秋アニメ『歌舞伎町シャーロック』小西克幸さん、中村悠一さん、吉村愛監督による座談会第1弾|ゲストキャスト・関智一さんの演技や、キャスト陣も気付かないような仕込みに笑撃!
小西さん&中村さんも制作陣の攻めの姿勢に笑撃♪
――ちなみに、作品のベースとなるシャーロック&ワトソンのイメージは?
監督:私は本作を作り始めるにあたって、原作とかドラマとかを結構見て、共通して言えるのは“友情”と“バディ感”みたいなイメージがあるんですけど、どうですか?
小西:今「シャーロック」というと、いろいろな作品があるので。
――実は、私もオリジナルの小説を読んだことはなくて……。
小西:女性が演じる作品があったり、筋肉モリモリ喧嘩番長がいたり。舞台を日本に落とした作品もあるし。
――私は、NHKで放送されていたアニメの印象がありますね。
小西:そうですね。やっぱりシャーロックとワトソンがいて、2人で事件を解決しつつ。
監督:変な人とまともな人という位置付け……。
小西:という感じですよね。で、(中村さんを見て)お医者さんで(笑)。
中村:(原作や他の作品と)似てはいるんじゃないですか(笑)。
小西:お医者さんと探偵で、モリアーティと戦うみたいな。
――そういうイメージで本作を見ると、「こうなったか!?」という衝撃を受けるんじゃないかなと思うのですが、いかがですか?
小西:ハドソン夫人が、どんなきれいな人が来るんだろうと思ったら……。
中村:汚かったですね(笑)。
小西:汚かったね(笑)。
監督:美しいです!(笑)
小西:でも、歌舞伎町だから「こういうことか」と、それはそれで非常に楽しかったです。
面白いな、よく考えるなと。このシャーロックを「どうやって作っていこうか」と、企画会議しているところを見たいです。
中村:なんか……すごく本編に下ネタが多いんですよね。
監督:そうですね。
小西:急に増えてくるんですよ(笑)。
中村:「どこまでやる」って、絶対(事前に)話したでしょみたいな感じの下ネタが。
(監督を見て)思ったんですけど、「PIPECAT」って下ネタですか?
監督:そうです。“パイプカット”から……ただただ、大人の悪ノリが始まっている(笑)。
中村:やっぱり、そうですよね。
――私も第1話で、音声だけで聴いた時に「あれ? まさか……」と思いました。
監督:公式HPの「パイプキャット」を「パイプカット」って読み間違えちゃったという人もいたみたいで、「正解やで」みたいな(笑)。
中村:ローマ字読みするとね。
小西:“A”か“U”かっていう差だもんね。
中村:ひどい店だな(笑)。
監督:いやいや、そんなことないです。
小西:だから、ああいうお店なんですよ(笑)。
中村:そうやって、遠回しにちょっと下ネタをやるのかと思ったら、下半身丸出しの温泉回があって。
小西:股間に「シャーロック」って書いてあった(笑)。
監督:「○シャ(シャを○囲み)」って書いてあります。
小西:そこで(犬みたいに)体を振って水を切るシーンがあるんですけど、そこの音がわりとリアルに付けてあったから、攻めてるなと思った。
一同:(笑)。
小西:そういうのが随所にあって。いろいろ、やっています。
ゲストキャスト・関智一さんがきっかけで、まさかの録り直し!?
――「思い出深いシーンは?」という質問を伺うつもりだったのですが……。
小西:もう、攻めすぎていて。誰がこれを決めているのかなと思います。
監督:「いいのかな?」と思いながら、(関係者の)端から端まで顔を見たら、誰も何も言わないので、「じゃあ、いいんだ」みたいな。
小西:監督からの(アイデア)発信なんですか?
監督:いや、全然全然! 会議でみんなで。
中村:連帯責任。
一同:(笑)。
小西:「こういうのは、どうだろう?」「いいですね。やってみましょう」みたいな?
監督:「いいじゃん、いいじゃん」みたいな、全員の責任です。
小西:僕らも気付いていないようなネタが。絵ができて初めて気付くこともあって。
中村:それは、ありますね。
小西:ふんだんに仕込んでるんですよ、この人たち(笑)。そういうのも見つけると楽しいけど……若い世代はわからないのもあるかもしれませんね。
――他の話数での思い出深いシーンはありますか?
小西:第3話はなんだっけ?
監督:内田B造です。
小西:あぁ。(B造役の)関(智一)さんがまた、好き勝手にやっちゃったもんだから(笑)。
監督:(笑)。
中村:でも、関さんの“察し力”すごかったですね。
小西:すごかった。
中村:収録の後半から、駆け付けでいらっしゃったんですけどね……最初から好き勝手やり始めたので、好き勝手やっていいと思っていたというか。
小西:台本に書いてないこと、いっぱい話し始めたから。
中村:「あれ? 知ってるのかな、この現場のこと(初現場なのに)」って。
一同:(笑)。
小西:でも、ちゃんと尺に入れてくるから「この人、すごいな」と。
Bパートから参加されたんですけど、Aパートは(斉藤)壮馬くんと2人の掛け合いで、壮馬くんの役がB造に憧れているという設定だったから、Aパートは抜きで、もう先に録っちゃってたんですよ。
だから、Aパートは録り直しで(笑)。
中村:そこまでのキャラだとは思ってなくて(笑)。
小西:誰も想像してないところから来た。
中村:あれは面白かったですね。
――中村さんはいかがでしょう? 「思い出深いシーン」はありますか?
中村:僕もコブラは忘れていたので。改めて(ある話数を)見たら、急にコブラが出てきて「あぁ、あった。あった」と(笑)。
小西:コブラというキャラクターがいるのは覚えていたんですけど、腕を見て度肝を抜かれて。めっちゃ面白かったです。
――制作側としては、そういう仕掛けに気付いてもらえたら「してやったり」的な。
監督:そうですね。大人はみんな気付くと思ってやっていました。
小西:大人は気付くと思いますよ。若い子が見た時にわからないかもしれないけど。
監督:でも、わからなくても成立するように、ちゃんと作っているので(笑)。
小西:あと、第1話からシャーロックをひいちゃってるじゃないですか……あれ、大丈夫なのかなって。
――シャーロックが、グルンって回転してましたね。
小西:面白くやってますけどね。この作品は、世の中で何が起こっても放送すると思います。
一同:(笑)。
小西:そういう部分と戦っていく作品だと思います。昔は、作りたいモノを作って、放送取りやめとかなくて。そういうスタイルに近い感じがするので、世間と戦ってほしいです。
――小西克幸さん、中村悠一さん、吉村愛監督による座談会第2弾(後編)へ続く
[写真/鳥谷部宏平]
TVアニメ『歌舞伎町シャーロック』作品情報
放送情報
TBS、 MBS、BS-TBS“アニメイズム”枠にて放送中!
TBS:毎週金曜深夜 1:55~
MBS:毎週金曜深夜 1:55~
BS-TBS:毎週土曜深夜 1:00~
AT-X:毎週火曜 夜8:00~
リピート放送 毎週木曜 昼12:00~/毎週土曜 深夜4:00~
※放送日時は変更になる可能性がございます。
《最速配信》
dアニメストア:10月12日(土)より 毎週土曜 昼12:00~
イントロダクション
新宿區イーストサイド……混沌を極めたその街の中心には、ネオン瞬く歌舞伎町が広がっていた。
光が強けりゃ影も濃い。悪人どもの潜む暗がりの、そのまた奥に探偵長屋の明かりが灯る。
ハドソン夫人の営むその長屋は、なくて七癖、曲者ぞろい。野心満々のケッペキ探偵に、男を化かす姉妹探偵。はたまた刑事くずれのオッサン探偵がいるかと思えば、ヤクザを破門されたアンチャン探偵……
そして真打は、落語をこよなく愛する天才探偵シャーロック・ホームズ。切り裂きジャックによる猟奇殺人が起きたその夜、舞台の幕は上がった。
探偵どもの化かし合いを横糸に、シャーロック、ワトソン、モリアーティ、三つどもえの友情を縦糸に……
ミステリー? いやさコメディ? なんともはや、判別不能ドラマのはじまりはじまり~。
スタッフ
監督:吉村愛
シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン・総作画監督:矢萩利幸
プロップデザイン:清池奈保・津坂美織・久原陽子
色彩設計:藤田恵里香
美術設定:金平和茂
美術監督:片平真司(スタジオアカンサス)
3D監督:磯部兼士(ランドック・スタジオ)
特殊効果:村上正博
2Dワークス:濱中亜希子
撮影監督:荒幡和也
モーショングラフィックス:大城丈宗
編集:濱宇津妙子
音響監督:長崎行男
音楽:伊賀拓郎
オープニングテーマ:EGO-WRAPPIN’「CAPTURE」
エンディングテーマ:ロザリーナ「百億光年」
アニメーション制作:Production I.G
キャスト
シャーロック・ホームズ:小西克幸
ジョン・H・ワトソン:中村悠一
ジェームズ・モリアーティ:山下誠一郎
京極冬人:斉藤壮馬
メアリ・モーンスタン:東山奈央
ルーシー・モーンスタン:東内マリ子
ミッシェル・ベルモント:青山穣
小林寅太郎:橘龍丸
ハドソン夫人:諏訪部順一