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- まりも
- ゾロとONE PIECEを偏愛するフリーライター。アニメ、推し活、恋愛、結婚、睡眠など、幅広く執筆しています。

海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
2月9日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1173話“戦士の世代”では、本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1173話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
前話ラストでカオスな戦況を打開するための「策がある」と言い放ったゾロ。
その自信満々な表情に、読者からは「リトルガーデンをヒントにドリーとブロギーを争わせるのでは?」と頭脳派作戦の提示に期待が寄せられる一方、これまでの戦いで“手足を斬る”“空を飛ぶ”など突拍子もない“脳筋作戦”を数々生み出してきたことから不安の声もあがっていました。
そして今回ゾロがとった行動は、悪魔化した巨兵海賊団の頭上まで飛び、真上から攻撃するというもの。空高くからの「三刀流 奥義 六道の辻」をお見舞いしました。
つまるところ上に飛んだだけなので、どちらかといえば“脳筋作戦”寄りの単純な策でしたが、上からなら挟まれて黒点支配(ドミ・リバーシ)をくらうこともなく合理的とも言えます。ハイルディンからは「利口だ」、スタンセンからは「さすがロロノア!!」とお褒めの声が。ゾロがこの“策”を実行するにあたり、攻撃の許可をくれたハイルディンたちに「OK兄弟!!」と応えるやりとりも胸熱でした。
一連のシーンに、SNSでは「やっぱり脳筋だった!」「どんな策なんだろう?ってワクワクしたのはなんだったんだってくらい単純だったw」「ゾロらしくて好き」といった感想がポストされています。
続くドリーとブロギーへの攻撃はうまくいかなかったゾロですが、彼らが自然に同士討ちするかたちとなり結果オーライ。
なんと、図らずも読者から期待されていた“リトルガーデン再演”の策が叶うことになったのです。単純な戦法でも、ピンチに陥りかけても、結局こうしていい方向に転ぶのがゾロならではの強運さですね。
ちなみに、ドリーとブロギーが討ち合うコマは、彼らがリトルガーデンでやり合うあのシーンに重なるセルフオマージュ。武器が壊れて一度エルバフに戻ったため、まだ決着がついていないドリーとブロギーだからこそ、こんなかたちで決闘の続きがはじまるのは心苦しくもありますね。
第1173話では、かねてより過去の面識が匂わされていたブルックと軍子の関係について、その大筋が明らかに。断片的だった情報の点と点がつながり、一気に全貌が見えてきました。
ブルックによると、軍子の本名は「シュリ姫」。顔立ち、青い髪、双極の瞳、聖地、ブルックの音楽が好き……など、軍子のいくつもの特徴がシュリ姫と一致するのだといいます。
ブルックは、麦わらの一味加入時「昔 とある王国の護衛船団の団長を務め」ていたと自己紹介していました。
また、軍子の回想シーンでは、ブルックと思しき人物が彼女に「海賊になるのが夢なんです」と語っています。
こういった情報をつなぎ合わせると、ふたりが一緒にいたのはブルックがルンバー海賊団に入るよりも前のことで間違いないでしょう。
つまり、軍子ことシュリ姫は、ブルックが護衛船団長をしていたとある王国の姫君だったと考えられます。
そして、シュリ姫はブルックの恩人を殺した「父殺しの姫」なのだそう。
「父殺し」といえば、父の尊厳と名誉を守るために父殺しの汚名を自ら被った王子、ロキのストーリーがあまりにもタイムリーです。
実際、軍子の過去回想では「お父さま〜〜〜!」と泣き叫ぶ幼い彼女の姿もあり、背後にイム様の黒い影を感じずにはいられませんよね。
軍子として生きる現在も、本能が求めるかのようにソウルキングの“NEW WORLD”を聴いたり、断片的な記憶が訴えかけてくるかのようにブルックを蹴ったことに胸を痛めたり。今回もブルックに「逃げて」と訴えかけていて、どうも軍子が本心から父殺しや、ブルックとの敵対を望むようには思えないのです。
もしかすると、ハラルドが騙されてイム様と契約を結び悪魔化してしまったように、シュリ姫も父や王国を救いたいと願う心を食い物にされてしまったのかもしれません。
ちなみに、シュリ姫は生きていれば80歳近くなので、ブルックは本人ではなく血縁者かもしれないとも思ったようですが、見た目の若さは“不老”の付与も予想されるイム様の契約とも辻褄が合いそう。
イム様に騙されて思考を乗っ取られ、名前を変えられ、記憶も失い、さらにはかつての自分が経験した理不尽な“父殺し”と同様のことが起きたエルバフで神の騎士団としての任務を命じられているとすれば、あまりに悲しい境遇の軍子。記憶の戻りとブルックの存在が、かつてシュリ姫だった彼女を救うカギとなるのでしょうか。ここからついに、語られてこなかったブルックの過去も深掘りされていく予感です。
[文/まりも]
