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劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』安野希世乃、大西沙織、茅野愛衣インタビュー

劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』安野希世乃さん、大西沙織さん、茅野愛衣さんインタビュー|ついに完結を迎えるアニメ『冴えカノ』と演じるキャラクターへの想いとは

詩羽のヒロインは英梨々……?“リハビリリ”なしで英梨々に戻れた大西さん

――劇場版についてもお聞きします。劇場版の台本を初めてご覧になった時の印象をお聞かせください。

安野:『冴えカノ』関係でイベントがあるとその終わりにチームのみなさんと飲みに行くのが恒例になっていまして、その場でまさに会議をしてきたばかりだという台本を渡されました。

その時に「今この場で読んでください!」みたいな、いい意味でのプレッシャーを感じ、受け取ってから1時間くらいはずっとにらめっこしていました。

そうやって読み進めていると「えぇ!?」「嘘!?」「うわぁ」みたいなリアクションが止まらなくて、「このシチュエーションで恵が動いたらすごく可愛くて大変だろうな」とか、「このふたりのシーンはどんな空気感になっちゃうんだろう」とか、想像するだけで悶えてしまう気恥しいシーンが盛りだくさんで衝撃的でした。

原作に無いような恵の仕草やセリフもあったので、「これを演じる時は大変だぞ! 安野希世乃!」って自分に言い聞かせましたね。

大西:英梨々はTVアニメ第1期当初から気持ちを吐露したり、爆発したり、泣いているシーンが多かったんです。

それで劇場版ではどうだろうと思っていたのですが、「これはもう、今までよりも大変だぞ」と感じました。後は「やっぱり英梨々は泣くんだな……」と。

一口に泣くと言っても色々な感情がありますし、今回は泣いている時に傍にいる人もそれぞれ違う人だったので、そこは悩みどころでした。

若干、収録に行くのに緊張しているところもありましたね。

茅野:今回の詩羽は対倫也と言うより対英梨々でした。第2期でblessing softwareを抜けて、これからふたりでやっていくことになりましたけど、そこからの追い打ちが結構あって。

それに、劇場版での詩羽は格好良く見えるところがありました。英梨々が詩羽にとってのヒロインみたいになっているんです。

もちろん倫也への想いはあるんですけれど、私個人としては英梨々とのやりとりの方がフィーチャーされていたように感じています。

「エモさ」が沢山詰まっている台本だなとも思っていて。台本を読んだ段階から、みんなでアフレコができたら素晴らしいものになることは分かっていました。

実は1年くらい前から収録のスケジュールが抑えられていたんです。『冴えカノ』は掛け合いが命の作品なので、絶対みんなで合わせて録りたいと思っていました。

なのでみんなが揃った収録ではすごく満ち満ちた気持ちになりましたし、奇跡だと思っています。「やっぱり『冴えカノ』って面白い」と感じられました。

――第2期終盤あたりから英梨々と詩羽の関係は倫也を巡る恋のライバルだけではなくなってきています。劇場版でふたりの掛け合いを演じていかがでしたか?

大西:第2期から劇場版でまた間が空いてたんですが、私は収録の間が空くと英梨々がちょっとお出かけしちゃうんですね、どこかに(笑)。

だから“リハビリリ”(※2)が無くて少し不安があったのですが、劇場版の収録は特に声を調整した訳ではないのにスッと入れたんです。


※2:リハビリリ
ラジオで行われていたコーナーのひとつ。英梨々の声が行方不明になったという大西さんのリハビリのため、様々な試みが行われた。


大西:良かったって思いましたし、詩羽や恵たちと掛け合っていくとみんな第1期、第2期の感覚が残っているから、チーム『冴えカノ』のキャラクターの空気感にパッと入っていけて、「これが今まで培ってきたチーム力か」と感じていました。

第2期では英梨々と詩羽のコンビ感だったり信頼関係だったり、仕事において助け合うところもたくさんあったんですが、今回は恋愛面含めた全てのフォローやケアを詩羽がやってくれたので、「本当に、ありがとうございます……!! 」と思っています。

茅野:精神的なケアが多かったよね。紅坂さん(紅坂朱音、CV:生天目仁美さん)が強いキャラクターで、英梨々だとまだ戦えないことを詩羽はわかっているんです。

安野:(英梨々を)守ってましたよね。

茅野:だから「そこが格好いいに繋がった」と思うんです。散々自分のシナリオや才能を貶されていて、けれどふたりで立ち向かおうとなって、そこから覚悟を決める流れが格好いいんです。

だから今回は、英梨々の肩を抱いたり背中を押してあげたりと、英梨々に英梨々でいてもらうため詩羽は頑張っているんです。

今までもそういう気持ちだったのかと劇場版で明かされたシーンがあったり、シーンによってはこれまでのふたりのやりとりにより深みや重みが感じられる部分が出てくるんです。

劇場版を観た後にTVシリーズを見ると、全然感じ方が変わると思います。特に恵は顕著なんじゃないかな。

安野:最近私、第1期の頭のほうを見直したんですよ。二人とも凄く仲が悪かった(笑)。

茅野:そうだよね!(笑) だって「滑り台(※3)はあっちよ!」って誘導してたぐらいだし。


※3:滑り台
恋愛の絡む作品で、主人公と結ばれなかったヒロインを意味しているスラング。


安野:関係性が変わったんだなって思いましたね。

茅野:『フィールズ・クロニクル』(作中で朱音が携わっている大作ゲームのタイトル)に関しては英梨々の才能が欲しくてとハッキリ言われていますし、クリエイターとして相当しんどい話だと思います。

私自身に置き換えてみてもしんどいです。そこからよく見返してやろうと思えたなと。

見返してやろうと考えるのはパワーがいることだと思うんです。詩羽にとっては英梨々が居たからさらに上を目指そうと思えたんじゃないかな。

――なるほど……。

茅野:あと、劇中で使用される曲もいろいろと想いが込められていて……。恵、美智留のそれぞれのソロと、英梨々と詩羽のデュエットの3曲のキャラクターソングがあります。

大西ちゃんとのデュエット曲については、私の収録が先でした。「ふたりが一等星だ、ふたりで歩いていく」という意味を含んだ歌詞があって、レコーディングでは感極まっていましたね。

英梨々と詩羽のシーンで流れると思いますので、劇場パンフレットの豪華版に封入されている歌詞カードを見ながらぜひ映画の余韻に浸っていただけたらと思います。

このCDも本当によくて、ジャケットの原作イラストの深崎暮人さんのイラストの透明感や収録されている楽曲がどれも素晴らしいんです。

劇場版のために作られた曲なんだと感じて、ずっとリピートしちゃいました。

CDにはフルサイズで収録されますので、ぜひ曲の方にも注目していただけたらと。

 

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