「令和、今の時代だから意味があると思っています」仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション公開記念!井桁弘恵さん×大幡しえりさん“女性仮面ライダー”対談
"女性 仮面ライダー"の意味
――ここからは女性の仮面ライダーという存在についてお聞きしていきたいと思います。『仮面ライダーゼロワン』は社会性の強い作品ですので、その辺りも併せてお聞きできればと。
大幡:また今年も早稲田出身の方に頼るしか無いですね(笑)。
※前回のインタビューではオーマジオウと共産主義について質問していた
「大人になった時にもう一度見て欲しい」映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』公開記念押田岳さん×大幡しえりさんインタビュー
――ツクヨミが変身することって、大幡さんはいつから知っていたんですか?
大幡:台本を渡されたときだったので、春くらいだったと思います。以前、私「変身するんですか?」って白倉プロデューサーに聞いていたんです。そしたら「するわけないじゃん! あはは」って言われてたのに、その半年後台本を見たら「変身」って書いてあって。「これはどういうこと!?」って。
でも、私は「変身」したかったので、夢が叶って感謝しかなかったです。
――実際に変身してみていかがでしたか?
大幡:これは裏話になるんですけど、衣裳的にベルトが回りにくい感じだったんです。実際、テストでもうまくいかなくて。「テストで失敗した時には本番一発で成功するから大丈夫!」って勇気付けていただいた結果、本番は綺麗に回ったんですけど、その時に私の顔が「回った♪」って表情になっちゃてたみたいで(笑)。「変身」する瞬間ってこんなにも喜びが溢れ出てしまうんだなぁと思いました。
――(笑)。ツクヨミ初変身の裏側にそんなドラマがあったんですね。
大幡:ソウゴとゲイツが初変身してからちょうど一年後に私の変身だったので、いい経験ができたなって思います。
――井桁さんはいかがでしょう。元々オーディションの時から刃唯阿が仮面ライダーバルキリーに変身するということは知っていたのでしょうか?
井桁:いえ、知らなかったです。まさか女性が変身するとは思ってもみなくて。合格をいただいた時に初めて変身することを知ったくらいで。役をいただいた時にも驚きはあったのですが、まさか仮面ライダーの歴史の中でもこんなに大きなことだとは知らなくて。
『仮面ライダーゼロワン』の情報解禁を行った時に、女性の仮面ライダーが第一話から登場することでとてつもない反響があったじゃないですか。それを受けて、私はとても重要な役を任されているんだって、実感がありました。そこからプレッシャーも感じるようになったり。
――実際に"仮面ライダー"になったお二人にお聞きしたいのですが、女性の仮面ライダーとは一体どんな存在なのでしょうか。
井桁:私は令和、今の時代だからこそ、女性の仮面ライダーに意味があると思っています。現実でも女性の社会進出について色々と報じられているじゃないですか。その価値観がもっと、もっと広がって行けばいいなって。
――確かにフィンランドでは新首相が34歳の女性だったりと新しい時代に向けて様々なことが国内外でも起こっていますよね。大幡さんはいかがですか?
大幡:私は「女性が変身するから凄い」ってあんま感じていなくって。一年間、ツクヨミは生身で戦っていたので、戦うことについてはあまり変わらないなって思っていたんです。ただ、実際に「仮面ライダーツクヨミ」が登場した時に大きな反響をいただきました。
女性が仮面ライダーに変身して戦うってこんなにも凄いことなんだって、イベントでも実感ができましたし。これを通じて、女の子も仮面ライダーの良さを知るキッカケになればいいなって思いました。
――女性の仮面ライダーとは対照的に、TVアニメ『HUGっと!プリキュア』では男の子のプリキュアが登場しています。
大幡:そうですよね!私もニュースで見ました。
井桁:今の時代だからこそ受け入れられる価値観だなって思いますよね。
――男らしくだったり、女らしくだったりといった言葉自体が古いものになってきているのかもしれません。そうした社会の中で、女性の仮面ライダーを演じているお二人は、多くの方に勇気を与える存在だと思います。
井桁:私はこの一年間、刃唯阿・仮面ライダーバルキリーとして、戦い続けることによって女性も男性と対等以上に戦えることを証明したいと思います。これは社会で戦うという意味を込めて、ですね。まずはこの一年間かっこよさを追求したい。そんな私の姿を見て、勇気付けられる方がいれば嬉しいです。
――能力を見ると仮面ライダーバルキリーってゼロワンやバルカンと遜色ないどころかむしろ強いんですよね。
井桁:そうなんです! それもあって一向にパワーアップがなくって(苦笑)。皆どんどん強化されてるので、そろそろバルキリーもパワーアップしたいですね。
(少し間をおいて)刃唯阿として強くありたいです。
――ありがとうございます。大幡さんはいかがでしょう?
大幡:女の子だけど、男の子っぽい。その逆もありますよね。私はどんな役が来ても演じられる自分でありたいです。枠に囚われずに演じられる。それが役者としてこれからも大切にしていきたいことです。
初対談! 同時変身しましたか?
――貴重なメッセージありがとうございます。大幡さんと井桁さんがお二人で取材を受けるのがはじめてだとお聞きしました。それぞれ何か聞いてみたいことはありますか?
大幡:同時変身しました?
井桁:しました! 割と諫が先走っていました(笑)。
大幡:あはは(笑)。
井桁:私は或人(飛電或人 仮面ライダーゼロワン 演・高橋文哉さん)に合わせて変身したんですけど、諫が前に出過ぎてて一人で変身しちゃってましたね。
大幡:タイミング難しいですよね(笑)。
井桁:或人の変身モーションが多いので私と諫が合わせなくちゃいけないんですけど、一人先走る人がいるので(笑)。
大幡:一年の中でピタッと決まった瞬間がくるのが楽しみですね。私は一人だけ遅くなっちゃって、「もう一回お願いします」ってことが多かったので(笑)。
――井桁さんは大幡さんに聞いてみたいことはありますか?
井桁:ゼロワンって女子が私とイズ(鶴嶋乃愛さん)の2人いるじゃないですか。大幡さんは一人で大変じゃなかったですか?
大幡:やっぱりこういう場でオーラ(紺野彩夏さん)がいないのが寂しくて。ゼロワンは舞台挨拶とか行った時に2人で話す機会が増えると絆が深まると思うので、いいなぁって思います。私と彩夏ちゃんは現場でも同じシーンがあんまりなかったので、寂しかったなぁって気持ちがありました。
井桁:そうなんですね。ジオウチームの4人ってどんな話とかしてたんですか?
大幡:なんだろう……。ずっと4人で一緒にいる感じじゃなくって、それぞれ好きなことをやってたんです。現場で台本の話をする時はまとまるけど、それ以外は自由な感じでしたね。後は、ウォズ(渡邊圭祐さん)いわく「小学生の掛け合いだからね?」って言われるようなイタズラを受けてたりとかしてました(笑)。なので、ゼロワンチームの現場はなんだか少し大人っぽさを感じましたね。
井桁:そんなことないです! 全然ふざけてたりもしていますよ(笑)。
――ありがとうございます。では、最後に「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。
大幡:今回の映画は平成と令和という絶対に交わらない世界の中でどう交わっていくのか?ここを見ていただきたいです。ジオウからゼロワンの人たちに今までの先輩ライダーの想いを届けられた作品になっていますので、ぜひ楽しんで見ていただきたいです。
井桁:ジオウとゼロワンの共演しているということで、或人がバトンをちゃんと受け取ったんだなぁというのが、実際に映画を見た時にも感じたことでした。そういう意味でも感動できる作品になっていますので、どちらのファンの方にも見てほしいですし、バトルシーンも多いのでぜひ、劇場で楽しんでいただければ嬉しいです。
――一つだけ聞き忘れていました。唯阿の変身でプログライズキーをクルクルッと回しているのってどうやってるんですか?
井桁:企業秘密です(ニッコリ)。
――ありがとうございました!
[取材・文・撮影 川野優希]
作品情報
『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』
2019年12月21日(土)全国公開
【出演】
高橋文哉、奥野壮
【イントロダクション】
劇場版 仮面ライダー新時代。
2000年から始まった平成仮面ライダーシリーズが20作品目「仮面ライダージオウ」にて終わりを告げた。そしてこの冬、2009年から毎年公開してきた仮面ライダー冬映画は、新元号・令和の幕開けとともに新時代へと突入する。
令和第1作「仮面ライダーゼロワン」は、人工知能=AIをテーマに、様々な職業の世界を通してAIが導入された未来の姿と、そこで生まれる悪との戦いを描いている。その歴史に幕を閉じたはずの「仮面ライダージオウ」が、なぜ新時代の「仮面ライダーゼロワン」と関わるのか。
交わるはずのない2つの世界が並び立つ時、次なるステージへの扉が開かれる。
平成×令和 混ぜるな危険。記念すべき令和仮面ライダーシリーズ劇場版第1作。
これまでとは一線を画す、予想だにしない物語が、いま、始まる。
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