最終回目前！　春アニメ『かくしごと』原作者・久米田康治先生インタビュー「やっぱり自分はギャグ漫画しか描けないんですよ」

メディア出演した理由は「現世の思い出作り」

――『かくしごと』はギャグのパートと少ししんみりとしたパートが心地よく重なり合っていますが、先生が全体の構成として心がけていらっしゃることは？

久米田：押し付けがましい、いかにもな良い話が苦手なんです。照れちゃって無理。そうならないように、結果として切なくて笑ってしまう所に持って行ければ良いかなと。やっぱり自分はギャグ漫画しか描けないんですよ。

――アニメ化のおはなしがあった際の心境をお聞かせください。また、実際に映像をご覧になった感想や、放送後の反響についてどう思われましたか？

久米田：売れてなか……いや注目されてなかったので有難いなぁというのが最初の思いです。数字に表れなくても腐らず描いてれば拾ってくれる神様もいるんですね。アニメは「自分がこんな素敵な話描いたっけ？」ってくらい良いですよ。

演出やバランスでこうも変わるのかと、正直漫画はどうでもいいからアニメは観てくださいと言いたい。村野佑太さんほど若くて熱量があってそれをコントロール出来る監督はいないと思いますよ。

――原作とアニメを同時期に終了させるというのは久米田先生からのご提案とのことですが、どのような狙いがあったのでしょうか？

久米田：読者だった時、アニメが終わったら原作も終わった感あったからです。アニメ終わったのに連載だけ続いてるのに違和感がありました。現在のアニメ化は原作販売促進の宣伝の意味もあるから多少違うんだろうけど。

それと、最近アメドラ観ててもシーズン2,3,4と長過ぎで最後まで観れない。若者はみんなSNSで忙しくて時間取れないでしょ。1クールで十分です。

あと、潔いとか褒めてくれますが、単行本がもっと売れてたら喜んで続けてましたよ。その程度の潔さです。売れてないから終わっちゃおうってだけです。むしろアニメ化で10巻だったものが12巻まで延びたのです。

――今回のアニメ化にあたり、神谷浩史さんとの対談やBS日テレ『あの子は漫画を読まない。』などのメディアへご出演された理由は？

久米田：「現世の思い出作り」ですかね。一説によると漫画家の平均寿命は50歳なのでもういつお迎えが来るか分からないし、色んな人に会って色んな世界を観ておきたいなという気持ちです。

例え顔晒して恥かいてもすぐ死んじゃうし、という開き直りでもあります。まぁ若い時と違って尻晒すわけじゃあるまいし。一言で言って「老い」と「諦め」です。二言ですね。

折角そんな前向きな気持ちになった途端こんな世の中ですから、つくづく神様は僕を外に出したく無いんだなと。

［取材／喜多嶋さえ］

TVアニメ『かくしごと』作品情報

放送情報

TOKYO MX：2020年4月2日から毎週木曜24時00分～
サンテレビ：2020年4月2日から毎週木曜25時30分～
ＢＳ日テレ：2020年4月2日から毎週木曜23時30分～
AT-X：2020年4月2日から毎週木曜23時30分～
リピート放送：毎週（土）15:30／毎週（日）23:00／毎週（水）7:30

＜朝の家族放送＞
TOKYO MX：2020年4月5日から毎週日曜11時00分～

※放送日時は変更になる場合がございます
※朝の家族放送はリピート放送となります

【Blu-ray】TV かくしごと 1

配信情報

ｄアニメストア：2020年4月2日から毎週木曜24時00分～
ｄTV：2020年4月2日から毎週木曜24時00分～
ほか
　

イントロダクション

ちょっと下品な漫画を描いてる漫画家の後藤可久士。
一人娘の小学4年生の姫。

可久士は、何においても、愛娘・姫が最優先。

親バカ・可久士が娘・姫に知られたくないこと。
それは……自分の仕事が『漫画家』であること。

自分の“かくしごと”が知られたら娘に嫌われるのでは!?

“愛と笑い、ちょっと感動のファミリー劇場がはじまる――”
　

スタッフ

原作：久米田康治（講談社「月刊少年マガジン」連載）
監督：村野佑太
シリーズ構成・脚本：あおしまたかし
キャラクターデザイン：山本周平
総作画監督：西岡夕樹／遠藤江美子／山本周平
プロップデザイン：ヒラタリョウ
美術監督：本田光平
美術設定：岩澤美翠
美術：草薙
色彩設計：のぼりはるこ
撮影監督：佐藤哲平
撮影：旭プロダクション白石スタジオ
編集：白石あかね
音楽：橋本由香利
音響監督：納谷僚介
音響制作：スタジオマウス
音楽制作：エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作：亜細亜堂
製作：かくしごと製作委員会
　