、若い子とかはボーカロイドの曲が大好きで、カラオケに行ってもボーカロイドの曲ばっかり歌ってますっていう子がたくさんいるんですよ。娘なんかも同級生とカラオケに行くと、みんなボーカロイドの曲を歌ってるっていうくらい、楽曲の充実感があって、すばらしい曲もいっぱいあるんですよね。

今回、自分が声をやるまでは「ちょっと別世界だけど、すごい世界がそこにある」みたいな気持ちで眺めていたんですけど、公式でデモ曲を聴いて、ほんとにびっくりしました。

――石黒さんが自身のライブで結月ゆかりの曲を歌ったり、曲の作り手と生コラボをするといった活動もされています。ボーカロイドをきっかけに、また新しい広がりが生まれると思うのですが。

井上:それ、私もやりたいです! 千尋ちゃんがその礎を作ってくれたことがありがたくて。こんなにもたくさん名曲が生まれていて、もしできることなら、私にもそういう曲をどこかで歌う機会があったらうれしいなと思っています。

――井上さんご自身の曲は、ゆったりした曲調が多いわけですが、ボーカロイドの場合はものすごいスピード感ある曲も可能なので、これまでは有り得なかったような井上喜久子ソングも聴けるかもしれませんね。

井上:ほんとに私、まったりした曲ばかりで、スピード感とは無縁で生きてきたので、ここで新たな幕が開いたなというか、「新しいステージへ!」みたいな気持ちです。

――公式のデモ曲も、ものすごい顔ぶれになりましたね。

井上:田中公平先生のすばらしい曲に、畑亜貴さんですよ! 個人的に、アニメの曲とかで「なんてステキな名曲だろう! これ、誰の詞だろう!?」と思うと、ほとんど畑亜貴さんっていうくらい、畑亜貴さんの詞が大好きで。尊敬している田中公平さんと畑亜貴さんのコンビが、私のボーカロイドで曲を作ってくれたっていうのが光栄で、もう涙が出るほどうれしかったです。

畑亜貴さん、田中公平先生より



『VOCALOID 桜乃そら』の公式デモソング「どんな言葉なら届きますか?」の作詞担当・畑亜貴さん、作曲担当・田中公平先生からもコメントをいただきました。

畑亜貴さん「お話はかなり前にいただいていたんですよ。井上喜久子さんの声のキャラクターで、歌詞が先で、田中公平先生が曲を担当されるということだったんですけど、歌詞をお渡ししてからしばらく間が空きまして、完成版を聴いたのはつい最近なんです。

歌詞は、桜乃そらという井上喜久子さんの声のキャラクターと、人間としての魅力が引き出されるような歌詞がいいなと思ったのですが、制作中は井上喜久子さん自身の魅力というのが私の中では強かったように思います。完成版を聴いて初めて、キャラクターと融合したという感じがしました。

田中公平先生の曲は、『こういう壮大な感じになるのか』とちょっとびっくりしました。桜乃そらは、これからどう育っていくんだろうなとすごく期待しています。合唱曲や、ファンキーな曲みたいな感じが合うんじゃないかなと思っていて、そういうのを聴いてみたいなっていう期待はありますね」

田中公平先生「今までのボカロ曲って、似通っている曲が多いんですよ。一番多いのが、4つ打ちの四拍の早いやつ。逆に、誰も手をつけていないのがワルツ、ミュージカル、バラード的な感じのものなんです。だからプロとしては『ボーカロイドにはこんな可能性もあるよ』という感覚で、この3つの要素を全部使って作りました。

完成した曲を聴きましたけれど、ボーカロイドも昔と比べたら本当に発展しましたね。鼻濁音もうまく出来ているし、母音が3つ続くところとかもちゃんと表現できているので。音楽家が刺激を受け得るツールにそろそろなってきたかなと思いますね」

[取材・文/設楽英一]

商品情報

発売日:2018年7月26日(木)
発売元:株式会社AHS

『VOCALOID 桜乃そら ナチュラル』
標準価格:10,800円(税別)

『VOCALOID 桜乃そら ナチュラル ダウンロード版』
標準価格:8,000円(税別)

『VOCALOID 桜乃そら クール』
標準価格:10,800円(税別)

『VOCALOID 桜乃そら クール ダウンロード版』
標準価格:8,000円(税別)

『VOCALOID 桜乃そらコンプリート ナチュラル・クール』
標準価格:17,800円(税別)

『VOICEROID2 桜乃そら パッケージ版』
標準価格:11,980円(税別)

『VOICEROID2 桜乃そら ダウンロード版』
標準価格:8,980円(税別)

株式会社AHS 公式サイト

2005-2018(C)AHS Co.Ltd.

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