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ガルパンコミック作家座談会【中編】野上武志らが語るガルパンコミック史!

野上武志×才谷屋龍一×伊能高史×葉来緑×むらかわみちお×吉田創によるガルパンコミック作家座談会! 作家の挑戦と作品の懐の深さで築かれた、これがガルパンコミック史!【中編】

『劇場版』から『最終章』までの間が一番気持ちいい時間帯かな(葉来)

――スピンオフやオリジナル系がわりとシリアス路線に進んでいく横で、『もっとらぶらぶ作戦です!』と『戦車道ノススメ』がお笑い方面を担っていた感じがあります。

葉来:僕のはコメディが中心ですね。元々がゲームのチュートリアルコミックの『はじめての戦車道』から始まったから、戦車1輌1輌を紹介できればいいなと。第4巻までは1話完結形式で描いていって、主人公も毎回替えたので、大変だけど毎回新鮮で楽しかったです。

『最終章』第2話も、知波単側のほうを応援したくなるっていうのがあると思うんですけど、『ススメ』でも福田を主人公にして描いた話もあったから、福田目線で見ちゃうんですよ。そして新キャラが加わるのを見ると、組み合わせによって話も無限に広がるなと思っていました。だから連載終わったのにまた物凄く描きたくなっちゃう。

ただ、第5巻は本当にやりたい放題やらせていただいたので、それはもう満足しました。第5巻は初めて丸々1冊分の長編だったので、僕にはかっこいい戦車戦なんて求めてないだろうと思って、できる限りバカバカしくしました。

それぞれのキャラクターにメインの回があるので、オールスター群像劇はページがいくらあっても足りないお祭り状態でしたね。

▲『戦車道ノススメ』第5巻より
 

――オリジナルキャラクターを出したいというお気持ちは? それよりも、扱っていないキャラクターをどんどん描きたいというほうが先だったのでしょうか?

葉来:既にいるキャラクターだけでいっぱいいますし、自分のオリジナルキャラが入る余地がない。ずっとあんこうチーム主人公でも良かったんですよ。

僕の中ではドラマCDを作っているような感覚で、『劇場版』から『最終章』までの間っていう時空で描いてきたんですけど、ここが一番気持ちいい時間帯かなって。

TVシリーズから『劇場版』にかけての戦いが終わって、みんなちょっとほっとした雰囲気でワイワイやっている。お話もバカバカしくプラモ回やミステリー回、オカルト回といろんな切り口でチャレンジできましたね。

――『フェイズエリカ』では、黒森峰女学園の先輩や同級生のキャラクターをオリジナルでたくさん作られたわけですが、オフィシャルの間に自分のオリジナルキャラを入れていく作業というのはいかがでしたか?

才谷屋:『フェイズエリカ』は単純に、僕自身がエリカが大好きだったというのがあって。無印を描くにあたってTVシリーズの脚本を最初に貰ったときに、僕はヒール(悪役)が大好きなので、「こいついいキャラだ! キター!」みたいに思っていたんです。

最初はアンソロジーでエリカを使って1本お話を描いたんですが(『ガールズ&パンツァー コミックアンソロジー2』MFコミックス フラッパーシリーズ)、それが結果『フェイズエリカ』という連載に繋がったっていう感じで、自分としては願ったり叶ったりでしたね。

才谷屋:オリジナルキャラに関しては、『ガルパン』の製作委員会の懐が深かったという話もありますし、エリカも出番は少なかったんですけどキャラが立っていたので、あとはそのイメージを壊さない感じに話が作れたらいいかなと思ったんです。

新しいキャラクターをどんどん生み出したりとか、槌居さんのキャラクターを出したいというのももちろんあったので。結果それが『リボンの武者』にも出てくるっていう流れになって。

『リトルアーミー』第2巻より

▲『フェイズエリカ』第1巻より

▲『リボンの武者』第10巻より
 
才谷屋:磨或(まある)レンとか夏海パイセンとか出てきて、野上さんにも話を膨らませていただいて、本当にありがたいなというか。

野上:『フェイズエリカ』で精製されたキャラクターを出すことによって、「よっしゃ! これで『スーパーガルパン大戦』ができるぞ!」と。

才谷屋:あははっ!

――『最終章』第2話なんて、まさに『スーパーガルパン大戦』を映像でやった感がありますよね(笑)。

野上:こちらのほうを見てくれているのかもしれないなという、淡い希望をね。

才谷屋:口ではひと言も言いませんけどね。エクレールも、僕の絵にちょっと寄せてくれていたのかなと感じたので、本当にありがたいですね。

(ますます熱を帯びていくガルパンコミック作家座談会、続きは【後編】にて!)

[取材・文/設楽英一]

上映情報

未知なる4D体験へ、パンツァー・フォー!
10月11日(金)より、MX4D、4DXにて劇場上映!
『ガールズ&パンツァー 最終章 4D ~第1話+第2話~』

『最終章』第1話、第2話をつなげて4D化した『ガールズ&パンツァー 最終章 4D ~第1話+第2話~』が満を持して上映となります!
★4D上映とは?
映像に合わせて座席が動いたり、揺れたりするほか、シーンに合わせた水しぶきや風、香りなどの特殊効果や演出によって、作品を五感で体感することのできる「体感型」の上映です。MX4Dと4DXの上映形態となります。
★『ガールズ&パンツァー』と4D上映
2015年11月に公開された『ガールズ&パンツァー 劇場版』では、翌2016年2月に4DX版の上映がスタート。
戦車の動きや砲撃の衝撃などをリアルに体感できる鑑賞体験が大きな話題となり、異例の大ヒット。
公開から一年後には「4DX効果マシマシ版」としての再上映も実施されました。
また、2018年9月からは『ガールズ&パンツァー 第63回戦車道全国高校生大会 総集編』が上映。
通常上映に加えてMX4D、4DXでも上映され、人気を博しました。

<最終章 ストーリー>
学園存続を懸けた大学選抜チームとの試合にからくも勝利し、ようやく平穏な冬の日々を過ごしていた大洗女子学園戦車道チームのメンバーたち。
3年生の卒業を控え、生徒会が改選されて新執行部が始動するなど、小さな変化も始まっていた。
そんなある日、彼女たちの上に降って湧いた騒動。新たに現れた難問に立ち向かうため、戦車道チームが再始動する。

<スタッフ>
監督:水島 努 脚本:吉田玲子 キャラクター原案:島田フミカネ
キャラクターデザイン・総作画監督:杉本 功
考証・スーパーバイザー:鈴木貴昭
キャラクター原案協力:野上武志 ミリタリーワークス:伊藤岳史
プロップデザイン:竹上貴雄、小倉典子、牧内ももこ、鈴木勘太
3D監督:柳野啓一郎 モデリング原案:原田敬至、Arkpilot
3DCGI:STUDIOカチューシャ、グラフィニカ
色彩設計:原田幸子 美術監督:平柳 悟
撮影監督:関谷能弘、棚田耕平 編集:吉武将人
音響監督:岩浪美和 音響効果:小山恭正 録音調整:山口貴之
音楽:浜口史郎 アニメーション制作:アクタス
製作:ガールズ&パンツァー 最終章 製作委員会 配給:ショウゲート

<キャスト>
西住みほ:渕上 舞 武部沙織:茅野愛衣 五十鈴 華:尾崎真実
秋山優花里:中上育実 冷泉麻子:井口裕香 角谷 杏:福圓美里
小山柚子:高橋美佳子 河嶋 桃:植田佳奈 磯辺典子:菊地美香
近藤妙子:吉岡麻耶 河西 忍:桐村まり 佐々木あけび:中村 桜
カエサル:仙台エリ エルヴィン:森谷里美 左衛門佐:井上優佳
おりょう:大橋歩夕 澤 梓:竹内仁美 山郷あゆみ:中里 望
阪口桂利奈:多田このみ 宇津木優季:山岡ゆり 大野あや:秋奈
園みどり子:井澤詩織 ナカジマ:山本希望 ねこにゃー:葉山いくみ
蝶野亜美:椎名へきる マリー:原 由実 安藤:津田美波
押田:安済知佳 西 絹代:瀬戸麻沙美 福田:大空直美
玉田:米澤 円 細見:七瀬亜深 他

上映館 MX4D:20館、4DX:59館
上映分数 本編98分 
製作 ガールズ&パンツァー 最終章 製作委員会
配給 ショウゲート
上映劇場は公式サイト 劇場情報ページに掲載しています。

ガルパンコミック情報

『ガールズ&パンツァー リボンの武者』
 野上武志×鈴木貴昭/原作:ガールズ&パンツァー製作委員会
 株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
 第12巻好評発売中
 
戦車道の“生ける伝説”西住みほとの「公式戦車道での試合」を賭け、強襲戦車競技(タンカスロン)の両雄たる鶴姫しずかとヤイカが公式戦車道ルールで激突! ヤイカ率いるボンプル高10輌に対し、しずかは各校から隊長車を集めたムカデさんチーム連合5輌で挑む。油断すれば一瞬で戦況をひっくり返されるフラッグ戦で、互いに狙うは大将首ひとつ!
 

『ガールズ&パンツァー フェイズエリカ』
 才谷屋龍一/原作:ガールズ&パンツァー劇場版製作委員会
 株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
 全3巻好評発売中
 
逸見エリカを主人公にしたスピンオフ。黒森峰女学園の副隊長・西住みほの甘さに不満を募らせるエリカ。曲者揃いの継続高校との試合では、継続の陽動作戦にかかってみほとエリカがまほたち本隊と分断、大ピンチに陥ってしまう。敵と相討ちになったエリカを助けようと駆け寄るみほに、エリカは自分よりも隊長を頼むと懇願する。ふたりの西住流が揃った黒森峰の大逆転劇が始まる。
 

『ガールズ&パンツァー 劇場版 Variante』
 伊能高史/原作:ガールズ&パンツァー劇場版製作委員会
 株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
 第4巻好評発売中。第5巻11月21日(木)発売
 
メガヒット劇場版アニメの行間を紡ぐ、超濃厚コミカライズ。ついに始まった、大洗女子学園対大学選抜チームの試合。大洗の窮地を救うべく、続々と集まってきた各校の思惑から、アンフェアな試合をやらされる大学選抜チームの心情までをきめ細やかに描写。劇場版に新たな視点を与えることで、画面に映っていないキャラクターにまで愛着が湧くようになる魔法のような一冊!
 

『ガールズ&パンツァー 戦車道ノススメ』
 葉来緑/原作:ガールズ&パンツァー劇場版製作委員会
 株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
 全5巻好評発売中
 
西住まほのドイツ留学のお祝いと称して始まった紅白オールスター戦車道大会。ただし、勝負方法は戦車戦に限らないため、料理対決に紅茶対決、果てはプロレスタッグ戦までが始まってしまう。サメさんチームにBC自由学園と、最終章からの新メンバーも続々登場し、ラストは全チーム入り乱れてのお祭り騒ぎとなっている。
 

『ガールズ&パンツァー プラウダ戦記』
 吉田創/原作:ガールズ&パンツァー製作委員会
 株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
 第2巻好評発売中
 
プラウダ高校に入学し、共に戦う中で互いを同志と認め合ったカチューシャとノンナは、東の強豪校の地位で満足しているチームの性根を叩き直すため、本職のロシア軍人を招聘。2カ月に亘るロシア軍流特訓をやり遂げた2年生は、新1年生の前で行われた3年生との試合で3年生を圧倒。2年生を率いるカチューシャが、ついにプラウダを掌握する。その頃、黒森峰女学園では隊長・西住まほの「本物の怪物」ぶりが囁かれていた。


『ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女』
 漫画:むらかわみちお/戦術構成:才谷屋龍一
 原作:ガールズ&パンツァー製作委員会
 コミックウォーカーにて連載中
 
戦車道界では無名の伯爵高校と、強豪・サンダース大付属高校の練習試合。伯爵高校2年生の小檜山野咲(こひやま・のえみ)が車長として臨む初めての試合――。自車の乗員に指示を出し、隊長の指示に従い、勝つために戦車を駆るとき、思い出すのは“先輩”の言葉――。『宇宙戦艦ヤマト2199』のむらかわみちおが描く、少女と戦車の叙情詩。
 
ガールズ&パンツァー最終章
ガールズ&パンツァー公式ツイッター (@garupan)
月刊コミックフラッパー オフィシャルサイト

野上武志ツイッター (@takeshi_nogami)
才谷屋龍一ツイッター (@xxsaitaniyaxx)
伊能高史 on Twitter (@matarou123)
葉来緑ツイッター (@hagimidori)
吉田創ツイッター (@sabo666)

(C)GIRLS und PANZER Projekt
(C)GIRLS und PANZER Film Projekt
(C)GIRLS und PANZER Finale Projekt
(C)Takeshi Nogami,Takaaki Suzuki
(C)Ryohichi Saitaniya
(C)Takashi Ino
(C)Hagi Midori
(C)Hajime Yoshida
(C)Michio Murakawa , Ryohichi Saitaniya

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