アフレコ現場はリアル地学部!?　指出毬亜さんが作品を通して気がついた何気ない日常のキラキラ――冬アニメ『恋する小惑星』声優インタビュー連載第2回

空や土、地図……なんてことのない日常にキラキラが？

―― 改めて原作を最初に読んだ際の印象を教えてください。

指出：作中で描かれる高校生らしいリアルな悩みが印象的な作品だと思いました。高校生は大人と子供の中間ということもあり、子供みたいに無邪気に夢を語れるわけでもなく、大人みたいに冷静な考えができるわけでもない。それ故に将来の夢に対して自分だけまだ決まっていないという焦りや、夢はあるけれど本当に叶えられるのかという葛藤……当時の自分と重ねて共感するポイントがたくさんありました。

あと地学の知識もわかりやすく、親しみやすいんです！　これを学生のときに読んでいたら楽しく勉強できただろうなと思いました（笑）。

【ポイント還元版( 6%)】【コミック】恋する小惑星 1～2巻セット

―― 前回のインタビューで高柳さんと山口さんも同じことをおっしゃられていました（笑）。

指出：そうですよね！　ほかにも、原作の巻末についているおまけコーナー「旅する小惑星」では、Quro先生がJAXAといった施設に足を運んでお土産とか、豆知識などを紹介されていて、実際に行ってみたくなりました！

実際の地学の知識やおまけコーナーも含めて、原作ではリアルにあるものが描かれていて、それらの知識を得ることで何気ない日常が楽しくなる。そんな魅力が詰まった作品だと思いました。

―― たしかに。星空や地質、地図など、普段から目にするものばかりだからこそ、本作に触れた後は日常生活がいつもと少し違う風景に見えますよね。

指出：私自身、原作を読んでから、空や土、地図に注目するようになりました。これらは日常の中に必ずあるものなので、日々の生活でも空を見上げたり、地面に石が転がっていたら「あ、石だ！」となったり、カラフルな地図を見て嬉しくなったり。「こんなにも日常にキラキラがあったんだ！」と気づくことができました！

ほわほわした姿には意味が？　一生懸命なイノ先輩について

―― イノ先輩を一言で表すなら？

指出：一生懸命！　彼女は消極的なところもあるのですが、自分が頑張らないといけないと思ったときにはちゃんと一歩を踏み出すことができる女の子です。回を重ねるごとに、そういったシーンを演じる機会が増えています。

―― アフレコを通してイノ先輩の印象に変化はありましたか？

指出：見た目だけで言うなら、ほんわかしていてちょっぴり頼りない。そんな小さくて可愛いキャラクターだと思っていました。ですが、物語が進んでいくうちにしっかりしている部分や、大人なところを感じ取ることができました。

中でも挑戦する姿が描かれるようになってからは、ほわほわしている姿にも意味があったのかなと思うようになりました。

―― どういうことでしょうか？

指出：天文班と地質班で分かれている地学部ですが、イノちゃんが中立的な立場にいることで、部にまとまりができていると思うんです。ほわほわしていることすらも大事で、それが彼女自身で考えた末の行動だと考えると、私自身もリスペクトすべきだと感じました。

―― 中立だからこそ周りのことがよく見えている、もしくは見ようと頑張っているのかもしれませんね。ちなみにオーディションはいかがでしたか？

指出：イノちゃんはもちろんですが、モンロー先輩も受けました。イノちゃんは自分に似ている部分の多い女の子なので、あまりキャラクターを作らず素のままで挑みました！

―― 似ているところですか？

指出：普段はおとなしいけれど、好きなことになると熱くなるところでしょうか。

あと、行動力の高さも似ているかもしれないです。私は深く考えずに、一歩踏み出すことがあるので（笑）。だから未知の世界に踏み出したい好奇心はあるのかもしれません。

―― 最近、一歩踏み出した経験はありますか？

指出：カメラを本格的に始めたいなと！　星をスマホで頑張って撮ってみましたが難しくて……。そこで高校生の頃から興味があったカメラを、この機会に始めてみようと思いました！

ボディやレンズなど安い買い物ではないので手が出にくかったのですが、3,4年くらい温めてきたので、ここで奮発しちゃおうかなと！