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『Fate』シリーズ用語・ネタ解説【連載第6回・すまない……(すまないさん)】

【連載第6回・すまない……(すまないさん)】『FGO』がもっと楽しくなる!?『Fate』シリーズに関連した様々な用語・ネタを解説!

 

注意:以下のページに一部歴代TYPE-MOON作品の言及アリ

 

「すまない……」とは?

「すまない……」の元ネタは、『FGO』第1部1章におけるジークフリートの台詞から。

実は記念すべき最初の「すまない」は、負傷しているジークフリートに初めて遭遇した際、助けを申し出たマシュに対して発した「すまない、頼む……!」という、ごく普通の台詞だったのですが、その後もジークフリートが「すまない」と口にする場面が頻発。

中でもアマデウスとマシュの会話を遮って敵の襲来を知らせた際の「すまない……空気を読めない男で、本当にすまない……。」の台詞が、本ネタの誕生に大きな影響を及ぼします。

また現在のジークフリートは、強化クエストをすべてクリアすることで「竜殺し」の名にふさわしい、竜属性への高い特攻火力を誇るサーヴァントという位置づけになっているのですが、サービス開始当初は自身のATKと宝具のダメージの低さが相まって、特攻の対象である竜相手でも思ったほどダメージを与えられない(当時の竜属性エネミーは、ほとんどがライダークラス)という、やや不遇な性能をしていました。

にも関わらず、1章のストーリーではファヴニールに対抗するため「満を持して」という形で登場するため、ストーリーの扱いとゲームの性能にギャップが生じてしまったのも手伝って、「すまないさん」という愛称が定着することになります。

なお、2016年のハロウィンイベント「ハロウィン・カムバック! 超極☆大かぼちゃ村」では、「唐突にすまない……」と謝罪しながら、プレイヤーに2周目を強要させたり(※1)、「オール・ザ・ステイツメン!〜マンガで分かる合衆国開拓史〜」においては、当時放送中だったTVアニメ『Fate/Apocrypha』(※2)の宣伝をはじめたりするなど、ジークフリートが「すまない……」を口にする場面はその後も何度も登場。

▲唐突に空中に現れるジークフリート。「すまない」といえばこのシーンを思い浮かべる人も多いのでは。

▲唐突に空中に現れるジークフリート。「すまない」といえばこのシーンを思い浮かべる人も多いのでは。


※1 この流れは、この年のハロウィンイベントのパロディ元であるゲーム『魔界村』の展開を踏襲したもの。『魔界村』シリーズでは一度ラスボスを倒した後、さらに難易度の上がった2周目がスタートするという理不尽な展開が恒例となっており、それが忠実に再現されていました。

※2 ジークフリートは『Fate/Apocrypha』において、黒のセイバーとして登場。こちらでは主人公・ジークの命を救うために心臓を与え、物語の序盤で退場してしまっていたため、彼自身の活躍が本格的に見られたのは『FGO』からになっています。


「ダ・ヴィンチと七人の贋作英霊」では、「クラスで偶然隣の席になった気さくなアイドル」という設定の贋作英霊が登場し、「すまない……などと言うつもりはない!」と、ネタを逆手にとった台詞も飛び出すなど、派生(?)も豊富で、公式に逆輸入されたネタの筆頭と言っても過言ではない存在感を発揮しています。

▲オリジナルとは別の、贋作英霊として登場したジークフリート。ただこの時はこの時で「すまない」と思ってもいないのに口にするのは相手にとって失礼だという、贋作でもジークフリートらしい紳士な考えに基づいた発言になっていました。

▲オリジナルとは別の、贋作英霊として登場したジークフリート。ただこの時はこの時で「すまない」と思ってもいないのに口にするのは相手にとって失礼だという、贋作でもジークフリートらしい紳士な考えに基づいた発言になっていました。

なおジークフリートは、同じ竜殺しの英雄であるシグルドと同一人物とされることも多い人物。ジークフリートはドイツに伝わる叙事詩「ニーベルンゲンの歌」を原典とするのに対し、シグルドは「古エッダ」や「ヴォルスンガ・サガ」といった北欧神話が元ネタとなっているという違いがあり、『Fate』シリーズにおいては別々の存在として召喚されています。

そのため本来面識はないのですが、シグルドを愛するブリュンヒルデからは彼に近い存在として殺意を向けられることも。『ニーベルンゲンの歌』では、ジークフリートは妻であるクリームヒルトと、義兄の妻ブリュンヒルトの対立に巻き込まれて殺され、その復讐の念に駆られたクリームヒルトがさらなる争いを起こし、最終的に彼女も命を落とすという救いのない結末を迎えており、『Apocrypha』も含め、どこにいっても不幸体質から逃れられない運命を感じてしまいます。

▲華々しい英雄譚の果てに、救いのない結末を迎えるのがジークフリートの物語。その影響か、シグルド、ジークフリート共に、幸運のパラメータは「E」という最低ランクの値に設定されています。

▲華々しい英雄譚の果てに、救いのない結末を迎えるのがジークフリートの物語。その影響か、シグルド、ジークフリート共に、幸運のパラメータは「E」という最低ランクの値に設定されています。

余談ですが、ジークフリートの死後、クリームヒルトの夫となったのは、当時フン族の王として大帝国を築き上げていたアッティラ(つまりアルテラ)と思わしき人物であり、クリームヒルトはその軍事力を利用しようとしたという、ちょっと意外な繋がりも。『FGO』におけるアルテラは、その出自が特殊なこともあってその頃の記憶は曖昧なようです。

また、北欧神話にもフン族の王が元となった人物が登場しており、そちらではブリュンヒルデが妹として語られています。そのためか、『ネロ祭再び ~2017 Autumn~』で、ブリュンヒルデを妹として認識しているシーンもありました。

サービス開始初期に生まれ、すっかりおなじみのネタとして定着した「すまない……」。本来のジークフリートは、誰もが一度は名前を耳にしたことがあるであろう大英雄であり、非常にカッコいいキャラクターなのですが、完璧超人なだけではない、ちょっとトボけた面のギャップが明らかになったのも、『FGO』で彼が人気キャラクターとなる要因になったのかもしれません。

今後も本連載では、『Fate』シリーズに関連した様々なネタを解説していきますので、お楽しみに。

[文/米澤崇史]


『Fate』シリーズ用語・ネタ解説

◆第01回・ランサーが死んだ
◆第02回・ええー? ほんとにござるかぁ?
◆第03回・何度も出てきて恥ずかしくないんですか
◆第04回・おっと心は硝子だぞ
◆第05回・スカディシステム
◆第06回・すまない……(すまないさん)
◆第07回・王の話をするとしよう(マーリン)
◆第08回・いろんなガチャ宗教
◆第09回・他のサーヴァントに遅れを取ることもなかった
◆第10回・サクラファイブ

◆第11回・ガチャは悪い文明
◆第12回・沖田さん大勝利
◆第13回・おい、その先は地獄だぞ
◆第14回・フィーッシュ!!
◆第15回・俺のサーヴァントは最強なんだ!
◆第16回・ドスケベ公
◆第17回:ボクはキミの剣
◆第18回:溶岩水泳部
◆第19回:私は悲しい……(ポロロン)

◆[HF]第三章公開記念番外編・『Fate』シリーズには桜がいっぱい!?

『Fate/Grand Order』概要

タイトル名:Fate/Grand Order(フェイト/グランドオーダー)
ジャンル:FateRPG(フェイトRPG)
iOS/Android にて好評配信中
企画・開発・運営:DELiGHTWORKS Inc.(ディライトワークス株式会社)
製作:TYPE-MOON / FGO PROJECT
価格:基本無料(ゲーム内課金あり)

Fate/Grand Order 公式サイト
Fate/Grand Order 公式ツイッター(@fgoproject)
ハッシュタグ:#FGO

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