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ガルパンコミック作家座談会【後編】野上武志らが語るガルパンコミックの最新事情!

野上武志×才谷屋龍一×伊能高史×葉来緑×むらかわみちお×吉田創によるガルパンコミック作家座談会! より強く作家性を発揮できるようになったガルパンコミックの最新事情!【後編】

パネルがある店と、そのキャラのエピソードを短編のシリーズで作りたい(葉来)

――今後なんですけど、たとえば『劇場版 Variante』が終わったら、『最終章』に入るのでしょうか?

伊能:いや、まったくそんな話はないです。まずは目の前のものをきちんと終わらせるっていうところからで、先はまだ不透明です。

――まだまだ『ガルパン』が続いて、ファンもこれだけいるということは、ガルパンコミックもまだまだ作れるわけじゃないですか。次の構想などは?

葉来:まだまだ描きたいことはいっぱいありますが、連載はひと区切りついたので。

才谷屋:やらせてもらえるなら、ちょっとやりたいことはあるんですけど、僕が長いこと『ガルパン』に関わらせてもらっていたというのがあって、『ガルパン』のことを考えると作品のみならず、大洗の商店街のおばちゃんの顔とかも思い浮かぶんですよね。

葉来:お店の人たちと関わりができて、『ススメ』第4巻のウソ次巻予告で「大勘荘連続殺人事件」みたいなネタをやったんですけど、ご主人さんが「いつまでも待ちます!」って言うので、連載は終わりはしたものの、描くべきかなって。

▲『戦車道ノススメ』第4巻より

▲なんと既に表紙は完成していた!? 『大勘荘湯けむり殺人事件』
 
葉来:僕が前々からやりたかったのは「大洗のパネルストーリー」なんです。パネルがある店と、そのキャラのエピソードを短編のシリーズで作りたいなと思っていたんですけど。そういうのも含めると、『ガルパン』でやりたいことはまだまだ残ってますし、広がっていきますね。
 
伊能:僕自身もこの作品で拾ってもらったところがあるので、また新しい人の土壌になっていくのであれば。
 
吉田:俺、『プラウダ戦記』が終わったらギャグマンガ描きてぇな。
 
才谷屋:あははっ! そっちですか!
 
吉田:『らぶらぶ』の方向で! シリアスでやっていくのもいいんですけど、根っこはギャグの人間なんですよ。真剣な話はなんにもない、バカなギャグを描いてみたいなって気はしますね。
 

――いや、「どいつじん!!」はけっこうなギャグだと思いますけど。

才谷屋:あははっ!

吉田:出ちゃうんですよ! たまにやらないと、息が詰まっちゃうんですよ!

▲『プラウダ戦記』第2巻より
 
遠藤:葉来さんにお願いした時に、「コメディをやるなら『もっとらぶらぶ作戦です!』と被らないようにしてください」というオファーが最初にあって、その上で捻り出していただいたのが『戦車道ノススメ』だったんですよ。
 
才谷屋:既にあるレールとは被らないようにやるしかないですからね。
 
吉田:多分、俺が描いたら『らぶらぶ』とは被らないです。
 
葉来:まぁ被らないでしょうね(笑)。
 

――「どいつじん!!」は『らぶらぶ』には出てこないです。

才谷屋:確かに(笑)。

吉田:描いてみたら、エリカってすっごい面白いんですよね(笑)。

才谷屋:面白いですよね、本当に!

▲『もっとらぶらぶ作戦です!』第12巻より

▲『リボンの武者』第8巻より
 

――作家の目から見て、この作品のこのキャラクターの料理の仕方はこうだ、みたいな話はありますか?

野上:微妙だな(笑)。

才谷屋:「どいつじん!!」は凄かったですね。

吉田:あははははっ!

――エリカのこんな顔は初めて見ました。

▲『プラウダ戦記』第2巻より
 
才谷屋:あははははっ!
 
吉田:エリカが妙に上等に描かれ過ぎている気がしてたんですよ。
 
才谷屋:実際はそんなキャラじゃないですよね。
 
葉来:TVシリーズ初期の印象だと嫌味を言う感じは少しありましたね。でもその後の展開や『フェイズエリカ』を読むと、エリカに感情移入はしていきますよね。嫌味の理由もわかるというか。まほと一緒に優勝したかったっていうのは、ちょっと来るものがあるから応援したくもなるし。
 
吉田:西住の宗家が関わった大会決勝戦で2連敗して、その後の隊長をやらされるっていうのは、胃に穴が開くどころの騒ぎじゃないよ!(笑)
 
野上:つまりこういうことですね! 「がんばれボコ~!!」じゃなくて、「がんばれエリカ~!!」

一同:あははははっ!

葉来:みほはエリカのこと好きなのかな? 最終的には絶対勝てないと思ってる(笑)。

野上:そうかもしれないよ(笑)。

▲『プラウダ戦記』第1巻より
 

――ノンナを般若みたいに描くというのもインパクトありました。

才谷屋:あははっ!

吉田:『プラウダ戦記』っていうのは、ノンナが主人公なんですよ。あのカチューシャはノンナが見ている姿なので。心情表現をするためには、ノンナを喋らせるしかないんですよ。そうすると、必然的に表情も豊かになって、多弁になるんですよね。

アニメのイメージだと、無口で無表情で敬語で、みたいな。どうやってあれに繋がっていくのかっていうのが、これからの話なんですけど。

――カチューシャがノンナに肩車をしてもらうまでの葛藤も描かれていて、一方『もっとらぶらぶ作戦です!』にはノンナの肩に飛びついて合体するようなカチューシャの姿もあったりして、そういう料理方法の差も楽しいですね。

吉田:そこは『らぶらぶ』を見て、あえて逆に変えていますね。俺はほかの作品を読みまくるので、読んで変えていくスタイルなんです。

――アンツィオ勢は、誰が描いてもキャラクター観が変わらない感じがします。

葉来:アンツィオはブレないですよね。

――逆に福田あたりは一番差があるかなと。

葉来:福田は好き放題いじってますね(笑)。

野上:かなりいじりましたね(笑)。むしろ、あれで驚かれているほうに、僕は驚きを感じているくらいなので。

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