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『Fate』シリーズ用語・ネタ解説【連載第20回:なんでさ】

【連載20回:なんでさ】『FGO』がもっと楽しくなる!?『Fate』シリーズに関連した様々な用語・ネタを解説!

注意:以下のページに一部歴代TYPE-MOON作品の言及アリ

なんでさ とは

「なんでさ」とは、『Fate/stay night』の主人公、衛宮士郎の口癖。「なんでさ。」と句点とセットで記述されたり、「何でさ」と漢字表記になったり、いくつかバリエーションも存在します。

口癖とはいいつつも『Fate/stay night』の本編においては、それなりの回数を口にしてはいるものの、日常のさりげない会話のやりとりで使われているのがほとんど。とくにゲームをプレイした人でも、士郎の口癖として強く印象に残ったという方はあまり多くないのではないかと思います。(PC版『Fate / stay night』の初回特典として付属していた『Fate/side material』の用語辞典には「衛宮士郎の口癖」として記載されているので、この時点から口癖として設定されていたことは間違いありません)

その後、「なんでさ」が定着することになったきっかけと思われるのは、ファンディスクである『Fate/hollow ataraxia』や、武梨えり先生のアンソロジー『TAKEMOON』を原作としたOVA『Carnival Phantasm』でしょう。こうしたギャグ色の強い作品では、士郎が理不尽な状況にさらされることが少なくなく、それに対するツッコミとして「なんでさ」が何度も使用されることに。『hollow ataraxia』の風雲イリヤ城では、「士郎が『stay night』本編で何でさと言った回数は46回?」という○✕クイズの問題も出題されました。(正解は✕なので、正確な回数は不明)

また『Carnival Phantasm』では、ロケットで飛ばされた士郎が「なんでさ」と絶叫したり、次回予告のタイガー道場で、「士郎のテーマ」として「なんでさ」を連呼するラップが披露されるなど、強烈な印象に残る使われた方が多くなされていました。そのためファンの間で完全に定着したのは、この時期ではないかと思われます。(とくに「士郎のテーマ」での伊藤美紀さん&門脇舞さんによるラップは必聴)

TYPE-MOON恒例のエイプリルフール企画では、複数回に渡ってネタとして使われていたことも個人的に印象深いです。とくにTYPE-MOONキャラクター達がTwitterを始める2010年のエイプリルフール企画「TMitter」では、慎二やバゼットのツイートに対して士郎が「なんでさ。」とツッコミを入れるリプライを飛ばしていました。(余談ながら、この時の慎二のアカウントは優等生キャラとして猫をかぶった、良識人ぶったものになっており、作中とのギャップが凄まじいです)

さらにその5年後、同様の企画が「TMitter2015」として実施された際には、人気AVGゲーム『逆転裁判』シリーズの主人公である成歩堂龍一(ナルホドくん)をパロディした、新米弁護士(ナンデサくん)として登場。「意義あり!」の代わりに「なんでさ!」とツッコミを入れ、イタコの特技をもつイリヤが助手、言峰がライバル検事という配役となっているなど、『逆転裁判』シリーズのファンなら爆笑必死のこだわりの設定になっていました。

一方『FGO』においてはあまり使われる機会はなかったのですが、実はエミヤからもらえるバレンタイン礼装のマテリアルにはこっそり「なんでさ」ネタが仕込まれており、目ざといTYPE-MOONファンの中には気づいた方もいるのでは。おそらく今年も2021年のバレンタインイベントが実施されると可能性が高いので、昨年~今年にエミヤを召喚できた、あるいはまだエミヤからバレンタイン礼装をもらったことがないという方は、是非とも礼装のマテリアルを確認してみてください。

またこちらは言うまでもないかと思いますが、士郎の疑似サーヴァントである千子村正が、2021年の正月ピックアップにより実装。メインストーリーでは、異星の神に召喚されたアルターエゴという衝撃的な立ち位置での再登場となった村正ですが、こちらではセイバークラスの霊基でカルデアに迎え入れることができるようになりました。

他の疑似サーヴァントたちと異なり、村正は我々がよく知る士郎とは口調や性格が異なっているため、これまで村正の人格が表に出てきていると考えられていたのですが、実は人格のベースは士郎の方で、「士郎が村正の時代に転生して歳をとった」というIFの世界で形成された人格に近い可能性がマイルームのボイスで仄めかされています。

一方マテリアルでは、「士郎が真っ当に人生を送り、老年期まで年齢を重ねられたなら同じような人格になっていたかもしれない」という記述もなされており、彼も衛宮士郎が到達した一つの姿であると言えます。そうなると、いつか村正の口からも「なんでさ」のセリフが飛び出す日が来るかもしれません。

召喚時には「なんでさ」ではなく「なんでぇ」というセリフを口にする一幕も。

他にもマイルームでは、村正がエミヤやアルトリアに反応する一方、イシュタルやシトナイが村正に反応したりと、『stay night』ゆかりのサーヴァント間での特殊ボイスも聞くことができます。『stay night』ファンなら、その尊さで涙腺を刺激されることは請け合いなので、召喚に成功している方は是非ご確認を。

満を持して実装された村正。散々焦らされただけはあり、戦闘でのアニメーションの作り込みも凄まじく、再臨ごとにモーションも一新されるという超豪華仕様。TVアニメや『Realta Nua』で言峰へのトドメに使用した、宝石剣を拳で突き立てるアクションもEXアタックで再現されていたり、とにかく芸が細かいです。

長い月日を経て、ファンの間に定着した「なんでさ」。こちらも「ランサーが死んだ!」と同様、『Carnival Phantasm』の影響を強く受けたネタといえますが、その『FGO』版となるOVA『Fate/Grand Carnival』が、2021年6月に発売されることも決定。また新たなネタを生み出してくれるのではないかと期待が高まります。

今度も本連載では、『Fate』シリーズに関連した用語・ネタの解説を行っていきますのでお楽しみに!

[文/米澤崇史]


『Fate』シリーズ用語・ネタ解説

◆第01回・ランサーが死んだ
◆第02回・ええー? ほんとにござるかぁ?
◆第03回・何度も出てきて恥ずかしくないんですか
◆第04回・おっと心は硝子だぞ
◆第05回・スカディシステム
◆第06回・すまない……(すまないさん)
◆第07回・王の話をするとしよう(マーリン)
◆第08回・いろんなガチャ宗教
◆第09回・他のサーヴァントに遅れを取ることもなかった
◆第10回・サクラファイブ

◆第11回・ガチャは悪い文明
◆第12回・沖田さん大勝利
◆第13回・おい、その先は地獄だぞ
◆第14回・フィーッシュ!!
◆第15回・俺のサーヴァントは最強なんだ!
◆第16回・ドスケベ公
◆第17回:ボクはキミの剣
◆第18回:溶岩水泳部
◆第19回:私は悲しい……(ポロロン)

◆[HF]第三章公開記念番外編・『Fate』シリーズには桜がいっぱい!?

『Fate/Grand Order』概要

タイトル名:Fate/Grand Order(フェイト/グランドオーダー)
ジャンル:FateRPG(フェイトRPG)
iOS/Android にて好評配信中
企画・開発・運営:DELiGHTWORKS Inc.(ディライトワークス株式会社)
製作:TYPE-MOON / FGO PROJECT
価格:基本無料(ゲーム内課金あり)

Fate/Grand Order 公式サイト
Fate/Grand Order 公式ツイッター(@fgoproject)
ハッシュタグ:#FGO

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