音楽
たぴみる1stアルバムのテーマは“原材料”|インタビュー

甘くておいしい。でも……?『タピオカ×ミルクティー』の原材料をさぐる旅|『ゼロから始める魔法の書』主題歌等で知られる“たぴみる”さんにインタビュー

デビューから1年半にして1stアルバムをリリースするシンガー・たぴみるさん。TVアニメ『ゼロから始める魔法の書』OP主題歌「発見者はワタシ」や、TVアニメ『ハイスクールD×D HERO』EDテーマ「モテないくせに(`;ω;´)」をはじめ、i☆Risの若井友希さんをはじめ、大原ゆい子さんやカノエラナさん、ヒロキさん(リリィ、さよなら。)など新進気鋭のクリエイターが制作された楽曲が収録されています。

タイトルは、彼女の名前をそのまま使って『タピオカ×ミルクティー』。甘くてかわいいサウンドのなかに沈んでいる、ちょっぴり毒や影を含んだ等身大のキモチ。10個の味わいが凝縮された、カラフルなアルバムになっています。

インタビューをはじめる前に、「トークに自信がないからご迷惑おかけしてしまうかもしれません」と恐縮していたたぴみるさん。タピオカミルクティーを片手に、自分の言葉でゆっくりと話してくれました。

アルバムのテーマは"原材料"

――今日はたぴみるさんとタピオカミルクティを飲みながら語りたい!という個人的な希望で、タピオカミルクティを並んで買ってきました(笑)。タピオカミルクティって人気なんですね……!

たぴみるさん(以下、たぴみる):わっ、ありがとうございます。タピオカミルクティー、最近JKの間で流行ってるんですよ。(一口飲んで)……これ、すごく美味しい! ありがとうございます。

――たぴみるさんにとって、やっぱりタピオカミルクティは日々に欠かせないものなんでしょうか?

たぴみる:好きなんですけど、毎日は飲めないですね。「毎日飲むんですか?」って聞かれることが多いんですが、普通の飲み物よりは値が張るのと、こんなに可愛いのにバケモノのようなカロリーを持っているので、自分としてはお寿司の大トロのような立ち位置というか(笑)。たまにご褒美で飲むって感じです。

――そんなちょっとしたご褒美を自分のお名前にした理由ってなんだったんでしょうか?

たぴみる:最初はもっと普通のペンネームだったんです。その名前で検索すると、似た名前のひとがたくさん出てきて。かぶらない名前がいいなと。歌い手さんに食べ物やものの名前が多いなと思っていたので、私も食べ物で被らないもので、かつ自分の好きなもの……って考えたときに思いついた名前です。当時はこんなに何年も使うとは思っていなかったんですが。

――でもピッタリですよね。近づいていってるのかもしれないですけど。

たぴみる:それはあるかもしれないです。何年もたぴみるって呼ばれているので(笑)。あ、アルバムが完成したので、もしよかったら……(CDを渡してくれる)。

――ありがとうございます! ジャケットの中身もかわいいですね。ジャケットはどんなコンセプトなんですか?

たぴみる:アルバムのテーマが"原材料"なんです。それでジャケットは化学記号っぽいイラストになっていて。"これでたぴみるができてるぞ"っていう。今回3種類の衣装を着たんですけど、私、ピンクとか赤とかが苦手でして……。黒の服をアーティスト写真で着たのも初めてだったので、すごく緊張しました(笑)。

たぴみるの考える"理想のたぴみる像"

――デビューから1年半にして待望の1stアルバムとなります。この1年半を振り返ってみるといかがですか?

たぴみる:いやー……目まぐるしくて、濃くて。デビューする前まではアルバイトをしていたんですが、人付き合いが得意ではなかったので、この1年半で今までとはくらべものにならないくらいたくさんの人たちと会って。社会勉強のような感じもありました。

あと、音楽でデビューするにあたって、いろいろと覚悟はしていたつもりだったんですけど、全然足りてなかったなぁと思う日々でもありました。

――どんなところが足りなかったと?

たぴみる:このアーティスト名は学生のときに考えたものだったので、そこまで深い意味を考えてなかったというか。当時はカヴァー曲を中心に配信していたんですが、みんながノッてくれる曲、自分の好きな曲をただ歌っていただけで。

"こうなりたい"ってたぴみる像があったんですけど、意外とやってることがしっちゃかめっちゃかなところもあって。自分のなかでは"ぜんぶ好き"なんですよ。コスプレも好きだったんですけど"これは趣味でやろうかな"って思ったり……。

――理想のたぴみる像とは言葉にすると……?

たぴみる:なんだろうなぁ。当時は「私の歌ってちゃんと届いているのかな?」って不安になることがあって。高校生だから配信を見てくれているのかな?とか(笑)。自分自身の歌でみんなの心を掴みたい、と思っています。

――歌で勝負をしたいと。ところで、「アニメヲタクで何が悪い」という曲があるくらいですから、当時からたぴみるさんはアニメがお好きだったんですよね?

たぴみる:そうですね(笑)。王道から入って、ラノベ系を見るようになって。いっぱいありすぎて、なにかひとつタイトルを上げるのは難しいんですけど……ファンタジーやタイムループ系、感動系が好きですね。あんまり難しい内容だと頭がパンクしてしまうので解説を探したりします(笑)。

――ではデビューシングルでTVアニメ『ゼロから始める魔法の書』OP テーマ「発見者はワタシ」(3曲目に収録)を歌うことが決まったときはどんな心境でした?

たぴみる:嬉しかったです。これまではアニメを見る側だったので、アニメファンの方が聴いたときにマッチするようなものを歌いたい!って。作品のための曲なので「このアニメと言ったらこの曲!」となってもらえるように、頭の中でビジョンを描きながら歌っていきました。作品ファンの方の期待に応えたいなと。

「いろいろなたぴみるの表情を見せたい」

――1stアルバムにはどんなお気持ちで向かったんでしょうか?

たぴみる:やりたいことがたくさんありすぎて。いろいろなジャンルの楽曲ができていきました。例えば、私が作詞した「モテないくせに(`;ω;´)」と前半の曲は、タイトルからして空気感が違うんですよね。いろいろなたぴみるの表情を見せられたらいいなと思って作っていきました。

――オープニングの「新世界Dot」はすごく爽やかで。

たぴみる:スタートって感じですよね。ここには入ってないんですけど、(1stシングル『発見者はワタシ』に収録されている)「こころスタート」の続きのような曲だなと思っています。青空が似合うオープニング曲というか。この曲はランティスのスタッフさんセレクトなんです。スタッフさんがイメージする私はこういう感じなんだろうなと。もっと青空系が似合う女になりたいです(笑)。

――ガラリとかわって2曲目の「自己フリクト」はロックなサウンドの曲で、サビで開いていくっていう。ありのままの歌詞も魅力的です。

たぴみる:ライブ映えする曲が欲しいなと思ってこのメロを選ばせていただいて。歌詞は無理を言って「やっぱり私も書きたい!」とお願いしたんです。提供してもらってばかりじゃなくて、自分も書きたいと。もともとデモの段階で英語が入っていた曲だったので日本語を入れるのが少し難しかったです。

――そこまでして伝えたかったたぴみるさんの思いとは?

たぴみる:この1年半ずっと考えていたことを書きました。アーティストとしてオンリーワンになりたい!と思ったときに、"自分にしかないもの"ってなんだろうって考えたんです。現在進行形で考えていることなんですけどね。

最初にお話した通り、自分のなかでは好きなものは好きっていうか……全部好きなものだから、どれが違和感でどれがギャップかもわからないんですよね。そういう気持ちとどう向き合っていくのかということを1番に書いて。2番は自分がここにいてもいいのかと不安になりながらも"大丈夫"と言い聞かせるような歌詞になりました。

――また、「モテないくせに(`;ω;´)」のような曲もあれば、「ロンリーコール」のようなバラード曲もあるという。もともと同じシングルに収録されていた曲とはいえ、幅広いですよね。

たぴみる:そうなんです。一見ばらつきはあるように見えるんですけど、恋愛系の曲は歌詞を読んでいくと"大人になりきれない子供っぽい歌詞"になってるというか。ちょっとひねくれてモノを見てるところ、私のめんどくさいところが出てるんじゃないかなと思います。人間くさい内容ですね。

――恋愛系の曲といえば、4曲目には可愛らしい恋愛の曲「不自然なハミング」もありますね。作詞作曲は大原ゆい子さんが作られています。

たぴみる:そうなんです。実際にお会いしてお話させてもらったんですが、曲の内容的にも恋愛の価値観について話すことになるだろうなと思って、自分の恋愛に対する思いを紙に印刷して持っていったんです。

大原さんはおしとやかな見た目ですごく綺麗な方なのですが、すごく積極的で。「これってどういうことかな?」って詳しく聞かれたんですが、照れてしまって、うまく答えられたのかどうか……(笑)。でも私の思いをくみ取ってくださって。完成された歌詞は、すごく可愛くて。<真夜中は素直にさせる力を持った魔物がいるの>という歌詞もすごく気に入っています。

「お互い膝を見て話すような状態に」!?

――大原さんはもちろん、たくさんの豪華クリエイター陣が参加されていますね。

たぴみる:そうなんです! 

――作家陣のことについても教えて下さい。「アニメヲタクで何が悪い」は、カノエラナさんが作詞作曲をされていますが、どういう経緯だったんでしょうか?

たぴみる:デビュー前から私はカノエラナちゃんのファンだったんです。楽曲提供していただくことになってビックリして。本当に恐れ多いなと……。初めてお話をしたとき、恥ずかしくて目が見られなかったんです。カノエラナちゃんもシャイな方だったので、お互い膝を見て話すような状態になりました(笑)。

――そんななかでどんなお話をされたんですか?

たぴみる:カノエラナちゃんはユニークな歌詞が多い方なので、面白い歌詞を作りたい!と。アニメヲタクが聴いて共感する曲を作りたいと言ってくだっさったので、どういうアニメやセリフが好きなのか話をして。

それで<唸れ俺の右腕ェ!!!>って言葉を入れてもらいました(笑)。あと、お互い好きなものが分かった瞬間に早口になってしまうところとか、"アニメあるある"を書いていきました。

――うってかわって、中盤に収録されている「心情コンプレックス」「タイムマシン」……は、エモーショナルな楽曲ですよね。

たぴみる:その2曲は不思議と繋がっている感じがしますよね。「心情コンプレックス」は初めて作詞した曲なんですよ。今では"懐かしい"という感覚です。「タイムマシン」は学園モノっぽく見えるけど、その先のお話というか。仕事で会えなくなっていく友達のことを書いているんです。

――「タイムマシン」は友希さん(若井友希さん/i☆Ris)が作詞作曲されていますが、どういう経緯だったんでしょうか?

たぴみる:若井さんとは、一度ライブでご一緒したことがあったんです。今回楽曲を作っていただけることになって、初めてゆっくりお話したんですけど、私とは正反対の光輝くオーラをまとっていて、喋り方から何からなにまでキラキラでした。

この曲はもともと"友達"をコンセプトにすることは決まっていたので、お互いの友達への価値観を話し合ったんです。どういう頻度でLINEをするか、どれくらい人数がいるか、どんな話をするか……とか。若井さんは友達とはよく連絡を取られるそうなんですが、私は「聞いて~!」って話したいときだけ連絡するタイプで。そしたら、まわりのスタッフさんも話に入ってきて(笑)。みんなで友達の価値観について話しました。色々な方の友情話が聞けて面白かったです。

――完成した曲を聴いたときの印象は?

たぴみる:歌うことがめちゃくちゃ気持ちよさそうな曲だなぁ!って。「少しだけ現実が入った歌詞が好きです」とお伝えしていたんですが、その空気感もしっかり入ってて。さすがです、若井さん!って。

「彷徨ってる歌詞が多いんです」

――リリィ、さよなら。さんは「ロンリーコール」(6曲目に収録)に続き、ラストナンバー「ランナーズクライ」の作詞作曲もされています。どういった経緯でタッグを組むことになったんでしょうか?

たぴみる:リリィ、さよなら。さんは、「ロンリーコール」(作詞を共作)で初めてお世話になったんです。バラードを作りたいですと相談したときに、リリィさんをご紹介いただいたんですが、リリィさんと自分の世界観がすごく合って。初めて会った人とこんなに感性が合うものなのか!と驚いて、それで今回もお願いしたんです。

――「ランナーズクライ」は、どんな風に制作されていったんですか?

たぴみる:リリィさんはすごく優しい方なんです。「ロンリーコール」の制作のとき、念願のバラードだということもあって、自分のなかでやりたいことが溢れすぎてしまってたんですね。でも「いいねいいね」って受け入れてくださって。それもあって「ランナーズクライ」のときも無茶を結構お願いしてしまいました。

私は歌詞を書くときに、メモ帳とかに感情をばーっと書くんですけど、そのメモをそのまま渡したんですよ(笑)。それを見て曲を書いていただいたんですけど、「ここはもうちょっとこうしたい!」ってお願いしたりして、振り回してしまったかもしれない……。

――そのメモにはどんなことが書かれていたんですか?

たぴみる:もともとは恋愛の曲で、価値観の相違を信号機に例えていて。目の前に信号機があって、隣にいる誰かと同じ速度で歩いてて……「これ以上踏み込んだらダメだな」って時に赤信号になるんですけど、一緒に歩いているひとを見ていて、赤信号になっていることに気づかない……って詞にしようかなと思ったんです。

――「ランナーズクライ」には、<真っ赤 青 黄色なんて>という信号機を思わす言葉が出てきますが、自分が歩みだしたいという気持ちが描かれていて……その当時の歌詞とは明らかに違うような。

たぴみる:そうなんです。いろいろと考えて「ランナーズクライ」は"いまの私"を書いてもらおうと。いろいろとお話しました。バッドエンドなのかハッピーエンドなのか、主人公はどういう心境で、どんな温度感なのか……。信号機というワードは使いたかったのでサビで使っていただいたんですが、当初とはコンセプトは変わったので、リリィさんは困ったんじゃないかなぁ……(笑)。

――ハッピーエンドかバッドエンドなのか、答えはハッキリしてるんですか?

たぴみる:走ってる途中って感じです。最後に<信じたい>という言葉があるんですけど……いろいろな道がって、この道で合ってるのかどうかは分からないけど、後戻りもできない。この道でありますように!って願いながら走ってる……という曲にしました。

私の歌詞はなぜか解決しないんです(笑)。「心情コンプレックス」だけはいい感じになって終わるんですけど……「モテないくせに(`;ω;´)」は結局ツンデレのまま終わっていきますし。彷徨っている歌詞が多いんですよね。

――確かに等身大の歌詞が多いですよね。それが共感される理由なんじゃないかなと思います。

やりたいことを探し続けている

――お話をうかがってると、全曲、ただもらっただけじゃなくて「こういう曲がいい」とリクエストされているんですね。コラボレーションされているというか。

たぴみる:そうです。自分の感情をギュッと入れたいので、(作家と)価値観をすり合わせて作っていきました。おかげで身体にスッとなじむことができました。聴いてくれる人のなかには、歌詞から入られる方、メロに惹かれる方……いろいろなタイプの方がいらっしゃるとは思うんですけど、歌詞をしっかり読んで欲しいです。作家さんの書いてくれた歌詞がすばらしいので、みんなにこの言葉たちが愛されて欲しいなと思っています。

――では、アルバムが完成した今の率直なお気持ちというのは?

たぴみる:できて早々なんですけど「これで終わらせたくないな」って気持ちがあります。あと「完成してよかった」と。結構ドタバタのスケジュールだったんです。私が風邪を長引かせてしまって、咳がなかなか収まらなかったんです。すごく久しぶりに風邪を引いてしまって。だから「良かった、間に合った」と(笑)。

――あははは。それにしても、気持ちはもう次に向かってるんですね。そのエネルギーはどこからくるんでしょう?

たぴみる:確かに、そうですね……。どこからきてるんだろう。ずっと"やりたいことを探し続けている"って感じはあります。他のアーティストさんのライブやインタビューを見ると、本当に凄い人ってたくさんいて。私ももっといろいろやりたい!って刺激になっています。

――では、早速ですが2019年にやりたいことは?

たぴみる:ツアーをしたいです! いまは都心中心なので来られない方もいて。あっちこっちにいって活動範囲を広げたいです。「行ったら絶対来てね!」って。

――楽しみにしております。ありがとうございました!

[取材・文/逆井マリ]

CD情報

たぴみる1stアルバム「タピオカ×ミルクティー」

価格:3,240円(税込)
発売日:2018年12月26日(水)

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