冬アニメ『EX-ARMエクスアーム』斉藤壮馬さん、小松未可子さん、鬼頭明里さんインタビュー｜主人公は脳みそ!? アクションあり、笑いもありな近未来SFを堪能せよ！

漫画：古味慎也、原作：HiRockによる近未来SF『EX-ARMエクスアーム』がTVアニメとして1月から放送がスタートする。未知の兵器『EX-ARM』を巡る警察と犯罪組織の戦いを描いた作品で、3DCGによる映像体験も楽しみにしていてほしい。

夏目アキラ役の斉藤壮馬、上園美波役の小松未可子、そしてアルマ役の鬼頭明里に、作品の魅力について話を聞いた。

個性的なキャラクターが登場する近未来SF

――原作を読んだ印象を教えてください。

斉藤：オーディション時に読ませていただいたんですけど、SFバトルモノは大好きなので、一気に読んでしまいました。壮大なストーリー展開の中にも日常のユーモアだとか、人を思う気持ちの大切さとか、いろいろな切り口のテーマが盛り込まれている作品だと思いました。

原作は長く続いているものなので、アニメでどうまとめるのかなと思っていたのですが、たとえば夏目アキラで言えば、かつて東京の大事件に関与していたのかどうなのか、それならばどういう形なのかという謎で引っ張っていくような作りで、原作と軸は一緒なんですけど、見どころや見ごたえがそれぞれで違うと思います。あとはバトルシーンが大きな肝になってくると思うので、そこは僕自身が楽しみにしているところですね。

小松：近未来を舞台にしていて、テーマ的に難しいのかなと思ったんですけど、かなり個性的な、ぶっ飛んだキャラクターがたくさん出てくるので、それがやわらいでいるというか。展開が派手に感じました。あと、AIというテーマって、これまでもいろいろな作品でかかげられていますけど、AIと心の部分の答えってなくて、作品ごとに未来に託されている感じがするんです。それがこの作品にも感じられたので、すごく素敵だなぁと思いながら読んでいました。

鬼頭：リアルなタッチの絵で、私も難しそうな話なのかなと思いました。想像以上に壮大な話で、アンドロイドは出てくるし、主人公のアキラは脳ミソだし、これは新しいな！と思いました。

ただ、みかこしさん（小松）が言う通り、重たい内容ではあるけど暗い雰囲気でもなくて読みやすかったですし、続きが気になるんですよね。主人公たちがどうなるのか、世界がどうなっていくのかが気になってしまって、読むのが止まらなかったです。

――3人が演じるキャラクターも個性的ですが、それぞれどんなことを意識して演じましたか？　斉藤さんに関しては、いきなり脳だけになってしまいましたが。

斉藤：そうなんですよ（笑）。ただ僕が今のところ聞いている話だと、エフェクトはかけないということだったんです。アキラは脳だけになっていますけど、作中でも人間だと思っていたので、「自己認識では普通の人間」というベースからスタートしました。だから、身体がないんだってアキラが気づくときに自分も一緒に気づくようにしたというか。

特に序盤だと、取り立てて特徴のない平凡な、料理が得意で機械が苦手な高校生なので、当然カッコよくなり過ぎない、等身大の男の子の感じが出せたらいいなと思っていました。ただ、大いなる運命の流れに放り込まれて翻弄されていくので、アキラが一歩踏み出すまでのスピードは、アニメだと早くなっている感じがしました。だから、彼が一歩踏み出すときは、迷いとかは引きずりすぎず、覚悟を持った表現ができたらいいなと思いました。

――小松さんが演じる上園美波は、真っ直ぐな役でしたね。

小松：実年齢よりは幼く見える印象があったんですけど、彼女のバックボーンとかを探っていくと、めちゃめちゃポテンシャルが高い人間なんですよ。もともと交通課にいたんですけど、それにとどまらない能力があるというか。ヘリを操縦できたり、車で爆走したり、射撃もできたりするので警官としてのレベルはすごく高いんですよね。

それとアキラに対してはお姉さん目線、あるいは母のようでもあるので、叱咤激励するときはエネルギッシュな感じにしています。結構美波はエネルギーが有り余っているので、自分が付いていくのに必死でした。

――アルマと一緒になることは多かったですが、接し方や距離感は変化をつけたりしましたか？

小松：美波って、コントロールして変えている感覚がないと思うんです。アンドロイドであるアルマに対しても、本当に人と同じように接しているというか、人だと思って接しているんです。ただ、そうは言ってもアキラはアルマに関しては特別な感覚は芽生えているとは思っています。

――アルマはアンドロイドという難しい役どころでしたね。

鬼頭：アルマはすごく精密なアンドロイドで、ほぼ人間に近い感じなんですけど、心というものが人間よりあるわけではないんです。でもアキラや美波たちと一緒に行動することによって、どんどん人間らしさというか、心みたいなものを得ていくので、すごく微妙なところではあるんですけど、些細なところで人間らしさを表現できたらいいなと思いながら演じていました。